13:33
大体、知ってた!

違う、違う、こうじゃない。僕の胸には戸惑いのさざ波が去来し、月曜日の足音がより力強く聞こえてきました。毎週やってくるこの曜日、月曜日という大きな敵をどうやりすごすか。それは人生の大きなテーマです。働きたくないよ。金だけほしいよ。今日もゴロゴロしていたい。心の声とどう折り合いをつけていくか、人間力が問われる時間です。

僕はそのためにとっておきのヤツを用意していました。それは先週の土曜日に録画した「バース・デイ」のビデオ。今回はサッカー日本代表として大活躍したアノ男たちの今を追う企画とのこと。要するに、バース・デイではおなじみの「プロ野球戦力外通告〜クビを宣告された男たち〜」のサッカー版です。嫁さんが働いて、家族に応援されて、トライアウトに参加して、電話を待つけど、電話は来ないので、うどん屋を始める…という人生模様の密着ドキュメンタリーです。

この番組を見ると僕は元気が出ます。人生は山あり谷ありで、高い山があった人にもそれなりの谷が来ることを感じられるからです。今は自分も谷底にいるけれど、山が来る日もあるだろうと期待できるからです。そして、最終的にはうどん屋を始めるという手があることを思い出すからです。会社をクビになったらうどん屋をやろう。そう考えるだけで、月曜日はまったく使い物にならない自分を許すことができます。昼飯にうどんを食べるだけで「将来のために勉強したな」と納得できます。不安が消えていきます。

しかし、サッカー版「プロクビ」はとんだ肩透かしでした。何か腹が立ってきました。そうじゃないだろ。そこじゃないだろ。もっといるだろ。「今」が知りたい人がいるだろ。タイムリーな人とかいるだろ。僕は「バース・デイ」スタッフに奮起を促したい。視聴者が求めているのはこういう話じゃないのだと。

ということで、月曜日の辛さを吹き飛ばすにはパンチ力不足なサッカー版「プロクビ」を、8日のTBS「バース・デイ」からチェックしていきましょう。


◆うどん屋はおらんのか!カマタマーレを取材しろってことじゃなく!


うどん屋、居酒屋店員、実家の手伝い。プロクビではおなじみの現状たち。そこからもう一度這い上がろうとする姿。プロ野球選手として再起を期すもヨシ、うどんに人生をかけるもヨシ。とにかく一般の僕らには手が届かないプロ野球という世界に住んでいた人も同じ人間であり、悩みや戸惑いの中で生きていることを感じられることに、プロクビの素晴らしさがあります。だからこそ勇気がもらえるのです。

サッカー版プロクビとして、番組が採り上げたのは3人の元日本代表選手。ジョホールバルで日本を初めてのワールドカップに導いた男・岡野雅行。2002年ワールドカップで日本に初めての勝点をもたらした男・鈴木隆行。そして2002年、2006年とワールドカップ連続出場をはたした男・三都主アレサンドロ。

サッカーファンのみなさんは「おや?」と感じる人選かもしれません。結局その「おや?」は現実のものとなるのですが、まずは番組の提案どおりに、3人の今を確認していきましょう。

↓番組では壮大な前フリで「おや?」への助走を始める!
番組:「かつて日の丸を背負い、世界を相手に戦ったヒーローたち」

番組:「鮮烈な光を放った彼らは、今…」

番組:「日本を初めてワールドカップに導いた男は、新たな人生を愛する家族に捧げていた」

岡野:「すごい大事な時間ですね。子どもといる時間は…」

番組:「移籍回数15回、波乱のサッカー人生を送ってきた男は、生まれ故郷で新たな戦いを始めていた」

鈴木:「嫌な想いとか、苦しいことを経験しているのは多い」

番組:「夢の実現のために日本人になったあの男は、昨年、職を失った」

三都主:「(戦力外を)受け入れることが、あんまりできなかったんですけど…」

番組:「サッカー元日本代表の男たち、彼らの今を追った」

おおっ、期待感高まるオープニングだな!

この感じだと岡野は毎日家でゴロゴロしながら職探しの雰囲気だな!

