- カテゴリ:
- 野球
2014年06月05日12:57
よーし、伊原を挟んだぞ!
数少ない西武ライオンズファンに衝撃が走りました。現在パ・リーグの尾位をひたはしり、あのDeNAより勝ちが少なくて負けが多いという状況の西武ライオンズが、伊原監督の休養を発表したのです。休養という体裁ではありますが、本人申し入れによる事実上の辞任。まだ53試合という時点での決断。これこそ伊原氏のライオンズ愛。その想い、しっかりと受け止めたいところ。
そもそも、今年ライオンズの監督を引き受けるというのは並大抵の覚悟では出来ない仕事でした。昨年までチームを率いた渡辺久信監督は6年間の長期政権でリーグ優勝&日本一1回、2位3回の名将。その2位のうち1回は当時のエース・ワクワク(現ロッテ)が考えられない崩れ方で痛恨の1敗を献上し、マジック4からの悪夢の逆転劇を喰らったというもの。この名将のあとを引き継ぐのは「勝って当たり前」という期待値的にも辛いものがあります。
しかも、「何故かFA権を取るとすぐに選手が出ていく」という不思議現象が毎年のように起きる不思議球団。昨年3割40盗塁を記録したヘルマン(現オリックス)、セットアッパーをつとめたサファテ(現ソフトバンク)、沢村賞を獲ったことも一応あるワクワク(現ロッテ)、盗塁王4回を数える生え抜き戦士・片岡(現巨人)と主力級の選手が昨オフも続々退団。「田中将大にメジャー通算安打数で越される」という体たらくで、静止した時の中を過ごす男・中島裕之が海を渡ったのが2012年。抜けた選手でチームを組めば優勝できそうな豪華布陣。「出られるものならすぐ出たい」という点では刑務所に匹敵する場所、それが西武ライオンズなのです。
名将・落合博満氏のあとをついだ高木守道氏がヒドイ目に遭ったのと同じように…いやそれに輪をかける感じでヒドイ目に遭うのは必定であった今季の西武監督職受諾。火中の石炭を拾った男気。これぞ伊原氏の西武愛の現れでしょう。栄光の黄金時代。2002年の優勝。そして火中の石炭。伊原氏は西武に大きな貢献をしました。それだけで十分です。
しかも、「休養」という形で身を引いたことで、あとを引き継ぐ代行監督・田辺氏にダメージを残しませんでした。今年の成績がどうなろうが「伊原が悪い」ということで田辺氏の責任問題は回避されるのです。調子がよければそのまま来季も続投すればよく、どうにもならない感じであればスッと身を引けばよい。まさに「伊原が悪い」をやるためだけに監督に就任し、そして休養したかのような格好。大きな仕事、ありがとうございました。
ま、面白いか面白くないかで言えば、面白い監督ではないんですが…。
ということで、最後まで勝利に貪欲なギラギラ休養会見より、伊原氏の西武愛を受け止めていきましょう。
◆うちもTシャツでも作って、ベンチに飾ったりすべきだろうか…?
パ・リーグ昨年の1位・2位チームの監督が次々に休養するという状況。オールスターの監督は一体誰がやるのでしょうか。昨年3位のロッテ伊東監督なのでしょうか。珍しい悩みも生まれてくる非常事態。何だか大変ですね。
↓星野氏は応援Tシャツとか作ってもらってるのだが…。
向こうもコッチも成績は大して変わらんのだが、扱いは天地の差だな…。
でも、伊原Tシャツは…ごめんなさい、いらないです…。
確かに伊原氏の管理野球と、若い西武の選手たちのそりは合わなかったかもしれません。「ズボンの裾を上げろ」とか「どしゃぶりの雨の中をランニングすることで負のオーラを洗い流せ」とか「茶髪・ヒゲは禁止」とか「昼飯は立って食え」とか「西武鉄道の初乗り運賃くらい覚えておけ」などといった古い時代の指導姿勢は、無用な息苦しさを感じさせた側面はあるでしょう。道交法違反くらいは気軽にやっちゃう系の、ライオンズというよりはヤンキースという雰囲気がある球団ですから。
それでも新たな選手を積極起用し、特に外野手として重用した木村文紀に目覚めのきっかけを与えました。浅村栄斗も二塁での起用とし、より打撃に集中できる状況を作りました。今後につながる一歩を刻んだ。刻んだ気はする。伊原氏の功績が見えてくるのは、もう少し後年となることでしょう。主に「浅村がメジャーにいくらで売れるか」「浅村がメジャーでセカンドをやらされたときにスムーズにやれるかどうか」という形で…。
↓「もうアカンな」と思ったという巨人戦での大逆転負けは、奇しくも伊原起用の象徴と言えるセカンド浅村とライト木村の激突によるものだった!
「前進守備にすべき場面で指示をしていなかった」「勝負勘が鈍った」とは伊原氏の弁!
