- カテゴリ:
- サッカー
2011年03月30日11:28
できる、できるよ、できるさ、やろう!
突き立てた人差し指。それはいつもと同じ仕草、同じ形。でもいつもとは違う想いが、天へ昇って行く。日本代表VSJリーグ選抜の慈善試合。それはもはや、募金集めといった小さな枠を超えて日本人の心をひとつにする試合でした。キングカズがゴールを決めたとき。全力のカズダンスを踊ったとき。渾身の力で天を指差したとき。溢れんばかりの勇気が、胸を満たしていきました。「できる」という想いが、希望から確信に変わりました。
日本は大丈夫、きっと甦る。
この試合では、関わるすべての人がいつも以上に、自分は「できる」ということを示そうとしていました。ここで決めるかという、美しい弾道の遠藤保仁FKゴール。ワールドカップを彷彿とさせる本田△・岡崎のゴールデンコンビゴール。そしてカズのキングゴール。こんな夢が見られたらいいのにと願っていたことが、次々に現実のものになりました。
夢のような2時間、僕は束の間憂鬱を忘れ、勇気と元気で満たされていました。そんな風に僕や、あなたが、自分が見せられる夢で日本を明るくしていけたなら。24時間を勇気と元気で満たしていけたなら。ひとりでは無理かもしれません。でも、みんなが交代で勇気を与えたり勇気をもらったりしながらなら、「できる」ような気がしませんか。
サッカーにできたことが、できないはずがないのです。日本サッカーなんてまだまだ世界の二流どころ。日本のチカラはこんなもんじゃありません。超一流のモノづくりが、技術開発が、医療が、教育が、土木が、エンターテインメントが…たくさんの素晴らしいチカラが日本にはあります。そのジャンルのそれぞれに「日本代表」や「キング」がいるはずです。サッカーが見せた夢より、もっと大きな夢を叶えることができるはずなのです。だから、絶対大丈夫。
みんなが、それぞれのゴールを決めればいい。
それぞれのダンスを踊ればいい。
そして、天に向かって指を突き立てよう。
心を「ひとつ」に。渾身の想いを、その指に乗せて。
ということで、日本を勇気と元気で満たした日本代表VSJリーグ選抜の慈善試合について、早速チェックしていきましょう。
◆カズ、あなたがピッチに留まりつづけてくれたことに感謝する!
日本から多くの外国人が逃げ出す中で、あえて帰ってきた海外組。国内各地から集まったスターたち。支援活動のために集ったサッカー人。スタンドを埋めたファン。「がんばろうニッポン サッカーファミリーのチカラをひとつに」というメッセージそのままに、この日「日本サッカー」はひとつになりました。
スタジアムに響く「カントリーロード」の歌声は、ベガルタ仙台のサポーターが歌うおなじみの曲。Jリーグ選抜のユニフォームはサプライヤーこそ違えど、黄色と青のベガルタカラー。被災地への激励を、ベガルタ仙台というクラブへの愛情を通して伝える…サッカーファミリーならではの美しい光景。掲出された「がんばろう!東日本 nevar give up!」の横断幕にも、「(こまかいことはどうでも)aじゃないか」「(みんなで頑張れば)eでしょ!」という熱い想いを感じます。
試合前に自らの言葉でメッセージを発する選手たち。日本代表キャプテン長谷部の「僕たちがグラウンドで戦っているときチカラを与えてくれたのはみなさんの応援でした。今度は僕たちがみんなを応援する番です。日本のチカラ、サッカーのチカラを信じて、全力で気持ちを込めてプレーします」という言葉。Jリーグ選抜キャプテン中澤の「僕たちTEAM AS ONEはこの試合、全力で最後まで諦めずに戦います。乗り越えられない困難など決してない!」という決意。ひとりひとりがこの試合に特別な想いを持ってのぞみます。
↓選手たちが発するこの試合への想い!
「東北人魂」を見せろという小笠原の言葉!
東北の強さ、素晴らしさを知るからこその「立ち上がれ」という檄だ!
