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ジーコ、ジーコ、ジーコ、ドドドン!

久々の再会でお互いの成長を確認する…嬉しい話じゃないですか。11日に行なわれたワールドカップアジア最終予選イラク戦。イラクを率いるのはかつて日本をドイツワールドカップに導いた神様ジーコ。日本代表監督時代には「海外組偏重」「一部のメンバーに固執」「守備組織・戦術がない」などと采配への批判が高まり、一部サポーターが解任を要求するデモを実行したこともありました。

しかし、敵として対峙したジーコ監督を見て改めて思うのは、やはりジーコは一流の勝負師であったということ。そして、当時の日本代表はまだまだ弱いチームだったということ。弱いチームを率いる監督に「期待よりチームが弱い」という不満をぶつけても仕方なかったということ。今へとつづく成長の道のりにおいて、6年前に居た位置はそれ相応に後ろだったという当たり前の現実です。

例えばこの日、両チームの監督が逆でジーコジャパンVSザックイラクだった場合でも、勝敗は変わらなかったでしょう。イラクはともかく、日本側のメンバーは大きく違わなかったでしょう。誰がやっても「海外組偏重」「一部のメンバーに固執」という点は結果的に変わらないのです。いい選手がちゃんと欧州の高いレベルでプレーし、さらにそこで経験を積み、怪我なく結果を残していれば、毎度同じ顔触れになるのは当たり前。

特に一戦一戦で結果を求められる代表チームを、目の前の勝負にこだわりを見せるブラジル人気質で率いれば、そうなるのは自然。事実、ジーコのチームはアジアを制し、アジア予選を突破し、コンフェデ杯などで結果を残していたのですから何の問題もありません。勝利に飽きると、「アレを試せ」「コレを試せ」「ウチのクラブのコイツを使え」という声が上がり、メンバー固定の弊害というありもしない問題点が作り出されるだけ。それで控え選手が精神的に腐るか、それでもチームを盛り上げるために共に戦うか、それは選手側の問題なのです。

そして守備組織・戦術がないという批判も、必ずしも適切ではありません。ファンが求め、ジーコが応じた「中田・中村・小野・稲本」らで構成される黄金の中盤。よく考えてみたら、これで守れというのはしんどい話。しかも後ろにいたのが「宮本・●●・●●」です。守れるイメージがまったくわきません。それでも●●に中澤・田中誠と入ったときは、二人が人に当たり、宮本さんがカバーするという、いい役割分担ができていたのです。ジーコ監督なりに守備組織は安定させたのです。しかし、田中誠が負傷離脱した本大会では、代わったメンバーの足が痙攣して途中離脱するという状態で、守備は崩壊しました。

ジーコ監督に対する最終的な無能感は、あのオーストラリア戦が主たる原因。あの試合の結果が違えば、ここまでの無能感は残らなかったはず。終わりよければ、Jリーグ勃興の大貢献者で、監督としても日本を世界で活躍させた名将と認識されたことでしょう。実際その後トルコでは、何やわからんうちにチームを欧州CLベスト8に導いたりしているのですから。

今思えば「日本選手にはフィジカルが足りない」と言う総括も納得です。歩いているだけで骨折する選手、大本番を前に離脱するエースフォワード、大本番を前に離脱する守備の要、大本番で痙攣する選手、大本番で5分で引っ込む2人目のエース、大本番で風邪を引く司令塔、こんな状態でやれと言われても無理でしょう。まぁ体調管理も含めて監督の仕事と言えばそれまでですが、やはり選手にも相応の自己管理がなければ、紙一重の勝負などままならないもの。

結局試合をするのは選手。戦況を分析し、自分の役割を考え、みんなと協力してことにあたる選手自身のチカラが勝負の大半を決めるのです。あの頃チームの拠り所であった中田英寿さんですら、欧州主要リーグで優勝を経験し、でも怪我・首脳陣との行き違い等もあって若干落ち目感があり、中位〜下位チームでの奮闘がつづく…という点では、現状の長谷部誠さんと大差ありません。「長谷部頼むぞ…」「長谷部なら何とかしてくれる…」「長谷部決めてくれ…!」って祈っても、そりゃそうそう決まらないでしょう。むしろ「作家」としては長谷部さんのほうが格上なくらいだというのに!「中田語録」より「心を整える」のほうが大ベストセラーだというのに!

