2010年10月23日01:43
アスファルトをタイヤが切りつけながら、芝生をめくり上げる!
ついに始まりました、F1韓国GP。金曜日のフリー走行から正座して見守らざるをえない大興奮の一戦。依然として工事が続き、F1マシンよりも多い重機が躍動するサーキット。砂埃が舞い上がり、突如としてリアが滑るマシン。ちょっとハミ出しただけでモクモクと土煙が立つコースサイドでは、人工芝はめくれ縁石風の赤白ペイントが剥げる。リアルに「死」を感じる難コース。何かあったとき関係者の喪服の手配は大丈夫なのか、真剣に心配になってきました。
しかし、「誰も死なない」という希望的観測に基づけば、これもまた乙なモノ。
近年のF1はドライバーの人間力よりも、マシン性能や技術がモノを言う世界でした。昔はアイルトン・セナの細密なアクセルワークを「セナ足」なんて讃えたものですが、トラクションコントロール(現在は禁止)の登場によりドライバーの腕の差は覆い隠されました。パワーステアリング、セミオートマティック、アクティブサスペンション…そんな技術がどんどんドライバーを「決められた順番でボタンを押す装置」に近づけていきました。だが、ここ韓国ではそうはいかない!
このサーキットは一年で唯一、ドライバーの人間力が勝負をわける舞台。いつ剥がれるともしれないアスファルト、どこで滑るか予測できないタイヤ、設計図を無視してうねる路面…シミュレーターではわからない「現実」が彼らを待ち受けています。Fダクトなんてこじゃれたものを操作している場合ではない、死と隣り合わせの3日間。足を踏み外せば即リタイアのタイトロープを、時速300キロで駆け抜ける、それが韓国GPなのです。
ミリ単位でステアリングを操作し、鷹のような目で路面のゴミを避ける作業を、3日間続けられたものだけに栄光は訪れます。誰も助けてはくれません。逆に、現地人スタッフが余計なことをして迷惑を掛けてくることの覚悟が必要。本当に「強いドライバー」は誰なのか。のちに「霊岩の悪夢」と呼ばれるであろうこの3日間で、僕らはその答えを知ることになるでしょう…。
ということで、吹いても吹いてもお茶が足りない展開となったフリー走行のもようについて、22日にCSフジテレビNEXTが中継した「2010 F1韓国GP フリー走行」からチェックしていきましょう。
◆あと2日間のレースに、このハリボテは耐えられるのか!?
F1を中継するフジテレビが作った番組紹介文。そこに並んだ「はたしてサーキットは完全に仕上がっているのか?」「路面はF1のパワーに耐えられるのか?」というフザけた文章。まぁ、主催者側がこんなみすぼらしい状態で開幕を迎えたことを謝罪したくらいです。ここまできたら笑い飛ばすしかありません。
<フリー走行1回目>
明らかにゴミと砂だらけのコース。走れば砂が舞い上がり、後方のマシンの視界を遮ります。ストレートの途中で無駄に土煙が立ったり、ストレートの途中で何故かリアがスリップしたり、何でもないコーナーでカウンターを当てたりと各車滑る路面に大苦戦。
↓トロ・ロッソのアルグエルスアリは無線で「very very dirty!」と率直な感想を報告!
ベリーベリーご苦労さんwwwwwww
普通なら時間とともに路面状況は改善していくもの。しかし、コリアインターナショナルサーキットは一筋縄ではいかない罠サーキット。ほんの少しハミ出ただけで土が大量に飛ぶので、誰かのワンミスでせっかく掃除した路面はゴミだらけに。特に最終コーナーは、レコードラインとなる内側の縁石風ペイント部分に大量の土が溜っており、ほぼ全車がそれをまき上げる始末。しかも、ピットインして新タイヤに交換したところで、「ピットレーンの方が汚れている」ため新品タイヤもすぐに埃で真っ白になる始末。
↓何でもないところで横滑りで飛び出していったのはブルーノ・セナ!
滑るよ!すっごい滑る!コース全体が滑る!
そんな滑りやすさと格闘する各チーム。しかし、コリアの罠は十重二十重。このサーキットのアスファルトは敷きたてのため、まだ完全に固まりきっていません。全開走行すればアスファルト が剥がれるのではないか、ブレーキングポイントでは路面に負荷が掛かってアスファルトが剥がれるのではないかと、専門家から心配の声が上がっているほど。 現地に飛んだ川井一仁氏も「木曜日にセーフティーカーがブレーキ踏んだら路面にシワが寄った」と衝撃のレポートをしてくれています。グリップを高めブレーキで踏ん張って、滑る路面と格闘すればするほど、アスファルトは痛んでいく…。アリ地獄のような恐るべきサーキットですね。
<フリー走行2回目>
いろいろな意味で滑りまくりの韓国GP。各チームが懸命に努力をしたにもかかわらず、肝心の地元の反応は寒々しいもの。午前中はメインスタンド1階部分が半分くらい埋まったかな程度の入り。午後になると多少人は増えたものの、大半のスタンドはガラ空き。これならスタンドの建設を後回しにして、イスの設置も取り止めればよかった…作業順番に大きな疑問が残ります。
↓のどかだねぇ…って寝るなwwwwwwwww