代表戦では「国歌独唱」が定番だったように思いますが、この日ばかりは「国歌斉唱」として歌手の倉木麻衣さんが登場。スタジアムに轟く君が代の大合唱と、直後に行なわれた一糸乱れぬ黙祷。スタジアムの4万人とテレビの前で見守るすべての人々…日本がひとつになっていきます。
そして始まった試合。解説席に都並敏史氏がやってくるという、日テレの不謹慎TSUNAMIダジャレも気にならない熱い戦い。日本代表はザック得意の3-4-3システムに初挑戦。ザックなりに日本に「夢を見せよう」とする心意気を示します。
激しくボールを奪い、どの局面でも「負けない」強さを見せた小笠原。仙台への想いを乗せた佐藤寿人のシュート。ジャンプ一番それを防いだ川島。サイドを切り裂く世界の長友。鋭いクロスを送る内田。日本代表をも上回る堅固さを見せる中澤・闘莉王・楢崎のトライアングル。本田△の相手を弾き飛ばすほどの強さ。前田の存在ごと完全に消える動き。ビデオを見直しても発見できない大久保。ベンチから鋭い視線を送る中村俊輔。それぞれが持てる技術を尽くして「俺たちはできる!日本はできる!」というメッセージを発信しつづけます。
そして、その技術の粋を見せつけたのが日本の至宝・遠藤保仁。前半14分に本田△が倒されて得たFK。壁の前には本田△・遠藤。ワールドカップ・デンマーク戦1点目を思わせる位置に、Jリーグ選抜楢崎もやや本田を意識した「左足」対策の壁を作りますが…
↓ここで決めるか!そこに決めるか!壁を巻いてゴールに突き刺さる遠藤保仁の神業FK弾!
全員で喪章を掲げる姿は、被災地と犠牲者へ温もりを届ける!
無駄に引き締まった表情とへの字に結んだ唇は、被災地へ笑いを届ける!
↓遠藤さんは、闘莉王のタックルを華麗なジャンプでかわす一幕も!
これが「プロ」の技術だ!日本のチカラだ!
「やろう」と思えばこれぐらい「できる」んだ!
アジアを制した日本代表の強さはやはり本物でした。Jリーグ選抜が急造チームであることを割り引いても、前半は圧倒的にゲームを支配。先制弾の4分後、前半19分には本田△・岡崎のゴールデンコンビがJ選抜のDFラインをズタズタに。裏に抜け出した岡崎が楢崎の上を抜いて追加点を奪取します。
↓本田△らしさ、岡崎らしさが光るファインゴール!
何か、ベガルタがボコボコにされてる感じになってきたな…。
日本代表強すぎだろ…。
結局、前半は日本代表がペースを握ったまま終了。しかし、このままでは終われないのがJ選抜。ハーフタイムにはロッカールームで円陣を組み、闘莉王が「ちょっとカッコ悪いな。もうちょっとやろうよ!」と檄を飛ばします。選手たちも「やろうやろう!(でも何で闘莉王が…)」「いくぞ!(キャプテン中澤じゃなかったっけ…)」「オーシ!(まぁいいか…)」という雄叫びで応え、後半での反撃を誓います。
日本代表が松井・槙野ら8人、J選抜が中村俊輔ら5人を投入して始まった後半。大幅なメンバー入れ替えにより、何だかワケわからん状態になってしまった日本代表は大幅に戦力ダウン。一方J選抜は、中村俊輔の黄金の左足から繰り出す大きなサイドチェンジなどで、攻撃が活性化。
さらに後半17分に44歳カズ・避難所から抜け出してきた関口ら5選手を一挙投入すると、J選抜の勢いは加速。「カズゴール!カズゴォォォル!カズ!カズ!カズ!カズ!」というカズコールが何度もスタンドから沸き起こり、日本中がJ選抜を後押しします。この状況では日本代表・李忠成が後半26分の絶好機を外したことについても、「うわっ…」「調子に乗ってるから…」「所詮は一発屋か…」などと責めることはできないでしょう。
↓勢いに乗るJ選抜は後半29分に、関口が惜しいシュートを放つ!
関口:「失敗しても落ち込むな!」
関口:「人生に困難はつきものだ!」
関口:「何度でも立ち上がろう!」
被災地に届け、カラダを張った関口さんのメッセージ!
そして、そのときは訪れます。
日本代表ザッケローニ監督が後半33分に森脇良太を投入し、J選抜に送った「攻めろ」というメッセージ。スタンドからも「大胆な守備緩めだな」「これはもういくしかない」「カズゴォォォル!」とその瞬間を待ち望む声。「俺たちが入ったら守り固くなっちゃうからな」と、明日以降の義援金集めへ気持ちを切り替えた細貝・本田拓の両名。すべての人の想いはあの男に託されました。キングカズ。この男がキングと呼ばれる所以は、いつだってこうした期待に応えてきたからにほかなりません。
後半37分、中盤で中村俊輔が華麗に起点を作ると、GKに戻して川口がロングフィード。好き勝手な位置で奮闘する闘莉王が頭ですらすと、ボールはDFの間に落ち、そこに走り込んだのはカズ!