この日のイラク戦は、監督ジーコの無能感を和らげ、日本代表の成長を実感する試合だったと思います。ジーコ監督も思っているでしょう。「その選手たちならもっと勝てたわ…」「長友って痙攣とか骨折とかしないんだ…いいなぁ…」「一人だけ別のホテルに泊まるとかギスギスした感じもないんでしょ…」と。予選の結果以上に、僕はそんな思い出浸りで胸が熱くなったのでした。

ということで、ジーコの奇襲にちょっとビックリした、11日のテレビ朝日中継による「ワールドカップアジア最終予選 日本VSイラク戦」をチェックしていきましょう。



◆ウチの新しいグラサン担当者は、みんなと仲良くやってますよ!

埼玉スタジアム2002。ジーコ監督がいくつもの劇的勝利を刻んだこの地に、神様が帰ってきました。スタジアムの壁には今も自身のサインが残っています。はたしてこの日神様が刻みつけるのは、日本の手痛い敗北か、おなじみの負け惜しみか。

入場を待つ選手たち。そこにはひとつの大きな驚きがありました。何とイラクは前戦からスタメンを10人交替。しかも8人は最終予選初出場。分析もクソもない初めて見るチームがそこには控えていたのです。日本代表時代で言えば先発メンバーが「ナカムラ、カジ、ムァキ、ムァキ、ムァキ、ムァキ、ムァキ、ムァキ、ムァキ、ムァキ、ムァキ」だったみたいな衝撃。勝負師の奇襲に「さすがジーコ、面白いな」と僕も感心しきりです。

そして、勝利を引き寄せる謎のジーコ力はこの日も健在でした。日本側は香川ユナイテッドが腰を痛め緊急離脱。DFラインには出場停止者が続出。今予選でもっともメンバー的に不自由な状態で、この一戦を迎えていたのです。うーん、何かが起きてもおかしくはない不穏な空気です。

そして始まった試合。日本はおなじみの4-2-3-1の形。イラクも4-2-3-1っぽいのですが、その形は非常に流動的。特に守備においてはブロックをキレイに敷くのではなく、マンマークで潰しにくるという体制です。サイドから中に絞った岡崎に相手のSBがくっついてきたり、遠藤・長谷部・本田△という日本のキーマンにはベッタリ選手が張りついたり、まさに日本潰しといった戦術。「日本を知り尽くしたジーコ」という触れ込みは、あながちウソではありませんでした!

↓前日の練習をすべて公開しても全然問題なかった!


これジーコも誰が誰だかわかってないんじゃないのかwwww

お互いに相手チームの情報がない状態での殴り合いって感じだなwww


まだマークの確認もままならない前半4分には、セットプレーからあわやゴールというヘッドを放ったイラク。前半20分にはCKから惜しいシュートを放つイラク。ここは川島らのファインセーブで難を逃れますが、背筋がヒヤッとします。立ち上がりの混乱に乗じてあわよくば1点を奪う。得点は奪えないまでも、序盤は激しくプレッシャーをかけてペースを握る。スコアレスで後半まで粘り、選手交代で勝負をかける。結果として引き分けなら満足。イラクの狙いはそんなところでしょうか。

しかし、今の日本の強さはこうした奇襲の際にこそ光ります。ひとりひとりのレベルの高さ、チームとしての意思統一、考えるチカラ。相手があるサッカーにおいて、自分たちの都合だけ考えてプレーしても意味のないこと。相手の出方を見て、それに応じてやり方を変えていく…現場での調整力が求められるサッカーという競技。そこにおいては、6年前の日本とは雲泥の差があります。

遠藤・長谷部に厳しくくるなら吉田が展開すればいい。マンマークでくっついてくるなら、それを利用してスペースを空けさせればいい。長いボールで逆サイドに振ればいい。出会い頭のビックリがおさまってしまえば、やりようはいくらでもあるのです。その引き出し、その対応力、その落ち着き。日本は本当に強くなりました。

↓迎えた前半25分、相手のマークを利用したスローインからの動きで岡崎がドンピシャアシスト!日本先制!


