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2011年06月28日12:13
Thank You for Your Victory!
ついに開幕した2011年女子ワールドカップ・ドイツ大会。27日に日本代表なでしこJAPANは初戦・ニュージーランド戦に挑みました。なでしこJAPANは世界ランクで4位とグループ内で最上位。一方ニュージーランドは24位とグループ内最下位。初戦の緊張を抱えながらも、勝点3が必須という難しい条件となったこの試合。なでしこは苦しみながらも2-1で勝利。2008年北京五輪の4位を越える成績へ、夢の優勝へ、好発進を決めました。
それにしても苦しかった試合。前半6分という早い時間に先制しながら、直後にヘッド一発で追いつかれるイヤな展開。ニュージーランドはなでしこの長所である中盤の早いパスワークを完全に無視。どこからでも適当にロングボールを放り込み、やや不安の残る守備陣に直接アタック仕掛ける狙い。裏へ転がるボールを追いかけて、身体をぶつけ合う肉弾戦。ピンチとなることは少ないものの、「日本殺し」とでもいうような放り込み作戦には、2006年に同じドイツで味わった苦い思い出も甦ります。
しかし、なでしこは落ち着いていた。そして強かった。
ブラジルは初戦に苦しみ、決勝へ向けて調子を上げていくなんて言いますが、なでしこたちも初戦の苦しみを覚悟していたかのように落ち着いたもの。後半23分、FKの名手・宮間あやが直接FKでようやくの勝ち越し点&決勝点を叩き込んだ瞬間、彼女は笑顔を見せることもなく、飛び跳ねることもなく、静かに指を突き上げ、振り返り自陣へと歩き始めていました。こうなって当然だとでも言わんばかりに。
ワールドカップである以上、ラクな試合はない。苦しむのは覚悟の上だけれども、同じくらい自分たちの勝利をも確信している。宮間のクールどや顔に、僕はそんな想いを感じたのです。積み上げた経験と実績。上り詰めた世界4位の座。サッカーをつづけることすら危うい状況から、ただひたすら結果を残すことで生き残ってきたなでしこたちにすれば、この程度の苦戦など何ちゃないことなのかもしれません。頼もしい限りです。
ということで、まずは勝点3スタートとなった、なでしこJAPANのワールドカップ初戦「日本VSニュージーランド戦」をチェックしていきましょう。
◆女釜本・澤穂希さんに、栄光のメダルを獲ってもらいたい!
国際Aマッチ出場168試合、国際Aマッチ得点75点、五輪出場3回、ワールドカップ出場5回。この数字だけを見ても、澤穂希という選手がいかに傑出した存在…レジェンドであるかがわかります。日本女子サッカー史に永久に名を残す偉人。教科書なら写真つきで載るレベルの存在です。
ちなみに男子のAマッチ最多出場は井原正巳さんの122試合で、最多得点は釜本邦茂さんの75得点(JFA認定の記録)ですから、澤さんは男子との合算でも歴代1位の記録を独り占めしている状態。日本のすべてのサッカー人の中で、もっとも世界を知り世界と戦ってきたのが澤さんである…そう言って差し支えないのです。
澤さんは今大会「優勝」を公言しています。ライバルとの力関係を考えれば、やや高い目標、簡単には実現できない目標です。しかし、誰も笑うことはできない程度の「見上げ方」です。ワールドカップに出場することもギリギリだった時代、女子サッカーそのものが消滅しかけた時代を乗り越え、本気の優勝宣言をできるようになった。そういう時代へ導いた旗手が澤穂希その人。
釜本氏が栄光のメキシコ五輪銅メダリストであるならば、女釜本・澤穂希にも何らかのメダルがあってしかるべき。100年後の連中からうっかり舐められたりしないよう、文句のない記念品があってしかるべき。若いヤツが「ガンバ暗黒時代の迷監督」とか「グラサン」とかレジェンドを軽んじても、メキシコ五輪の銅メダルを見せれば黙らざるを得ないように…!
↓なでしこJAPAN、優勝を目指す初戦に登場!