これで木村は負傷交代するわ、浅村は靭帯損傷するわ、伊原氏の精神に怒涛の連続ダメージを与える痛い負けだったか…。
↓就任会見では強気・強気・強気だったのだが…。
伊原氏:「西武ライオンズは優勝が宿命づけられる」
伊原氏:「チーム力は決して劣っていない」
伊原氏:「とにかく優勝しかない」
伊原氏は休養を発表する会見で、再び「西武は強くなくてはいけない」と就任会見と同じ言葉を繰り返しました。そうか、あれは景気づけの発言ではなく、本気だったのか。本気だからこそ、自分の休養という最後のカンフル剤を投入し、まだ可能性が残る自力優勝を目指しているのか。
正直、西武ファンとしても、負けるのは面白くはないですが、まだまだ休養云々の段階ではないと思っていただけに意外な発表でした。「伊原が辞めるなら中畑はもう3回くらい辞めている」「今年は親会社が再上場したから、それで勝った気分」「たまには負けてみたいんだよね」とファンが思っている中で、伊原氏はただ勝利だけを追い求めていた。その渇望こそが、早すぎる休養の理由だとしたら、伊原氏に流れるライオンズブルーの血は本物ですね。ま、やってる野球は別に面白くないんですけど…。
↓伊原氏は休養会見でも最後までギラギラしていたぞ!
おぉ、そうだな!
西武がパ・リーグを牽引しないとな!
今も下方向に牽引して、DeNAより下まで来たけどな!
「球団史上初の休養監督ですが」という問いかけに対し、「広岡さんが痛風で黒江さんに代わっただろ」と順ギレ応答で訂正を図るエネルギー。これは逃げる男の姿ではありません。戦いつづける男の姿。「バントばっかり」とか「偽装スクイズもあるぞ」とか「スクイズ失敗で何故かダブルプレーもあるぞ」などのどうでもいい理由で、伊原氏の想いから目を逸らしてはいけない。
昨年惜しくも2位だったとき、僕は「楽天に負けたのではない、田中に負けたのだ」と言いました。西武は強い。田中がいない楽天よりは強いはずだ。向こうも休養、コッチも休養。どっちのカンフル剤が強力か、残りのシーズンで見せてやる。昨年の覇者・楽天へのリベンジ。西武の強さの証明。それが伊原氏のライオンズ愛に応える、唯一の方法だと僕は思うのです。伊原氏のためにもシーズン後半での巻き返し、しっかと見せてやりましょう!
ありがとう伊原氏!獅子の逆襲を見ながら、ゆっくり休んでください!
数少ない西武ライオンズファンに衝撃が走りました。現在パ・リーグの尾位をひたはしり、あのDeNAより勝ちが少なくて負けが多いという状況の西武ライオンズが、伊原監督の休養を発表したのです。休養という体裁ではありますが、本人申し入れによる事実上の辞任。まだ53試合という時点での決断。これこそ伊原氏のライオンズ愛。その想い、しっかりと受け止めたいところ。
そもそも、今年ライオンズの監督を引き受けるというのは並大抵の覚悟では出来ない仕事でした。昨年までチームを率いた渡辺久信監督は6年間の長期政権でリーグ優勝&日本一1回、2位3回の名将。その2位のうち1回は当時のエース・ワクワク(現ロッテ)が考えられない崩れ方で痛恨の1敗を献上し、マジック4からの悪夢の逆転劇を喰らったというもの。この名将のあとを引き継ぐのは「勝って当たり前」という期待値的にも辛いものがあります。
しかも、「何故かFA権を取るとすぐに選手が出ていく」という不思議現象が毎年のように起きる不思議球団。昨年3割40盗塁を記録したヘルマン(現オリックス)、セットアッパーをつとめたサファテ(現ソフトバンク)、沢村賞を獲ったことも一応あるワクワク(現ロッテ)、盗塁王4回を数える生え抜き戦士・片岡(現巨人)と主力級の選手が昨オフも続々退団。「田中将大にメジャー通算安打数で越される」という体たらくで、静止した時の中を過ごす男・中島裕之が海を渡ったのが2012年。抜けた選手でチームを組めば優勝できそうな豪華布陣。「出られるものならすぐ出たい」という点では刑務所に匹敵する場所、それが西武ライオンズなのです。
名将・落合博満氏のあとをついだ高木守道氏がヒドイ目に遭ったのと同じように…いやそれに輪をかける感じでヒドイ目に遭うのは必定であった今季の西武監督職受諾。火中の石炭を拾った男気。これぞ伊原氏の西武愛の現れでしょう。栄光の黄金時代。2002年の優勝。そして火中の石炭。伊原氏は西武に大きな貢献をしました。それだけで十分です。
しかも、「休養」という形で身を引いたことで、あとを引き継ぐ代行監督・田辺氏にダメージを残しませんでした。今年の成績がどうなろうが「伊原が悪い」ということで田辺氏の責任問題は回避されるのです。調子がよければそのまま来季も続投すればよく、どうにもならない感じであればスッと身を引けばよい。まさに「伊原が悪い」をやるためだけに監督に就任し、そして休養したかのような格好。大きな仕事、ありがとうございました。
ま、面白いか面白くないかで言えば、面白い監督ではないんですが…。
ということで、最後まで勝利に貪欲なギラギラ休養会見より、伊原氏の西武愛を受け止めていきましょう。
◆うちもTシャツでも作って、ベンチに飾ったりすべきだろうか…?
