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2010年10月04日11:47
久々に競馬で絶叫しました!
日本競馬の歴史にまた新たな一歩が刻まれました。10月3日に行われた欧州競馬の祭典・凱旋門賞。各地のビッグレースを勝ち抜いた馬が集まり、今年の欧州競馬を総決算する一戦。前哨戦となるニエル賞を勝ったベカバッド、古馬の大将格フェイムアンドグローリー、英ダービーを制したワークフォースなど欧州のスターホースに混じり、日本からも皐月賞馬ヴィクトワールピサと宝塚記念馬ナカヤマフェスタが参戦。事前の予想では単賞オッズ20倍台といずれも伏兵の評価でしたが、まさかまさかナカヤマフェスタが僅差の2着に飛び込む激走を見せたのです。
凱旋門賞で日本馬が2着するのは1999年のエルコンドルパサー以来の快挙。エルコンドルパサーのときはフランスに長期滞在し、サンクルー大賞で有力どころを一蹴したうえで、本番の凱旋門賞では当時欧州最強と謳われたモンジューと「本命同士」の壮絶な叩き合いの末に2着。真正面から堂々と欧州競馬に挑戦し、日本競馬の存在を世界に誇示する戦いでした。そのときの「チームエルコンドルパサー」と同じ、二ノ宮厩舎&蛯名正義騎手という組み合わせで、再び「あと一歩」に迫ったという事実。何か、10年前のレースシーンと、そのときの夢や興奮まで色鮮やかに蘇るような思いがします。
確かに、そのときに比べると、今回のナカヤマフェスタは伏兵の大駆けという感じは否めません。日本のファンですら「えっ!?」「ナカヤマフェスタで凱旋門賞?」「出ればいいというもんでは…」と驚いたほどです。しかし、そんな周囲の反応はよそに、虎視眈々と戴冠を狙い、この結果を出した日本のホースマンたち。海外遠征の経験を積み重ねたとはいえ、慣れない環境・アウェーの戦いに挑むのはラクではないはず。ましてナカヤマフェスタはGIは宝塚記念を勝っただけで、「日本でやることがなくなった」というほどの勝鞍もない馬。それをあえて凱旋門賞に挑ませ2着するとは、馬場・レース適正の見立ても含め、「日本競馬の実力」もここまできたかと誇らしくなります。
エルコンドルパサーは凱旋門賞を最後に引退。種牡馬としては、現役当時ほどの活躍はできないまま、2002年に腸捻転で死亡しました。あのまま現役をつづけてくれていれば、もっと大きな夢が見られたのではないか…そんな心残りもあります。何の因果かこんなことになってしまったナカヤマフェスタには、ぜひそのぶんまで走りつづけてもらいたいもの。そして、ドバイワールドカップやブリーダーズカップなどでうっかり大きな夢をつかんでしまう…そんな姿にも期待したいものです。日本の最強馬論争に食い込むような実績を積み上げ、「実績ではナカヤマだが何となく許せない」「結果以外は小物」「そもそも名前が気に入らない」など、ファンを狼狽させてほしいものですね。
ということで、凱旋門賞制覇にあと頭ひとつにまで迫ったナカヤマフェスタの激走について、早速チェックしていきましょう。
◆お父さんの2着力は息子さんにもしっかり受け継がれました!
競馬を見守る楽しみは、父から子、母から孫へと血と歴史が受け継がれていくこと。エルコンドルパサーからナカヤマフェスタへと人間側のドラマが受け継がれたように、馬自身にも背負った歴史がありました。
ナカヤマフェスタの父親ステイゴールドは、成績はともかくファンに愛された名馬。日本では何故か勝ちきれない競馬がつづき、GIで2着4回、3着2回という「シルバーコレクター」でした。特に現在の数え方でいう4歳時の天皇賞・秋は見事でした。このレースで大本命と目されたサイレンススズカはレース中に負傷し競争中止。これなら今度こそ1着だろうと思ったのもつかの間、抜け出した6番人気の7歳馬・オフサイドトラップに追いつけず、当時の最高齢GI勝利記録をオフサイドトラップにプレゼントする体たらく。僕も馬券を床に叩きつけながら、ステイゴールドの2着力に涙を流して感動したもの。
そんなステイゴールドは、ひとたび海外に出ると鬼のような強さを発揮する馬でした。前年の秋競馬では自慢の2着力も失われたかGI惨敗がつづき、引退も間近と思われた2001年。うっかり遠征したドバイワールドカップではドバイシーマクラシック(当時はGII)を制する快挙。さらに引退レースとなった香港ヴァーズ(GI)では、まさかの豪脚で悲願のGI初制覇。日本生まれ・日本調教の馬による海外GI初制覇、という歴史の扉をうっかりこじあけたのでした。
↓ステイゴールドがようやくゴールドを戴冠した香港ヴァーズ動画
絶対届かねぇだろ、という距離からぶち抜いた鬼脚!
