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2010年06月28日12:06
さすがレッドブル、翼を授ける！
ワールドカップ開催中ということで、その他全部の競技の話題が注目されない感じもある昨今ですが、大いに盛り上がっていたのがF1ヨーロッパGP。開幕前は規約の変更などで、追い抜きが減り単調なレースが続くのではないかと心配されていたF1。しかし、フタを開けてみればなかなかどうして面白い展開。追い抜きが取り立てて多いわけではありませんが、大雨でアクシデント、タイヤが両方ともふっ飛ぶ斬新な事故、早いくせにすぐ壊れるマシンなど、さまざまな工夫でレース・シーズンの戦いを盛り上げてくれています。
スペインはバレンシア市街地コースで行われたこの一戦では、ファンを盛り上げる新たな秘策も披露されました。
主役となったのはレッドブルのマーク・ウェバー。レッドブルは今季、非常に戦闘力の高いマシンを用意し、レース中には圧倒的な速さを見せつけています。一方でトラブルも非常に多く、速さのワリにはポイントが伸び悩んでいるのが実情。レースだけ見るとセバスチャン・ベッテルなどはもう5勝くらいしていてもいい気がするのですが、ヨーロッパGP開幕までわずか1勝に甘んじるなどドタバタな戦いが続いています。
そんな中で迎えたヨーロッパGPでは、レッドブルの2台が予選で1位・2位を独占するも、決勝レーススタート直後にマーク・ウェバーが接触トラブルなどでズルズルと後退することに。「もうダメだ」「今日は終わり」「見せ場を作らねば」…そんな想いにでもかられたのでしょうか。マーク・ウェバーは大胆な作戦で世界の観客の目を惹きつけるようと企みます。まるで、ワールドカップでボールの形状と高地開催による空気の薄さによりシュートが浮きまくるのを皮肉るがごとく、空力自慢のマシンを巧みに操るウェバーは、何と空を飛んで見せたのです。これには本人も含めて死ぬほどビックリ。さすがレッドブルだなと、大いに話題を振りまくことに成功したのです。
ということで、飛び上がって前のマシンを抜く時代も近いなと感じつつ、27日に行われたF1ヨーロッパGPをチェックしていきましょう。
◆地味に日本人ドライバー・小林可夢偉も頑張っています！
決勝レーススタート直後、ずるずると順位を下げていった本日の主役マーク・ウェバー。8周目には早くもピットインし、タイヤを交換するなど作戦の変更を余儀無くされます。しかし、スタート時点で2位だったものがピットアウト時点では19位まで後退。用意された2種類のタイヤをレース中に1回ずつは履く…というタイヤ交換義務をクリアしたとはいえ、追い上げはかなり難しい状況。
そして迎えた9周目。「いっちょかましてやるか」と思い立ったウェバーさんは、前を行くロータスのコバライネンと、ちょっとした悪戯を画策。コバライネンの後ろにぴったりとマシンをつけ、「高速で走行中のF1マシンが、前のマシンのタイヤに乗り上げたらどうなるの？」という疑問を、自らのマシンで体当たり実験してくれたのです。
↓実験の結果、ウェバーのマシンは後方宙返りして大破！
ウェバー：「レッドブル 翼を授ける」
コバライネン：「タイヤはもげましたけどね」
↓どうでもいいけど、空がとってもキレイ！
チームラジオ：「ヘイ！空中散歩はどうだい！」
ドライバー：「青い空、白い雲、眩しい太陽、美しいねぇ」
チームラジオ：「OK！天国みたいだろ！」
↓ちなみに直前に行われたGP2でもマシンが空中散歩していた！
は…はやってるんだなコレ…。レッドブル飲みすぎだろ…。
自身もレース中の空中散歩経験がある解説の片山右京さんは「すぐ動かないほうがいい」と、余韻をじっくり楽しむようアドバイスするほどの大クラッシュ。華麗なる空中散歩を演じたウェバーは、大きなインパクトを残して本日のGPを終了したのです。レース後にウェバーは「タンゴを踊るには2人必要だろ？」という粋なコメントで、コバライネンの協力があってこその空中散歩と強調。今後も、ワルツ・ルンバ・チャチャチャなどのダンスで、レースを大いに盛り上げてくれそうです。
さて、この空中散歩の影響で当然のごとくセーフティカーが導入。多くのマシンはタイヤ交換義務を果たすべくピットインします。しかし、このピットインの前後にレースは大混乱。遅れてピットに入ってきたシューマッハは、何故かピットレーンの出口が赤信号で出られないという不思議トラブル。また「コースに出てくる途中のセーフティカーを抜いた」ということで、ハミルトンにペナルティが下りる不思議裁定。さらにはコース上に何故かビール瓶が落ちているという不思議現象まで発生し、係員が命がけでゴミ拾いをする姿が目撃されます。
