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2024年11月04日08:00
横浜DeNAベイスターズ、強かった!
2024年のプロ野球が完結しました。横浜DeNAベイスターズ、26年ぶりの日本一。26年前、マシンガン打線と呼ばれたあの強い強いチーム以来となる日本シリーズ制覇は、長い暗黒期と身売り、そしてDNAレベルでの再生を経た、不死鳥のような新生の物語でした。「セなら横浜」と心のいくばくかをハマスタに置いている僕としても、とても嬉しい勝利となりました。本当におめでとうございます!
↓お祝いの準備も万端整っており隙がありませんね!
「SMBC日本シリーズ2024」🏆✨
— 横浜DeNAベイスターズ (@ydb_yokohama) November 3, 2024
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11月3日、迎えた日本シリーズ第6戦。第1戦・第2戦ではミスも目立ち、ソフトバンクの王者の野球にひねられた感じもありましたが、少しずつこの決着への予兆は広がっていました。第1戦では0-5と実質負け確の状況で9回裏を迎えながら、ソフトバンクの守護神・オスナさんを打ち込み、終わってみればあと一息の3-5。第2戦もソフトバンクの勝利となったものの、6点を先行されながら3点追い上げるという負けっぱなしではない戦いぶりは、2連敗ではあっても心を折られるようなものではありませんでした。「打てる」という確かな手応え。失点こそ多めではあるもののセで最高の攻撃力を誇る打線は、さすがマシンガン打線の系譜を継ぐチームです。
それでもまだ優位はソフトバンクだったはずでした。ホーム福岡に帰っての3連戦、ひとつ勝てば第6戦・第7戦には最後の番人「有原モイネロ」がいます。そのなかでも特にモイネロさんならば相手がどんな強力打線であろうが問題にはしなかったでしょう。あとひとつ、ホームでひとつ勝てば問題ない、はずでした。しかし、止まらないDeNA打線とめっきり湿っぽくなったソフトバンク打線。勝ちパを出すチャンスもなく、試合を重ねるごとに横浜の勢いは増し、点差は広がっていきました。王者の傲慢なのか、シリーズ途中には「言わんでもいいことを…」という軽度の舌禍がポロリポロリと漏れてきました。「巨人はロッテより弱い」と解釈された加藤哲郎さんの大舌禍(※実際は文面通りの発言はしておらずそういう解釈が広まったもの)ほどではないものの、究極の緊張感のなかで仕事をしていたらそうなるかな?と疑問に思うような言葉たちでした。オリックス中嶋前監督が退任理由に挙げていた「慣れという部分が強く出てしまった」という言葉がチラリと脳裏によぎる綻びだったと思います。
↓言いたいことはわからなくもないが、違う解釈が広まりそうな言葉がポロリと出てくる感じ、伝わりますでしょうか!
