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ありがとうソチ、よろしくね平昌!

ソチ五輪、17日間の激闘が終わりました。日本勢は金1銀4を含む8つのメダルを獲得するなど、自国開催の長野五輪に次ぐ素晴らしい活躍を見せてくれました。冬季五輪と言うと、用具や環境などとかく物入りなわりに、日本ではなかなか継続した支援を得られないという「人気」面での苦しさもあり、ふるわない大会が多いもの。そんな中で、これだけの数字を記録した選手・関係者には本当に頭が下がります。

そして今大会は、数字では現れない部分にこそ印象的な場面が多い大会でした。勝者の姿よりも強く記憶に残る敗者の姿。上村愛子さんの清々しい4位であったり、高梨沙羅さんの悲痛な4位であったり、浅田真央さんの絶望からの6位であったり、メダルという結果が伴わなかったことで、より印象を増すかのようなドラマが多く見られました。

思えば今大会メダルという結果を手にした競技も、前回であったり前々回であったりは「敗者」としての歴史を積み上げてきたものが多分に含まれます。競技そのものに対して、あるいはその人間性に対して矛先が向けられてきたスノーボード競技は日本勢最多となる3個のメダルを獲得。スキー・ジャンプでは7大会目にしてようやく個人のメダルを手にしたレジェンド葛西のドラマが激賞され、ノルディック複合では元選手・現解説者の荻原次晴氏が「20年苦しかった…」と号泣する場面が話題となりました。

敗北があり、そこから立ち直って、勝利をつかむ。

人生もスポーツもこの繰り返しという意味では同じこと。

特にこの「立ち直る」ということにこそ、観衆の心をつかむ何かがあるように思われてなりません。板切れで坂道を滑り降りるのが速いとか、跳び上がって横にクルクル回るのが何回できたとか、氷の上を滑らせた石がどこに止まったとか、中身は別に何でもいい。それが速かろうが上手かろうが、それゆえに感動したり共感したりするわけではない。

ただ、幾多の苦難を乗り越えて、前よりもちょっと速くなったとか、遠くまで跳べたとか、未来への前進があるからこそ、観衆の心も震えるのではないでしょうか。どんなことであれ、「前進」がいかに難しいことであるかは、自分たちの生活の中で痛いほど思い知らされているわけですから。

その意味では、今回メダルという結果に届かなかったとしても、むしろ届かなかったからこその価値というものもあるはず。上村愛子さんの4位は、順位・結果ではなく過去の自分を乗り越えたからこその清々しさがありました。高梨沙羅さんの4位には、次にどう生きていくかに注目したくなる期待感が生まれました。そして浅田真央さんの6位は、もはやメダルはないという絶望から、4年間の努力が形として残らないと悟った落胆から、それに打ち克ったことで、順風満帆に演技するよりも何倍も何十倍も美しい記憶となって結実しました。

このように世間に広く知られている事例でなくとも、それぞれの選手に敗北と勝利があり、それぞれの価値がある。4年間という短くはない時間の中で、揺れ、迷い、諦めそうになりながら、それでも生きていく。観衆は、それを自分自身の4年間の人生と重ね合わせながら見守っていく。4年ごとだからこそ、4年にひとりしか勝者を生まない大会だからこそ、オリンピックというのは素晴らしいのではないでしょうか。多くの敗者を生むからこそ、より多くの「立ち直る」物語が生まれる、そういう大会として。

次の4年を、選手たちに恥ずかしくない程度に、自分たちも強く生きていきたいもの。「お前、よく頑張ったな」「大変だったよな」「わかるよ」と一緒に泣くためには、コチラにもそこそこの努力が必要ですからね。次は2018年韓国・平昌で。元気にまたお会いしましょう。選手のみなさん、お疲れ様でした!

ということで、ソチ五輪閉会式で感動の余韻に浸りながら、そこに冷や水を浴びせた平昌五輪お披露目イベントについてチェックしていきましょう。


◆東京五輪組織委員会のみなさん!平昌の黒歴史に学んでください!


五輪の閉会式というのは基本的に和やかムード。特にイベントがなくても、豪奢な演出がなくても気になりません。何せ、その日の夜まで熱い試合が行なわれていたのです。そこで生まれた思い出の余韻があれば、ほかには何もいりません。記憶に身を委ねればそれだけで十分に幸せです。

日本で行なった長野五輪の閉会式もそうです。あのセレモニーは開会式のダダ滑りに比べて、大変感動的でいいセレモニーだったという記憶が残っています。しかし、実際何をやったかというと、角松敏生さんが出てきて「WAになっておどろう」を何回もリピート演奏したにすぎません。これは角松敏生コンサートのアンコール相当の演出。角松敏生コンサート以外では想定できない演目です。しかし、それで十分なのが、閉会式というヤツなのです。

今回のソチ五輪も、何かロシア文化みたいなものをアッピールしていたようですが、まったく印象には残りません。もう僕らの心はロシアから離れている。今さら文学だの音楽だの言われても、もうしばらくロシア風味はいい。なので、前半部分はまったく印象に残りませんでした!