たとえキミが「作業ができないのでヒマつぶしに客席に来ただけの工事関係者」だったとしても、寝るのは禁止!
そんなガラガラの荒野の中で、恐る恐る走行を続けるドライバー。さすが世界の一流だけあって、午前の走行を経てじょじょに攻めるポイントをつかんできたもよう。当初は縁石風赤白ペイントにまったくハミ出さなかった各車が、使える部分を把握し、コース幅いっぱいまで膨らむラインを取り始めます。
しかし、ここにもコリアの罠が。ターン16の内側の赤白ペイント部分は、各車ギリギリまで攻めるポイントなのですが、何とココに落とし穴を掘っていたのです。通過するたびに少しずつ破れていく天井。だんだんマシンがボコッと沈むようになり、飛び跳ねるようにコーナーを抜けていく始末。バンピーを越え、バンバンピーくらいの跳ね具合。ヒスパニアから出走している山本左近はこの落とし穴にはまってしまい…
↓ターン16の落とし穴に掛かった山本左近はスピンしてコース上に停車!
韓国:「ヒスパニアはアクティブサスペンションを搭載すべき」
韓国:「左近は運転が下手糞」
韓国:「そこを走るとは思ってなかった」
↓レース前の時点では、まさか落とし穴があるとは思えないカモフラ具合!

韓国:「ドッキリしました?」
左近:「あー、ドッキリですかぁ(笑)」
一同:「はい大成功!」
※ちなみに、この日の山本左近はタイヤウォーマーをつけたままコースに出たとして、フリー走行後に罰金を食らうなど散々でした。
さらに、コリアはコース外にまだ罠を設置していました。乗ったら剥がれるだろうと誰もが思っていた、例のやっつけ人工芝。レッドブルのウェバーが横滑りでコースアウトした際に、あわよくばシャフトに絡みついてやろうとばかりに、案の定ベロンとめくれ上がったのです。
↓基本的にアスファルト以外に乗らないでください!

韓国:「道路走るって聞いたから、道路作ったのに」
韓国:「外を走ったら、そりゃ土煙も立ちますがな」
韓国:「マリオカートだってコース外は遅いのにな」
↓特に、芝生風カーペットには乗らないようご注意ください!

韓国:「どうせコレまためくれるな」
韓国:「ほかの作業もありますしね」
韓国:「よしっ、先に観客席作ろう」
いや、戻してくれwwwwwせめて見た目だけでもwww
こんな調子でハミ出したり滑ったりしながら、ようやっと終わったフリー走行。最終的にタイムは37秒台まで伸びるなど予想以上の好結果。ただ、頑張って走った影響か、現地組からは早くも1コーナーのアスファルトが波打っているとの気になる報告も。残り2日は金曜日以上に全力で走行するだけに、この先のアスファルトの状態が楽し…いや心配です。派手な事故が起き…ないよう祈りたいものです。
↓ちなみに縁石風赤白ペイントはあっという間に剥げました!

