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本田△さんのように英語で自分の意志を伝えよう!

僕は長い間、勘違いしていました。僕はちょっと英語に自信がありませんで、そのせいか意識高い系ビジネスマンとは心理的にも距離を置いています。TOEICが何点だの、グローバルな人材だの、世界で戦うだのと言われると「うへー」となってしまうのです。高校のときに学校の授業であんなに学んだのに、まともに外国の方と会話もできない。そのことを恥じてさえいます。

しかし、僕は気づきました。

その見栄のようなものが邪魔だったのだと。

逆の立場で考えてみれば当たり前のことです。僕らは…少なくとも僕は相手のカタコトには寛容です。なるべくなら言いたいことを理解してあげたいし、極端な話「あー」とか「うー」だけでも察してあげたい。地図を持った外人が「あー」と言いながら、紙の上のどこかを指差したら、そこに行きたいに決まってるじゃないですか。そして、僕がその紙の上の1点を指差し「YOU!」と言えば、「あなたは今ココにいます」ということはわかるでしょう。そして、紙をなぞりながらその指をビシッと伸ばし「GO!」と言えば、「こっちに行けばいいんだ」というのは伝わるじゃないですか。それでよかったのです。

自分が英語で何をしたいか、何に困っているか。それはせいぜいが海外旅行に行ったときに、買い物したりご飯を食べたりするときの会話程度。その程度のこと、できないわけがない。あんなに授業を受けたんだから。結局は、伝える気があるか、ないか、それだけの問題だったのです。それは「目的を達成する気があるか、ないか」と言ってもいいでしょう。

そりゃ、自分のオシャレな表現を持ち込むのは難しいですよ。

さっきの外人に「おー、そりゃお困りでしょう。日本は狭いくせに道がゴチャゴチャしてますからね。看板もないし。ここまではどうやってきなさった。羽田から、京急で。ほぉぉ。品川からは山手線ですか。で、新宿まで。ふむふむ、なるほどヒルトン東京に行かれたい。では、まずこの道を5ブロックほど行かれてからですね…」なんてことをしようとするから、途中でわからなくなるのです。ただ、それは本来の目的からは外れたオマケの部分じゃないですか。

本田△さんの強い精神。

曖昧さを排除した断固たる意志。

目的に向かってまっすぐ進む姿勢。

それを持ち込めば、オシャレな会話ができるかどうかはともかく、「目的」は達成できるはず。自分の目的を見つめ、それを突き詰め、シンプルな1点に定めていく行為。それこそが「伝える」ことの真髄。言葉とは自分の意志を相手に伝えることなのですから…。

ということで、アレを完成形とした100歩手前くらいの英会話について、本田△さんの会話術から吸収していきましょう。


◆意志を研ぎ澄ませ!1点に絞り込め!さすれば言葉もシンプルになる!

このひとつ前の記事でACミラン入団会見の全文書き起こしをやっていますが、もう少しだけ素材を足しておきましょう。物事を学ぶすべての基本は「写経」です。何がどうなっているかわからないときは、とにかくそれを見て真似して書いてみる。基礎とは単純な反復作業以外の何物でもなく、それをサボっては学びはありません。

↓入団会見前の現地メディアとのやり取りを学ぼう!
――ようこそミランへ。今のお気持ちは?

本田△:「yeah,I'm so happy to come here. yeah,I'm so excited.」
(ミランにこられてとてもうれしいです。興奮していますよ)

――移動はいかがでしたか?

本田△:「yeah,I slept well in the airplane. So, I'm ready to play.」
(飛行機の中でぐっすり寝られました。プレーする準備はできていますよ)

――ミランにはバロテッリ、カカなどのプレイヤーがいますが誰に興味がありますか?

本田△:「yeah,I look forward to play with them. Because their big players. So,I have to prepare for them.」
(彼らとプレーするのをとても楽しみにしていましたよ。彼らは世界的な選手ですからね。しっかり準備しなくてはいけませんね)

――明日ミラネッロ入りしますが、ACミランでは何ができると思いますか?

本田△:「yeah,I understand my situation. and I think everybody expected a lot about me. but I think I can. I can do a lot. I can change something. I can give the team something special. I have confidence.」
(自分自身の置かれた状況はわかっています。みなさんが期待してくれていますよね。私はたくさんのこと、特別なものをチームに与えられると思いますよ。自信を持っていますよ)

――ACミランの大ファンだそうですが、ミランについてはどう思っていますか?

