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ラグビー・リーグワン開幕戦に行ってきました!

ワールドカップの熱い余韻…というほどには世間に余韻はないかもしれませんが、日本にラグビーの季節がやってまいりました。3シーズン目を迎えるリーグワンの開幕。もはや「例年通り」といった話でもありますが、今季も世界からビッグネームが続々と日本にやってきました。「シーズンも短いし、季節もちょうどいいし、日本は過ごしやすいよね」という隙間産業的な動きかもしれませんが、どんな経緯であっても、これだけのビッグネームが集ったリーグが面白くならないはずがない。

ということで、僕もご近所のチームの開幕戦へと足を運びました。このめでたき開幕の日に訪問させていただいたのは、東芝ブレイブルーパスと静岡ブルーレヴズの一戦。東芝にはワールドカップ決勝の舞台にも立ったオールブラックスの司令塔リッチー・モウンガさんと、同じくオールブラックスのシャノン・フリゼルさんが新加入しました。東芝の名前を日本に轟かす、そんなシーズンとなるよう期待を込めて、モウンガモウンガしてまいりました。

↓快晴に恵まれた開幕の日、やってまいりましたリーグワン開幕戦へ!
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スタジアムには穏やかな空気が広がり、開幕戦とは言っても平和そのもの。「どうせちゃんと見ない手荷物検査ならやらなくていいことにします。我々はラガーマンですから」といった雰囲気の運営も、緩やかでいい感じです。本日のスタメンボードにはモウンガさんをはじめとした選手たちが写真入りで紹介されており、その前で記念撮影をする親子連れやカップルの姿も。皆さん幸せそうなイイ表情です。

そのスタメンボードの横に貼られていたファンクラブプレミアムメンバーの皆さまを紹介するボードには、ファンのハンドルネーム的なものが紹介されており、掲示希望しないさん、なしさん、希望しないさん、希望しませんさん、希望しませんさん(※ハンドルネーム被りの2人目)、希望しませんさん(※ハンドルネーム被りの3人目)など、たくさんの奥ゆかしいファンが名を連ねていました。「そうかー、掲示は希望しないって記入すると、希望しないって名前で掲示されるんだー」というのは意外な発見だったかもしれませんが、来場時サプライズって感じでいいですよね。

↓入口で出迎えてくれた東芝のマスコット・ルーパスくんです!
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↓本日のスタメンが並んだボードとプレミアムメンバーの皆さんのお名前!
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↓奥ゆかしいファンの名前が並んでいました!
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↓スタンドには開幕を待ちわびたお客さんが大勢集まりました!
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上層を使っていないのはお客さんが少ないんじゃなくてスタジアムが大きいんだぞ!

この日の観衆は11553人でした!

スルスルッと座席に着くと特に何事もなくスルスルッとキックオフの時間を迎えます。偉い人のご挨拶と和太鼓の演奏など簡単な式次第を経ると、あっという間にキックオフへのカウントダウンのコールが始まりました。「ははーん、『皆さまが本当に見たいのは余興ではなく試合ですよね』という質実剛健スタイルだな?」と僕も好印象を抱くシンプルさ。開幕戦の日にアーティストさんを呼んでは「俺たちが応援歌を歌う大事な時間に歌手を呼ぶんじゃねぇ!」と毎年揉めているJリーグ界隈の運営もこのぐらいのシンプルさを取り入れたらいいかもしれませんね。

↓スタメン発表ではひと際大きな声があがったリッチー・モウンガさんのコール!
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↓言っていることはあんまりよくわからないけれど、とにかく紳士であることは伝わる意気込み!
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↓和太鼓のリズムに乗せて選手たちがやってきました!
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↓そしてあっと言う間にキックオフです!
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まず先制したのは東芝。「接点無双」の意気込み通り、中盤での攻防を圧力でジワジワと押し切ると、モウンガさんの鋭い展開、フリゼルさんの突破を活かし、前半2分にいきなりのトライ。視野が広くて、それを活かす技術も高い。見ていても面白い連続攻撃からのトライでした。一方、静岡も負けてはいません。スクラムでは体重差を跳ね返して東芝を押し込むところを見せると、モールでもチーム一丸の動きで東芝守備陣を押し込む強さを見せ、前半9分にはモールの流れからトライを返します。前半16分にもスクラムで押し込んだところから逆転のトライ。序盤からスコアが動くアゲアゲな試合です。

↓静岡は相手をスクラムで押し留めつつ素早い持ち出しを狙う攻撃が効果的でした!
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しかし、地力はやはり東芝か。前半25分に桑山淳生さんの単独突破でトライを決めると、前半30分にもワールドカップ日本代表ジョネ・ナイカブラさんが相手DFをステップで振り切る快速を見せてトライ。静岡のあわやトライという攻撃をすんでで食い止めたあとの前半38分には、フリゼルさんが中央から相手のラインを割って大きくゲインしたのち、最後はセタ・タマニバルさんがトライを決めて再逆転。

