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外側だけでも立派だったら、いいじゃない!

プロ野球が終わった寂しさを感じる間もなく、いよいよ始まるのが2010年アジア大会。五輪ほどの注目度はなくても、出てくる選手は一線級。アジア勢各国が世界でもトップグループに位置する競泳・体操・卓球・柔道・囲碁などの競技は、戦い自体も見応えたっぷり。ホッケーはこの大会がロンドン五輪の予選を兼ねており、特に女子は3大会連続出場への期待も十分。すでに一部競技は大会をスタートさせていますが、12日の開幕に向け自然と期待も高まってきます。

そんな中で心配されるのが、地元中国の大会運営。

北京五輪・上海万博を経て、中国サイドの運営も国際基準に到達したであろうと期待はされますが、何せ中国は広大。北京五輪で国際基準に達したのは北京国であり、上海万博で国際基準に達したのは上海国。今回大会が行われる広州では、北京市民に叩き込んだ「正しいバスの乗り方」「正しい順番待ちの仕方」「正しいトイレの使い方」などが周知徹底されているとは限りません。果たして大丈夫なのだろうか…そう訝しむ声が出るのもやむないこと。

しかし、この大会に懸ける広州市の熱意は本物でした。中国VS日本というホットな組み合わせで行われた男子サッカーでは、君が代の最中にも「ブー」という大声援を送り、負けが決定的になってもなお「釣魚島は俺たちのものだ」と最後まで勝利を信じる姿勢を貫く観衆たち。公安当局や警察官なども、仕事そっちのけで会場に詰め掛けたとか。ありがたいことじゃありませんか。

先月行われたF1韓国GPでも感じたことですが、人がいて大地があれば、どこでだってスポーツはできるのです。観客席がほとんど違法建築で不安全バリボテだったとしても選手には無影響。ホスピタリティや豪華設備などもあくまで副次的なもの。ハナから至れり尽くせりを期待するのは順番が違うのです。そんな忘れかけていた気持ちが甦るかのような「スポーツの原風景」を、このアジア大会では感じることができるはず。45の国と地域から1万4000人もの選手が集う今大会。予想外のサプライズ、えっ!?、おや?の数々が目撃できるはず。大いに期待したいものです。

ということで、本番への期待感を高めていくべく、事前の報道から「えっ!?」の予感をチェックしていきましょう。



◆現地の警備当局は凧揚げすら許さない鉄壁の包囲網で準備万端!

先行して試合を始めている男子サッカー代表は、早速スポーツの原風景に遭遇しているもよう。練習を予定していた試合会場のグラウンドでは、ボールとスパイクが使用できないというお達しがあったため、急遽近所の中学校に移動。日本代表の非公開練習は中学校グラウンド事情により丸見えとなる一方で、見たこともない韓国製ボールを直前まで秘密にするあたりは、ちょっとしたサプライズパーティーの演出のようでもありました。

↓試合後は敗れた中国GKがブログでサポーターに熱いメッセージを発信するなど熱い地元!
中国GK:「あなたたちは犬の群れだ」
中国GK:「何もわかっちゃいない」
中国GK:「女々しく陰でこそこそ悪口言ってるんじゃねえ」

うーん、熱いぞ地元!


競泳会場ではスタート台が旧式のもので、かかとを固定できないためゼロコンマ数秒単位で記録が落ちるとの指摘が。大会開催を記念して始めた地下鉄無料乗車キャンペーンは市民殺到により大会前に中止撤回。その地下鉄では10月に安全に関する検査資料を偽造するという問題があったとのことですが、「アジア大会開催だ!そしてタダだ!」「タダだ!」「タダ!」という大会への盛り上がりが安全不安を上回った格好。市民の大会成功への意気込みがうかがえるというもの。

もちろん熱さだけでなく安全面での対策もバッチリ。サッカーの日本VS中国戦では日中サポーターの座席をわけるなどで揉め事を回避。警官隊が日本人サポーターの行き帰りを見守るなど、警備体制も整えてくれました。日本側もJOCが「日の丸を振るなどの挑発行為をしないように」などの通達を出すことで、安全面に配慮する姿勢。ギクシャクしているといわれる日中両国も、スポーツを通じて美しい連携を見せているのです。

↓「テロの恐れがある」として、開閉会式会場が見えるマンション住人を退去させるなど徹底安全主義の当局!
当局:「開会式当日は二沙島は全面封鎖するから」
当局:「半径2キロ県内では商店・飲食店の営業不可!」
当局:「凧揚げも禁止だ!」

安全対策完璧すぎワロタwwwwwwwwww


これだけバッチリやってくれているなら、多少のミスはスルーするのが大人というもの。海外からの観衆を意識して道路標識も中国語・英語を併記する形にするも、「アジア大会タウン」を意味する「亜運城」を「亜城運」と書き間違えたりもしますが、まぁ何とかなるでしょう。着工されていないトンネルの方角を示す標識が立っていても、別に困りはしないはず。大会組織委員会も「間違いを見つけたら教えてください」とメールアドレスを報道陣に配布しているくらい誠意がある運営をしているのです。きっと大丈夫。

↓公式情報サービスに登録されたデータには「98歳の女子テコンドー選手」「体重6キロの男子レスリング選手」「身長441センチの女子セーリング選手」「体重569キロの男子サッカー選手」などの、若干の間違い登録も!
そんな人いるわけないですよね?なら、間違いだとわかりますよね?

じゃ、問題なし!


データや標識などはスポーツの本質とは無縁の瑣末な事象。要は、試合さえしっかりしていればいいのです。それ以外のものは所詮オマケ。そのあたりの本質を掴んでいる中国市民は、大会に関係ない部分は「ササッ」と仕上げる要領のよさを持っているのです。どうせ客も入らないのに観客席建設に無駄な労力を投じた韓国市民とは一味違うのです。

↓大会会場周辺のビルは、建築が間に合わなかったためハリボテで景観をアップする効率的作戦!


おおっ、これなら言われなければまったくわからない!


↓ちなみに、このハリボテビル作戦は北京五輪でも実施された中国の伝統的景観対策です!
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何故「建築中」のママではダメなのかは、謎です!



美しい景観の中で安全に行われる広州アジア大会を、どうぞお楽しみに!