パ・リーグ昨年の1位・2位チームの監督が次々に休養するという状況。オールスターの監督は一体誰がやるのでしょうか。昨年3位のロッテ伊東監督なのでしょうか。珍しい悩みも生まれてくる非常事態。何だか大変ですね。
↓星野氏は応援Tシャツとか作ってもらってるのだが…。
6月12日(木)東京ヤクルトスワローズ戦で「星野仙一デー」を開催☆
当日は、来場者全員に「星野仙一Tシャツ」をプレゼント!
みんなで監督へエールを送ろう!
http://t.co/u6oXixpDeu
#rakuteneagles pic.twitter.com/2XclvcMgiS
— 楽天イーグルス (@Rakuten__Eagles) 2014, 6月 3
向こうもコッチも成績は大して変わらんのだが、扱いは天地の差だな…。
でも、伊原Tシャツは…ごめんなさい、いらないです…。
価格:1,728円 |
確かに伊原氏の管理野球と、若い西武の選手たちのそりは合わなかったかもしれません。「ズボンの裾を上げろ」とか「どしゃぶりの雨の中をランニングすることで負のオーラを洗い流せ」とか「茶髪・ヒゲは禁止」とか「昼飯は立って食え」とか「西武鉄道の初乗り運賃くらい覚えておけ」などといった古い時代の指導姿勢は、無用な息苦しさを感じさせた側面はあるでしょう。道交法違反くらいは気軽にやっちゃう系の、ライオンズというよりはヤンキースという雰囲気がある球団ですから。
それでも新たな選手を積極起用し、特に外野手として重用した木村文紀に目覚めのきっかけを与えました。浅村栄斗も二塁での起用とし、より打撃に集中できる状況を作りました。今後につながる一歩を刻んだ。刻んだ気はする。伊原氏の功績が見えてくるのは、もう少し後年となることでしょう。主に「浅村がメジャーにいくらで売れるか」「浅村がメジャーでセカンドをやらされたときにスムーズにやれるかどうか」という形で…。
↓「もうアカンな」と思ったという巨人戦での大逆転負けは、奇しくも伊原起用の象徴と言えるセカンド浅村とライト木村の激突によるものだった!
「前進守備にすべき場面で指示をしていなかった」「勝負勘が鈍った」とは伊原氏の弁!
これで木村は負傷交代するわ、浅村は靭帯損傷するわ、伊原氏の精神に怒涛の連続ダメージを与える痛い負けだったか…。
↓就任会見では強気・強気・強気だったのだが…。
伊原氏:「西武ライオンズは優勝が宿命づけられる」
伊原氏:「チーム力は決して劣っていない」
伊原氏:「とにかく優勝しかない」
中島裕之 ミスターライオンズ12年間の軌跡 [ 中島裕之 ] 価格:4,478円 |
伊原氏は休養を発表する会見で、再び「西武は強くなくてはいけない」と就任会見と同じ言葉を繰り返しました。そうか、あれは景気づけの発言ではなく、本気だったのか。本気だからこそ、自分の休養という最後のカンフル剤を投入し、まだ可能性が残る自力優勝を目指しているのか。
正直、西武ファンとしても、負けるのは面白くはないですが、まだまだ休養云々の段階ではないと思っていただけに意外な発表でした。「伊原が辞めるなら中畑はもう3回くらい辞めている」「今年は親会社が再上場したから、それで勝った気分」「たまには負けてみたいんだよね」とファンが思っている中で、伊原氏はただ勝利だけを追い求めていた。その渇望こそが、早すぎる休養の理由だとしたら、伊原氏に流れるライオンズブルーの血は本物ですね。ま、やってる野球は別に面白くないんですけど…。
↓伊原氏は休養会見でも最後までギラギラしていたぞ!
おぉ、そうだな!
西武がパ・リーグを牽引しないとな!
今も下方向に牽引して、DeNAより下まで来たけどな!
価格:918円 |
「球団史上初の休養監督ですが」という問いかけに対し、「広岡さんが痛風で黒江さんに代わっただろ」と順ギレ応答で訂正を図るエネルギー。これは逃げる男の姿ではありません。戦いつづける男の姿。「バントばっかり」とか「偽装スクイズもあるぞ」とか「スクイズ失敗で何故かダブルプレーもあるぞ」などのどうでもいい理由で、伊原氏の想いから目を逸らしてはいけない。
昨年惜しくも2位だったとき、僕は「楽天に負けたのではない、田中に負けたのだ」と言いました。西武は強い。田中がいない楽天よりは強いはずだ。向こうも休養、コッチも休養。どっちのカンフル剤が強力か、残りのシーズンで見せてやる。昨年の覇者・楽天へのリベンジ。西武の強さの証明。それが伊原氏のライオンズ愛に応える、唯一の方法だと僕は思うのです。伊原氏のためにもシーズン後半での巻き返し、しっかと見せてやりましょう!
ありがとう伊原氏!獅子の逆襲を見ながら、ゆっくり休んでください!
ライオンならぬタイガーファンですが、負広さんはなかなか休養してくれません(>_<)