※注:ひとりボッコボコにされたあとみたいな人がいますが、18日の韓国戦でケガをしたための仕方ない処置であり、ワザと面白い感じにしちゃってるわけではありません。もちろんチームスタッフがワザと下手糞に包帯を巻いてるなんてこともありません。
そして始まった試合。日本はドイツで活躍する永里と安藤が2トップを形成。ドリブルが魅力の大野と、両足から正確なキックを放つ宮間が両サイドハーフに展開。ボランチにキャプテン澤、汗かき役・阪口が並び攻守に奮闘。両サイドバックは左に鮫島、右に近賀といずれも攻撃参加が魅力。センターバックにベテラン岩清水とボッコボコ熊谷。GKは海堀という布陣。これが現状のベストメンバーといったところでしょうか。
すると早くも前半6分に試合が動きます。中盤の混戦から大野がボールを奪うと、DFの裏へ走り込んだ永里へ浮き球のスルーパス。これを永里がダイレクトで合わせ、試合開始早々の先制点!
↓欧州CLも制した永里が第二の故郷ドイツで輝く!
よしっ、先制!
↓しかし先制の直後、結局前半はこの1本しか撃たれなかったシュートを決められ同点に!
同点、早っ!オッパイ、デカっ!
前線での守備と、ボールを奪ってから早いパスワークで攻める日本。放り込みを狙うニュージーランド。ある意味わかりやすいご挨拶という感じで両者が点を取り合い、試合は振り出しに。その後も基本的に日本がボールを持って攻め、ボールを失うと長いボールを放り込まれるという戦いがつづきます。
どうも現地の芝生が長く、ベッタリとまとわりつくような状態だったとかで、日本はパスワークに若干の違和感を感じていたもよう。ベストな状態からするともうひとつという感じで、ミスも多く見られました。阪口のシュートがポストを叩くシーン、大野が空振り・宇宙開発などで派手にやらかす場面など、攻めているのに得点が奪えないイヤな流れのまま、結局前半は1-1で終了。勝点3に若干の不安が漂います。
後半に入ると、後半10分に大野を下げて期待の若手・岩渕真奈を投入。そのまま右サイドハーフの位置に入った岩渕は「マナドーナ」「女メッシ」「マナたん」と評される軽快なドリブルで躍動。中央突破でたびたびチャンスを作り出します。
そんなマナたんのドリブルが生んだ後半23分のチャンス。ドリブルで突っかけるマナたんが、ゴール正面・ペナルティエリアわずかに外で倒されて得たFK。蹴るのはもちろん宮間。華麗なパス、正確なプレースキック、面白い顔と三拍子揃った「女遠藤」が狙いすましたボールはゴールへ一直線!
↓大事に決めた!自信みなぎる宮間の直接FK弾!
あやのどや顔ワロタwwwwwwwwwww
クールなのに逆に笑かす高等テクニックwww
その後日本は追加点を狙う動きを見せつつ、終盤は落ち着いた時間稼ぎで逃げ切り。前半のうちにもっと点数を奪えればラクな試合となったのでしょうが、まずは緊張の初戦で無事に勝点3をつかんだだけで十分でしょう。
そして、勝利の直後にはおなじみのバナー芸を披露。U-17ワールドカップでも掲げられた「To Our Friends Around the World Thank You for Your Support」と記されたバナーを手に、場内をめぐるなでしこたち。先の震災により、なでしこたち自身もさまざまな被害に見舞われました。トラブルを抱えた選手もいました。そんな時なのに、いやそんな時だからこそ、一層強まる感謝の気持ち。アウェーの洗礼に見舞われても「ARIGATO」の気持ちを忘れないなでしこらしさは、ドイツでもそのままでした。
思えばなでしこたちからは「応援ありがとう」「サポートをありがとう」という「ありがとう」の言葉をいつも聞いている気がします。敗戦直後にも「ありがとう」と言える心根の美しい女たちです。しかし、今回はもっと単純に「おめでとう!」「ありがとう!」というやり取りで終わりたいもの。目指す優勝へはまだまだ長い道のりですが、いい戦い・いい結果を期待したいものですね。
次戦は7月1日のメキシコ戦!!2連勝でグループリーグ突破を決めよう!
