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2025年07月15日08:00
勝利というデザートがないこと以外は完璧でした!
ヒマなプロ野球ファンの目が一身に注がれ、恍惚感を覚える埼玉西武ライオンズ界隈の皆さん、こんにちは。14日、我が埼玉西武ライオンズは2年ぶりの東京ドーム開催を敢行し、普段はなかなかベルーナドームまで遠征できない首都圏のお客さんを大いに楽しませることに成功しました。残念ながら勝利することはできませんでしたが、この日の試合はこのカードだけということもあって、12球団の皆さまにマンデーベースボールをお届けできたことはとてもよかったなと思います。首都圏のライオンズファン・プロ野球ファンの皆さん、機会がありましたらまたお会いしましょう!
↓涼しくてあったかくて近い東京ドームには4万1376人の大観衆が集結!
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— パ・リーグ.com / パーソル パ・リーグTV【公式】 (@PacificleagueTV) July 14, 2025
試合ハイライト
埼玉西武🆚北海道日本ハム
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北海道日本ハムが投手戦を制す‼️
達孝太投手は2度目の完投勝利でデビューから7連勝🌟#seibulions #lovefighters #達孝太 #パ・リーグインサイト
👇ハイライト動画はこちらhttps://t.co/04ig210vEu
↓東京ドームに縁のある巨人OBの片岡保幸さん、中島宏之さんが始球式をつとめてくれました!
中島さんが見た目で全部持っていった感強し!
名誉のために代弁すると、オンカジとかはやってないと思います!
名誉のために代弁すると、オンカジとかはやってないと思います!
片岡さんが語るベルーナドームの思い出が「ベルーナドーム寒いですけど、寒い日も、暑い日も、そして暑い日も、熱い声援を送っていただけるのですごい心強い」という気候ネタ100%だったりするあたりは、最近のライオンズ事情もリサーチ十分という感じでとても嬉しい限り。クチには出さないものの誰しもが「やっぱり本物のドームは過ごしやすいなぁ」という東京ドーム開催への喜びがあふれ出すかのようで、埼玉から平日の夜にはるばる遠征してきた本拠地民も心でハイタッチをしたに違いありません。来場者へのユニフォームの配布や、試合前後のCHEMISTRYさんによる国歌斉唱&スペシャルライブのイベントなどもあり、これはもう試合前にチケット代の元は取ったなくらいの盛り上がりようです。
あとはラストピースとして「勝利」というデザートを添えるだけ。そのわずかな可能性を追って我が方が先発のマウンドに送るのは自慢の先発2本柱・隅田知一郎さん。しかし、対する日本ハムも先日西武を相手に完投勝利をしたばかりの新人王最右翼・達孝太さんを先発に立てる鬼起用。「ほぼ中立地、どっちかと言えば日ハム寄りの東京ドームなら勝利後の達孝太が実力相応の感覚で西武打線を煽っても炎上騒ぎにはならないだろう」といった見立てのもと、どうやら東京ドーム開催に花を添えてくれるつもりは微塵もなさそうです。よーしわかった、「ドームなのにエアコンが効かないニセドーム球団」と「夏なのに寒くてドームの屋根を閉める寒冷耐久ドーム球団」とが本物のドームで雌雄を決する真剣勝負、やられてやろうじゃありませんか。
我が方先発の隅田さんはやや制球定まらないところもありつつも、力強い投球で立ち上がりからしっかりとゼロ行進。「今のウチの打線には1点も期待できない」というエースの自覚を乗せたボールで日ハム打線を抑え込みます。一方、打線のほうはというと、6月29日に4安打1得点で完投勝利を許した日ハム・達さんの前に攻略の糸口をつかめません。初っ端に結果を出したことで今はファンからの期待値が高い仲三河優太さんあたりも、難しい高さのボールに手を出して豪快に三振するなど、2週間程度では状況は何も変わりはしないという現実を見せつけられることに。2回裏のエラー出塁⇒四球⇒外崎修汰さんの貴重な進塁打で築いた二死三塁のチャンスも、期待の渡部聖弥さんが打ち取られて先制とはならず。緊迫の投手戦がつづきます。
そんななか先に試合を動かしたのは日ハムでした。5回表、安打⇒送りバント⇒サードゴロで二死二塁とした場面、打席には水谷瞬さんを迎えます。ここまで本塁打8本と西武で言えば大主砲クラスの打棒を誇る水谷さんが相手ですが、ここで逃げていては勝負になりません。むしろ一塁が空いている今こそ、クサイところで四球前提の勝負を仕掛けるいい攻め時です。「スリーボールか…うーん申告敬遠!」などとエースが逃げ回っていてどうやって勝つものか。残念ながらここは判断に技術がついてこず、変化球が真ん中に入る大失投で先制のツーランを許しはしましたが、プロ野球の醍醐味を感じる熱い勝負だったなと思います。
↓普段日ハムを見る機会がない首都圏のパ・リーグファンがパイナポーを見られてよかった!