そんな中、日本の小林可夢偉はただ1台ピットに戻らずコースに留まります。カムイの戦略は、このまま粘れるだけ粘り、最後の数周でタイヤ交換義務を果たしてゴールするというもの。燃料が軽くなったときに自分がプッシュ出来れば、あるいは後ろの隊列が縦長になれば、ピットアウトしたときにそこそこの順位で戻れるだろう…という狙いです。
遅いカムイの後ろには10数台もの大集団。なかなかピットに入らないカムイ。遅いわりに抜けないカムイ。3位を走行するカムイの後ろに並んだマシンたちは、先を行く1位ベッテル・2位ハミルトンにどんどん離されていきます。「みなさーん、安全運転をお願いします」「ちょっとしたセーフティカーだと思ってください」「今日は車も飛んでますしね」なんて呼びかけでもしたくなるような、カムイのしたたかな走り。
レースはそのまま終盤戦に突入。54周目でようやくピットインしたカムイは、ポイント圏内の9位でレース復帰。18番手スタートということを考えればこの時点でも十分にナイスレースなのですが、カムイが「本物」のきらめきを示したのはここから。ソフト側のタイヤのグリップを活かし、カムイは前を行くマシンに攻撃開始。8位のアロンソをパスすると、最終コーナーで7位を行くブエミもパス。自力で順位を2つ上げ、7位でフィニッシュするという奮闘を見せたのです。
↓カムイのオーバーテイクには、海外の実況も大興奮！
勝ったベッテルより目立ってるな！
レース後には、カムイの前を行くマシンを含め10台のマシンに対して「セーフティカー出動中のピットインまでの制限時間を守らなかった疑い」があり、審議が行われました。大きなペナルティが加算されれば、カムイ表彰台も…と期待させられましたが、今回はそれぞれ5秒ずつのペナルティということで順位の変動はナシ。それでも、このレースで見せた輝きは本物でした。解説の片山右京さんもナショナリズム全開で「ついにイチローや石川遼クンのような本物がF1に来た！」と大興奮。ここ数年登場した「ぶつけ屋」「親＆エンジンの七光り」「ペイドライバー」をチクリとやったのでした…。
サッカーの本田△、F1の小林可夢偉、日本人の「本物」が続出中です！
ワールドカップ開催中ということで、その他全部の競技の話題が注目されない感じもある昨今ですが、大いに盛り上がっていたのがF1ヨーロッパGP。開幕前は規約の変更などで、追い抜きが減り単調なレースが続くのではないかと心配されていたF1。しかし、フタを開けてみればなかなかどうして面白い展開。追い抜きが取り立てて多いわけではありませんが、大雨でアクシデント、タイヤが両方ともふっ飛ぶ斬新な事故、早いくせにすぐ壊れるマシンなど、さまざまな工夫でレース・シーズンの戦いを盛り上げてくれています。
スペインはバレンシア市街地コースで行われたこの一戦では、ファンを盛り上げる新たな秘策も披露されました。
主役となったのはレッドブルのマーク・ウェバー。レッドブルは今季、非常に戦闘力の高いマシンを用意し、レース中には圧倒的な速さを見せつけています。一方でトラブルも非常に多く、速さのワリにはポイントが伸び悩んでいるのが実情。レースだけ見るとセバスチャン・ベッテルなどはもう5勝くらいしていてもいい気がするのですが、ヨーロッパGP開幕までわずか1勝に甘んじるなどドタバタな戦いが続いています。
そんな中で迎えたヨーロッパGPでは、レッドブルの2台が予選で1位・2位を独占するも、決勝レーススタート直後にマーク・ウェバーが接触トラブルなどでズルズルと後退することに。「もうダメだ」「今日は終わり」「見せ場を作らねば」…そんな想いにでもかられたのでしょうか。マーク・ウェバーは大胆な作戦で世界の観客の目を惹きつけるようと企みます。まるで、ワールドカップでボールの形状と高地開催による空気の薄さによりシュートが浮きまくるのを皮肉るがごとく、空力自慢のマシンを巧みに操るウェバーは、何と空を飛んで見せたのです。これには本人も含めて死ぬほどビックリ。さすがレッドブルだなと、大いに話題を振りまくことに成功したのです。
ということで、飛び上がって前のマシンを抜く時代も近いなと感じつつ、27日に行われたF1ヨーロッパGPをチェックしていきましょう。
◆地味に日本人ドライバー・小林可夢偉も頑張っています！