日本より旅先に強い謎適正で快挙達成!
ナカヤマフェスタにも、お父さんの「海外適正」「2着力」「うっかり」がしっかり受け継がれていました。前哨戦のフォア賞は先頭を追い詰めるもわずかに届かずの2着。さっそくの2着力を見せつけると同時に、本番への期待を高める上々の内容でした。
そして迎えた本番。日本の競馬場とは違い、飲んだくれ風ファッションもホームレス風ファッションもいないロンシャン競馬場。紳士・淑女が正装で名馬たちの登場を待ちます。日本からも多くのファンが駆けつけ、日の丸を掲げ、横断幕などを掲出。
とはいえ事前予想では伏兵視された日本勢。生中継したフジテレビTWOの解説陣も「ヴィクトワールピサは皐月賞で見せた瞬発力で抜け出せば勝機アリ」と言った直後に、「ロンシャン競馬場で瞬発力勝負は厳しい」と身も蓋もないことを言い出す始末。「頑張ってフォローしている感」が満載です。
しかし、予想どおりにならないからこそレースは面白いもの。ナカヤマフェスタは余裕ある手応えで好位からレースを展開。下り坂から最後のコーナーにかけて徐々に位置を上げ、絶好の気配で最後の直線に向かったのです。
↓最終コーナーでは前が詰まり、蛯名騎手が腰を落とす場面も!

赤に☆の帽子と、赤と白の横縞の勝負服がナカヤマです!
がんばれ蛯名!どこにいる武さん!
↓直線ではワークフォースが狭いところを強引に割ってくる!

ナカヤマの内側、ピンクの帽子がワークフォースです!
がんばれ蛯名!どこにいる武さん!
↓しかし追い比べの末、ナカヤマはわずかに届かず2着!

エルコンドルパサー:「あぶねーっ!こんなのに1着取られるとこだった」
ディープインパクト:「まぁでも、凱旋門賞2着がウリのエルコンさんの価値は急落ですな」
スピードシンボリ:「凱旋門賞2着くらいで顕彰馬になろうなんて甘いよ、エルコンくん」
ヴィクトワールピサ:「あっ!何気に僕、日本馬歴代3位の7着ですよ」
惜しかった。本当に惜しかった。しかし、夢の凱旋門賞は手の届くところまできていることは明らか。リスクとメリットを勘案すると、必ずしも凱旋門賞挑戦はオイシイ話ではありません。ディープインパクトクラスの馬でなければわざわざ遠征しない、というのも仕方ないこと。しかし、適正を見極め、毎年ある程度の頭数を出していけば、このレースを獲れることは明らかです。ナカヤマフェスタのように、うっかり果敢に挑戦する馬主・厩舎の登場を今後も期待したいもの。賞金額も下がり、客足も伸びない日本競馬。そんな時だからこそ、暗い影を吹き飛ばすような大きな夢を追ってもらいたいものですね。
↓ナカヤマフェスタがついうっかり2着した凱旋門賞動画
<ちなみに、2009年ダービーを戦ったライバルたちの近況>
1着ロジユニヴァース:ダービー制覇後、体調を崩しパッとしないまま現在に至る
2着リーチザクラウン:ダービー2着後、中長距離路線ではパッとせず、マイル路線に活路を見出すも、骨折で長期休養中
3着アントニバローズ:ダービー3着後、2ケタ着順がつづき、2010年肺炎で死亡
4着ナカヤマフェスタ:宝塚記念制覇、凱旋門賞2着
5着アプレザンレーヴ:ダービー5着後は1戦したところで屈腱炎を発症し引退。現在は乗馬として活躍中
ナカヤマ他馬の運気吸いすぎだろwwwww
2009年組壊滅状態じゃねぇかwwwwwww
この勢いでドバイに挑戦し、エルコンドルパサーさんを霞ませちゃってください!