それでも静岡は決して多くはない攻撃機会を着実に得点に結びつけて粘ります。前半終了間際にはかなり距離のあるペナルティゴールを家村健太さんが決めて、東芝22-20静岡というほぼ互角の折り返しとすると、後半開始直後にもペナルティゴールを決めてあれよあれよと再々逆転。「前半のホーンが鳴った時点では東芝が5点勝っていた」のに「後半2分には静岡が逆転していた」という流れは、開幕戦にふさわしい熱いシーソーゲームでした。周辺からも「ここでペナルティ狙っても届かないだろ…おおおお決まった!」的な驚きや、「この試合おもしれー!」といった盛り上がりの声が多数上がっていました。

↓東芝はトライがたくさんあるものの、モウンガさんのキックが決まらず、前半だけでコンバージョンを3本外したのも熱戦の要因でした!

その熱戦に決着をつけたのは、東芝・ナイカブラさんの大爆発でした。後半15分、中央でモウンガさんが相手守備を引きつけてから大外のナイカブラさんに飛ばす見事なお膳立てのパスで再々々逆転のトライを決めると、つづけざまの後半18分には中央を突破したフリゼルさんが大外に余っていたナイカブラさんに送って、ナイカブラさんはハットトリックとなる3トライ目。静岡がクワッガ・スミスさん(※南アフリカ代表/2023ワールドカップ優勝メンバー)のトライで追いすがるも、後半29分に「キックして裏に転がし、自ら拾ってトライにつなげる」という個人技を見せてまたしてもナイカブラさんがトライ。ナイカブラ、ナイカブラ、ナイカブラ、ナイカブラのド派手な花火大会のようです。

結局試合は東芝が43-30と勝利。両チーム合わせてトライ7本が飛び出すという、開幕戦から大変景気のいい試合を見ることができ、個人的にも大満足の一戦となりました。東芝はもともと展開からの攻撃や接点での圧力に強みがあるチームではありましたが、テンポ・視野・発想・技術すべてで明らかに別格のモウンガさんが司令塔となり、そして随所で強烈な突破を見せていたフリゼルさんがフォワードに加わったことで、チームの強みを増す大型補強が2枚大成功した模様。優勝候補の一角として、今季を大いに盛り上げてくれそうです!

↓モウンガさんが相手守備を釘付けにしてナイカブラさんのトライをお膳立て!これだけ周囲に誰もいないトライだと練習みたいですね!
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↓自分で蹴ったボールを自分で拾って飛び込むナイカブラさん!
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↓早くも黄金コンビという感じが漂うモウンガさんとナイカブラさん!
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↓試合後は互いを讃え合ってノーサイドです!
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とまぁ、大変盛り上がった試合でしたが、試合後にもさらにもうひと盛り上がりが。東芝では「ファミリーロード」と称して、ファンクラブ有料会員を対象に選手がお見送りをするというイベントを実施しており、これが大変な賑わいを見せていました。選手(+ヘッドコーチら)が作る長い列が3つほどに分かれてお客様をお迎えし、ファンたちが通過しながらグータッチや写真撮影などを行なうという微笑ましい交流は、「今からでもお金払ってファンクラブ入ろうかな?」と思わされる光景でした。

この日はやはりモウンガさん狙いの人が多いようで、モウンガさんのいる列にはとりわけ長い行列が。序盤は「どこにモウンガさんはいるんだ!?」という運否天賦の感じもありましたが、列が進むごとに「モウンガさんは真ん中の列にいました!」というのが後ろに伝わったようで、モウンガさんの列がグンと伸びる格好に。最後のほうはほかの列が若干ヒマするくらいの人気となっており、改めてオールブラックスのスターの輝きというのを感じる場面でした。

運営さんの待機列分散への対策が「選手が列を移動する可能性があります!」というものだったことについては「全員1列にして『立ち止まらないでください』のほうがいいんじゃないですかね」とは思いつつ、まぁ、ちょっと思い通りにならないくらいのほうが次回への楽しみも増すというものです。お目当ての選手の列に当たらなかった方も、次回また楽しまれることでしょう。コロナ禍も落ち着いたということで、こういう楽しみもまたドンドン増えていくといいなと思うリーグワン開幕戦でした!

↓ファミリーロードに参加するためにファンクラブ入るのもアリですね!
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モウンガさん(だけじゃないけど)と毎試合交流できると思ったらレギュラー会員5500円は他チームファンでもアリ!

これでこそ「ファンクラブ」って感じがしますよね!



「モウンガ中央!」「リーチ左!」とかスタンドから言えばよかったですかね!