あーだこーだ…
— ⚾️斉藤和巳⚾️ (@kazumi_saitoh) November 3, 2024
あーだこーだ…
(誹謗中傷は論外中の論外)
あーだこーだ…
みんな野球が大好き。
贔屓のチームが大好き。
敵チームが憎い。
DeNAベイスターズ並びにファンの皆様おめでとうございます。
水入りで一日日程がズレての第6戦。ソフトバンクは最後の壁・有原航平さんをマウンドに送りますが、もう傾いた勢いを引き戻すことはできませんでした。2回裏、横浜の空高くかっ飛ばした筒香嘉智さんの先制ホームラン。ただの1点、たったの1点ですが、「この物語は横浜が勝って終わる」と思わせるのに十分な出来事でした。1点という数字ではなく、野球の神様の「勝ちなさい」という声が聞こえる一打でした。先制後もさらに安打を重ねた横浜は、2024年のシリーズ男・桑原将志さんのタイムリーで2点を追加し、早くも3点リード。
4回裏には横浜が押し出しで1点を追加すると、ソフトバンク・柳田さんが気を吐いたバックスクリーンへの特大ツーランももはや焼け石に水。5回裏にはソフトバンク・スチュワートJr.さんを責め立て、押し出しとタイムリーで横浜が2点を追加。継投で何とか流れを止めたかったソフトバンクですが、「有原モイネロ」が崩された時点でもうそれより良い手が残っているはずもありませんでした。この日3つ目の押し出しで決定的な5点差がつくと、再び打席が巡ってきた筒香さんが「確信日本一」の3点タイムリーツーベース。もはやあとは「試合は現場で進めてて!」「祝勝会始める準備するから!」「なるべく早く終わってね!」とでも言う感じの、横浜の勝利が決まるのを待つだけの時間でした。ソフトバンクにはもう反撃のチカラは残っていませんでしたし、パ・リーグを圧倒的に制したチームの輝きはすっかり消えてしまっていました。シーズンを圧勝してシリーズではコロッと負けるというのは野球あるあるではありますが、ソフトバンクもそういう普通のチームに戻ったんだなと思いました。時代は巡り、永遠ではない。そんなことを思う日本シリーズでした。
↓筒香さんが戻ってきて、横浜が日本一になった!これが本当の「恩返し」なんですね!
#横浜の空高く#筒香嘉智 選手#SMBC日本シリーズ#baystars pic.twitter.com/8pxNDH8VG4
— 横浜DeNAベイスターズ (@ydb_yokohama) November 3, 2024
↓優勝の瞬間は全員立ち上がってドカーンとなるかと思いましたが、意外に落ち着いた感じでした!
横浜DeNAベイスターズ
— 横浜DeNAベイスターズ (@ydb_yokohama) November 3, 2024
「SMBC日本シリーズ2024」優勝!
26年ぶりの日本一達成!!!!!!#SMBC日本シリーズ #ベイスターズ #baystars pic.twitter.com/mKa1IceYR8
それにしても何と美しい日本一であることか。数日前に素晴らしいハッピーエンドで締めくくられた「大谷翔平物語」を見たばかりなのに、この「横浜DeNAベイスターズ物語」もなかなかどうして負けず劣らずの美しさでした。1998年の日本一を知るレジェンド三浦大輔監督とレジェンド石井琢朗コーチ・鈴木尚典コーチらが率い、チームの魂とも言える筒香嘉智さんがメジャーでの挑戦を一区切りさせて横浜に帰還し、始球式は身売り後の初代監督として低迷するチームを明るく楽しく耕した中畑清さんが務めるという同窓会のようなシチュエーション。「次に日本一になるならこんな感じ…」という夢の光景が広がっていました。
とりわけ三浦監督が日本一となった姿は、身悶えるほど羨ましい夢でした。横浜一筋、どんな低迷のなかにあっても横浜愛を貫いたレジェンドが監督となってもう一度チームを日本一に押し上げた。選手のときもそうしたかったけれどできなかったことを、50歳まで追いかけつづけてついに成し遂げた。ハマスタに鳴り響く「ミーウーラ!」の声は、誰でもない三浦監督だからのものだったはず。愛、愛です。愛を貫いた人だから、こんなにも嬉しく、こんなにも人々を感動させるのです。たまたまどこかで勝ったのではなく、愛で結ばれたチームで勝ったからこそ特別な感動があるのです。勝つためにチームや環境を選んだのではなく、愛するチームが先にあってそこを勝たせるためにすべてを捧げてきた。僕もひとりの観衆として、そういう夢、そういう物語こそを見たい、心からそう思います。何でもアリの野球漫画「大谷翔平物語」でもこの光景は描けないでしょう。日本の野球にも、そんな物語があることを本当に嬉しく思いました。