本田△:「yeah,I always watched the game by TV, when I child. So,I said I am so happy to come here.」
(子どもの頃、いつもテレビで見ていたんです。だからここにこられてとてもうれしいんですよ)

――そのミランに加わりました。

本田△:「yeah, A.C.Milan is legend for me. So,this is dream come ture.」
(ミランは私にとって伝説的なチームですからね。夢が実現しましたよ)

――中田英寿氏とはミランやイタリアサッカーについて話したりしましたか?

本田△:「NO. I don't I did not speak with him about Italy, and, yeah, my friend about NAGATOMO, he just told me something advice to me about Italy. All things positive, I feel good.」
(中田さんとはイタリアについて話したことはないんです。友だちの長友と話しました。彼は私にいくつかの助言をくれたんです。前向きな話です。ワクワクしています)

――あなたのイタリアでの冒険、自分自身にどんなことを期待していますか?

本田△:「I don't know. (*******)I want to score. I want to assist. So, attacking player, I'm attacking player. I don't care which position, but I want to play forward, front place.」
(わかりません。ただ私は得点をして、アシストをしないといけませんよね。私は攻撃的な選手ですから。どのポジションでも大丈夫ですが、前のほうでプレーしたいですね)

――イタリアの選手、誰か知っている人はいますか?

本田△:「Of course.」
(ええ、もちろん)

――誰ですか?

本田△:「yeah,All. I played against Italy in Confederations Cup. So,I know all.」
(全員知っていますよ。私はコンフェデレーションズカップでイタリアと対戦しましたからね。だから全員知っているんです)

――(全員!マジで!?)サッカーマニアですね。

本田△:「What do you mean?」
(どういうことですか?)

――とってもサッカーがお好きなんですね。

本田△:「Yes,I like it.」
(そうですね。大好きです)

――だから全選手知ってたりするんですね。

本田△:「No. I don't know all players but Italian players is  famous in Japan that's why I know them.」
(いえいえ。全員は知りませんよ。でもイタリアの選手は日本では有名ですからね。だから私は彼らについて知っているんですよ)

――(さっきと言うてること全然違うやんけ…まぁいいや…)ミランの背番号10は憧れだったそうですね。

本田△:「I'm grad to hear that. yeah,I have to play well. Because everybody expected a lot.」
(10番をもらえると聞いたときはうれしかったですね。でも、私はしっかりプレーしないといけませんよね。みなさんが期待してくれているわけですから)

――最後にイタリアのファンに一言。

本田△:「Grazie.」
(ありがとうございました。 ※イタリア語で)



何か、こないだの入団会見と同じことを言ってるな!

同じ質問に同じ答えを同じ言い方で返す!

シンプルかつクリアーな会話だ!

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2回写経してみた甲斐はありました。だんだん、どういう構造で本田△さんが会話を組み立てているのかわかってきました。もちろんちょいちょいオシャレなジョークとか入れようという痕跡はありますが、そこは「初級」なので無視して、もっと根源的なところを見ていきましょう。

↓これが本田△流英会話術の特徴だ!
<本田△流英会話術その1:短い文を多用する>

例:「I feel you expects a lot. So, I know I have to show, and I have to you satisfy. I think I have to many goals and
assist. I will do my best. I will give some special things for the team. I will do my best.」
(みなさん私にとても期待してくれているようですね。私は示さなければいけない、みなさんを満足させなければいけないということはわかっています。たくさんのゴールとアシストをしなくてはいけないですよね。ベストを尽くしたいですね。私はチームに何か特別なものを与えられると思いますよ。とにかく全力を尽くしたいですね)

こちら、先日の入団会見の一節ですが、上の動画でもほとんど同じやり取りが登場しています。特徴は「I+動詞+何か」で構成された短文を連打していること。よく使う言い回しでいえば「I want you. I need you. I love you.」みたいなヤツです。

まず自分の感情や意志を細かくパーツごとに分解する。そして、その一文ずつをコンボさせることで、総体となる感情や意志を表現するわけです。動詞や名詞は単語としてはそこそこ知っているわけじゃないですか。まとまるとわからなくなるだけで。

感情を分解し、シンプルにすること。それが第一のコツです。


<本田△流英会話術その2:接続詞で感情を表現する>

例:「yeah,I understand my situation. and I think everybody expected a lot about me. but I think I can.……」
(自分自身の置かれた状況はわかっています。みなさんが期待してくれていますよね。でも、私はできると思いますよ)