↓右足で柔らかく流し込む、難度の高いキングゴール!
おぉぉぉぉぉぉぉ!すげぇぇぇぇぇぇ!さすがカズ!!
電気がないのが何だ!俺たちにはガスがいる!キングガスが日本を熱く燃え上がらせてくれる!
夢みたい、だけど夢じゃない。素晴らしい現実。落ち込んだ日本に一番足りないものが、この試合には溢れていました。勇気と元気。44歳のカズが、多くの壁にぶち当たり傷ついてきたカズが、今もなおこうして夢を見せてくれる。毎日の積み重ねが明るい未来につながるということを、全身全霊で示してくれている。カズの飽くなき執念が、止まらない疾走が、この日この時までつづいていたことに感謝せずにはいられません。カズ、ありがとう。よく2011年まで走りつづけてくれた。本当にありがとう。
試合後にカズは、「みんなの気持ちがひとつになったゴールだった」と語りました。カズが決めた得点はただの1点ではありません。日本がひとつになって捧げた祈りは、ちゃんと叶うんだという証明。厳しい現実は待っていますが、日本がひとつになって「立ち直れる。立ち直ろう」とすれば、きっと大丈夫。くじけそうなときはこのゴールを思い出せば、何度でも勇気がわいてくるはずですから…。
みんなで頑張ろう、ニッポン!
サッカーには負けていられない!それぞれが毎日を頑張りましょう!
突き立てた人差し指。それはいつもと同じ仕草、同じ形。でもいつもとは違う想いが、天へ昇って行く。日本代表VSJリーグ選抜の慈善試合。それはもはや、募金集めといった小さな枠を超えて日本人の心をひとつにする試合でした。キングカズがゴールを決めたとき。全力のカズダンスを踊ったとき。渾身の力で天を指差したとき。溢れんばかりの勇気が、胸を満たしていきました。「できる」という想いが、希望から確信に変わりました。
日本は大丈夫、きっと甦る。
この試合では、関わるすべての人がいつも以上に、自分は「できる」ということを示そうとしていました。ここで決めるかという、美しい弾道の遠藤保仁FKゴール。ワールドカップを彷彿とさせる本田△・岡崎のゴールデンコンビゴール。そしてカズのキングゴール。こんな夢が見られたらいいのにと願っていたことが、次々に現実のものになりました。
夢のような2時間、僕は束の間憂鬱を忘れ、勇気と元気で満たされていました。そんな風に僕や、あなたが、自分が見せられる夢で日本を明るくしていけたなら。24時間を勇気と元気で満たしていけたなら。ひとりでは無理かもしれません。でも、みんなが交代で勇気を与えたり勇気をもらったりしながらなら、「できる」ような気がしませんか。
サッカーにできたことが、できないはずがないのです。日本サッカーなんてまだまだ世界の二流どころ。日本のチカラはこんなもんじゃありません。超一流のモノづくりが、技術開発が、医療が、教育が、土木が、エンターテインメントが…たくさんの素晴らしいチカラが日本にはあります。そのジャンルのそれぞれに「日本代表」や「キング」がいるはずです。サッカーが見せた夢より、もっと大きな夢を叶えることができるはずなのです。だから、絶対大丈夫。
みんなが、それぞれのゴールを決めればいい。
それぞれのダンスを踊ればいい。
そして、天に向かって指を突き立てよう。
心を「ひとつ」に。渾身の想いを、その指に乗せて。
ということで、日本を勇気と元気で満たした日本代表VSJリーグ選抜の慈善試合について、早速チェックしていきましょう。
◆カズ、あなたがピッチに留まりつづけてくれたことに感謝する!
