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大相撲を見るなら今がチャンスです!

今場所も白鵬優勝といういつもの結果で終わった大相撲初場所。チケットの売れ残りもニュースで報じられるなど、大相撲の不人気ぶりがささやかれるようになってきました。しかし、これは昨今の大麻・リンチ・野球賭博などの影響ではないでしょう。やはり本来の魅力であるべき、幕内最高優勝争いそのものに見所が乏しいのが問題。場所前から「どうせ白鵬だろ」と思っていて、結局そのとおりになるんじゃ見甲斐がないですよね。

この機会に、大相撲処女のみなさんもぜひ国技館へ足を運ばれてはいかがでしょうか。平日にお休みを取れる方なら、当日券イス席が2100円から購入できます。土日以外は満員になることなどありませんから、ノンビリ出向いても大丈夫。相撲の醍醐味マス席も、当日ならバラ売り可能。マスCと呼ばれる最後方のマスでも力士の肌つやまで確認できる距離感。そのマスを1人で使用することも最近の不人気ぶりなら可能です。お茶屋さんからチケットを買うなんて、よくわからないドキドキ感を味わうこともなく、1万円で相撲の世界に突入できるのです。

入口でチケットをもぎるかつての名力士、入場口奥で観客を出迎える天皇賜杯・内閣総理大臣杯・しいたけ1年分、無作為に会場内を歩き回るひよの山の着ぐるみ、歩いて会場入りする幕内衆、通路にボーッと立っている元千代大海など見逃せない展示物の数々。午前中〜午後イチくらいならテレビにも映る溜席への侵入も可能。目の前で力士のケツを見れば「汚いなぁ」「これは汚い」「ビックリするほど汚い」と新たな発見もできるはず。昼過ぎには一杯250円のちゃんこを地下大広間でいただき、玉ノ井部屋の特製ソーセージ入りコンソメ風味ちゃんこに「これポトフじゃん!」と突っ込みを入れるなんて喜びも。

そして、散々遊んだあとの午後3時からは十枚目・幕内の熱戦を見守る。幕内力士土俵入り、横綱土俵入り、高見盛のショートコント、魁皇コール、大横綱・白鵬の取組…一度は見ておきたい見世物ばかり。テレビではちゃんと見れない懸賞旗の入場時には、「味一筋お茶漬け海苔の永谷園、さけ茶漬けの永谷園、梅干茶漬けの永谷園、たらこ茶漬けの永谷園、わさび茶漬けの永谷園」などという、5回も言わんでエエやろ的な小ネタにクスッとくるはず。飲んで・食って・笑って・遊んで1万円なら決して高くはありません。

ということで、会場だけで見守れた珍事などを含めて、大相撲千秋楽のもようについてチェックしていきましょう。



◆総理大臣・宮崎県知事は相撲になど来ている場合じゃなかったようです!


不人気がささやかれる中でも、さすが千秋楽の国技館は熱気のるつぼ。入場時にはもぎりの長い列ができ、モタモタする高砂親方を僕が注意する一幕も。会場前には「打倒菅直人」を掲げる活動家が、内閣総理大臣杯を渡すときにブーイングをしてくれと大相撲ファンに要求。色んな人が国技館に集まっていたのです。

すでに優勝争いは14日目に決していたことで、会場内の空気もまったりとしたもの。それでも勝ち越しをかけた取組では、土俵上も場内も自然と力が入ります。7勝1敗で一時は優勝争いに加わった若の里も、気がつけば7勝7敗の五分に。14日目には「7勝6敗で14日目なら悪くない」と強がっていましたが、五分の星で千秋楽という「普通」の状況に。場内のファンもそれをわかって「頑張れ若の里」などの大歓声。ここから負け越したら面白い…そんな僕の邪念は届かず、若の里が勝ち越した際には大変な盛り上がりとなったのです。

そしてもうひとり珍しい勝ち越しに挑む男が。それはビール瓶・野球賭博など、不祥事の陰にちょいちょい顔を出す笑顔の悪人・豊ノ島。先場所は14勝で優勝決定戦にまで進出しましたが、今場所はその反動か中日まで1勝7敗と大負け。しかし、その力は本物。ここから怒涛の6連勝で7勝7敗の五分に持ち直しての千秋楽。

↓玉鷲との取組は立ち合いから激しい突っ張り合いに!
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ところが、玉鷲が懐に入られるのを嫌って距離を取るもので…


↓いつの間にか、距離を取って打撃のチャンスを狙う立ち技格闘技に!
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間合いを取って静止する両力士!

豊ノ島は細かい左のフェイントでチャンスをうかがう!


↓最終的には豊ノ島が左ローキックでテイクダウン!
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何じゃコリャwww四つ相撲が相撲の醍醐味だとあれほどwww


↓「相撲は立ち技総合格闘技」だと証明した豊ノ島VS玉鷲戦動画


うん、これはシュートボクシングだね!


その後は千秋楽ということで三役揃い踏みのイベントなどを楽しみ、最後は横綱白鵬VS大関魁皇の一番で締め。ちなみに魁皇が位置する東の正大関という番付は、横綱が白鵬ひとりという現在では「角界で二番目の実力者」ということになります。引退どころかいまだに角界の最高峰の力を有する魁皇の相撲は、一度は見ておいたほうがよいでしょう。

その後は最高優勝者の表彰式。テレビでは賜杯・内閣総理大臣杯などの授与とインタビューまでですが、その後は米30俵・しいたけ一年分・宮崎牛1頭と野菜1トン・清酒大関・コカコーラなどデブ集団大宴会用の食材授与でたっぷり30分は表彰式が続きます。この頃には一般の人も土俵際まで侵入して間近で白鵬を見ることも可能。

その後、三賞を受賞した力士の表彰、来場所から序ノ口に上がる若い衆を観客一同が三本締めでお祝いする新序出世力士の手打ち式と進行。そして最後は土俵にお迎えした神様を天界へお戻しする神送りの儀式。神様をお呼びし、その身に宿した行司さんを胴上げすることで、神様を天へお返しするという大切な儀式です。この日も慣例どおりに、新序出世力士が行司さんを胴上げしたのですが…

↓行司を思いっきり胴上げしたため、うっかり落っことしてしまう!


神送りじゃなくて病院送りの儀式wwwwwwww

最悪、神様じゃなくて仏様になっちゃいそうwww


といった多数のイベントが待ち受ける大相撲。「デブしかいない」という異空間へ、ぜひ一度足を運ばれてはいかがでしょうか。きっと、珍しいものの数々でお腹一杯になるはずです。



ちなみに落下した神様は、その後控えめな胴上げで天に送られました!