ついに開幕した2011年女子ワールドカップ・ドイツ大会。27日に日本代表なでしこJAPANは初戦・ニュージーランド戦に挑みました。なでしこJAPANは世界ランクで4位とグループ内で最上位。一方ニュージーランドは24位とグループ内最下位。初戦の緊張を抱えながらも、勝点3が必須という難しい条件となったこの試合。なでしこは苦しみながらも2-1で勝利。2008年北京五輪の4位を越える成績へ、夢の優勝へ、好発進を決めました。
それにしても苦しかった試合。前半6分という早い時間に先制しながら、直後にヘッド一発で追いつかれるイヤな展開。ニュージーランドはなでしこの長所である中盤の早いパスワークを完全に無視。どこからでも適当にロングボールを放り込み、やや不安の残る守備陣に直接アタック仕掛ける狙い。裏へ転がるボールを追いかけて、身体をぶつけ合う肉弾戦。ピンチとなることは少ないものの、「日本殺し」とでもいうような放り込み作戦には、2006年に同じドイツで味わった苦い思い出も甦ります。
しかし、なでしこは落ち着いていた。そして強かった。
ブラジルは初戦に苦しみ、決勝へ向けて調子を上げていくなんて言いますが、なでしこたちも初戦の苦しみを覚悟していたかのように落ち着いたもの。後半23分、FKの名手・宮間あやが直接FKでようやくの勝ち越し点&決勝点を叩き込んだ瞬間、彼女は笑顔を見せることもなく、飛び跳ねることもなく、静かに指を突き上げ、振り返り自陣へと歩き始めていました。こうなって当然だとでも言わんばかりに。
ワールドカップである以上、ラクな試合はない。苦しむのは覚悟の上だけれども、同じくらい自分たちの勝利をも確信している。宮間のクールどや顔に、僕はそんな想いを感じたのです。積み上げた経験と実績。上り詰めた世界4位の座。サッカーをつづけることすら危うい状況から、ただひたすら結果を残すことで生き残ってきたなでしこたちにすれば、この程度の苦戦など何ちゃないことなのかもしれません。頼もしい限りです。
ということで、まずは勝点3スタートとなった、なでしこJAPANのワールドカップ初戦「日本VSニュージーランド戦」をチェックしていきましょう。
◆女釜本・澤穂希さんに、栄光のメダルを獲ってもらいたい!
国際Aマッチ出場168試合、国際Aマッチ得点75点、五輪出場3回、ワールドカップ出場5回。この数字だけを見ても、澤穂希という選手がいかに傑出した存在…レジェンドであるかがわかります。日本女子サッカー史に永久に名を残す偉人。教科書なら写真つきで載るレベルの存在です。
ちなみに男子のAマッチ最多出場は井原正巳さんの122試合で、最多得点は釜本邦茂さんの75得点(JFA認定の記録)ですから、澤さんは男子との合算でも歴代1位の記録を独り占めしている状態。日本のすべてのサッカー人の中で、もっとも世界を知り世界と戦ってきたのが澤さんである…そう言って差し支えないのです。
澤さんは今大会「優勝」を公言しています。ライバルとの力関係を考えれば、やや高い目標、簡単には実現できない目標です。しかし、誰も笑うことはできない程度の「見上げ方」です。ワールドカップに出場することもギリギリだった時代、女子サッカーそのものが消滅しかけた時代を乗り越え、本気の優勝宣言をできるようになった。そういう時代へ導いた旗手が澤穂希その人。
釜本氏が栄光のメキシコ五輪銅メダリストであるならば、女釜本・澤穂希にも何らかのメダルがあってしかるべき。100年後の連中からうっかり舐められたりしないよう、文句のない記念品があってしかるべき。若いヤツが「ガンバ暗黒時代の迷監督」とか「グラサン」とかレジェンドを軽んじても、メキシコ五輪の銅メダルを見せれば黙らざるを得ないように…!
↓なでしこJAPAN、優勝を目指す初戦に登場!
