11:36
もはや、戦う前から負けることすら可能なレベル!

最強とは何か。そのテーマについて考えたとき、一度は通る道が「無手勝流」。剣客塚原卜伝が渡し舟で戦いを挑まれたとき、あそこで勝負しようと相手の男だけを中州に上がらせると、自分は竿で船を突き放し「戦わず勝つ、これが無手勝流だ」と叫んだという故事に由来する無手勝流。策略などを活かして、戦わずに勝つ、あるいは戦いを避けることこそ最強なのだという話です。

なるほど、勝負すればうっかり負けることもあります。突然降ってきた隕石に当たるかもしれません。勝負中に隕石に当たれば即負けですが、勝負外で隕石に当たればそれは事故=ノーカウントです。いかな達人でも隕石の可能性を排除することはできないのですから、軽々しく勝負など始めるべきではありません。対戦相手を吟味し、回避方法を模索し、それでもなおやらねばならないときだけ勝負する。400戦無敗を誇る、かのヒクソン・グレイシーも対戦には慎重でした。「高田?よしやろう」「船木?よしやろう」「永田?それはムリだ」と永田裕志さんとの対戦を、最後まで避け続けたのですから。

ならば、逆も可能であろうということ。

勝負すればうっかり勝つこともあります。適当に送り込んだ先発が、生涯一のピッチングで相手を完封してしまう。たまたま連打が飛び出し大量得点してしまう。相手が自滅する。さまざまな可能性があります。絶対に負けたい一戦で確実に負けるには、ちょっと弱い程度では不安。できるならば、戦わずに負ける「無手負流」でいきたいところ。

その点で球界最弱の横浜ベイスターズはさすが。年間144試合やらなくちゃいけませんので、さすがに完全な無手負流とはいきませんが、「やる前から負けている」空気を作り出すことには成功。指揮官が明かした、驚くべきその秘策とはズバリ「名前負け」。積み重ねた歴史、弱いぞという評判、知らない選手。対戦前に名前負けしておくことで、かぎりなく無手負流を成し遂げていたのです。渡し舟で戦いをのぞまれたとき、自らドブンと川に身を投げるまでもなく、周囲の人に「アンタやめときな」「命は粗末にするもんじゃねぇよ」「お侍さん、おめぇ様の勝ちでええから、見逃してやってくんろ」と止めてもらえたら最高ですよね。

ということで、指揮官の秘策にファンも涙を流したであろう、最近の横浜ベイスターズについてチェックしていきましょう。



◆前カードの勝ち越しの反省をうまく次節につなげてきた印象!

広島との尾位攻防戦を制し、ヤクルトを3タテと粉砕した先週。ヤクルト3連戦では、3戦合計37失点・55被安打と圧敗劇を演じ、同じ先発投手で2回負けるなどの横浜野球を遺憾なく発揮。これでチームもグッと下り調子…と思われました。しかし、チャンスのあとにピンチありは野球の常。迎えた今週、中日との3連戦はよもやの展開となったのです。


●8月10日 ○横浜4-0中日×
第二のホームとしてしつこく横浜が開催を続ける、山梨県小瀬スポーツ公園球場での一戦。たまの開催のためか、雨降りにもかかわらず試合中止の判断がなかなか下せません。「客、帰んねぇな」「雨降ってるよ…」「コッチが先に帰るぞ!」という会話でもあったのか、踏ん切りの悪いムードがチームにも悪影響を及ぼします。

初回にハーパーがホームランを放つと、2回にはこの日スタメンに起用された藤田が今季1号。さらに7回には村田が得点圏に走者を置いてのタイムリーヒットで中日に大量4得点差をつける珍事。村田一流の「二塁を欲張りました」という演技により、暴走死で攻撃を断ち切るも時すでに遅し。横浜は大事な初戦を拾ってしまったのです。横浜の先発・清水が9勝9敗で、中日の先発・チェンが9勝9敗という試合後の表示に、そこはかとない違和感を覚えつつ…。

↓島田ヘッドコーチは「チェンは左への制球がアバウト」と相手をアナライジング!
ベイ:「まぁ、ウチは右左関係なくアバウトだけどな」
ベイ:「でも右左を重視してワンポイント出すけどな」
ベイ:「で、だいたいフォアボール」