決勝レーススタート直後、ずるずると順位を下げていった本日の主役マーク・ウェバー。8周目には早くもピットインし、タイヤを交換するなど作戦の変更を余儀無くされます。しかし、スタート時点で2位だったものがピットアウト時点では19位まで後退。用意された2種類のタイヤをレース中に1回ずつは履く…というタイヤ交換義務をクリアしたとはいえ、追い上げはかなり難しい状況。
そして迎えた9周目。「いっちょかましてやるか」と思い立ったウェバーさんは、前を行くロータスのコバライネンと、ちょっとした悪戯を画策。コバライネンの後ろにぴったりとマシンをつけ、「高速で走行中のF1マシンが、前のマシンのタイヤに乗り上げたらどうなるの？」という疑問を、自らのマシンで体当たり実験してくれたのです。
↓実験の結果、ウェバーのマシンは後方宙返りして大破！
ウェバー：「レッドブル 翼を授ける」
コバライネン：「タイヤはもげましたけどね」
↓どうでもいいけど、空がとってもキレイ！
チームラジオ：「ヘイ！空中散歩はどうだい！」
ドライバー：「青い空、白い雲、眩しい太陽、美しいねぇ」
チームラジオ：「OK！天国みたいだろ！」
↓ちなみに直前に行われたGP2でもマシンが空中散歩していた！
は…はやってるんだなコレ…。レッドブル飲みすぎだろ…。
自身もレース中の空中散歩経験がある解説の片山右京さんは「すぐ動かないほうがいい」と、余韻をじっくり楽しむようアドバイスするほどの大クラッシュ。華麗なる空中散歩を演じたウェバーは、大きなインパクトを残して本日のGPを終了したのです。レース後にウェバーは「タンゴを踊るには2人必要だろ？」という粋なコメントで、コバライネンの協力があってこその空中散歩と強調。今後も、ワルツ・ルンバ・チャチャチャなどのダンスで、レースを大いに盛り上げてくれそうです。
さて、この空中散歩の影響で当然のごとくセーフティカーが導入。多くのマシンはタイヤ交換義務を果たすべくピットインします。しかし、このピットインの前後にレースは大混乱。遅れてピットに入ってきたシューマッハは、何故かピットレーンの出口が赤信号で出られないという不思議トラブル。また「コースに出てくる途中のセーフティカーを抜いた」ということで、ハミルトンにペナルティが下りる不思議裁定。さらにはコース上に何故かビール瓶が落ちているという不思議現象まで発生し、係員が命がけでゴミ拾いをする姿が目撃されます。
そんな中、日本の小林可夢偉はただ1台ピットに戻らずコースに留まります。カムイの戦略は、このまま粘れるだけ粘り、最後の数周でタイヤ交換義務を果たしてゴールするというもの。燃料が軽くなったときに自分がプッシュ出来れば、あるいは後ろの隊列が縦長になれば、ピットアウトしたときにそこそこの順位で戻れるだろう…という狙いです。
遅いカムイの後ろには10数台もの大集団。なかなかピットに入らないカムイ。遅いわりに抜けないカムイ。3位を走行するカムイの後ろに並んだマシンたちは、先を行く1位ベッテル・2位ハミルトンにどんどん離されていきます。「みなさーん、安全運転をお願いします」「ちょっとしたセーフティカーだと思ってください」「今日は車も飛んでますしね」なんて呼びかけでもしたくなるような、カムイのしたたかな走り。
レースはそのまま終盤戦に突入。54周目でようやくピットインしたカムイは、ポイント圏内の9位でレース復帰。18番手スタートということを考えればこの時点でも十分にナイスレースなのですが、カムイが「本物」のきらめきを示したのはここから。ソフト側のタイヤのグリップを活かし、カムイは前を行くマシンに攻撃開始。8位のアロンソをパスすると、最終コーナーで7位を行くブエミもパス。自力で順位を2つ上げ、7位でフィニッシュするという奮闘を見せたのです。
↓カムイのオーバーテイクには、海外の実況も大興奮！
勝ったベッテルより目立ってるな！
レース後には、カムイの前を行くマシンを含め10台のマシンに対して「セーフティカー出動中のピットインまでの制限時間を守らなかった疑い」があり、審議が行われました。大きなペナルティが加算されれば、カムイ表彰台も…と期待させられましたが、今回はそれぞれ5秒ずつのペナルティということで順位の変動はナシ。それでも、このレースで見せた輝きは本物でした。解説の片山右京さんもナショナリズム全開で「ついにイチローや石川遼クンのような本物がF1に来た！」と大興奮。ここ数年登場した「ぶつけ屋」「親＆エンジンの七光り」「ペイドライバー」をチクリとやったのでした…。
サッカーの本田△、F1の小林可夢偉、日本人の「本物」が続出中です！