短い文が1つ、andを挟んで短い文、そしてbutを挟んで短い文という連続。自信の有無を問われた際の答えですが、この中の「my situation」は何なのか詳しく説明されていません。ていうか、よくよく1文ずつを読むと、質問の回答にはあまりなっていません。

しかし、本田△さんは接続詞での感情表現が巧みです。「置かれた状況はわかています」and「みなさんが期待してくれていますよね」と2つの文をandで正の方向でつなぐと、その状況というのは「期待されている」ということを指すのだと理解できます。そして、そこにbutという逆の方向で「できる」をつづけると、前の2文で示した内容には「期待されている」「が、しかし」「私はできる」という流れで、「my situation」にはプレッシャーもあることが理解できます。

これを「重圧をはねのけなくてはいけませんね」とか言おうとすると急に難しい気がする。でも「わかってるよ」「みんな期待してるよな」「でも俺はできる」だと、大体同じようなことが伝わる。短い文で意志を伝えるためのテクニックです。

特に本田△さんの言葉に出てくる「and」「but」「so」の使い方は大変参考になります。「and」はまだ言い足りていない内容をつづけている状態。「but」は逆の結論を言うための呼吸。「so」は正の結論を言うための呼吸。

接続詞につながる前の短文の連続が、自分にとって「ポジティブ」か「ネガティブ」かを言うことで、総体としての状況を説明する仕組みです。

接続詞の使い分け、それが第二のコツです。


<本田△流英会話術その3:自分がどうしたいかだけを言う>

例:「I have to」「I want to」「I just」「I think」「I never」「I will」

僕はこの写経をしているとき、やたらと「I have to」と打たされていることに気づきました。おそらく一番出てきている単語が「I」で次が「to」そして「have」なのではないでしょうか。強い主張、私は●●しなければいけない…というこの表現。これを本田△さんは「やります」「やりたい」「これからする」など、とにかく「する」に対して使いまくります。

結局、必要な会話というのは「お前どうしたい」「俺はこうしたい」だけであり、相手の要求を特に聞く気がなければ「俺はこうしたい」だけを一方的に言いまくれば何とかなるのです。そして、時折本田△さんも繰り出しますが、相手の要求がわからなかったり、返答に窮するときはすべて「I don't know」で済ませればいいのです。

「俺の意志」以外には触れないこと、それが第三のコツです。


<本田△流英会話術その4:細かいことは気にしない>

例:「yeah,I always watched the game by TV, when I child.」
(子どもの頃、いつもテレビで見ていたんです)

このあたりの文を見ると、高校時代のテストが思い浮かび、いろいろ気になり始めます。テレビで見たのなら「on」じゃないのかとか、when I「was a」childじゃないのかとか、細かな点…それは自分自身が言葉を紡ぐときに引っ掛かり、ためらう箇所がたくさんあります。

しかし、本田△さんはぶっちぎる。そして、伝わる。オンだろうがバイだろうがインだろうがアットだろうが、ウォッチとTVが並んでいたら「テレビで見ました」しか答えはない。日本人に向かってボビー・オロゴンさんが「サムライ」「俺」「子ども」「とき」「見た」「テレビを」と言ってきたら、子どものときテレビでサムライを見たんだなと、何となくわかるじゃないですか。これで十分だったのです。

細かいことよりまず大きな声でハッキリ言うこと、それが第四のコツです。

さぁ、初級編はここまで!

次は旅行中に言いそうな言葉を本田△流で表現していきます!

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↓たとえばこんな状況では、こう言って自分の意志を貫こう!
●空港で旅の目的を問われたとき

あー、よくあるヤツです。旅の教本にも必ず書いてある入国審査の一場面。これサイトシーイングとかビジネスとか答えるんですよね。でも、その単語が出てこなかったら、途端に言葉に詰まってしまうのでは。しかし、本田△流なら何とかなります。「観光」という単語がわからなくても、観光しにきたのなら見たいものはあるはず。その気持ちを伝えていきましょう。

例:「I want to watch sky, I want to watch city, I want to watch moutain, I want to watch L.A. I want to watch MajorLeagueBaseball. So,I'm grad to come here.」
(観光にきました)


●オススメのレストランを知りたいとき

空港を抜けたあとは比較的イージーです。空港の前にはタクシーがいますし、タクシーはカバン持った外国人が乗ってきたら、ほぼほぼ行先はホテルだと思っています。「ヒルトン」だの「ハイアット」だの宿泊先の名前を言えばわかるでしょう。わからなくても、カタコトのあなたはたぶん地図を持っています。差し出せばOKです。