日本競馬の歴史にまた新たな一歩が刻まれました。10月3日に行われた欧州競馬の祭典・凱旋門賞。各地のビッグレースを勝ち抜いた馬が集まり、今年の欧州競馬を総決算する一戦。前哨戦となるニエル賞を勝ったベカバッド、古馬の大将格フェイムアンドグローリー、英ダービーを制したワークフォースなど欧州のスターホースに混じり、日本からも皐月賞馬ヴィクトワールピサと宝塚記念馬ナカヤマフェスタが参戦。事前の予想では単賞オッズ20倍台といずれも伏兵の評価でしたが、まさかまさかナカヤマフェスタが僅差の2着に飛び込む激走を見せたのです。
凱旋門賞で日本馬が2着するのは1999年のエルコンドルパサー以来の快挙。エルコンドルパサーのときはフランスに長期滞在し、サンクルー大賞で有力どころを一蹴したうえで、本番の凱旋門賞では当時欧州最強と謳われたモンジューと「本命同士」の壮絶な叩き合いの末に2着。真正面から堂々と欧州競馬に挑戦し、日本競馬の存在を世界に誇示する戦いでした。そのときの「チームエルコンドルパサー」と同じ、二ノ宮厩舎&蛯名正義騎手という組み合わせで、再び「あと一歩」に迫ったという事実。何か、10年前のレースシーンと、そのときの夢や興奮まで色鮮やかに蘇るような思いがします。
確かに、そのときに比べると、今回のナカヤマフェスタは伏兵の大駆けという感じは否めません。日本のファンですら「えっ!?」「ナカヤマフェスタで凱旋門賞?」「出ればいいというもんでは…」と驚いたほどです。しかし、そんな周囲の反応はよそに、虎視眈々と戴冠を狙い、この結果を出した日本のホースマンたち。海外遠征の経験を積み重ねたとはいえ、慣れない環境・アウェーの戦いに挑むのはラクではないはず。ましてナカヤマフェスタはGIは宝塚記念を勝っただけで、「日本でやることがなくなった」というほどの勝鞍もない馬。それをあえて凱旋門賞に挑ませ2着するとは、馬場・レース適正の見立ても含め、「日本競馬の実力」もここまできたかと誇らしくなります。
エルコンドルパサーは凱旋門賞を最後に引退。種牡馬としては、現役当時ほどの活躍はできないまま、2002年に腸捻転で死亡しました。あのまま現役をつづけてくれていれば、もっと大きな夢が見られたのではないか…そんな心残りもあります。何の因果かこんなことになってしまったナカヤマフェスタには、ぜひそのぶんまで走りつづけてもらいたいもの。そして、ドバイワールドカップやブリーダーズカップなどでうっかり大きな夢をつかんでしまう…そんな姿にも期待したいものです。日本の最強馬論争に食い込むような実績を積み上げ、「実績ではナカヤマだが何となく許せない」「結果以外は小物」「そもそも名前が気に入らない」など、ファンを狼狽させてほしいものですね。
ということで、凱旋門賞制覇にあと頭ひとつにまで迫ったナカヤマフェスタの激走について、早速チェックしていきましょう。
◆お父さんの2着力は息子さんにもしっかり受け継がれました!
競馬を見守る楽しみは、父から子、母から孫へと血と歴史が受け継がれていくこと。エルコンドルパサーからナカヤマフェスタへと人間側のドラマが受け継がれたように、馬自身にも背負った歴史がありました。
ナカヤマフェスタの父親ステイゴールドは、成績はともかくファンに愛された名馬。日本では何故か勝ちきれない競馬がつづき、GIで2着4回、3着2回という「シルバーコレクター」でした。特に現在の数え方でいう4歳時の天皇賞・秋は見事でした。このレースで大本命と目されたサイレンススズカはレース中に負傷し競争中止。これなら今度こそ1着だろうと思ったのもつかの間、抜け出した6番人気の7歳馬・オフサイドトラップに追いつけず、当時の最高齢GI勝利記録をオフサイドトラップにプレゼントする体たらく。僕も馬券を床に叩きつけながら、ステイゴールドの2着力に涙を流して感動したもの。
そんなステイゴールドは、ひとたび海外に出ると鬼のような強さを発揮する馬でした。前年の秋競馬では自慢の2着力も失われたかGI惨敗がつづき、引退も間近と思われた2001年。うっかり遠征したドバイワールドカップではドバイシーマクラシック(当時はGII)を制する快挙。さらに引退レースとなった香港ヴァーズ(GI)では、まさかの豪脚で悲願のGI初制覇。日本生まれ・日本調教の馬による海外GI初制覇、という歴史の扉をうっかりこじあけたのでした。
↓ステイゴールドがようやくゴールドを戴冠した香港ヴァーズ動画
絶対届かねぇだろ、という距離からぶち抜いた鬼脚!