↓唯一「ん?」と画面に引きつけられたのは、開会式の四輪演出の天丼!


う、うーーーーんw

1回目も別にウケてないから、天丼されてもね…。

何だろう、スベってる感は開会式より上かな…。

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演出はそこそこに入場する選手たち。日本選手団も日の丸を持つ小笠原歩さんを先頭に、フィギュアスケート選手団、スピードスケート選手団など大会終盤まで日程のあった面々がバラバラと入場。各国選手団が入り乱れてやってくるあたりは閉会式ならではでとてもホッコリします。緊張感もほぐれ、写真を撮ったり跳びはねたりする選手たち。いい雰囲気です。

その後は最終日に行なわれた競技のメダルセレモニーや、ボランティアへの表彰、ロシア文化自慢などを披露。オリンピック賛歌とともにオリンピック旗を降ろしたりと、終了ムードを高めながら、閉会式は順調に次第を消化していきます。

しかし、ここで注目のイベントが。特に日本にとっては重要なそのイベントとは、4年後の平昌五輪組織委員会によるご挨拶イベント。次はこんな楽しい大会をやりますよ、みなさん期待してくださいね、という恒例のお披露目会があるのです。そして、同じことをリオ五輪の閉会式で東京はやらないといけないのです。北京五輪閉会式で二階建てバスからベッカムがボールを放り投げ、ロンドン五輪閉会式でペレが清掃作業員の格好で登場したアレを。

「どうせカンナムスタイルだろ」「カンナムスタイルしかない」「オッパー、カンナムスタイル!」とカンナムスタイル決め打ちの空気の中、平昌側はまず子どもの歌からイベントをスタート。「困ったら子ども」の鉄則に基づき、もう困ってる感じでショーは幕を開けます。

流れ始める、平昌はこんなに近代的な都市ですよという嘘映像。少女時代がお迎えしますよという嘘映像。雪がたくさん降りますよという嘘映像。高速鉄道が快適な移動をお約束しますよという嘘映像。子どもたちが民族衣装でスキーやソリを楽しんでいますよという嘘映像。嘘映像の連発で気分を盛り上げると、「長い韓国の歴史を象徴する聖人」なる人物が登場します。聖人は自称・琴の起源みたいな楽器を弾き始めると、それにあわせ自称・有名な民謡アリランを自称・世界的オペラ歌手が披露します。

「なるほど、アリランね」と思ったのも束の間、今度はジャズシンガーがジャズ風のアリランを披露。さらにピアノが登場してアリランを演奏するインストゥルメンタルバージョンを披露。その上、つづいてはロック歌手が登場してロック調のアリランを熱唱。アリラン・アリラン・and・アリランというアリラン地獄。虎舞竜でもこんなに「ロード」を歌ったりはしないだろうという無限リピートで、頭がアリランアリランアリラリラーンしてきます。

これはひょっとして、平昌五輪の開会式では「カンナムスタイル」「カンナムスタイル ジャズバージョン」「カンナムスタイル スペースオペラ」「ロック・カンナムスタイル」「カンナムスタイル インストゥルメンタル」「カンナム盆踊り」などをやるぞという前フリでしょうか。もともとそうだろうとは思っていましたが、いざ予告されると、ちょっとこらえきれない笑いで身体が震えてきますね。

↓そしてソチ五輪組織委員会は立派な雪だるまを用意することを世界に約束した!


おっ、おう…立派な雪だるまやな…。

雪が積もるよう祈ってるわ…。

ロシアから人工降雪機の中古品を買うの、忘れずにな…。

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こうしてソチ五輪は閉幕し、平昌五輪へと舞台は引き継がれました。閉会式の挨拶で「この大会で我々は世界を制覇した」とか言っちゃう系のロシアから、たぶん似たようなことを言っちゃうだろう系の韓国へ。まぁ、そういう点も織り込みつつ、また4年後の熱い冬を楽しみに待ちたいものですね…!

↓最後は例の気持ち悪いマスコットが聖火を吹き消して、ソチ五輪は閉幕しました!(5分頃から)

http://www.gorin.jp/search.html?bctid=757379092002

吹き消したり泣いたり、妙に動きがリアルで怖いわwww

韓国の雪だるまは無駄な動きが一切なくて逆に好印象やでwww

ミーシャはレベル高かったことを改めて感じたwww

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さぁ、東京もリオ五輪の閉会式に向けて立派な着ぐるみを作りましょう!