しかし、自由行動になったとき。あなたは急に困るはず。自分の希望を上手く伝えられないからです。そんなときは原点に立ち返りましょう。自分が何をしたいのか。たとえば食事がしたいとき。「食事」と言えなくてもいいのです。言えるレベルにまで意志を細分化し、相手に投げつけましょう。あとは向こうで勝手に判断します。

例:「I'm hungry. I need restaurant. I want to eat bread and beef and tomato and lettuce. So,I want to know. "Chalanchanchancha-n  I'm lovin' it!M!M!M!"」
(本場のハンバーガーが食べたいので、近くのマクドナルドを案内してください)


●買い物でちょっとだけ値切りたいとき

「I don't have menu.」「I don't know.」「I have to eat That.」「I love beer.」「I love beer.」「one」「Delicious」「I want to go hotel.」「I have to give you my money.」「Thank you.」などを駆使して食事を終えたあなた。まだ時間も早いので、ちょっと街をブラついてショッピングをすることにしました。

ショッピングは旅の華。そこでの店員さんとのやり取りも楽しみのひとつです。おっ、なかなかいいお土産。しかし、これが20ドルか。ちょっと高い。10ドルくらいにならんものか。「10ドルなら買う」という気持ちが定まっているのなら、そのことを伝えれば、あとは向こうがイエスと言うかノーと言うか、問題はそれだけです。

例:「I love this. I'm so excited. I want to buy. I don't have much money. So,I can't buy. But,I have 10$. I, have, 10$!」
(とても気に入りました。ただ持ち合わせがないので…10ドルになりませんか?)


●旅先でひと夏のアバンチュールを楽しみたいとき

「I have to △△ ●●」ですべてを押し切ってきたあなた。観光は大充実です。●●の部分に入る名所の名前や公演名や食品の名前。△△の部分には「ほしい」とか「知る」とか「食べる」とか、やりたいことが詰まっています。何だか、いろいろ考えていると、逆にこの一文だけで押し切れる気さえしてきました。

そんなあなたは恋のチャンスをつかみます。レストランで「have to」「have to」「have to」と大声で意志を貫いているあなたを、居合わせた美女が助けてくれたのです。感謝の意をこめて、あなたはドリンクをすすめます。そして始まる会話。「I'm Japan」「Football player」「I love L.A. and you」「So,I have to go hotel.」などと言っているうちに、ちょっとイイ感じになってきました。

せっかくのチャンス。これを活かさない手はありません。彼女との甘くとろけるような夜のコミュニケーション。さぁどうやってあなたらしい言葉を紡ぎましょうか?

例:「I want you. I need you. I love you. ……music……popcorn……MAX-high-tension……heavy rotation! I have to kiss you. I think I can. I just ask my little honda in my heart. "How do you feel?" I asked. "yeah, yes, yes, I'm grad to I'm coming. coming. coming. COMING!! ……………I feel good.……I want to GOAL!!GOOOOOOOOAL!!" 」
(あなたが欲しい。ムラムラしてます。私の中のリトル本田に聞いたんです。どうだ?気持ちいいか?と。そうしたら答えたんです。イイと。すごくイイと。リトル、もうダメです。リトルが、リトルが、リトルが、リトルがあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!)

10年ぶりぐらいに英文のテスト受けた気がするな!

でも本田△フレーズだけでたぶん全部いける!

「俺はしなければならない。●●を」っていう喋り方の人だと、最初から認識してもらえばいいんだ!

食事だろうが仕事だろうが買い物だろうがウンコだろうが!

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いかがでしたでしょうか。僕は外国の方と話したことがない…というか日本人と話すのも苦手なコミュニケーション障害なので、これで通じるのかはよくわかりません。しかし、ためらいと恐れさえなくしてしまえば、旅行ぐらいは今すぐ何とかなる気はしてきたのではないでしょうか。伝わらなくても単語を変えながらひるまずに意志を貫けば、そのうち相手も察してくれるはず。カッコよくなくても、それで目的は達成できるのですからOKです。

発音も本田△さんくらいで通じるなら、別に気にするまでもありません。大事なのは、大きな声でハッキリと言うこと。結局、発音とか文法に自信がなくて、ボソボソしゃべるから伝わらないのです。ドーンとデカイ声で単語を言ってやりましょう。単語だけなら1000くらいは知ってますからね。「I have to 単語」これでほとんどの気持ちは伝わるはずです!


相手の言うことがわかれば中級、ジョークが言えたら卒業です!