鈴木師匠は郷里で納豆屋か落花生農家を始めた感じだな!

三都主はブラジルに帰りたくて毎日泣いている異国の日々だな!

プロ野球「戦力外通告」

価格:840円
(2013/6/10 13:04時点)
感想(0件)




プロクビファンに高まる期待。そしてどんどん加速するサッカーファンの「おや?」。そのふたつは最後まで交わることはなく、平行線のまま進んでいきます。野人岡野のスピードで。鈴木師匠の力強さで。三都主の軽やかさで。壮大な前フリからのズコーッへと…。

↓まず番組では野人・岡野雅行さんの今を確認する!
●自宅リビングでワールドカップ最終予選を見守る岡野
●現在40歳
●岡野は初めてのワールドカップ出場を決めた立役者
●岡野:「今でもこういうの見るとドキドキするし、いいなと思う」
●岡野:「自分もやってたんだなと思い出します」
●岡野:「あの頃に戻りたいけど戻れない」
●番組はわざとらしく部屋の壁に下げた日本代表14番のユニフォームを映す。岡野家でたまたま洗濯でもした可能性が微レ存
●岡野のかつての栄光を振り返るVTR。カズと共演したデカビタのCMを映しつつ、「年収は1億円。代官山に2億円の豪邸を購入」「29歳でひとつ年下の裕子さんと結婚」「2005年には長女が誕生」という情報を紹介
●プロクビファンに「家は売り払い、嫁とは別れて、親権を取られたんだな!」という熱い期待感が漂う
●2008年に浦和レッズを退団した岡野は香港のチームに移籍するが、半年で退団。当時JFLのガイナーレ鳥取へ移籍する

<それから4年…>

●岡野は今もガイナーレ鳥取で戦っている
●現在は鳥取市内のマンションで生活
●妻も子どもも健在
●ずっと単身赴任をつづけていたが昨年から家族で同居を再開
●裕子さんは「いつか辞めるにしても後悔してほしくないんですよ。絶対に。完全燃焼して終わってほしい」と岡野を応援する姿勢
●39歳には見えない若さと美貌が眩しい
●娘はYoutubeで「野人ゴール集」などの動画を見て、パパのゴールを生で見たいと夢見ている
●娘:「(若き日の野人動画は)面白かった」
●娘にゴールを見せることが今の岡野の原動力なのだ
●岡野は今季ここまで5試合に出場するもノーゴール
●サポーターは「オー岡野、オオオー岡野、誇りを胸に戦え 我らの岡野」と声援を送る
●しかし、やっぱりノーゴール
●岡野は今日も練習をつづけている。体力は衰え、練習でも控え側にまわり、DFの位置でプレーすることも
●岡野:「やればやるだけボロボロになるからやるんです。やれるうちが華だから」
●岡野は娘にゴールを見せるまで戦いつづける…!

プロクビファン:「家が人手に渡…らない」
プロクビファン:「嫁と子どもが出て…いかない」
プロクビファン:「トライアウトを受け…ない」
プロクビファン:「うどん屋を始め…ない」
プロクビファン:「何じゃコレ」

待て待て、ツッコミはもうちょっとお待ちください!

心が折れない働き方 [ 岡野雅行 ]

価格:860円
(2013/6/10 13:05時点)
感想(5件)




↓つづいて番組では鈴木隆行の波乱の人生を確認する!
●水戸市内の道を歩いてどこかへ向かう鈴木
●鈴木:「人よりも嫌な想いとか、苦しいことを経験しているのは多いと思うんだけど、失敗から這い上がれる方法とか、成功しているのに落ちてしまう状況とか、その経験を使わないともったいないじゃないですか」
●鈴木は2002年ワールドカップ・ベルギー戦で値千金のゴールを決め、初の勝点をもたらした男
●鈴木は大会後ベルギーのゲンクへと移籍するが一年あまりで退団し、その後15回もの移籍を繰り返す