※注:ひとりボッコボコにされたあとみたいな人がいますが、18日の韓国戦でケガをしたための仕方ない処置であり、ワザと面白い感じにしちゃってるわけではありません。もちろんチームスタッフがワザと下手糞に包帯を巻いてるなんてこともありません。
そして始まった試合。日本はドイツで活躍する永里と安藤が2トップを形成。ドリブルが魅力の大野と、両足から正確なキックを放つ宮間が両サイドハーフに展開。ボランチにキャプテン澤、汗かき役・阪口が並び攻守に奮闘。両サイドバックは左に鮫島、右に近賀といずれも攻撃参加が魅力。センターバックにベテラン岩清水とボッコボコ熊谷。GKは海堀という布陣。これが現状のベストメンバーといったところでしょうか。
すると早くも前半6分に試合が動きます。中盤の混戦から大野がボールを奪うと、DFの裏へ走り込んだ永里へ浮き球のスルーパス。これを永里がダイレクトで合わせ、試合開始早々の先制点!
↓欧州CLも制した永里が第二の故郷ドイツで輝く!
よしっ、先制!
↓しかし先制の直後、結局前半はこの1本しか撃たれなかったシュートを決められ同点に!
同点、早っ!オッパイ、デカっ!
前線での守備と、ボールを奪ってから早いパスワークで攻める日本。放り込みを狙うニュージーランド。ある意味わかりやすいご挨拶という感じで両者が点を取り合い、試合は振り出しに。その後も基本的に日本がボールを持って攻め、ボールを失うと長いボールを放り込まれるという戦いがつづきます。
どうも現地の芝生が長く、ベッタリとまとわりつくような状態だったとかで、日本はパスワークに若干の違和感を感じていたもよう。ベストな状態からするともうひとつという感じで、ミスも多く見られました。阪口のシュートがポストを叩くシーン、大野が空振り・宇宙開発などで派手にやらかす場面など、攻めているのに得点が奪えないイヤな流れのまま、結局前半は1-1で終了。勝点3に若干の不安が漂います。
後半に入ると、後半10分に大野を下げて期待の若手・岩渕真奈を投入。そのまま右サイドハーフの位置に入った岩渕は「マナドーナ」「女メッシ」「マナたん」と評される軽快なドリブルで躍動。中央突破でたびたびチャンスを作り出します。
そんなマナたんのドリブルが生んだ後半23分のチャンス。ドリブルで突っかけるマナたんが、ゴール正面・ペナルティエリアわずかに外で倒されて得たFK。蹴るのはもちろん宮間。華麗なパス、正確なプレースキック、面白い顔と三拍子揃った「女遠藤」が狙いすましたボールはゴールへ一直線!
↓大事に決めた!自信みなぎる宮間の直接FK弾!
あやのどや顔ワロタwwwwwwwwwww
クールなのに逆に笑かす高等テクニックwww
その後日本は追加点を狙う動きを見せつつ、終盤は落ち着いた時間稼ぎで逃げ切り。前半のうちにもっと点数を奪えればラクな試合となったのでしょうが、まずは緊張の初戦で無事に勝点3をつかんだだけで十分でしょう。
そして、勝利の直後にはおなじみのバナー芸を披露。U-17ワールドカップでも掲げられた「To Our Friends Around the World Thank You for Your Support」と記されたバナーを手に、場内をめぐるなでしこたち。先の震災により、なでしこたち自身もさまざまな被害に見舞われました。トラブルを抱えた選手もいました。そんな時なのに、いやそんな時だからこそ、一層強まる感謝の気持ち。アウェーの洗礼に見舞われても「ARIGATO」の気持ちを忘れないなでしこらしさは、ドイツでもそのままでした。
思えばなでしこたちからは「応援ありがとう」「サポートをありがとう」という「ありがとう」の言葉をいつも聞いている気がします。敗戦直後にも「ありがとう」と言える心根の美しい女たちです。しかし、今回はもっと単純に「おめでとう!」「ありがとう!」というやり取りで終わりたいもの。目指す優勝へはまだまだ長い道のりですが、いい戦い・いい結果を期待したいものですね。
次戦は7月1日のメキシコ戦!!2連勝でグループリーグ突破を決めよう!