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今使っておるのが、その10倍魁皇拳なのだ…。

消えゆく魂の叫びか。散り際の輝きか。全財産を投じた大買収劇か。「ハチナナ大関」「引退寸前」「いろいろな意味で別枠の存在」と揶揄された大関魁皇が、まさかの10連勝で九州場所の主役に名乗りをあげました。魁皇が10連勝するのは6年ぶりで、二桁の勝ち星をあげるのも2007年以来のこと。「魁皇が地元で元気です」どころか、2004年以来の賜杯すら視界に入ってきました。

もちろん魁皇は大関の名に恥じない実力者。ハチナナと簡単に言いますが、横綱・大関ら三役格と全部顔を合わせるあの地位で8勝するのは大変なこと。優勝争いにこそ絡みはしませんが、ときに白鵬すら破るほどの実力は伊達ではありません。実際、2009年の実績を見ても幕内年間48勝の魁皇は日本人力士の最高成績。印象より遥かに魁皇は強いのです。

とはいえ、立ち上がるのもやっとで、少し押されればヒザの半月板がずれる男が、連日の激しい相撲に耐えられるとは誰も想像しなかったこと。解説の舞の海氏あたりからも「小説よりもできすぎた奇跡」と評されるほど、この頑張りは異常事態。「地元の声援」とか「たまたま体調がよかった」では説明がつかない強さが今の魁皇にはあります。

もはやこれは相撲の神の悪戯としか思えません。

八百万の神がいるのですから当然相撲の神もいるはず。そして、相撲の神ならば、相撲取りがそうであるようにちょっと天然に違いありません。僕の推理では、相撲の神は白鵬の連勝記録を応援するため九州入りしたのでしょう。ところがしばらくぶりの下界だったことと、昨今の角界事情に通じていなかったため、二日目から憑りつく相手を間違えてしまったのです。やたら人気がある力士を見て「コイツだよな」「横綱の風格がある」「四股名もそれっぽい」と…。

そこから始まった魁皇の奇跡の大連勝。白鵬の69連勝こそ成らなかったものの、九州場所は魁皇大連勝に沸き返っています。万が一にも優勝したらどうするべきか。最高の花道として引退するのか。成り行き上「綱取り」に挑戦するのか。新年の挨拶で「今年は綱取りの年ですね。抱負をお聞かせください」などと、トボけた会話をする羽目になるのか。この奇跡の行方が楽しみで仕方ありません。1日でも長く続くよう、相撲の神様にお祈りしたいものですね。

ということで、神懸かり的な大連勝を続ける魁皇の神懸かり的勝利について、24日にNHKが中継した「大相撲九州場所11日目」からチェックしていきましょう。



◆「決まり手は引き落とし?」「引き落としで魁皇の勝ち?」

初日に安美錦に黒星を喫した際には、今場所も苦しい勝ち越しへの戦いが予想されたもの。引退するなら地元九州であろう…そんな予想も加味すると、これが魁皇最後の場所となるか。少なくとも最後の九州場所にはなるだろう、そんなことすら感じたもの。

しかし、一旦神が憑くやあれよあれよの大連勝。横綱を破り勢いづく稀勢の里も、2大関に土をつけた豊真将も撃破。1敗のまま優勝争いのトップを並走。「もう再起不能になってもいいという気持ちで相撲を取ったとしたら、これはもしかすると優勝ということも考えられますよね」と舞の海氏が無責任なコメントを言い放つと、世間からも「魁皇拳20倍を使え」と同調の声が。

そして迎えた十一日目。相手は先場所大活躍の豪風。いつものように沸き起こる拍手・歓声・魁皇コール。掲げられる「頑張れ!魁皇」などの横断幕。そんな奇跡を期待する声は、相撲の神をつき動かしました。

立ち合いで姑息にも右に変化した豪風。魁皇の右上手を嫌ってのことでしょうが、ヒザに不安を抱える魁皇はこの手の動き回る相撲に不安あり。豪風は魁皇を一旦突き放すと、さらに姑息にもはたき込みを敢行。「変化した上に引く」という「魁皇マナー」に反する相撲をしやがったのです。

↓引き技でバランスを崩した魁皇は土俵際いっぱい!
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膝:「ムリムリムリムリ」
腰:「ヤバイヤバイヤバイ」
頭:「魁皇拳を11倍にあげるぞー!」


↓懸命のダッシュで粘る魁皇!
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膝:「歩くだけで痛い!」
腰:「立っているのがやっと!」
頭:「魁皇拳を11倍にあげるぞー!」


もうダメか。というか、普通なダメな場面。横綱白鵬といえども、あの状態から相撲を始めれば送り出されて当然。しかし相撲の神が間違って後押しする魁皇には、奇跡を起こす力すら宿っていました。懸命のダッシュで土俵を逃げ回る魁皇のスピードが、何と豪風の追い足を凌駕。

↓魁皇のスピードに翻弄された豪風はまさかの転倒!
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行司:「引き落とし?」
勝負審判:「引き落とし?」
実況:「引き落とし?」

何じゃコリャwwwwww土俵の奇跡wwwwwww


↓豪風に巻き込まれ魁皇も転倒!
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行司:「フライングボディプレス!」
勝負審判:「フライングボディプレス!」
実況:「フライングボディプレス!」

ピンフォールwwwって場内全員大爆笑じゃねぇかよwww


敗れた豪風は「今場所の魁皇関はいろいろなものを吸い寄せている」と驚嘆。放送席からも「不思議なチカラ」「何かがついてきてる」と鳩がキツネにつままれて豆鉄砲を食ったようなコメント。

魁皇本人すら「まさか自分の下に人が倒れているとは思わなかった」「(相手に背中を向けて勝ったことは?)さあ、わかんない。あんなので勝つってのは、なかなかないし…。決まり手?知らない」と何が起きたのかわからないようす。こんな奇跡が起きるなら、まさかまさかということも予感されるではありませんか。今場所の残り4日間、魁皇の生命を燃やし尽くす最期の戦いに期待したいものですね。

↓しかし、部屋では優勝祝賀会の準備はしていないそうです!
建前:「祝賀会の準備をすると負ける、というジンクスがあるので」
本音:「優勝するわけねーだろw」

友綱wwwwwwせめてタイくらい買っておけwwww


↓魁皇が神の奇跡で勝利をおさめて大相撲十一日目動画


こりゃ、相撲賭博をやっている連中でも予想できない事態!



白鵬さえ倒せば、把瑠都・琴欧洲は「話がわかる」ナイスガイなので期待大!