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ソフトバンクの優勝に構っているヒマはない!

ついに最終盤を迎えたプロ野球。2日は熾烈なパ・リーグ優勝争いに決着がつき、追いすがるオリックスを振り切ったソフトバンクが3年ぶりの優勝をはたしました。しかし、本当に熾烈な勝負はまだ終わっていません。パ・リーグの最下位を巡る埼玉西武VS東北楽天の争い。「どっちがより田舎のスーパーっぽい名前か」部門でも互角の戦いをつづける両者が、深い沼の底に沈みながら「どっちが先に死ぬか」の決戦に臨んでいるのです。

2日の埼玉西武VS北海道日本ハムの試合。もし、この試合に敗れれば西武は1979年シーズン以来の最下位が確定するところでした。5位楽天とは2ゲーム差。西武は残り2試合、楽天は残り4試合、うち1つは直接対決。黒星で2.5ゲーム差がつけば、仮に直接対決で西武が勝ち、楽天が残り全試合で負けたとしても、逆転はなくなります。

そんな状況で迎えた試合が、2回表の相手方攻撃を終えた段階で0-7という展開だったのです。息の根が止まるどころか、動かなくなった西武の死体の上で稲葉ジャンプが始まっている段階じゃないですか。さしもの僕も観念しました。ついに最下位だと。もうこれは終わりだと。

しかし、これまで幾多のミラクルを起こしてきた西武伝統の帳尻力は健在でした。誰が想像し得たでしょうか、7点取られた裏の攻撃で「プロ7年目にして1軍出場通算3試合という選手が、プロ初安打となる満塁弾を放つ」などとは。いくら金を積んでも出来ないミラクル演出。このミラクルの余勢を買った西武は、7点取られた裏に7点を取り返すバカ試合で、最終的に逆転勝利をおさめたのです。

「骸が動いた!」

儲けものとしか言いようのないミラクル勝利。西武ナインは3日、敵地に乗り込んで今シーズン最終戦を戦います。勝っても最下位脱出は叶わない他力本願の試合。それでもミラクルを起こすつもりで西武は戦います。もし、この1試合を勝つことができたなら。「来年はデーブ監督か…」「この球団辞めたいな…」「はぁぁ…」と思っているであろう楽天ナインは急速に意気消沈するのではないでしょうか。そして、勝手に沼の底に到達するのではないでしょうか。デーブ分の重さで。僕は最後まで奇跡を信じつづけようと思うのです。一瞬も、諦めることなく!

ということで、「例年は3位争いで帳尻力を出してきたんだけどな…」というモヤモヤは一旦置いておき、2日の「埼玉西武VS北海道日本ハム戦」からライオンズのミラクル帳尻力をチェックしていきましょう。


◆日ハムファンからの「頑張れライオンズ!」の声援、胸に沁みました!

1979年、西武球場が所沢に建った年、西武は最後の最下位を記録しました。この年、ソニーがウォークマンを発売しましたが、いまやiPodなどの新しい音楽プレーヤーが世界に広まっています。世界の市場が埋め尽くされ、駆逐され、栄枯盛衰を繰り返す。それだけの長い時間の間、西武は最下位になることなく戦いつづけてきました。これは巨人が1975年に最後の最下位となっているのにつづく記録です。

今、西武ナインはその瀬戸際で戦っています。

はたして西武伝統の帳尻力は、この苦境で再び発揮されるのでしょうか。

1988年、俗に「10.19」と呼ばれる近鉄バファローズとの熾烈な優勝争いは、追いかける近鉄が最終戦で時間切れ引き分けになり、一歩届かないという劇的な決着でした。1996年、東尾監督2季目のシーズンは序盤からBクラスを低迷するも、最後の最後にピュッと追い上げ、滑り込みでAクラスを死守しました。

そして2011年、最終戦までもつれにもつれたオリックスとの3位争いは両チームが同日に最終戦を行なうというドラマティックな展開となり、、最終戦に勝利した西武が勝率0.5037、最終戦で敗れたオリックスが勝率0.5036となり、わずか「勝率1毛差」で西武が滑り込みCS進出を果たしました。シーズン終盤には何やかんやで帳尻を合わせ、上の方にちゃっかり来ている、それが埼玉西武ライオンズという球団なのです。

↓あの1毛差決着以来のピリピリ感、最後の最後まで戦いはつづく!


「ナベQの毛を100本減らしてもいいから、1毛の勝率をください!」と願ったあの日の記憶が甦る!

3位争いだから覚えてないだけで、プロ野球史に残る屈指の逆転帳尻がココにある!


この日の西武先発は選手会長・牧田。対戦相手の日ハムはすでにCS進出を決め、2位にも絶対に届かないという状況。本来なら、軽めの調整気分で個人記録だけを考えてもらいたいところ。しかし、引退を表明した稲葉篤紀が関東圏で最後の試合ということで、プチ引退ゲームのような盛り上がり。ライトスタンドは日ハムファンですし詰めとなり、「勝って気持ちよく終わろう」的な雰囲気まで。いかーん!やる気を出してはいかーん!

↓そして日ハムは容赦ない滅多打ちで先発・牧田を1回3分の2でノックアウト!いかーん!


負ければ最下位の試合で7点ビハインド!

おぅふ…アッサリした決着!


↓一部の気の早いファンは、7点差ついた時点で最下位決定を勝手に確信する!

貴様、それでもファンか!

