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サヨウナラ内川、コンニチハひちょり!

世界がつまらなく見えるのは、お前がつまらないからだ。世界を変えるんじゃない、お前が変わるんだ。現状に不満を漏らす輩は、いつまでもそうやって愚痴を言い続けるんだろう。そんな言葉が胸に去来する出会いと別れ。諦めにも似た悲しい報せを受け取った日に、思いがけず喜ばしい報せが飛び込んできた。今はただ眩しい明日だけを見つめることにしましょう。コンニチハひちょり。輝かしい栄光を、眩しい未来を、ピカッと明るい横浜ベイスターズを共に作っていきましょう。

近視眼的に考えれば強いチーム・いい環境・お金のある球団を選手が求めるのは当然のこと。誰だって優勝や年俸といった、自分の人生に実りをもたらす果実は欲しい。しかし、それは「プロ野球」という大樹があってこそ。根があり幹があり果実があり、ときに腐れかけの落ち葉があり、その全体として大樹があるのです。かの宮沢賢治は「世界全体が幸福になるまで私個人の幸福はありえない」と語りました。同じように、プロ野球全体の繁栄なくしては選手個人の繁栄などないのではないでしょうか。

果実をついばむ鳥を責めはしますまい。彼らには遠く彼方へと種を運ぶ役目があるのですから。ただ僕は、落ち葉に宿り、わずかな養分と朝露だけを頼りに逞しく実るキノコやコケ・カビをこそ応援したい。命の匂いのない場所で、しぶとく営みを続ける者をこそ愛したい。華やかとはいえないけれど、世界を変えていくチカラ。世界から何かを受け取るのではなく、世界に何かをもたらす仕事。やがて彼らが朽ちた命を豊かな大地へと還元し、そこに新たな大樹が生まれることを信じて…。

ということで、大樹の中では「ほかの部分の成長に邪魔なのでそろそろ剪定されそうな枝」の役割をまっとうする横浜ベイスターズの、出会いと別れについてチェックしていきましょう。



◆ひちょりの男気に惚れた!内川はまぁこれからも適当に頑張れ!

奇しくも同じ日に発表された、横浜ベイスターズからの選手の出入り。出ていくのは「横浜は下交渉しただけでその後の連絡がない」と不信感を露骨に表明しつつも、「ソフトバンクとは下交渉しただけだが好感触」と気持ちの傾きを表明した内川聖一。

内川さんは決断の決め手として、自身が九州出身であることを指摘。親御さんに自分の試合を気軽に見てもらえるソフトバンク移籍へと心が動いたのだとか。そしてもうひとつの大きな理由が夢の「優勝」。個人成績云々以上に、とにかく優勝したいんだと熱っぽく語りました。なるほど、横浜・広島・ソフトバンクの綱引きなら優勝できそうなのはソフトバンク一択であります。

↓内川さんは「来季はプロ11年目」「自分の野球人生は半分すぎた」「優勝したい」とソフバン移籍で夢を膨らませる!
要するに「少なくともあと10年は広島・横浜の優勝はねぇだろう」ということですね!

現役プロ野球選手による優勝予想は重い!


↓奥さんも「私のために無理してカープのユニフォームを着ないで」と懇願!
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女房:「無理しないで」
旦那:「無理しないよ」

即答してる姿しか想像できねぇwwwww

ドラフトで蹴られ、FAで蹴られた広島www「無理して」行く球団扱いwwww


そんな内川さんは、古巣横浜について球団売却騒動で嫌気したことも告白。「大事な時期に話ができなかったのはつらかった。横浜を変えようとした今年1年でああなったので、僕の中でしんどい部分はあった」と語りました。変えようとしたけどダメだった、そんな無念さ無力感。「ああなった」んじゃ仕方ありません。自分が変わることで周囲を変えた西岡剛のような働きを、内川さんに期待するのは酷というものです。

しかし、捨てる神あればハマる神あり。

別れの悲しみを吹き飛ばしてくれたのは森本稀哲さん加入のお知らせ。栄光の日本ハムを離れ、横浜入りするひちょりさんは「なかなか勝てない横浜で、培ったものを活かしたい」と宣言。あえて自分を厳しい環境に置く挑戦心を見せたのです。「横浜が変わった、と思われるようにプレーしたい」という言葉。胸を打つものがあります。これだけの男気を見せてくれたなら、「さらにダメな感じに変わった」という結末であっても、笑って受け入れようではありませんか。

↓ひちょりさんの決断の決め手は師匠・新庄からの「好きにすれば」のメール!
好きにした結果が放浪の画家とベイスターズか…。

好きにしすぎだろコイツら…。


格闘家・須藤元気さんが引退を決めたときは、トイレの小便器の前に貼ってあった「一歩前へ」という注意書きが決め手だったといいます。「小便が床に垂れるから便器に近づけ」という注意も、ときに「人生の新たな局面へ勇気を持って踏み出せ」というメッセージになるのです。

「好きにすれば」も、「お前の決断は世間ではバカだアホだ物きだと言われるだろう。どう考えても横浜行に希望などあるまい。優勝とも無縁で、勝利の喜びすらない腐った環境で、残りの野球人生を浪費していく違いない。体が衰えたとき、アメリカの空を見上げてせいぜい涙を零がいいさ。そのときお前は、3試合組むためだけに存在する数合わせチームで、仮装やイベントを本業にしているんだろうがな。だが、それもお前の人生だ。お前だけの人生だ。誰にも見えない光が、もし今お前に見えているなら、信じろよ。信じてみろよ。俺はそんなお前を信じてやる。なぁ、俺たちはいつもアホなことしてたよな。あは何のためだっけ。そこにファンがいるからだろ。みんなの笑顔を見たいからだろ。横浜には笑顔が足りないよな。みんなつまらなそうに野球を見ているもんな。そんなヤツらにこそ、俺たちが必要なんじゃないかなぁ。俺とお前にしかできないことがあるだろう。笑ったよな。ピッコロ、ムエタイ、逆立ち…最高だったよな。今度は肉まんかな。ランドマークタワーかな。どんな形でも構わない。横浜らしい夢を見せてくれよ。頼むぞ、相棒。We will be friends forever」と聞こえたのかもしれません。

何ともあっぱれなひちょりさんの決意。僕も西武を応援しつつも、横浜も愛する野球ファンのひとりとして、ひちょりさんに刺激され熱い想いがたぎってきました。「ソフトバンクには絶対優勝させないぞ」「CSにも進ませない」「そのためにキャッチャーを補弱させたんだ」という気持ちで、西武の躍進を祈ろうと。そして、あの1998年のように日本シリーズの舞台で横浜を待とうと。10年後か20年後か40年後か、いつか来るその日まで…。

例えそのとき相手が別の名前に変わっていたとしても…。



ひちょりさん!とりあえず頭に皮を巻いて、グリーンピース乗せましょう!