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ハッケヨーイ!土俵ガール!

毎週火曜日、深夜0時すぎ。30分をドブに捨てる時間がやってまいりました。すでに各地で話題沸騰となり、「なぜこの時期にこのドラマ?」「間が悪すぎる」「土俵ガールというより、土俵際ガール」などと、多数のニュース記事も配信されているその番組。そうです、佐々木希さんがまっすぐな好演を見せる「土俵ガール!」が、またも放送されてしまったのです。

今回で第3回をむかえた「土俵ガール!」。ドラマだと思って観るとイライラするかもしれませんが、放送事故だと思って観ればいたってスムーズな話の流れは秀逸。たった30分の間に、これでもかとやってくる話の超展開は、通常のドラマを見慣れた視聴者を置き去りにするほどのスピード。それはまさに、一取組がわずか数秒で決着する大相撲のようなテンポのよさ。

一部ではそのスピード感に対し、「ご都合主義的すぎる」「説明不足」「リアリティゼロ」などという心ない批判もあるもよう。しかし、ドラマとは夢を描き、フィクションとは嘘を描くもの。リアリティが足りないなどと言って、「土俵ガール!」を酷評するのは筋違い。そんな批判をする連中は、「未来からネコ型ロボットがやってくるなどありえない」「ご都合主義的な道具を出しすぎ」「リアリティゼロ」と、ほかのものにでも噛み付いていればいいのです。

女性にとって「力士」とは、絶対になれない夢の職業。いわば「魔法少女」のような憧れの存在です。「土俵ガール!」とは、力士になりたくてもなれない女性たちに贈る夢物語。毎週火曜の深夜30分だけ、憧れの相撲取りの気分を味わえるシンデレラ・タイムなのです…。

ということで、貴乃花親方が登場するなど、今週も見所満載だった27日のTBS「土俵ガール!」を早速チェックしていきましょう。



◆無説明で展開するハイスピード・ストーリーに乗り遅れるな!


当初は部員ひとり・マネージャーひとりで廃部寸前だった相撲部が、第1話で佐々木希さん演じる若林光をコーチに迎え、第2話では部員5人+マネージャーにまで拡大。相撲を嫌い、相撲を捨てたはずの光がコーチを引き受けた理由は特に描かれず。相撲などまるで興味がなかった連中が相撲部に入った理由も特に描かれず。このドラマの展開速度はすさまじく、視聴者を置き去りにする側面があることは否めません。

しかし、逆に考えれば、視聴者の想像に委ねられた部分が多いということ。「新世紀エヴァンゲリオン」のように、さまざまな解釈・さまざまな議論を盛り上げる素地が「土俵ガール!」にはあるのです。そうした謎の部分を解き明かしていくことも含め、みなさんにもぜひ「土俵ガール!」を堪能してもらいたいもの。

そんな中、第3話も驚きのハイスピード展開。

<第3話あらすじ>

光(佐々木希)がコーチとなり、部員も大会に出場できる人数を確保。一丸となって稽古に明け暮れる相撲部たち。相変わらず体育館の隅の体育マットでの練習だが、大会にむけ部員たちの意気は上がる。

そんな折、光の父(宇梶剛士)は全国大会常連の強豪校との練習試合をセッティングしてくる。勝利に向け燃える光と相撲部だったが、部員のひとり太田(西洋亮)は「自分は体が大きいだけで、頭も悪いし、運動も出来ない」と言って相撲部を辞めようとする。

自信を失った太田は本当に相撲を辞めてしまうのか、練習試合の結果は…?

まぁもったいつけましたが、デブの太田は二言・三言の説得で翻意し、相撲部を辞めません。練習試合は全敗します。


さらに第3話で見逃せないのは、あの貴乃花親方がゲスト出演していること。貴乃花親方が演じるのは、全国でも有数の相撲強豪校である綱取高校の校長。かつて光の父とも親交があったらしく、「断髪式で会った」などの会話から元力士であったことがうかがわれます。

<貴乃花親方出演シーンのあらまし>

貴乃花:「お久しぶりです先輩!」

光の父:「あー、久しぶりだね」

貴乃花:「わざわざ来ていただいてすいません」

光の父:「いやハハハッ。お前の断髪式以来かなぁ」

貴乃花:「ハイ。お互い、でもやせましたね」

光の父:「ハハハッ。俺は20キロくらいかなぁ。こっちは新人ばっかりの相撲部で悪いけど、みんな頑張ってるからさぁ。今日はヨロシク。お願いします!」

貴乃花:「いいえ。注連縄高校相撲部のみなさん、“努力に勝る天才はナシ”。だから頑張ってくださいね」

貴乃花:「先輩お茶でも行きましょうか」(これにて退場)

1←貴乃花:「努力に勝る天才はナシ!」

親方の、いつもどおりの怪演が光る!