<そして37歳になった鈴木が向かう先は…>

●鈴木が向かったのはサッカーグラウンド
●鈴木は今、J2水戸ホーリーホックでプレーしている
●今シーズンは5得点をあげ18試合中16試合に出場の中心選手
●その人気はチーム1を誇る
●鈴木は水戸をJ1にあげることが使命だと語る
●「引き込みすぎだよ」「ワンテンポ遅いよ」「考えすぎてる」などチームメイトにアドバイスすることも
●鈴木:「(今もサッカーをつづけているのは)単純ですよ、好きだから。勝負の世界は勝ちたいとか、試合出たいとか、生き甲斐を感じてるわけじゃないですか。それが自分のため」
●鈴木は水戸で戦いつづける…!

プロクビファン:「向かった先は職安…じゃない」
プロクビファン:「実家で家業のうどん屋を手伝…わない」
プロクビファン:「何じゃコレ」

待て待て、ツッコミはもうちょっとお待ちください!


↓そして番組では万全の態勢で三都主アレサンドロの今を確認する!
●CM前、居酒屋で飲む三都主の姿が映り、期待感が高まる
●まず映ったのは2012年12月のJリーグ合同トライアウト
●そこに三都主はいた
●三都主は代表通算82試合出場(歴代7位)の記録を持つ偉大な男
●16歳でサッカー留学で日本に来た三都主はJリーグで華々しく活躍
●2001年に帰化をはたすと日本代表入りし、2002・2006とワールドカップ連続出場
●三都主:「スタジアムの雰囲気、今でも本当に忘れられない。その中でサッカーをする喜びっていうのも本当にたまらなかった」
●しかし、三都主は2007年から怪我に苦しみ、昨年は名古屋から戦力外通告を受けた
●三都主は最後の望みをトライアウトに賭けた

<そして三都主は今…>

●トライアウトから5か月、三都主は栃木県下都賀郡にいた
●田んぼが広がる田舎町で三都主が向かった先は…J2栃木SC
●元日本代表をサポーターは熱烈歓迎
●プレーだけでなく精神的主柱としてもチームを牽引
●三都主は試合後、チームに所属するブラジル人と居酒屋へ繰り出す
●三都主:「日本で成功するには、まず日本に慣れることだね。日本の生活に慣れることができないなら、それはプレーにも影響してくるから。でも慣れてしまえばきっと日本でもいいプレーができるよ」
●三都主:「いろいろな障害があったとしても、それを乗り越えたときにはいいことが待っていると思うよ」
●三都主は日本に骨を埋める覚悟で戦いつづける…!

プロクビファン:「トライアウトで合否の電話が…合格で来た」
プロクビファン:「栃木でブラジル風うどん屋を始め…ない」
プロクビファン:「何じゃコレ」

待て待て、ツッコミはもうちょっとお待ちください!

【中古】スポーツ/2002 FIFAワールドカップ日本代表/2002 FIFAワールドカップサッカー日本代表カード[メモリアルボックス] 14 : 三都主アレサンドロ【画】

価格:8円
(2013/6/10 13:06時点)
感想(0件)




何ということでしょう。よくよく話を聞けば、三人ともJ2で普通にプレーしていたのです。J2ってバリバリのプロじゃないですか。日本代表選手もいるリーグじゃないですか。まさかの普通。まさかの健在。年齢相応に戦場は後退したとはいえ、全員プロで「戦力」をやっていたのです。戦力外でもなければ第二の人生でもなく、ただ移籍しただけだったのです。ていうか、それは知ってた!

バース・デイは、プロクビはこんなことでいいのでしょうか。プロクビというかこれはただの「移籍情報」じゃないですか。何か、一流は何年経っても一流で、再就職も可能という当たり前の現実を再確認させられただけの結末に、僕の月曜日への意欲は大きく後退しました。バース・デイスタッフにはしっかりしてほしいもの。転職後の未来、職安での再就職のコツ、うどん屋経営のノウハウ、このあたりを特集するよう、しっかりと企画のコンセプトを見つめ直してほしいものです。J2はうどん屋ではないという事実を胸に刻んで…。


うどん屋の情報を得られなかったので、今の職場に出社します!