前田:「…………!!」
長友:「(跳び上がって他人にのしかかりながら)いぇー!!」
駒野:「えっ?長友!?」
本田△:「俺のヒザに試練が…」
西川:「俺向けのゆりかごパフォ、手抜きすぎじゃね?」
ジーコ:「(鼻くそをほじりながら)マエダ…?アツコ…?」

動いて空けたスペースに投げ入れて、それを素早く反転した岡崎が受けて、棒立ちの中央に送り込む…頭いいな!

スローインでオフサイドを取られたジーコジャパン時代とは隔世の感!


世界で輝く日本選手の地力。マンマークにつかれてもしっかりボールを持つ本田△。2メートルくらいの短距離ダッシュが圧倒的に早く、縦への突破で何度となくサイドを切り裂く長友。動きの量・質で相手のマーカーを上回り、厳しくイラクがマークすればするほど逆にチャンスを生み出す岡崎。強い選手がまとまって戦っている…そこに負ける要素はありません。ひとりだけ別の空気を醸し出すグラサン担当でさえ、チームの仲間と和気藹々しているのが、今の日本代表なのです。

↓前半41分のカウンターからのピンチも、守護神川島がファインセーブ!


味方ごしで見にくいボールの出所、ゴール端にそこそこの高さで飛んでくるシュート、左右どちらでも蹴れそうな位置取り、それを動かずにじっと待ってから反応し、見事に防いだ川島!

これは…頼れる守護神!!


GKやDFといった日本の弱点とされてきたポジションにも、着実に世界標準の選手が育ちつつある現在。何が起きるかわからない最終予選という大舞台で、ファインプレーをさらっとやってのける日本代表たち。敵として対峙してはいても、ジーコ監督も日本サッカーの一員として喜んでくれたのではないでしょうか。日本は成長したな…と。

↓今や日本代表はGKですら華麗な足技を使いこなすレベル!


一撃で敵兵を倒したwwwww

ヘッドショット炸裂wwwwwww


後半に入ると、イラクにできることはもはやありませんでした。エースFW・ユーヌスを投入して反撃を試みるも、散発の個人攻撃止まり。逆に日本は本田△がたびたび決定的な場面を迎え、何度もイラクゴールを脅かします。追加点はありませんが、イラクも後半はシュートゼロ。心配な場面すらなく、日本は1-0で快勝。予選突破へ大きく前進したのでした。さすが日本、強いですね。

↓決定機を活かせなかった本田△も「ゴールはケチャップみたいなもの。出ないときは出ないけど、出るときはドバドバ出る」と落ち着いたもの!
ただ、落ち込んでばかりはいられない。10月には欧州遠征、11月にはオマーン戦を控え、ロシアリーグもすぐに再開する。決定力の改善について、元オランダ代表FWファンニステルローイの言葉「ゴールはケチャップのようなもの」を引用。「出ない時は出ないけど、出る時はドバッと出る」と説明し、「何本外しても、(打ち)続けるしかない」と期した。

「自分では、もっとゴールを取らなければいけないと思っているけれど、言ってくれる人は少ないから。(ザッケローニ監督は)アドバイスをくれる存在として貴重。その期待に応えていきたい」。勝利に沸く埼玉スタジアムにあって、本田の心は、反省と向上心に向けられた。

http://hochi.yomiuri.co.jp/soccer/japan/news/20120912-OHT1T00035.htm

ソース:「俺はいつもドバドバ出る」
しょうゆ:「ゴールがしょうゆみたいなものだったら、ドバドバ出すぎる」
ポン酢:「どれだけドバドバ出したつもりでも、鍋の中盤で必ず足りなくなる」
わさび:「俺をドバドバ出すな」
からし:「俺もドバドバ出してはいけない」
酢:「餃子のタレを作るとき、俺をドバドバ出しすぎるヤツが多い」
ラー油:「食べるラー油ができて、ようやく俺もドバドバ出られた」
マヨネーズ:「必要なときに必要なだけ出ればいいんじゃない?」
ケチャップ:「むしろ俺は基本ドバドバ出るけど、最後のほうだけ徹底的に出ない」

何か便秘みたいな話だけど、必要なときにドバドバ出ればOKです!

1-0でも2-0でも勝ちは勝ちだから!


最終戦には、イラク代表も可能性を残して来てくれるよう祈ってます!