ファンを名乗る資格のないクズめ!

最後まで戦い抜く気持ちのない者は去れ!

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2番手投手がマウンドに上がる際には、キャプテン栗山がレフトからわざわざマウンドにまで駆け寄り、ナインを鼓舞していました。ホーム最終戦、負けたら最下位決定。こんな無様な場面を見せるわけにはいかない。終わったら1年締めくくりの挨拶があるんだぞ。「今日、最下位を決めました!」なんて挨拶したくないんじゃ。今日だけ、今日だけやりすごそう。ナインたちの闘志は、キャプテンの檄で再び燃え上がります。

2回裏西武の攻撃。まず、本塁打王をほぼ手中におさめたメヒアがヒットで出塁。そしてゴールデンルーキー森が四球でつづくと、秋山もヒットでチャンスを広げ、ノーアウト満塁。打席に入るは1軍通算3試合目の梅田。長かった7年の2軍暮らし。ポタポタと垂れる水滴を溜めるがごとく、この日この打席まで溜めに溜めてきた鬱憤が、いっぺんに放出されます!

↓プロ初安打がチームを救う起死回生の満塁弾!


鋭いスイングから7年間の鬱憤が飛び出した!

次に鬱憤が溜まるまで7年くらいかかりそうな大放出や!


その後、西武は走者をためながらジワジワと日ハムを追い詰めていきます。二死満塁としてから、この回の先頭打者だったメヒアに打席がまわると、メヒアは勝負強さを見せ2点タイムリー。さらに次打者・森もセンターに運んで同点タイムリー。裏表で7点ずつを取り合うという、まさかまさかの展開。西武はまだ死なず!千尋の谷に落ちた獅子はまだ死なず!ピクピクしながら生きていました!

↓7点が行って来いするバカ試合!ソフバンの試合見てる場合じゃない!


こんなんだから3位と6位なんだよwww

無意味に時間だけかかったwww


このドラマには先ほど登場したファンを名乗る資格もないクズも猛省したようで、仕事を切り上げて急遽西武ドームへ向かうことを決断。スマホで試合展開をチェックしながら、「最初から休めばよかった」「ホーム最終戦なんだし」「最下位決定試合ならそれはそれで歴史になるし」と後悔の念を募らせたそうです。

すると、すっかり息を吹き返した西武は4回にメヒアの今シーズン第34号ツーランで逆転に成功。こうなれば日ハムも無理する理由は何もありません。稲葉の代打お披露目など、目先の勝負以外を重視するモードへ移行し、西武が逃げ切り勝ち。西武は最下位決定をすんでのところで免れることに成功したのです。

試合終了後の和やかな空気。稲葉・金子が日ハム応援団に挨拶に向かうと、西武ファンも一緒に応援歌を合唱し、レジェンドの労をねぎらいます。その後のヒーローインタビュー。4安打4打点で勝負を決めたメヒアは「来年もここで戦いたい」と泣かせるコメント残せば、奇跡の立役者・梅田は「ホームランボールは親にプレゼントします」ともっと泣かせるコメント。西武応援団からの「(CSを)頑張れ頑張れファイターズ!」というエール。日ハム応援団からの「(最下位争いを)頑張れ(来年はもう少し)頑張れライオンズ!」というエール。温かい光景に、改めて野球の素晴らしさを感じずにはいられません。

↓一生一度かもしれないヒーローインタビューなのに、スマホのカメラしか持ってきてないという痛恨!
DSC_0560

誰だかわからん感じにしか撮れんかった…!

ありがとう、名もなきヒーローよ…!

だーれだ

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これで5位楽天とは1.5ゲーム差。今日3日、楽天と西武が戦い、西武は全日程終了。楽天はさらに宮城⇒札幌⇒宮城と移動しながら、オリックス⇒日ハム⇒オリックスと3戦を戦います。日ハム戦は空気的に稲葉引退に華を添えるべきゲーム。そして、オリックス戦は優勝を逃したとは言え、これから始まるCSへ向けて意気揚々のチームが相手。楽天がコケて逆転という可能性は十分にあります。とにかく最終戦、直接対決での勝利あるのみ。逆に言えば、楽天が勝てそうな相手は3日の西武のみ。埼玉西武ライオンズ、最後の死闘は今夜です!

↓奇跡を起こせ!そのためにもとりあえず最終戦は勝つのだ!
【今後の最下位争い】

<3日の試合で西武が勝った場合>

●西武
63勝77敗4分で勝率0.4500

●楽天
残り3試合を3連勝⇒勝率0.4653
残り3試合を2勝1敗⇒勝率0.4583
残り3試合を1勝2敗⇒勝率0.4514
残り3試合を2分1敗⇒勝率0.4507
--------------------------------------------
残り3試合を1分2敗⇒勝率0.4476
残り3試合を3連敗⇒勝率0.4444



<3日の試合で西武が負け、もしくは引き分けた場合>
※楽天の5位、西武の最下位が確定

西武最終戦勝ちーの、楽天分けーの、楽天負けーの、楽天死闘の末に分けーの、が最高だな!

苦しみ抜いて楽天が西武を振り切る!これは熱い!

って、面白がってちゃダメじゃん!


↓ちなみに、先ほどのクズは「最下位決定」もしくは「最下位未決定」の速報を出そうと、今日はYahoo!プロ野球に張り付くとのことです!

よーし、今日も【速報】を出すぞ!

1点取られた時点で出すