2023年11月14日08:00
限られた命の今を全力で生きる、ことでつながりたい!
週末、僕はテレビを見て打ちのめされていました。12日に日本テレビで放送された「NNNドキュメント 『職業 羽生結弦』の矜持」。羽生氏の日々に密着し、プロとしての生き様を見つめるドキュメンタリーです。そこに映し出されていたのは「そうだろうな」とは薄々思いながらも、リアルに心を向けてはこなかった真の舞台裏でした。つまり、ステージの裏ではなく、ステージに至る道のりの裏。そこには過酷で、怪我と大怪我のギリギリの際を進むかのような姿がありました。これが「プロ」なのだとするならば、自分は何のプロでもないのだと恥じ入るような気持ちになりました。週末の反省にふさわしい番組でした…。
#NNNドキュメント 11/12深夜には #羽生結弦 「職業・羽生結弦の矜持」 #フィギュアスケート 界のスーパースターの #プロ転向後 に #密着 。競技を離れることへの不安、そして今、羽生が思うこととはー 前例のない道を切り開く羽生の #矜持 に迫る #NTV #日本テレビ系全国ネット #日本テレビ pic.twitter.com/tFVCrtsccQ
— NNNドキュメント【公式】 (@n_docu) October 16, 2023
番組のなかで明かされた羽生氏の練習メニューたち。7月18日の日付のものでは、レペティショントレーニングとして身体に大きな負荷を掛けながら同時に持久力も伸ばすよう、4回転ジャンプとトリプルアクルを含んだセットを幾度も繰り返すような練習が組まれていました。7月29日の日付のものでは、通し稽古でもするかのように、10本ほどのプログラムをわずかな休憩だけで演じていくようなメニューが組まれていました。演技と演技の合間には本番を想定して「靴を脱いで(衣装を替えて)靴を履き直す」というトランジションの練習までも。リンクではRE_PRAYで用いたゲーム音楽も流れていましたので、これが「RE_PRAYのメイキング」ということなのでしょう。単独アイスショーをやる以上は、ひとりで通す練習は当然するのでしょうが、改めてその厳しさを目の当たりにすると「これがプロ、これがソロ」と唸ります。
しかも、その練習は「スケート以外の仕事」とも並行して行なわれており、とある日には「8時間CM撮影等」をこなしたのち、わずかな仮眠を挟んで、今度はリンクで過酷な通し練習をしていると言うのです。「滑らないと劣化していく」「マイナスになっていくのは防がなきゃいけない」「次のショーに間に合わなかったら嫌なので」という自分に厳しい言葉たち。練習メニューに書き添えられた自己分析のスコアには「体調3」「疲労3」「足首2」「腰3」といった数値の記載も。
普通であることを示す3の評価は「普通にだる重」だそうなので、「万全」と言えるような日はおそらくほとんどないのでしょう。元気満々には見えないその姿と、それでも練習に向かう強い意志。本番では見せない荒く吐き出すような呼吸と、どうにも苦しいときには「楽しい…楽しい…頑張れ…まだだぞ…」と自らに声を掛けながら練習をやり遂げる壮絶な姿。「これができなければGIFTやRE_PRAYはできない」「これができてもGIFTやRE_PRAYまでには果てしないタスクがまだある」と思うと、気が遠くなってきます。このような人を前にして、リモートワークであるのをいいことに「出勤のタイムカードを切ったあと、ちょっと仮眠を取っている」などとはクチが裂けても言うことはできません。プロと、プロではないものの厳然たる差がそこにはありました。
「何故、そこまで…」
と、言葉にしそうになりますが、答えはもう本人が出していました。「僕にしかできないことをする」「アスリートであり、アーティストであって、エンターテインメントでもある、そこの極致みたいなところにフィギュアスケートを使って行こうとしている」という明確なビジョンが羽生氏にはある。であるならば「スケートの仕事」「スケート以外の仕事」などとより分けをするはずもありません。あのディズニーだって自分たちの存在を世に発信しつづけるために、どれだけお客がたくさん来ていたとしてもCMは打つのです。映画とランドだけやっていればいい、なんてはずがないのです。本来なら「企業」とか「ジャンル」とか「チーム」とか集団戦で追求すべきすべてを、「羽生結弦」でやろうとしているというこの凄まじさ。時間は足りず、やることは果てしなく多いのです。
今の全身全霊がどれだけつづけられるのだろうか。足首や腰が「3」程度で粘ってくれている間に、どこまで行けるのだろうか。考え出すと不安ばかりが浮き上がりますが、もはや考えても仕方ないことだなと思いました。今が一番若く、今が一番可能性が大きいのですから、やれる限りをやって、行けるところまで行くだけ。ただ、その「極致」なり「行ける限りのところ」を誰かが見ていないと寂しいでしょうから、こちらも推せるだけ推してこその命だなと思います。楽しいと思えることに全力で向かっていくことで、同じ線の上に立っていられたらいいのかな、そんなことを思う番組でした。これからのRE_PRAYにさらに全力で向かっていく、いきたい、そういう意欲が沸いてきた気がしますね!
↓2時間の仮眠で8時間分寝られるような魔法の寝具を提供してあげてください!
さて、そんな刺激を受けつつ、遅ればせながらアレに行ってまいりました。11日に発売されたAERA特別編集による写真集『羽生結弦 孤高の原動力』の発売を記念した写真展示イベントです。全国各地の書店さんでパネル展示を行なっているこのイベントですが、そのなかでもひときわドーンと大きく展開されているという銀座蔦屋書店さんへ、僕も足を運んできたのです。写真集自体は早々に通販で買ってしまっていたのですが、この「行く」という姿勢で、今を全力で生きる人に少しは胸を張れる自分でありたい、そんな気持ちでのお出掛けです。
↓やってまいりました銀座蔦屋書店さん!