日本から多くの外国人が逃げ出す中で、あえて帰ってきた海外組。国内各地から集まったスターたち。支援活動のために集ったサッカー人。スタンドを埋めたファン。「がんばろうニッポン サッカーファミリーのチカラをひとつに」というメッセージそのままに、この日「日本サッカー」はひとつになりました。
スタジアムに響く「カントリーロード」の歌声は、ベガルタ仙台のサポーターが歌うおなじみの曲。Jリーグ選抜のユニフォームはサプライヤーこそ違えど、黄色と青のベガルタカラー。被災地への激励を、ベガルタ仙台というクラブへの愛情を通して伝える…サッカーファミリーならではの美しい光景。掲出された「がんばろう!東日本 nevar give up!」の横断幕にも、「(こまかいことはどうでも)aじゃないか」「(みんなで頑張れば)eでしょ!」という熱い想いを感じます。
試合前に自らの言葉でメッセージを発する選手たち。日本代表キャプテン長谷部の「僕たちがグラウンドで戦っているときチカラを与えてくれたのはみなさんの応援でした。今度は僕たちがみんなを応援する番です。日本のチカラ、サッカーのチカラを信じて、全力で気持ちを込めてプレーします」という言葉。Jリーグ選抜キャプテン中澤の「僕たちTEAM AS ONEはこの試合、全力で最後まで諦めずに戦います。乗り越えられない困難など決してない!」という決意。ひとりひとりがこの試合に特別な想いを持ってのぞみます。
↓選手たちが発するこの試合への想い!
本田△:「希望を捨てるな!!」
長友:「1人じゃないみんながいる みんなで乗り越えましょう!」
前田:「みんなで力を合わせて乗り越えましょう!」
遠藤:「みんなと共に!!」
岡崎:「やるべきことを一つずつ!!」
伊野波:「心は一つ」
今野:「一歩一歩前進 大好き宮城」
吉田:「大好きな日本のために立ち上がろう」
内田:「共に支えあい共に生きよう」
川島:「共に歩もう!」
長谷部:「僕達も出来る限りの事をします 一緒に乗り越えていきましょう」
中澤:「希望!!」
小笠原:「東北人魂」
佐藤:「皆さんと共に」
中村憲:「みなさんに1日でも早く笑顔が戻りますように 共に頑張りましょう 心1つに!」
新井場:「諦めず共に前に進もう」
梁勇基 :「前を向いて共に進もう」
駒野:「共にがんばりましょう」
楢崎:「乗り越えよう!がんばろう!!」
大久保:「みんなひとつに」
小野:「笑顔を取り戻そう!!」
闘莉王:「心をひとつに」
「東北人魂」を見せろという小笠原の言葉!
東北の強さ、素晴らしさを知るからこその「立ち上がれ」という檄だ!
代表戦では「国歌独唱」が定番だったように思いますが、この日ばかりは「国歌斉唱」として歌手の倉木麻衣さんが登場。スタジアムに轟く君が代の大合唱と、直後に行なわれた一糸乱れぬ黙祷。スタジアムの4万人とテレビの前で見守るすべての人々…日本がひとつになっていきます。
そして始まった試合。解説席に都並敏史氏がやってくるという、日テレの不謹慎TSUNAMIダジャレも気にならない熱い戦い。日本代表はザック得意の3-4-3システムに初挑戦。ザックなりに日本に「夢を見せよう」とする心意気を示します。
激しくボールを奪い、どの局面でも「負けない」強さを見せた小笠原。仙台への想いを乗せた佐藤寿人のシュート。ジャンプ一番それを防いだ川島。サイドを切り裂く世界の長友。鋭いクロスを送る内田。日本代表をも上回る堅固さを見せる中澤・闘莉王・楢崎のトライアングル。本田△の相手を弾き飛ばすほどの強さ。前田の存在ごと完全に消える動き。ビデオを見直しても発見できない大久保。ベンチから鋭い視線を送る中村俊輔。それぞれが持てる技術を尽くして「俺たちはできる!日本はできる!」というメッセージを発信しつづけます。
そして、その技術の粋を見せつけたのが日本の至宝・遠藤保仁。前半14分に本田△が倒されて得たFK。壁の前には本田△・遠藤。ワールドカップ・デンマーク戦1点目を思わせる位置に、Jリーグ選抜楢崎もやや本田を意識した「左足」対策の壁を作りますが…
↓ここで決めるか!そこに決めるか!壁を巻いてゴールに突き刺さる遠藤保仁の神業FK弾!
全員で喪章を掲げる姿は、被災地と犠牲者へ温もりを届ける!
無駄に引き締まった表情とへの字に結んだ唇は、被災地へ笑いを届ける!
↓遠藤さんは、闘莉王のタックルを華麗なジャンプでかわす一幕も!
これが「プロ」の技術だ!日本のチカラだ!
「やろう」と思えばこれぐらい「できる」んだ!
