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結果に怒るのはアジアカップまで待たれよ!

うーん、サプライズの嵐でした。ついに初陣を迎えた新生日本代表アギーレJAPAN。そこには驚きの光景が広がっていました。「誰?」と思うスタメン。「そこ?」と思うポジション。「岡崎?」と思うコーナーキックのキッカー。すべてが驚きまみれで、「ゼロからのスタート」と言うよりは「スタート地点であるゼロに戻るために今まで進んできた道を引き返す」という感じさえありました。

しかし、これはあくまでも初戦。短い準備期間でアジアカップへ向かうためのステップです。できれば勝ちたいとは思うものの、アジアカップの勝利のためなら犠牲にしても構わない。そういう一戦です。その意味では、本来なら「勝って気持ちよく仕事始め」としたい初戦で、勝ちを捨てられるというのは見事な割り切りのよさを感じさせます。アギーレ監督が勝負師であることは確かなようです。勝率は知りませんが。

おそらくアギーレ監督は、この試合で選手を見たはずです。「お、こんなヤツなんか」と。そして、次の試合もその次の試合もその次の試合も見てくるはずです。自分が広島とか鳥栖に見に行くのは面倒じゃないですか。鹿島も面倒臭いじゃないですか。ましてポルトガル行くとかあり得へんじゃないですか。「ワシ、こないだアソコら辺から来たばっかやで」と、駅から自宅に財布を取りに戻るようなムカムカを覚えるじゃないですか。ぶっちゃけ味スタ・埼スタせいぜい日産までしか行きたくないんです。ちょっと気になったら、とりあえず呼ぶ。呼んでから見る。それがアギーレ流。

おそらくはアギーレ監督には、1〜2試合でそこそこ形にはできるという自信があるのでしょう。厳しい状況からパパパッと立て直すのは、過去の実績を見ても得意のはずです。その自信があればこそのお試しいっちょ噛み期間。タヌキがトウモロコシを食べるときのように、一口かじっては「マズッ」と捨てる。そういう時間として年内の6試合を使ってくるのではないでしょうか。後半になるほど徐々にチームの体裁を成しながら。

だから、選手諸氏は戸惑うことなく自分の仕事に集中してほしいもの。チャンスだと浮つく必要もありません。アギーレ氏はまだいっちょ噛みをしている段階。競馬で言えば、競馬新聞を読んだ時点で予想から消せる無印の馬を熱心にパドックで見ているだけなのです。まだ何の御眼鏡にかなったわけでもなく、気になる馬を見ているだけ。ヘンに浮ついたり、欲を出してもロクなことはありません。

簡単にチャンスをくれる人物は、簡単に見限ります。逆に、簡単に見限るぶんだけ忘れるのも早く、リベンジのチャンスも意外に早く訪れるもの。まんじりと悩み、じっくりと結論を出す人物なら脳内で済ますべき仕事を、スタジアムでやっているところなのです。そこは個人個人のやり方の問題ですから、自由にやっていただくのが頼んだ側の筋というもの。

当面のターゲットはアジアカップです。

アジアカップで優勝…は約束できないとしても、ワールドカップ出場の目安となる「4.5」に入ること。具体的にはベスト4に行けるかどうかを、ひとつ当面の目標としていきたいもの。そのゴールにしっかりゼロから到達できるようなら、アギーレ流でもファルカン流でも武田流でも、やり方は何でもいいのです。信じて見守りたいものですね。

ということで、初物尽くしで歴史に残る試合となった、5日のフジテレビ中継による「日本代表VSウルグアイ代表戦」をチェックしていきましょう。


◆とにかくデカイヤツにはチャンスがある!それが間違いなさそうです!

驚きのスタメン発表。GK川島以外、どこに入るのか上手くパズルが出来ない顔ぶれ。DFっぽい選手が吉田、森重、坂井、酒井宏、長友。中盤っぽい選手が細貝、本田。フォワードっぽい選手が岡崎、田中、皆川。代表23人を当てるのも無理ゲーでしたが、11人まで絞っても正しく並べられる自信が出ない。まさに「今日から始めるウィニングイレブン」といった感じです。

↓どうやらこんな形を指示されて、首をひねりながら出てきた模様!

森重は3バックの真ん中が出しゃばったイメージ?

田中はそこからミドルシュートでも撃つのか?

で、誰が前にボール運ぶのだ?

