- カテゴリ:
- 野球
2011年08月10日12:39
早退じゃない、退場だ!
何を隠そう僕は不治の病に侵されています。その名は「月曜病」。五月病という病気の存在はみなさんもご存じでしょうが、その月曜日版とお考えいただければよいでしょう。五月に急性的に発病する=五月病。毎週月曜日に慢性的に発病する=月曜病。この病気によって僕は毎週月曜日に苦しみ、布団の中で悶絶しているのです。何気ない日常の陰で、人はそれぞれに闇を抱えているものですね。
その病気と付き合うために僕が見つけ出した対処法。それは月曜日はなるべく何もしないこと。「定時に会社に行った」それだけで自分を許すようにしているのです。出社後はなるべくどうでもいい打ち合わせや外出、長めのランチなどで時間を潰し、月曜日をやりすごす。そうすることで、月曜病の苦しみが若干緩和され、次の日に発病する火曜病の症状を抑えることができるのです。
ただ、ひとつ難しいのがどうやって出社→退社をスムーズにするか。毎週風邪をひくわけにもいきませんし、都合の良い外出理由もそうそうありません。できることなら「今日はもう帰れ」と言われたい。それも怒られて退去させられるのではなく、「お前の働きたいという意欲・熱意はわかるが、ルールだから仕方ない。これ以上働かせるわけにはいかないのだ。今日は帰りなさい。そしてまた明日から頼むぞ」というムードで退社したいのです。
そんな僕の夢を叶えた男が現れました。それは、嫁・息子・貧打を抱える悩みの三冠王・落合博満監督。落合監督は9日に行なわれた中日VS阪神戦で、1回裏の中日攻撃時の判定を巡り猛抗議。5分を超える抗議をしたという遅延行為により、退場を宣告されたのです。その瞬間、僕の中から湧き上がる「早い!」「もう帰れる!」「羨ましい!」の声。しかも落合監督は選手たちの想いを背負い、カッコよく去って行ったのです。その背中を見ながら、誰が「早退」などと言えましょう。
これからは僕も月曜出社直後に、5分ほど抗議をしようと思います。「どうして田中の企画が通らないんですか!」「彼の想いを汲んでやってください!」などの文句を5分ほど垂れたのち、「頭を冷やしてきます!」と颯爽と去る。これで万事OK。若手からは男気ある先輩として尊敬を集め、上長からは熱意ある中堅として信頼され、僕自身はカッコよく早退できる。オレ流早退術、全国2000万人の月曜病患者のみなさんにも、ぜひ参考にしてもらいたいものですね。
ということで、月曜病患者に希望を与えるオレ流早退術について、9日の中日VS阪神戦からチェックしていきましょう。
◆5分頑張れば3時間早く帰れる!しかも、肩で風切ってかっこよく!
問題の場面。1回裏中日の攻撃は、先頭の荒木が四球で出塁して無死一塁。ここで2番に入った英智には送りバントの指示。しかし、初球バント失敗でファウルする英智。キレやすい上司ならここでベンチから飛び出し、英智に5分以上の説教を垂れるところ。しかし、落合監督は何よりも選手の気持ちを大切にする男。冷徹な理論派の仮面をかぶった、気持ち采配の男です。ここはただじっと英智のバント技術を信じて待つのみ。
↓英智のバント技術は日々トンカチを倒して磨かれている!
こうして見ると、英智さんのバント技術は並以上!
構えがおかしいとか、根本が下手糞などの批判は当たらない!
元中日コーチの川相昌弘氏のように、バントで転がしたボールを空き缶に入れるなんて芸はできなくても、トンカチ付近に転がせるなら十分。落合監督も強い信頼をもってバント指示を出したことでしょう。しかし、阪神側がバントをさせまいと胸元に投じた2球目は、かなり際どいコースに。思わずバットを引いた英智は、空中で一回転しながらこのボールを避けるも、右手付近にボールが当たってしまいます。審判はこれをファウルと判定。
落合監督はベンチを飛び出し猛抗議。「英智が怪我をしているじゃないか」「俺は引き下がらない」「死球だ!」とまくしたてます。バットを引いたじゃないかという動作を見せる落合監督。ストップウォッチを見せて「退場になるよ」と警告する審判団。退場にしてみろと睨みつける落合監督。ストップウォッチを見せて「退場になるよ」と警告する審判団。英智の指を見せて怪我をアピールする落合監督。ストップウォッチを見せて「退場になるよ」と警告する審判団。
↓5分どころじゃない抗議の末、ついに落合監督早退!

5分以上粘るヤツ自体が少ないからな!
実質的に落合ルール発動だな!
↓ベンチではベテラン勢が監督の男気を意気に感じる!