個人的には初訪問の書店さんでしたが、さすが銀座、大変オシャレです。アーティスティックでさえあります。高い天井まで届く本棚に囲まれ、至るところにアート作品やアート製作の道具が並べられ、行き交うお客さんはアートなブックを物色しています。結構探したのですがエッチな漫画とかのコーナーは見つけることもできません(※あるのかもしれないが店全体が迷路のようで見つからず)。店内にはアートな時間を楽しむためのコーヒーショップまであり、優雅な香りに包まれながら知性を刺激することもできそう。
迷路のような本棚のなかで「どこにあるんだ…?」としばし迷っていると、やがて奥まった店の一角に「羽生大神殿」とでも言いたくなるような展示スペースが。「RPGでダンジョン抜けたときの気持ちだ!」と心弾ませながら会場にインする僕。写真集に収録されたカットから4点をパネル展示するという触れ込みでしたが、実態としては3点のパネルと1点の巨大壁画です。そこにおわしたのは、「孤高の原動力」表紙衣装に身を包んだ等身大よりもさらに大きい真っ赤な羽生氏。よくよく見れば垂れ幕にプリントされたものでしたが、遠くから見るとヨーロッパの教会の壁か何かのようです。「あぁ、1000年前ならあちこちで壁画になってたんだろうなぁ」と自然に思える、アートを体現する姿でした。これが絵じゃなくて写真だって言うんですから、そりゃみんなでこの素材を撮りますわね!
↓棚自体も並んでいる本もアーティスティックなので、空間に映えます!

↓目の前に立つと天界から見下ろされる気分を味わえる巨大壁画!(※壁ではない)

早速僕は展示の模様の写真など撮り始めましたが、同じような人がひっきりなしに訪れてきます。写真集をめくり、パネルを撮影し、壁画の前で記念撮影をし、さらに写真集から抜粋されて展示されていた「100問100答」のコーナーを読みふけるなど、列を成すかのような店内です。インバウンドの訪日客…ということではないかもしれませんが、台湾あたりの方なのかなという来場者もチラホラ。
あらかじめ予約されていた方は写真集とともに特典のチェキを受け取って満足そうな笑みを見せていたりもします。それを見ると「何故早々に楽天で買ってしまったんだ…」「届く前にキャンセルして買い直すべきだった…」「全力で今を生きていたならチェキも獲得していたはず…」とチラッと思ったりもしましたが、まぁ何もかもを手に入れることは土台できないわけですから、これはこれでヨシとしましょう。一応、写真集のオビにチェキの写真も印刷されていましたしね。
↓チェキの実物は心に焼きつけてきました!

なお、こちらの会場では全国書店で展開している「QRコードを読み込んでメイキング動画が見られる」企画は実施していないそうで、それはまた別の書店さんで見てね、というあたりも面白いなと思いました。通販で買えばモノが届くだけですが、パネル展があり、特典があり、実物をその場で手にする喜びがあり、さらに別の店舗を巡る散策の喜びもあるという「体験」の仕掛け。広告が掲出されると聞けばワクワクしながら巡るあの感じを、実店舗という舞台でさまざまな商品を通じて楽しめるというのも嬉しい日々だなと思います。何ならスタンプラリー的にいくつか書店を巡る仕掛けでも面白かったなと思いました。何故自分は早々に楽天で…(※以下略)
↓メイキング動画は別の書店さんの展示で拝見しました!

最近は柄にもなくお仕事が忙しかったりして、初日!朝!来ました!みたいな動きのよさも示せていないのですが、できる限りの全力で今を生きていたい…そんなことを思います。こうした企画があって、思い出を記録するチャンスがあって、それを自分の日記として残しておけるなんて、未来への贈り物のようでしょう。買い物目的ではありませんでしたが、やはり足を運んでよかったなと思いました。思った以上のアートな空間と、自転車を漕ぐときのように一歩動き出したことでわき出る元気が、また次への一歩につながるなと思いました。
「今日を120%で生きることで、明日105%を出せる」ような生き方はなかなかできなかったりもしますが、推しはひとりでファンは集団。集団のチカラを合わせれば、どれだけ激流があふれ出て来ようとも楽しみ抜くこともできるのかなと思います。自分の気持ちを大切に、身体と元気のつづく限り、楽しんでいきたいなと思いました。公演だけではなく、いろいろなことで楽しませてもらえる幸せを噛み締めながら、今後も奮ってお出掛けしていきたいと思います!(初日!朝!ではないかもですが)
↓自分の行ったところはなるべく共有します!遠方の方もお楽しみください!
まぁ、初日!朝!だと壁画をクリーンに撮るのは難しかったかもですね!
一瞬誰もいなくなったときに撮ってるだけで、ずっと誰かがいる賑わいでしたので!
そのうち「全国書店対抗パネル展示コンテスト」とか開かれそうな気がします!