ぼくまいごになったんだ

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初招集の選手も積極的に起用し、ちょっとした晒し上げのような感じのスタメン。心なしか入場するときも小刻みに震えていたように見えます。そして国歌斉唱の際には、露骨なバラバラ感も。初招集・坂井の両脇は長友・岡崎がグッと距離を詰め、肩を組む姿もさまになったものの、田中・皆川・酒井宏と肩を組むのに慣れていない3人のゾーンは、ちょっと腰に手を当てているだけの遠い関係に。僕の脳内に早くも「間延びしてるぞ!」という声が響きます。そりゃそうですよね。まだお互いに「誰?」の段階なんですから。

一方のウルグアイは完成度の高いチーム。ワールドカップメンバーがズラリと並び、ゴディン、カバーニといったビッグネームも。スアレスがいないのが「どうせなら噛まれてみたかった」という意味で残念ですが、本当に素晴らしい充実ぶり。「ありがとう」と「ダメだこりゃ」が交互に心でバウンドします。

そして始まった試合。まず日本は左CBに入った坂井が「左利き」という特徴を最大限に活かして、縦ポンを送り込みます。ポゼッションの場面では森重がCBの間に下がり、両サイドがワイドに開く形も。なるほど、どうせポゼッションのときはボランチがひとり下がるなら、最初から下がった段階で3バックになるようにしておこうと。4-3-3というか3-4-3というかグチャグチャというか、ある意味手堅い布陣ではあります。まず自分たちから大崩れはしないようにしよう…指揮官にはそんなイメージもあるのかもしれません。「デカイヤツ並べとけ」的な選考も、コンサバな発想ではありますからね。

日本最初のピンチは前半14分、日本の右サイドからのFK。セットプレーの守備など、まだ整備する段階ではないのでしょうが、中央に張った皆川が足下をプルプルさせながら「跳ぶか!?跳ばないか!?」とボールを見極めていた姿は、最終的にその背後でウルグアイのシュートを許したということも相まって、なかなか印象的でした。仔鹿みたいな愛らしさも覚えます。

日本のチャンスは前半17分。ウルグアイが右サイドから攻め上がろうとするところを高い位置でボールカットし、岡崎が持ち込んだ場面。岡崎は切り返しからクロスを送ると、これが中央で待つ皆川の真上に。ウルグアイのDFのユルユルぶりはさておき、ゴールど真ん前、フリーでヘッドという絶好機。コレを決めればシンデレラボーイだったのですが、皆川はコレを外し、人生の大きなチャンスを逃します。ワールドカップでコレをやって負けて帰ってくるには大久保嘉人さん並みの精神力が必要となる、それぐらい惜しい場面でした。

それでも皆川は初招集ながら気持ちのこもったプレー。ゴディンを背負って跳ね除けて見せたり、ギクシャクしつつも、どこまでも下がって相手とボールの間に身体を入れたり、泥臭さ・強さという意味ではなかなかに魅力的。これでときどき大事な点を決めてくれるようなら、往年の鈴木隆行さんを目指せるように思います。一度、尾車部屋あたりで相撲の稽古でも受けさせると、より球際感が出てくるのではないでしょうか。

しかし、ピンチは突然に訪れます。前半33分、日本右サイドからのスローイン。投げた酒井宏が戻ってきたボールを坂井へバックパス。左利きの坂井が左足でトラップしたボールは大きく足下から離れ、カバーニの目の前へ。吉田麻也もサイドでボールをもらうつもりで大きく開いていたため、日本のゴール前はスカスカ。ひょんなところで先制点を許してしまいます。記念すべき、アギーレJAPAN初失点!

↓坂井さん落ち込むな!客はすぐ忘れるから!何もかも!


4年後:「ほら、あれ、えーと」
4年後:「あの、いたじゃん、あれ」
4年後:「うーん、ほら、あれ」
4年後:「名鑑見たら載ってるかな…」
4年後:「見てもわからんかった」

ミスは実力だから、この際いい!

後半3分にも何でもない吉田からの横パスを頭の高さくらいまで弾ませるトラップをして、5メートルくらい前に飛ばしてたけど、ミスは実力だから問わない!

しかし、あそこで相手にボール渡しておいて、ユルユル寄せてるようでは勝てぬ!

チカラを残す必要はないぞ!

せめて、思い切って行け!

今日が人生最後の試合だと思って!