韓国:「どうせコレまた剥げるな」
韓国:「ペンキにも限りがありますしね」
韓国:「よしっ、先に観客席作ろう」
いや、塗ってくれwww観客席はもういらないからwwww
ただ走るだけでこの体たらく!油断できない戦いはあと2日も続くぞ!
ついに始まりました、F1韓国GP。金曜日のフリー走行から正座して見守らざるをえない大興奮の一戦。依然として工事が続き、F1マシンよりも多い重機が躍動するサーキット。砂埃が舞い上がり、突如としてリアが滑るマシン。ちょっとハミ出しただけでモクモクと土煙が立つコースサイドでは、人工芝はめくれ縁石風の赤白ペイントが剥げる。リアルに「死」を感じる難コース。何かあったとき関係者の喪服の手配は大丈夫なのか、真剣に心配になってきました。
しかし、「誰も死なない」という希望的観測に基づけば、これもまた乙なモノ。
近年のF1はドライバーの人間力よりも、マシン性能や技術がモノを言う世界でした。昔はアイルトン・セナの細密なアクセルワークを「セナ足」なんて讃えたものですが、トラクションコントロール(現在は禁止)の登場によりドライバーの腕の差は覆い隠されました。パワーステアリング、セミオートマティック、アクティブサスペンション…そんな技術がどんどんドライバーを「決められた順番でボタンを押す装置」に近づけていきました。だが、ここ韓国ではそうはいかない!
このサーキットは一年で唯一、ドライバーの人間力が勝負をわける舞台。いつ剥がれるともしれないアスファルト、どこで滑るか予測できないタイヤ、設計図を無視してうねる路面…シミュレーターではわからない「現実」が彼らを待ち受けています。Fダクトなんてこじゃれたものを操作している場合ではない、死と隣り合わせの3日間。足を踏み外せば即リタイアのタイトロープを、時速300キロで駆け抜ける、それが韓国GPなのです。
ミリ単位でステアリングを操作し、鷹のような目で路面のゴミを避ける作業を、3日間続けられたものだけに栄光は訪れます。誰も助けてはくれません。逆に、現地人スタッフが余計なことをして迷惑を掛けてくることの覚悟が必要。本当に「強いドライバー」は誰なのか。のちに「霊岩の悪夢」と呼ばれるであろうこの3日間で、僕らはその答えを知ることになるでしょう…。
ということで、吹いても吹いてもお茶が足りない展開となったフリー走行のもようについて、22日にCSフジテレビNEXTが中継した「2010 F1韓国GP フリー走行」からチェックしていきましょう。
◆あと2日間のレースに、このハリボテは耐えられるのか!?
F1を中継するフジテレビが作った番組紹介文。そこに並んだ「はたしてサーキットは完全に仕上がっているのか?」「路面はF1のパワーに耐えられるのか?」というフザけた文章。まぁ、主催者側がこんなみすぼらしい状態で開幕を迎えたことを謝罪したくらいです。ここまできたら笑い飛ばすしかありません。
<フリー走行1回目>
明らかにゴミと砂だらけのコース。走れば砂が舞い上がり、後方のマシンの視界を遮ります。ストレートの途中で無駄に土煙が立ったり、ストレートの途中で何故かリアがスリップしたり、何でもないコーナーでカウンターを当てたりと各車滑る路面に大苦戦。
↓トロ・ロッソのアルグエルスアリは無線で「very very dirty!」と率直な感想を報告!
ベリーベリーご苦労さんwwwwwww
普通なら時間とともに路面状況は改善していくもの。しかし、コリアインターナショナルサーキットは一筋縄ではいかない罠サーキット。ほんの少しハミ出ただけで土が大量に飛ぶので、誰かのワンミスでせっかく掃除した路面はゴミだらけに。特に最終コーナーは、レコードラインとなる内側の縁石風ペイント部分に大量の土が溜っており、ほぼ全車がそれをまき上げる始末。しかも、ピットインして新タイヤに交換したところで、「ピットレーンの方が汚れている」ため新品タイヤもすぐに埃で真っ白になる始末。
↓何でもないところで横滑りで飛び出していったのはブルーノ・セナ!
滑るよ!すっごい滑る!コース全体が滑る!
そんな滑りやすさと格闘する各チーム。しかし、コリアの罠は十重二十重。このサーキットのアスファルトは敷きたてのため、まだ完全に固まりきっていません。全開走行すればアスファルト が剥がれるのではないか、ブレーキングポイントでは路面に負荷が掛かってアスファルトが剥がれるのではないかと、専門家から心配の声が上がっているほど。 現地に飛んだ川井一仁氏も「木曜日にセーフティーカーがブレーキ踏んだら路面にシワが寄った」と衝撃のレポートをしてくれています。グリップを高めブレーキで踏ん張って、滑る路面と格闘すればするほど、アスファルトは痛んでいく…。アリ地獄のような恐るべきサーキットですね。
<フリー走行2回目>
いろいろな意味で滑りまくりの韓国GP。各チームが懸命に努力をしたにもかかわらず、肝心の地元の反応は寒々しいもの。午前中はメインスタンド1階部分が半分くらい埋まったかな程度の入り。午後になると多少人は増えたものの、大半のスタンドはガラ空き。これならスタンドの建設を後回しにして、イスの設置も取り止めればよかった…作業順番に大きな疑問が残ります。
↓のどかだねぇ…って寝るなwwwwwwwww

