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どやさ、どやさ、どやさ、どやさ!

ドヤ街という言葉があります。東京でも山谷がドヤ街として有名ですが、この「ドヤ」とは「宿」から転じたもの。主に土木工事作業などに従事する日雇い労働者が、立ち並ぶ簡易宿泊所に寝泊まりしながら暮らしていた町を指す言葉です。昭和の高度成長期には相応の活況も見せたのでしょうが、現在では衰退の一途。ドキュメンタリー番組などで「滅びゆく街」としての紹介も散見するようになりました。

滅びゆく街を象徴するかのように、「ドヤ街」という言葉自体もめっきり聞かなくなりました。最近では同じような言葉では「どや顔」のほうが圧倒的に使用されていることでしょう。こちらの「どや」は「宿」から転じたもので、汚ったない簡易宿泊所みたいな顔…なんてことはもちろんありません。「どうだ。見たか」といった調子で、自分の功績を自慢・誇示するときの表情を指す言葉。関西弁の「どうや?」が元となっていると考えられます。

僕はこのふたつの言葉に不思議なシンパシーを感じるのです。

「どや顔」などと新たな言葉を作らなくても、「得意気」「自慢気」などの言葉で功績を誇示するようすは表現できるはず。しかし、今全国で「どや顔」の広がりは加速する一方。そこには、「どや顔」でなくては表現できないものがあるはず。僕が思うに、「どや顔」は少なからずネガティブなイメージをともなう言葉です。関西弁の「どや?」に付帯する「イラッ感」。不快なる何かを見たときの嫌悪。他人のしょーもない自慢に対する不快こそ、「どや顔」が新たに提示した意味だと思うのです。

ドヤ街にも、そこはかとなく漂う不浄なる香りがあります。雑多な町の空気、荒くれた男たち、煙と土埃が舞う一種のスラム的景観。ほぼ同じことを指し示しているはずの「ホテル街」「旅館町」とは決定的に違う印象。発端はともかく、「ドヤ」という言葉は常に何らかの不快さを拭い去れない運命にあるのかもしれません。なるほど、「ドヤドヤ」と言うと荒っぽくガサツな状態を示すのも納得できますね。

ということで、「ドヤ」についての前振りとはほぼ無関係であることと、「ドヤ人」などという言葉は存在しないことの2点を念押ししつつ、千葉ロッテ・里崎智也選手が見せたドヤ顔についてチェックしていきましょう。



◆ドヤ野球選手、ドヤスイング、ドヤパーカーも非存在日本語です!

テレビ界の迷走を示すがごとく、17日から始まってしまったのがテレビ朝日がお送りする「世界!どや顔サミット」。有名芸能人が集まり、自らの自慢エピソードとともに「どや顔」を披露するという企画です。自慢話の合間に挟み込まれるどや顔の連打は、なかなかのイラッ感であります。

そんな企画にプロ野球界を代表してやってきたのは、「上がった年俸は寄付しようと思っていた」発言でおなじみの福留孝介さんと、「俺ならできるYes I can't」でおなじみの里崎智也さん。福留さんはメジャーリーガー気取りでアメリカの自慢を開始。メジャーリーガーの移動には渋滞がないとか、家族の移動もファーストクラスだとか、メジャーリーガーならではの超VIP待遇に会心の「どや顔」を披露したのです。

↓どのくらいのクラスからそういう超VIP待遇になるかというと、「僕クラス」からです!
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なるほど、打率.250、ホームラン10本程度から超VIPと…。

さすが誠意は言葉ではなく待遇で示すメジャーリーグだな!


そんな前座が空気を煮立たせたところで、本命登場。球界きってのイケメン(自称)、球界きってのオシャレ(自称)、球界きってのエンターテナー(自称)。番組が言うところの「千葉ロッテの主砲」里崎智也さん。里崎さんはロッテがファンサービスにチカラを入れていることを強調。あの伝説の「里崎ディナーショー」について紹介し、「俺はディナーショーをやった」「嵐を歌ったぞ」と会心の「どや顔」を披露したのです。

↓里崎:「400人集めてディナーショーやりました」
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ドヤディナーショーwwwwwwww

ファンサービスというか、ファンがサービスで拍手するイベントwwww


↓里崎ディナーショーについてはコチラの記事がどうやら一番詳しいようです!
嵐の「Love so sweet」、BOAの「Best Friend」などをねっとりと熱唱!

「里崎クイズ」などに観客が酔い痴れました!


さらに里崎さんは2010年に千葉ロッテがシーズン3位から日本シリーズ制覇までこぎつけた際、「史上最大の下克上」と言い出したのは自分だと告白。スポーツ新聞などでは、里崎さんが言い出したことは報じられなくなりましたが、里崎さんはこのブームの仕掛け人として「どや顔」を再披露。「こんなものを映すために地デジにしたんじゃない」「ロッテ製品の逆コマーシャル」「下克上の前に史上最大のソレをどうにかしろ」など、テレビの前の視聴者も騒然としたのでした。

僕はこの「どや顔」にクラクラする頭で、何故こんなに気分が悪いのか考えていました。そして気づいたのです。「ドヤ」という響きの不快感が、サブリミナル的に里崎さんの心象を悪くしているのだと。よく見てみてください。「さとさ゛きともや」という名前には、最悪の心象をもたらす「どや」が含まれているではありませんか。

並び替え前:さとさ゛きともや

どや抽出:と゛や さとさきも

キモさ抽出:と゛や きもさ とさ

並び替え完成:キモさ と ドヤさ


キバヤシ:「里崎智也=キモさとドヤさ、つまりあの名前は不快感のダブルミーニングだったんだよ!」
一同:「な……なんだってェー!」


これなら、日頃から感じていた「イラッ」にも納得。普通のカレーでも「ウンコカレー」という名前で便器に入って出てきたらオエッとなりますよね。ビジュアル系バンドのドラムでいそうなイケ面・里崎智也さんでも、たまたま名前に不快感言語がふたつも含まれていたのでは、若干の「イラッ」は仕方ないというもの。今後は「プリン」とか「ショコラ」とか、みんなに愛される名前への改名を検討するのも手かもしれませんね。

↓里崎さんが地デジで披露した会心のドヤ顔はコチラ!


地デジの「d」ボタンを押すと本人に苦情を言えるとか、そういうシステムはいつ開発されるんだろうか…。



里崎さん!次回のディナーショーは必ず行きますので第2回の開催を!