監督としてこれで6回目の退場だからな!
猛抗議もしょっちゅうしてるし、慣れきった顔だな!
↓落合監督は森コーチの肩を叩いて颯爽と早退!

「あとは頼むぞ」で去っていく落合監督カッコいいな!
次は監督代行が遅延行為で退場する展開だな!
どれだけ抗議をしても覆らない判定。「もう十分監督の気持ちは伝わりました」という顔で突っ立つ英智。「まーた始まった」とリラックスムードのベンチ。「一応止めにきました」というお義理だけでベンチに引き下がる森コーチ。「もうわかったから」とウンザリ顔の審判団。1回裏という状況を考えれば、4分59秒で抗議を切り上げても、選手の士気に与える影響は変わらなかったでしょう。しかし、それでも落合監督はやった。やり切った。
そこに漂う爽やかさ。あとは頼むぞと肩を叩いた場面などは、「早退」と呼べるものではありませんでした。男の退場劇。早退のとき申し訳なさそうにゴホゴホと咳をしていた自分が恥ずかしくなる、堂々としたその歩み。「誰かのために怒る」「断固として筋を通す」「颯爽と去る」この3点を満たせば、月曜午前9時26分の早退でもカッコよく見えるのだ…僕はまた新たな人生訓を得た想いです。野球を通じて人生を語る…落合監督さすがですね。
↓執拗に抗議をして颯爽と退場する落合監督動画!
落合監督の抗議が3時間半を超えたら、新たなイニングには入らないのかな…。
投手交代とか守備交代で縮めた時間、全部持っていったな…。
まぁそれでも2004年の日本シリーズで、西武・伊東監督(当時)と約50分に及ぶ抗議合戦を演じたときに比べれば、早退までの流れもスムーズになったもの。走者一塁の場面→谷繁キャッチャーゴロ→捕手が打者走者にタッチ→二塁送球→二塁塁審がフォースプレーのタイミングでアウト宣告→落合登場「打者走者が先にアウトなんだから二塁はタッチプレーだろ」→判定覆る→伊東登場「それはおかしい」→50分同じ話の繰り返し。これで早退もできないんじゃ、抗議のし甲斐もありません。5分抗議でスッキリ早退、そうあるべきですよね。
次回は、退場前に自主的にネット裏に移動し、3時間「死球だろ」と叫ぼう!
何を隠そう僕は不治の病に侵されています。その名は「月曜病」。五月病という病気の存在はみなさんもご存じでしょうが、その月曜日版とお考えいただければよいでしょう。五月に急性的に発病する=五月病。毎週月曜日に慢性的に発病する=月曜病。この病気によって僕は毎週月曜日に苦しみ、布団の中で悶絶しているのです。何気ない日常の陰で、人はそれぞれに闇を抱えているものですね。
その病気と付き合うために僕が見つけ出した対処法。それは月曜日はなるべく何もしないこと。「定時に会社に行った」それだけで自分を許すようにしているのです。出社後はなるべくどうでもいい打ち合わせや外出、長めのランチなどで時間を潰し、月曜日をやりすごす。そうすることで、月曜病の苦しみが若干緩和され、次の日に発病する火曜病の症状を抑えることができるのです。
ただ、ひとつ難しいのがどうやって出社→退社をスムーズにするか。毎週風邪をひくわけにもいきませんし、都合の良い外出理由もそうそうありません。できることなら「今日はもう帰れ」と言われたい。それも怒られて退去させられるのではなく、「お前の働きたいという意欲・熱意はわかるが、ルールだから仕方ない。これ以上働かせるわけにはいかないのだ。今日は帰りなさい。そしてまた明日から頼むぞ」というムードで退社したいのです。
そんな僕の夢を叶えた男が現れました。それは、嫁・息子・貧打を抱える悩みの三冠王・落合博満監督。落合監督は9日に行なわれた中日VS阪神戦で、1回裏の中日攻撃時の判定を巡り猛抗議。5分を超える抗議をしたという遅延行為により、退場を宣告されたのです。その瞬間、僕の中から湧き上がる「早い!」「もう帰れる!」「羨ましい!」の声。しかも落合監督は選手たちの想いを背負い、カッコよく去って行ったのです。その背中を見ながら、誰が「早退」などと言えましょう。
これからは僕も月曜出社直後に、5分ほど抗議をしようと思います。「どうして田中の企画が通らないんですか!」「彼の想いを汲んでやってください!」などの文句を5分ほど垂れたのち、「頭を冷やしてきます!」と颯爽と去る。これで万事OK。若手からは男気ある先輩として尊敬を集め、上長からは熱意ある中堅として信頼され、僕自身はカッコよく早退できる。オレ流早退術、全国2000万人の月曜病患者のみなさんにも、ぜひ参考にしてもらいたいものですね。
ということで、月曜病患者に希望を与えるオレ流早退術について、9日の中日VS阪神戦からチェックしていきましょう。
◆5分頑張れば3時間早く帰れる!しかも、肩で風切ってかっこよく!
問題の場面。1回裏中日の攻撃は、先頭の荒木が四球で出塁して無死一塁。ここで2番に入った英智には送りバントの指示。しかし、初球バント失敗でファウルする英智。キレやすい上司ならここでベンチから飛び出し、英智に5分以上の説教を垂れるところ。しかし、落合監督は何よりも選手の気持ちを大切にする男。冷徹な理論派の仮面をかぶった、気持ち采配の男です。ここはただじっと英智のバント技術を信じて待つのみ。
↓英智のバント技術は日々トンカチを倒して磨かれている!
こうして見ると、英智さんのバント技術は並以上!
構えがおかしいとか、根本が下手糞などの批判は当たらない!
元中日コーチの川相昌弘氏のように、バントで転がしたボールを空き缶に入れるなんて芸はできなくても、トンカチ付近に転がせるなら十分。落合監督も強い信頼をもってバント指示を出したことでしょう。しかし、阪神側がバントをさせまいと胸元に投じた2球目は、かなり際どいコースに。思わずバットを引いた英智は、空中で一回転しながらこのボールを避けるも、右手付近にボールが当たってしまいます。審判はこれをファウルと判定。
落合監督はベンチを飛び出し猛抗議。「英智が怪我をしているじゃないか」「俺は引き下がらない」「死球だ!」とまくしたてます。バットを引いたじゃないかという動作を見せる落合監督。ストップウォッチを見せて「退場になるよ」と警告する審判団。退場にしてみろと睨みつける落合監督。ストップウォッチを見せて「退場になるよ」と警告する審判団。英智の指を見せて怪我をアピールする落合監督。ストップウォッチを見せて「退場になるよ」と警告する審判団。
↓5分どころじゃない抗議の末、ついに落合監督早退!