日本より旅先に強い謎適正で快挙達成!
ナカヤマフェスタにも、お父さんの「海外適正」「2着力」「うっかり」がしっかり受け継がれていました。前哨戦のフォア賞は先頭を追い詰めるもわずかに届かずの2着。さっそくの2着力を見せつけると同時に、本番への期待を高める上々の内容でした。
そして迎えた本番。日本の競馬場とは違い、飲んだくれ風ファッションもホームレス風ファッションもいないロンシャン競馬場。紳士・淑女が正装で名馬たちの登場を待ちます。日本からも多くのファンが駆けつけ、日の丸を掲げ、横断幕などを掲出。
とはいえ事前予想では伏兵視された日本勢。生中継したフジテレビTWOの解説陣も「ヴィクトワールピサは皐月賞で見せた瞬発力で抜け出せば勝機アリ」と言った直後に、「ロンシャン競馬場で瞬発力勝負は厳しい」と身も蓋もないことを言い出す始末。「頑張ってフォローしている感」が満載です。
しかし、予想どおりにならないからこそレースは面白いもの。ナカヤマフェスタは余裕ある手応えで好位からレースを展開。下り坂から最後のコーナーにかけて徐々に位置を上げ、絶好の気配で最後の直線に向かったのです。
↓最終コーナーでは前が詰まり、蛯名騎手が腰を落とす場面も!

赤に☆の帽子と、赤と白の横縞の勝負服がナカヤマです!
がんばれ蛯名!どこにいる武さん!
↓直線ではワークフォースが狭いところを強引に割ってくる!

ナカヤマの内側、ピンクの帽子がワークフォースです!
がんばれ蛯名!どこにいる武さん!
↓しかし追い比べの末、ナカヤマはわずかに届かず2着!

エルコンドルパサー:「あぶねーっ!こんなのに1着取られるとこだった」
ディープインパクト:「まぁでも、凱旋門賞2着がウリのエルコンさんの価値は急落ですな」
スピードシンボリ:「凱旋門賞2着くらいで顕彰馬になろうなんて甘いよ、エルコンくん」
ヴィクトワールピサ:「あっ!何気に僕、日本馬歴代3位の7着ですよ」
惜しかった。本当に惜しかった。しかし、夢の凱旋門賞は手の届くところまできていることは明らか。リスクとメリットを勘案すると、必ずしも凱旋門賞挑戦はオイシイ話ではありません。ディープインパクトクラスの馬でなければわざわざ遠征しない、というのも仕方ないこと。しかし、適正を見極め、毎年ある程度の頭数を出していけば、このレースを獲れることは明らかです。ナカヤマフェスタのように、うっかり果敢に挑戦する馬主・厩舎の登場を今後も期待したいもの。賞金額も下がり、客足も伸びない日本競馬。そんな時だからこそ、暗い影を吹き飛ばすような大きな夢を追ってもらいたいものですね。
↓ナカヤマフェスタがついうっかり2着した凱旋門賞動画
<ちなみに、2009年ダービーを戦ったライバルたちの近況>
1着ロジユニヴァース:ダービー制覇後、体調を崩しパッとしないまま現在に至る
2着リーチザクラウン:ダービー2着後、中長距離路線ではパッとせず、マイル路線に活路を見出すも、骨折で長期休養中
3着アントニバローズ:ダービー3着後、2ケタ着順がつづき、2010年肺炎で死亡
4着ナカヤマフェスタ:宝塚記念制覇、凱旋門賞2着
5着アプレザンレーヴ:ダービー5着後は1戦したところで屈腱炎を発症し引退。現在は乗馬として活躍中
ナカヤマ他馬の運気吸いすぎだろwwwww
2009年組壊滅状態じゃねぇかwwwwwww
この勢いでドバイに挑戦し、エルコンドルパサーさんを霞ませちゃってください!