ベルーナドームや千葉マリンへの遠征、大変ですもんね!
首都圏の皆さま、パ・リーグを存分にお楽しみください!
我が埼玉西武ライオンズもこのまま終わるわけにはいきません。東京ドームに高らかに球団歌を響かせたあとの7回裏、前回の対戦でも達さんから一発を放ったネビンさんが西武ファンが待つライトスタンドに追撃の一発を叩き込むと、8回表には隅田さんからマウンドを受け継いだ羽田慎之介さんが日本人左腕1軍公式戦最速となる160キロの剛速球で日本の野球ファン全体をどよめかせてみせます。ホームランと剛速球、野球の花とも言えるプレーを見せてくれた若獅子たちの奮闘には、東京ドームも大いに喜んだことでしょう。見せ場は十分でした。
↓捕手と球審との総合力があればストライクでもおかしくないナイスボールでした!
球速は正義!
数年後には日本のチャップマンになってくれるでしょう!
1点差の緊迫した展開のまま最終回までつなぎ、最後はセデーニョさん・牧野翔矢さんの連続代打攻勢から、この日ホームランを放っているネビンさんを迎え「一打同点」のチャンスで締めくくるという美しい試合運びを見せた埼玉西武ライオンズ。最後まで勝利の可能性と期待感でファンを釘付けにする見事な東京ドーム開催となりました。これではさすがの僕も「最後まで球場に残ってくださったCHEMISTRYファンの皆さま…」から始まる筋違いの御礼を述べるわけにはいきません。CHEMISTRYファンの皆さんもスペシャルライブと同じくらい野球を楽しんでくれたはず、そう胸を張ろうと思います。「試合前にやってくれたほうがありがたいです」「試合前にやってくれたほうが確実」「無駄に野球が長いパターンもあるのでライブは試合前がいいです」などの貴重なご意見を拝聴しつつ、また首都圏開催の機会があれば再訪いただけると嬉しいなと思います。次回は勝利という最後のデザートまで添えられるよう、野球も頑張ってくれると思います!
↓お得しかないスペシャルライブ、ありがとうございました!
『ライオンズ75周年シリーズ』のゲストとして、#CHEMISTRY さんが来場!
— 埼玉西武ライオンズ (@lions_official) July 14, 2025
国歌斉唱をしていただきました!