5分以上粘るヤツ自体が少ないからな!
実質的に落合ルール発動だな!
↓ベンチではベテラン勢が監督の男気を意気に感じる!

監督としてこれで6回目の退場だからな!
猛抗議もしょっちゅうしてるし、慣れきった顔だな!
↓落合監督は森コーチの肩を叩いて颯爽と早退!

「あとは頼むぞ」で去っていく落合監督カッコいいな!
次は監督代行が遅延行為で退場する展開だな!
どれだけ抗議をしても覆らない判定。「もう十分監督の気持ちは伝わりました」という顔で突っ立つ英智。「まーた始まった」とリラックスムードのベンチ。「一応止めにきました」というお義理だけでベンチに引き下がる森コーチ。「もうわかったから」とウンザリ顔の審判団。1回裏という状況を考えれば、4分59秒で抗議を切り上げても、選手の士気に与える影響は変わらなかったでしょう。しかし、それでも落合監督はやった。やり切った。
そこに漂う爽やかさ。あとは頼むぞと肩を叩いた場面などは、「早退」と呼べるものではありませんでした。男の退場劇。早退のとき申し訳なさそうにゴホゴホと咳をしていた自分が恥ずかしくなる、堂々としたその歩み。「誰かのために怒る」「断固として筋を通す」「颯爽と去る」この3点を満たせば、月曜午前9時26分の早退でもカッコよく見えるのだ…僕はまた新たな人生訓を得た想いです。野球を通じて人生を語る…落合監督さすがですね。
↓執拗に抗議をして颯爽と退場する落合監督動画!
落合監督の抗議が3時間半を超えたら、新たなイニングには入らないのかな…。
投手交代とか守備交代で縮めた時間、全部持っていったな…。
まぁそれでも2004年の日本シリーズで、西武・伊東監督(当時)と約50分に及ぶ抗議合戦を演じたときに比べれば、早退までの流れもスムーズになったもの。走者一塁の場面→谷繁キャッチャーゴロ→捕手が打者走者にタッチ→二塁送球→二塁塁審がフォースプレーのタイミングでアウト宣告→落合登場「打者走者が先にアウトなんだから二塁はタッチプレーだろ」→判定覆る→伊東登場「それはおかしい」→50分同じ話の繰り返し。これで早退もできないんじゃ、抗議のし甲斐もありません。5分抗議でスッキリ早退、そうあるべきですよね。
次回は、退場前に自主的にネット裏に移動し、3時間「死球だろ」と叫ぼう!