世間では「下克上がどうたら」「シーズン3位がどうたら」「40ゲーム差がどうのこうの」と言うザワつきもあるかもしれませんが、そんなことでこの夢はいささかも傷つくことはありません。一年かけてダラダラやるシーズンなど、金と環境があればいかようにでもなるのです。「世界ランキング1位」が必ずしも「金メダリスト」ではないように、ある程度の時間をかける戦いと、この日・この時・この一瞬の戦いは別の話です。そして、本当に大事なのはこの日・この時・この一瞬で勝つことのほうです。後先考えずすべてを出し切ったとき、より高みにいるのはどちらのほうなのか。陸上や競泳で言えば五輪で世界記録を出すような、テニスで言えば四大大会で勝つような、ゴルフで言えばマスターズで勝つような、ランキングだのポイントだのでは測れ知れない真の高みにいる者を見定めた結果が「横浜DeNAベイスターズ日本一」だったわけですから、反り返るほど胸を張ってほしいと思います。
ソフトバンクもわかっているだろうと思います。あれだけの勝利を重ねてきた球界の盟主です。勝つことの難しさも、ここで勝たなければやはり負けなのだということも、十二分に自覚していることでしょう。総括は「相手が強かった」「弱かったから負けた」しかないのです。あえて言うならば、ひとつの時代が終わったのかなと思います。この10年あまりソフトバンクは本当に強かった。シーズンはもちろんですがそれ以上に「ここ一番」で嫌らしいほど強かった。何故その好プレーが今出るのか、何故相手の隙に目ざとく気づくのか、何故ここでその1球が決まるのか、何故ここでその一本が出るのか、対戦したり見守ったりするなかで何度も唸らされてきました。不確かな勝利を慎重に握り締めるような見事な戦いぶりでした。決して戦力が巨大だったから勝っていたわけではありません。巨大な戦力が勝つことを徹底していたから、10年で6度の日本一も成ったのです。
ただ、まぁ、それも一区切りなのかなと感じました。ポロリポロリと漏れだす軽度の舌禍のような綻びであったり、勝ちつづけてきたことの慣れであったり、野手陣主力の高齢化であったり、補強では補うことができない「愛」の不足であったりが、勝ったり負けたりするような普通のところまでチームを落ち着かせてしまったのかなと思います。今のソフトバンクに「俺はこのチームで勝ちたかったんだ」「ただ勝つことじゃない」「このチームで勝つことが夢だったんだ」と、勝って泣けるような人がどれぐらいいるのかと思うと、この結果も驚きではないだろうと思います。平均値では上でも、この日・この時・この瞬間に最高値を出せるかどうかは、若さや勢い、試合のなかでの成長、勝利への渇望、自分の我欲だけでは出せないチカラを愛によって発揮できるかどうかで変わってくるものですから。当面は普通のチームとして、低迷期を存在させずに新生できるかどうかが今後のソフトバンクのテーマになるのではないでしょうか。
そしてジトーッとした嫉妬の目で見上げております我が埼玉西武ライオンズについて、残念ながら我が方はハッキリと暗黒期に入ってしまいましたので、新生には長く時間がかかりそうだなと思い憂鬱ではありますが、この美しい日本一のようなものを目指して頑張っていけたらいいなと思います。横浜さんを参考にすると山下監督時代の2003年あたりから「これはただの最下位ではない」という感じになり、中畑監督時代の2015年くらいで「最下位だが最下位という感じはしない」という雰囲気になりましたので、干支1周くらい頑張ればいいのかなと思います。そして干支2周くらいしたら日本一というのもあるのかなと。ちょっと僕はもうその頃には死んでるかもしれませんが、まだチームがあったら応援していただければ幸いです!
↓横浜DeNAベイスターズの皆さん、改めまして日本一おめでとうございます!
前回の日本一は西武がお相手して見事に負けましたね!
あれからずいぶん時間が経ちましたが、「この30年で日本一になった回数」ではともに2回ずつと並びました!
勝手にウチのほうが強かった気がしていましたが、そんなことなかったです!
勝手にウチのほうが強かった気がしていましたが、そんなことなかったです!
30年で2回って考えたら、やっぱり次までに死んでそうだなと思いました!