試合後はスペシャルライブにも出演していただきます!#埼玉西武ライオンズ #seibulions #ALLONE #東京ドーム開催 pic.twitter.com/vg2T6Eodmy
とまぁ、個人的感覚としては大成功に終わった東京ドーム開催。てっきり界隈も上機嫌でCHEMISTRYさんのメガネのかけ方などの思い出話に花が咲いているかと思いきや、意外や意外SNSは荒れ狂っている模様なのです。曰く「外崎に送りバントをさせない采配が悪い」とか「水谷に申告敬遠しない采配が悪い」とか「代打牧野などと言い出す采配が悪い」とか結果論で繰り広げられるいつもの罵詈雑言。どの場面も難癖というか、残念ながら結果は出なかったものの、いずれも納得の采配だっただろうと思いますが、どうにも界隈には不機嫌が多いご様子。
2回裏の攻撃、確かに外崎さんに送りバントをさせれば一死二・三塁にはなったでしょうが、そのあとは四球許容のボール球勝負から8番・9番までで仕留められて結局無得点だったことでしょう。大して結果が変わるものではありません。水谷さんに申告敬遠すればあのツーランはなかったかもしれませんが、仮にもエースに二死からボール球勝負の選択肢を奪って申告敬遠させたなどとなれば、未来に禍根を残す逃げになります。全員プロで組んでいる打線を相手にベタオリで逃げ回って勝てるものではないのですから、「抑えろ、四球でもいいぞ」「あ、失投した」「あちゃー、しゃーない」で話は終わりなのです。牧野さんより仲三河さんの三振を見たいというフレッシュな期待感は理解できますが、この日の仲三河さんの打席を見ていたら「打てる気せん」となるのは当たり前のこと。相手が継投に入っていればそのまま打席に送ったかもしれませんが、まぁあそこは動いて当然でしょう。負け試合&打てない前提で一応のチャンスを与える再建期の起用としては納得感のある代打策だったなと思います。打てる気しない相手に無駄に三振すれば、それだけ若い芽をファンが罵詈雑言で潰すまでの時間も短くなりますしね。
ある意味、首脳陣に求められる采配の一端に、罵詈雑言のマネジメントというのもあるのかもしれないなと思う昨今です。勝率5割キープの新人レジェンド監督に対してでさえオールスター前に罵詈雑言が飛び交う現代SNS社会では、選手の成長のためには純粋な育成だけでなくSNSマネジメントも必要なのかなと思います。勝率5割キープの新人レジェンド監督に対してももう我慢がならなくなりつつあるSNSから期待の若手を守るためには、ダメそうな日は早めに逃がすという判断も大事だろうと。それが現代における「じっくり育てる」ということなのかなと思います。監督や球団よりSNSのほうが先に耐えられなくなりますからね。「じっくり」と言ったクチが20打席くらいでキレ始めるのがSNSですからね。
そういう意味では、西口監督は本当に頼もしいなと思います。勝っても負けても超然としたアルカイックスマイルをたたえ、「今日は負け試合」と見切ったら勝ち試合用の戦力を一切起用せず「負け試合用のメンバーできっちり負ける」という妥協なき采配ぶりは、現役当時から変わらぬ不動心だなと唸ります。たとえば普通の人間なら完全試合やノーヒットノーランを逃せば落胆もし引きずりもするでしょうが、西口監督はそうした未確定の甘い夢には昔も今も引きずられないのです。見つめるのはもっとも厳しい現実のみ。たとえ謎の敵の幻術によって「今日は打線が奮起して逆転するかも…」などと甘い夢を見せられたとしても、負けている状態で勝ち試合用の投手を無駄に起用したり、打てそうもない場面で若い芽を無駄に批判にさらしたりはしない、そんな名将なのかなと思います。その鋼の精神力で再建期を乗り越えてほしい…そう思うシーズン中盤戦。悲願の「オールスターまでに5割」達成は、まだまだ現実的目標です!
↓オールスターまでに5割を達成できれば、新戦力の上積みでシーズン5割も見えてくる!
ようこそライオンズへ!
— 埼玉西武ライオンズ (@lions_official) July 11, 2025
J.D.デービス 選手と支配下選手契約を結びましたのでお知らせいたします。
#埼玉西武ライオンズ #seibulions pic.twitter.com/1fmCcyGVAN
気づけばあと2勝(※引き分けでも可)で100敗回避も確定!
もう今季は現状で十二分に合格点だと思います!
全試合勝とうとしない、という簡単そうで難しいことを実践できる名将!