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「負けたな」という心の声。まぁ、勝ち負けは問わない約束です。どんどんミスもしていきましょう。どんどんチャレンジしていきましょう。ゴールラインを割ったと思って勝手に追うのを諦めたり、オフサイドだと決めつけて手を挙げながら立ち止まったり、スローインのボールをプレッシャーを受けた状態の初招集選手に戻してみたり、クロスの跳ね返しを何故か中央に折り返して相手にアシストしてみたり、バックヘッドで中央の相手に渡したり、転んで慌てて目の前の相手にパスを渡してみたり、ボールじゃなく相手にヒジ打ちに行くディフェンスをしたり、小さいことですぐイライラしたり…これは全部同じ選手の話ですが、とにかく自分らしさをドンドン出していきましょう。

結局、前半は0-1で終了。日本は急造の布陣だけあって、ほとんど秩序というものがなく、成り行きでプレーしている印象。攻撃の形もなかなか作れません。それでも終盤には、左サイドのCKからの展開でいくつかチャンスになりそうな場面も作りました。そして、その際には、岡崎がCKを蹴るという斬新なプレーもありました。このあたりも「セットプレー時に最後方に残るのは一番チビの長友な」「で、残りのメンバーで一番チビは誰だ?」「よーし、左サイドは岡崎が蹴るように」という決め方だとすれば理屈としては通ります。大胆であり、コンサバである。コンサバにした結果が大胆である。アギーレJAPANらしいプレーだったかもしれません。

↓岡崎がCKを蹴るという、蹴る側&中で待つ側どっちもオカシイこの状況!

2回目では、たまらず反対サイドから本田△呼んでてワロタwww

「俺、無理だよー」「ショートコーナーにさせてー」「オカシイってー」という感じがビンビン伝わるwww


後半に入っても日本のメンバー交代はナシ。岡崎が吉田が代わる代わる坂井に激励&アドバイスを送る様子も見られ、チームとしての一体感は少しずつ出てきています。早速の後半4分にはドリブル突破で駆け抜けた本田△がFKを獲得し、ガッツポーズを見せるなど、気持ちはこもった一戦です。

アギーレ監督も動きます。後半11分に、アギーレJAPAN最初の交代カードを切ります。武藤IN、皆川OUT。どんどん新戦力を使います。当たり前です、見るために呼んだんですから。日本はこれで岡崎が3トップの中央に入る形に。さらにアギーレ監督は右手・左手4本ずつの指を立て、4-4-2への変更を指示。長友を呼んで、指を示しながら「お母さん指は田中、お兄さん指は細貝、お姉さん指は森重、赤ちゃん指は武藤だよ!」と伝達します。

「ゴメンな、4-3-3とかやっちゃって」「4-4-2なら全員わかるだろ?」「ウイイレでも大体そうだもんな」という采配で、なかなか前にボールを運べないチームにテコ入れを図った感じでしょうか。このわかりやすさ、長嶋茂雄終身名誉監督以来かもしれません。大胆な変更、しかし内容としてはコンサバ。この辺りにもアギーレJAPAN色、鮮明ですね。

↓しかし、そんなことやって混乱している間に2点目を取られたよ!



引っくり返ると見せかけてーーーーのーーーーー

うつぶせ!!

川島がとれとれピチピチ海老料理やwwwwwwww

怒る気力も失せてる顔が珍しくてワロタwwww

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その後、日本は左サイドに入れていた田中に代えて柿谷を投入する特色殺しIN、特色殺しOUTの交代。終盤には酒井宏に代えて酒井高徳を投入する酒井IN、酒井OUT。さらに直後には森重に代えて森岡の森IN、森OUT。何を比較してるんだかよくわからない怒涛のカード投入を見せます。ついには、投入しないけれど大迫をアップさせるという、やる気みなぎる情報まで。何としても1点を。そんな粘りが見えます。戦う気持ち、感じます!

↓しかし、武藤のシュートは惜しくもポストを叩く!


コレを決めれば人生が変わるヤツが外れた!

だが、コレを何回も決めつづけて、やっと届く世界がある!

みんなそうやって世界に羽ばたいた!

次は決めよう!その次はないかもしれないから!


結局アギーレJAPANは初陣を飾れず、0-2で敗れます。2013年に対戦した際は、2-4だった対戦カード。点差はそのままだったことは、「あれから1年かけてさらに成長したチーム」と「ゼロまで戻ったチーム」の対戦であることを考えれば、ポジティブな敗戦かもしれません。アギーレ監督も大いに手応えを感じていたようですし、今後の上昇に期待したいものですね。このぶんならワールドカップ予選には、十分に間に合いそうですね。


AFCさん!アジアカップは1年遅らせません?それが普通の日程でしょ!