脈絡もなく登場し、脈絡もなく去っていく、ムリヤリ入れ込んだ登場シーン。しかし、思った以上の貴乃花親方の演技の上手さで、そんなムリヤリ感は吹き飛びます。何より、「努力に勝る天才はナシ」という親方の相撲道の一端が、このシーンでは表現されたのです。ハイスピードな展開の中のひとときの休憩…それだけではない重要な何かが、このシーンにはあったと言えるでしょう。


デブの「辞めます→辞めません」にも見られるように、本作は一見遠回りしそうなところですぐ本筋に戻るのが特徴。第3話の中でもそのような急展開は多数見られ、いい味を出しています。そのへんを含め、第3話の注目ポイントを紹介していきましょう。

<第3話の見逃せない名場面>

●佐々木希さんの一本筋が通った力士調名演技

●若手俳優陣の乳首・生尻・汗まみれのセクシーショット

●昼間からブラブラし、勝手に高校の敷地内に侵入する光の父親

●相変わらず体育マットで練習する相撲部に対して、「こんなマットで練習しているヤツらが試合で勝とうだなんて、チャンチャラおかしいんだよ」と現実を指摘する卓球部顧問・田中島

●会話・相談・揉め事などは、つねに「すき家」で

●カバーアルバムの宣伝のため、ヘンな場面でムリヤリ流れるコブクロさんの「PINK PRISONER」(ユニコーン)

●「(マットが)何か湿ってんだよ!」と当然の不満を漏らす相撲部

●光の家には土俵があるんだからソレ使えば?、という視聴者の素朴な疑問

●デブのくせに真っ先に相撲部を辞めようとする太田

●「僕がいるとみんなに迷惑がかかる」「ずっとそうだった」「体が大きいだけで頭も悪いし、運動神経だってよくない」「ホント、何にも出来ないんですよ」「みんなにバカにされて、足引っ張って、もうイヤなんです」と、脚本上で執拗に自己反省を強要されるデブ

●そんなデブに「相撲は努力してる人を、裏切ったりしないから」「いいカラダもってんだから、相撲なら絶対勝てる」「ワタシが勝たしてあげる」と、デブだけに通じる励ましを贈る佐々木希さんと、アッサリ翻意するデブ

●ただ、佐々木希さんの滑舌が悪く「ワタシが勃たしてアゲル」と聞こえたのはご愛嬌

●そんな感動の場面が演じられたのはやっぱり「すき家」で、背後には「お肉たっぷり。」という牛丼のポスター

●厳しい練習に部員たちは反発し、光も「そんな気持ちじゃ勝てるわけないじゃない!」とキレる。コーチを辞めるフラグか?と思いきや、「明日、遅刻しないように」と辞めない光

●部員はそろったのに花子(赤井沙希)まで何故か稽古に取り組み、汗だくのデブと抱き合い、押し倒すサービスショットも

●部員はそろったのに花子(赤井沙希)まで何故か練習試合に出場し、ツルツルピタピタの競泳水着風ウェアで、おっぱいの形をアピールするサービスショットも

●県下一の力士・黒川なる男は、喉輪から極め倒しという、汚い取り口を披露

●デブの太田の取組を前に「残るはデカイだけの太田かよ」「全敗確定だ」と言い放つ相撲部の面々

●キッチリ負けるデブ

●「悔しいです!」と泣き、伝説のラグビードラマ「スクール・ウォーズ」をパクるデブ

●じゃあ「俺は今からお前たちを殴る!」と続くのかと思いきや、そうはならない

●そんな相撲部を見て、「本気で僕らに勝つつもりで努力してください」「県大会で待ってます」と、いきなり熱いエールを贈る県下一の力士・黒川

●この練習試合を、わざわざ他校の敷地に侵入し、窓からじっとりと覗く卓球部顧問・田中島。取り立ててイイ場面もなかったのに、「相撲部やるな」という表情で、一転して支持者に回った雰囲気を醸し出す(←何だソリャ!)

どうでしょう、これだけの名場面の数々。何となくドラマを見たくなってきたのではないでしょうか。この爆笑を共有するには、まずドラマ本編を見ることが重要。ドブのような30分を経験してこそ、あとで議論する喜びが生まれるのです。「土俵ガール!」をしっかりご覧いただき、翌日の感想戦を楽しむ…そんな習慣を身につけたいものですね。

予告によると、次週も大変な展開が待っている模様。

●光の父、倒れる(←相撲取りは不摂生だな…)
●道場に借金取りのヤクザが乱入(←オヤジ働けよ…)
●土木工事のバイトを始める光(←モデルで稼げよ…)
●ほっぺたにご飯粒をつけながら牛丼をかき込む光(←三文芝居か…)

はたして、相撲道場はどうなってしまうのか。これは来週も「土俵ガール!」から目が離せませんね。



どうせ、どうもならんとは思いますが、第4話に注目していきましょう!