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お母さん、いつもありがとう!

母の日の感謝を最大級に示すために、当日開催のGI・NHKマイルカップに母の日軍資金を投入し、倍増狙うもオケラとなった皆さん、こんにちは。母の日の軍資金(←軍資金と呼んでる時点でどうかと思うが)は量の多寡ではなく感謝の思いこそが大切ですので、増やすとか増やさないとかの発想は来年から捨てていただければと思います。オンラインカジノでも「母の日ラッシュ」とかあるのかもしれませんが、絶対に賭けてはダメです!NHKマイルは難し過ぎます!

さて、母の日のプロ野球界隈ではバットやらグローブやらを審判やらをピンクに染めて、感謝の思いを表現することが恒例となっています。そんなムーブメントを季節イベントとでもとらえたでしょうか。何と5月11日の真昼間、TBS地上波にて埼玉西武ライオンズVS千葉ロッテマリーンズの試合が生中継されるというではありませんか。ベイスターズの試合でもなくあえての西武戦をTBS地上波でやる、これは母の日関連でもなければあり得ない異常事態と言っていいでしょう。こんなどうでもいい…じゃなくて首位争いでも国民的選手がいるわけでもない試合を地上波生中継していただけるだなんて。

しかも、その中継には「お母さんにしっかり感謝するんだぞ」というメッセージを携えた超大物解説者がやってくると言うのです。大変な親不孝者であり心からの親孝行者でもある西武OB・清原和博さん、その人です。相棒兼後見人として大魔神・佐々木主浩さんを伴い、清原さんは12年ぶりにベルーナドームの敷居をまたぎました。清原さんのお母様はすでに他界されていますが、きっとこの姿を見ていてくださったと思います。ご子息が大切な場所に帰ってこられた、その姿を。

↓清原さんがベルーナドームに帰ってきました!


↓2009年WBC解説ドタキャンにより出禁となっていたTBSからもお赦しいただけたようです!


↓何かもう「清原!感謝を忘れるなよ」を発端に組んだ中継のような気さえしてきます!


チラッと映っている源田壮亮さんもママへの感謝をしっかり示してくださいね!

「感情のこもった謝罪」を、永遠に!



そして始まった中継。清原さんと佐々木さんはシックなスーツの胸にピンクのカーネーションを挿して中継席に現れました。ガタイのデカさとコワモテから普段は反社っぽいファッションになりがちなおふたりですが、胸元の一輪のおかげでこの日は「パーティー会場で何かを画策しているときの反社」っぽい明るい出で立ちに。ご本人たちは「(カーネーションつけたりするような)そういうふたりではないはず(笑)」と言いますが、薄暗いベルーナドームさえもパッと明るく華やぐよう。清原さんは久々の古巣登場ということで緊張の面持ちを見せつつ「ライオンズの選手たちが母の日に躍動する姿を見られることを楽しみにしております」とつづけます。こちらも母のような気持ちでチームと清原さんを見守る所存です。

この日の中継では右上にピンクのオビで清原さん&佐々木さんによる「母の日W解説」であることを打ち出し、試合中にも随時母の日情報が織り込まれていきます。選手紹介の背景はピンクの特別カラーですし、投打の対決ではそれぞれのお母さんエピソードが短文で表示され、合間合間には選手たちからの映像メッセージによってお母さんエピソードや感謝の言葉が示されていきます。「登場人物全員息子」によるお母さん大感謝祭…なるほど、これは野球ファンならずともグッときてしまうことでしょう。「母への感謝さえ示せれば対戦カードは別に何でもいい」という観点に立てば、関東圏で唯一屋根付き会場での試合となったこのカードが選ばれるのも納得というものです。あー、もしかしたらTBSのドラフト中継担当チームの企画だったりするのかもしれませんね。あれもドラフトとは名ばかりの「母×野球」番組ですからね。

↓OBの清原さんからベルーナドームはいい球場とお墨付きをいただきました!屋根は正義!


そんななか、我が埼玉西武ライオンズはお母さんへの感謝を胸に躍動します。先発の隅田知一郎さん(お母さんのハンバーグが美味しい)はヒットこそ許すものの後続を断って無失点での立ち上がりとし、さすが4月の月間MVPという貫禄を見せつけます。左腕から繰り出す150キロを超える真っ直ぐと、同じ軌道から緩急つけて落としてくるチェンジアップ、ときおり織り交ぜられるカーブ、美味しく焼けたハンバーグ、これはそうそう打てるものではありません。今季のロッテ打線は昨季の西武みたいな暗黒状態でもあり、「1点あれば勝ちだな」「打たない打線抱えてたら名将もクソもありませんわ」「誰がやっても同じ」と勝利への手応えも募ります。