アジアを制した日本代表の強さはやはり本物でした。Jリーグ選抜が急造チームであることを割り引いても、前半は圧倒的にゲームを支配。先制弾の4分後、前半19分には本田△・岡崎のゴールデンコンビがJ選抜のDFラインをズタズタに。裏に抜け出した岡崎が楢崎の上を抜いて追加点を奪取します。
↓本田△らしさ、岡崎らしさが光るファインゴール!
何か、ベガルタがボコボコにされてる感じになってきたな…。
日本代表強すぎだろ…。
結局、前半は日本代表がペースを握ったまま終了。しかし、このままでは終われないのがJ選抜。ハーフタイムにはロッカールームで円陣を組み、闘莉王が「ちょっとカッコ悪いな。もうちょっとやろうよ!」と檄を飛ばします。選手たちも「やろうやろう!(でも何で闘莉王が…)」「いくぞ!(キャプテン中澤じゃなかったっけ…)」「オーシ!(まぁいいか…)」という雄叫びで応え、後半での反撃を誓います。
日本代表が松井・槙野ら8人、J選抜が中村俊輔ら5人を投入して始まった後半。大幅なメンバー入れ替えにより、何だかワケわからん状態になってしまった日本代表は大幅に戦力ダウン。一方J選抜は、中村俊輔の黄金の左足から繰り出す大きなサイドチェンジなどで、攻撃が活性化。
さらに後半17分に44歳カズ・避難所から抜け出してきた関口ら5選手を一挙投入すると、J選抜の勢いは加速。「カズゴール!カズゴォォォル!カズ!カズ!カズ!カズ!」というカズコールが何度もスタンドから沸き起こり、日本中がJ選抜を後押しします。この状況では日本代表・李忠成が後半26分の絶好機を外したことについても、「うわっ…」「調子に乗ってるから…」「所詮は一発屋か…」などと責めることはできないでしょう。
↓勢いに乗るJ選抜は後半29分に、関口が惜しいシュートを放つ!
関口:「失敗しても落ち込むな!」
関口:「人生に困難はつきものだ!」
関口:「何度でも立ち上がろう!」
被災地に届け、カラダを張った関口さんのメッセージ!
そして、そのときは訪れます。
日本代表ザッケローニ監督が後半33分に森脇良太を投入し、J選抜に送った「攻めろ」というメッセージ。スタンドからも「大胆な守備緩めだな」「これはもういくしかない」「カズゴォォォル!」とその瞬間を待ち望む声。「俺たちが入ったら守り固くなっちゃうからな」と、明日以降の義援金集めへ気持ちを切り替えた細貝・本田拓の両名。すべての人の想いはあの男に託されました。キングカズ。この男がキングと呼ばれる所以は、いつだってこうした期待に応えてきたからにほかなりません。
後半37分、中盤で中村俊輔が華麗に起点を作ると、GKに戻して川口がロングフィード。好き勝手な位置で奮闘する闘莉王が頭ですらすと、ボールはDFの間に落ち、そこに走り込んだのはカズ!
↓右足で柔らかく流し込む、難度の高いキングゴール!
おぉぉぉぉぉぉぉ!すげぇぇぇぇぇぇ!さすがカズ!!
電気がないのが何だ!俺たちにはガスがいる!キングガスが日本を熱く燃え上がらせてくれる!
夢みたい、だけど夢じゃない。素晴らしい現実。落ち込んだ日本に一番足りないものが、この試合には溢れていました。勇気と元気。44歳のカズが、多くの壁にぶち当たり傷ついてきたカズが、今もなおこうして夢を見せてくれる。毎日の積み重ねが明るい未来につながるということを、全身全霊で示してくれている。カズの飽くなき執念が、止まらない疾走が、この日この時までつづいていたことに感謝せずにはいられません。カズ、ありがとう。よく2011年まで走りつづけてくれた。本当にありがとう。
試合後にカズは、「みんなの気持ちがひとつになったゴールだった」と語りました。カズが決めた得点はただの1点ではありません。日本がひとつになって捧げた祈りは、ちゃんと叶うんだという証明。厳しい現実は待っていますが、日本がひとつになって「立ち直れる。立ち直ろう」とすれば、きっと大丈夫。くじけそうなときはこのゴールを思い出せば、何度でも勇気がわいてくるはずですから…。
みんなで頑張ろう、ニッポン!
サッカーには負けていられない!それぞれが毎日を頑張りましょう!