たとえキミが「作業ができないのでヒマつぶしに客席に来ただけの工事関係者」だったとしても、寝るのは禁止!
そんなガラガラの荒野の中で、恐る恐る走行を続けるドライバー。さすが世界の一流だけあって、午前の走行を経てじょじょに攻めるポイントをつかんできたもよう。当初は縁石風赤白ペイントにまったくハミ出さなかった各車が、使える部分を把握し、コース幅いっぱいまで膨らむラインを取り始めます。
しかし、ここにもコリアの罠が。ターン16の内側の赤白ペイント部分は、各車ギリギリまで攻めるポイントなのですが、何とココに落とし穴を掘っていたのです。通過するたびに少しずつ破れていく天井。だんだんマシンがボコッと沈むようになり、飛び跳ねるようにコーナーを抜けていく始末。バンピーを越え、バンバンピーくらいの跳ね具合。ヒスパニアから出走している山本左近はこの落とし穴にはまってしまい…
↓ターン16の落とし穴に掛かった山本左近はスピンしてコース上に停車!
韓国:「ヒスパニアはアクティブサスペンションを搭載すべき」
韓国:「左近は運転が下手糞」
韓国:「そこを走るとは思ってなかった」
↓レース前の時点では、まさか落とし穴があるとは思えないカモフラ具合!

韓国:「ドッキリしました?」
左近:「あー、ドッキリですかぁ(笑)」
一同:「はい大成功!」
※ちなみに、この日の山本左近はタイヤウォーマーをつけたままコースに出たとして、フリー走行後に罰金を食らうなど散々でした。
さらに、コリアはコース外にまだ罠を設置していました。乗ったら剥がれるだろうと誰もが思っていた、例のやっつけ人工芝。レッドブルのウェバーが横滑りでコースアウトした際に、あわよくばシャフトに絡みついてやろうとばかりに、案の定ベロンとめくれ上がったのです。
↓基本的にアスファルト以外に乗らないでください!

韓国:「道路走るって聞いたから、道路作ったのに」
韓国:「外を走ったら、そりゃ土煙も立ちますがな」
韓国:「マリオカートだってコース外は遅いのにな」
↓特に、芝生風カーペットには乗らないようご注意ください!

韓国:「どうせコレまためくれるな」
韓国:「ほかの作業もありますしね」
韓国:「よしっ、先に観客席作ろう」
いや、戻してくれwwwwwせめて見た目だけでもwww
こんな調子でハミ出したり滑ったりしながら、ようやっと終わったフリー走行。最終的にタイムは37秒台まで伸びるなど予想以上の好結果。ただ、頑張って走った影響か、現地組からは早くも1コーナーのアスファルトが波打っているとの気になる報告も。残り2日は金曜日以上に全力で走行するだけに、この先のアスファルトの状態が楽し…いや心配です。派手な事故が起き…ないよう祈りたいものです。
↓ちなみに縁石風赤白ペイントはあっという間に剥げました!

韓国:「どうせコレまた剥げるな」
韓国:「ペンキにも限りがありますしね」
韓国:「よしっ、先に観客席作ろう」
いや、塗ってくれwww観客席はもういらないからwwww
ただ走るだけでこの体たらく!油断できない戦いはあと2日も続くぞ!