圧倒的な安心感のもとでリラックスした打線も隅田さんにつづきます。迎えた3回裏、西武は一死から四球と安打で一・三塁とすると打席には期待のルーキー・渡部聖弥さんが入りました。この場面でレフトスタンドから流れるチャンステーマ2は、清原さんの往時の応援歌を再利用したものです。当時は外野芝生席でファンが右へ左へ大移動するのが恒例だった思い出深い1曲。指定席化された昨今はさすがにそこまでの大きな移動はしないものの、今も若干の移動風味を伴う振り付けで当時の伝統が引き継がれています。清原さんが来場していることも当然承知のファンたちがチャンステーマを熱唱するなか、渡部さんはこのチャンスに先制のタイムリー!清原さんからも「素晴らしいバッティング」とお褒めにあずかりました。つづくネビンさんにも2点タイムリーが飛び出し、これで3-0。先発が隅田さんということを考えれば、勝利ほぼ確定というような大きな3点となりました。

↓清原さんの目の前でチャンステーマ2、からの先制点!

(チャンステーマについて)
清原:「へへへへへ」
清原:「そうですね、ありがたいですね」
清原:「いやー、ドキドキしてきますね」
清原:「いやーありがたいですねホントに」



解説席にも余裕が出てきたのか、4回裏の西武攻撃時には清原さんと佐々木さんの現役当時の思い出を振り返る時間も。当代の名選手と比べても「大魔神(のフォーク)がナンバーワン」とズバッと言い切るなど、清原さんのコメントも軽やかになってきました。そんな忖度のない清原さん(逆に隣席に超忖度説もあるが)だからこそ、石川柊太さんのカーブに対する「カーブがいい投手でも投げる瞬間腕が緩むピッチャーがいるが、石川投手の場合は腕をしっかり振ってくるので厄介」 という評価も信憑性が高まるというもの。昨今の何でも褒めて「誰も傷つけないことだけ」を意識した解説とはワケが違うのです。

西武が6回裏に追加点を入れると、いよいよこれで勝負の流れも大勢決したかということで、清原さんもだいぶ上機嫌に。この日の解説について「自分もプレッシャー感じてましたよ」「もう昨日あたりから行って負けたらどうしよう(笑)」「緊張して緊張してもうなかなか寝れなかったです」「最近調子いいじゃないですか、それで負けたりしたら…落ち込みますよね」と清原さんらしい繊細な胸の内を笑い話にして語ってくれました。負けたとしても清原さんのせいであるはずはないのですが、この弱さが清原さんであり、この優しさが清原さんだなと思います。

その後ハンバーグ隅田はオムライス山本・ギョーザ藤岡・ハンバーグ佐藤など母思いのロッテ打線をピシャリと抑え、7回までゼロ行進。打線は7回裏に入ると、清原さんから「タイミングの取り方が本当に上手い」「どんな球にもタイミングが合っている」「(並みのルーキーとは)全然違いますよね」と評される渡部聖弥さんがヒットで出塁したのをキッカケに、エラー⇒二塁打(+1点)⇒四球⇒二塁打(+2点)⇒犠飛(+1点)⇒二塁打(+1点)とホームランなしにもかかわらず連打連打で一挙5得点。投打が完全に噛み合って、圧勝楽勝大勝の展開となりました。清原さんも「やっと肩のチカラが抜けてきました(笑)」と勝利を確信したよう。後見人の佐々木さんも「グッスリ寝れるね」と安堵した様子でした。

試合中継は時間が限られているということで最終回までの清原解説はありませんでしたが、決着つくところまではお届けすることができて大変いい試合・いい中継となりました。最終的には今季初の2桁10得点をあげる大爆発となり、これはもう清原さん来場効果と言ってもいいでしょう。「チャンスに強いぞ清原」の勝負強さ、しっかりと現代の若獅子たちにも伝承できたのではないでしょうか。中継終わりには実況アナの呼び掛けに応じる形で「ぜひまたこのコンビで解説を」という約束もしていただけましたので、今後の登場にも期待したいなと思います。眉唾と言われるかもしれませんが、過去10年ほどの統計では「清原さんがベルーナドームで解説した試合はライオンズ全勝」というデータがしっかりと出ておりますので、大事な試合の清原解説をお願いしたいもの。勝利の女神ならぬ勝利の番人として、これからも睨みをきかせてほしいなと思いました!

↓ファミリーのお母さんからも喜びの声があがる、いい日となりました!


↓清原さん自身からも感謝の思いが届きました!

「今日グラウンドに立っている選手たちは、今日一日だけじゃなく、ずっと感謝しながら、野球に没頭してほしいですね」という清原さんの言葉!

感謝の思いが後輩たちにも引き継がれますように!



野球ができる幸せ、野球に携われる幸せ、それを胸に頑張っていきましょう!