●8月11日 ○横浜9-6中日×
横浜は先発に2年目の小杉を起用。キッチリと先発の役目を果たし、堂上のホームラン・堂上のタイムリーなどで5回4失点。負け投手の権利を持ったままマウンドを後続に託します。しかし直後の攻撃で横浜打線はうっかり猛攻。5安打の固め打ちで逆転を喫してしまいます。弥太郎、加藤、真田、山口と必死の継投も虚しく、湿りっぱなしの中日打線。守護神・山口が暴投などで2点を献上するも焼け石に水。まさかのカード勝ち越しを喫してしまったのです。


●8月12日 ×横浜0-1中日○
連勝で迎えた横浜は、先発に藤江を起用。悪い流れそのままに、藤江は6回一死まで完全試合ペースというよもやの内容。一部好事家たちも「3連戦3連勝はいつ以来だ!?」「今年1回もありません!」「何ー!?」と色めき立ちます。

しかし、この日の横浜打線はきっちり自分の仕事をやり遂げました。毎回のようにランナーを背負うも、後続がピシャリ。6回を無得点と先発・藤江を後押し。「大丈夫だ」「俺たちがついてる」「お前はピッチングに集中しろ!」とチームの一体感を見せつけます。

そんな後押しに応えるかのように崖方向へと突き進む藤江は、7回に初の走者を出すと、続けて初安打も打たせ、さらに犠飛で初失点もマーク。貴重な先制失点をもぎ取ったのです。横浜打線は8回に一死満塁のピンチを迎えるも、この1点を死守。このカードを何とか1敗2勝に持ち込むことに成功したのです。

↓尾花監督も「チャンスは何回かあったが、ダブルプレーでつぶした」と打線の援護に手応え!
ベイ:「まぁ、うまいことダブルプレーでつぶしたわな」
ベイ:「17安打4点の打線だしな」
ベイ:「してやったり、というところですかな」


●8月13日 ○巨人8-6横浜×
首位争いを続ける巨人の本拠地に乗り込んだ横浜ベイスターズ。エアコンの効いた室内は、選手が熱中症で倒れるハマスタとは違い、選手たちもリラックスムード。序盤からお盆休み仕様の派手なシーソーゲームを演じると、5回には4番村田のダブルプレーなどで一挙4得点。巨人ファンをハラハラドキドキ盛り上げます。

しかし、直後の5回裏に勝ち投手の権利をつかみかけた加賀を、スレッジの落球などで「あと一人」で引きずりおろすと、おなじみのマシンガン継投を開始。6回に1点、7回に2点、8回に1点と小刻みな加点で巨人打線のよさを十二分に引き出します。打っては終盤4イニングを華麗にゼロ行進。巨人がエラー・暴投などで、執拗に横浜打線を攻め立てますが本塁を踏まない落ち着いた攻撃。本来の攻撃で見事な黒星をゲットしたのです。

さらにこの試合では、横浜のフェアプレー精神も光りました。巨人・阿部がふくらはぎ打撲でベンチに退き、巨人の最後の捕手・鶴岡が登場した際、一部の勝利至上主義者からは「鶴岡にぶつけろ!」「もうキャッチャーいねぇぞ」「ウチは数だけは豊富だしな!」と心ない声も上がりました。しかし、横浜ナインは最後まで正々堂々と渡り合う男意気を示したのです。子どもたちにも、ぜひ見習って欲しい姿ですね。

↓尾花監督は決敗点の場面を「名前負け」と分析!
ベイ:「もうやる前から結果は見えたな」
ベイ:「基本、名前負けだしな」
ベイ:「いっそ姓名アナライジングでも始めるか」

アナライジングでも何でもねぇ敗因分析だなwwwwww

堀内の「ちゃんとした選手がいないから」の方が、まだ分析っぽいわwww


↓ちなみに、ショート石川はお手玉したボールを背中に乗せ、背中を転がして背面キャッチするという超美技を披露!


みなとみらいで覚えたジャグリングですね!

お・見・事wwww



節目の100試合目で黒星をマークし、3年連続の90敗以上に向け視界良好です!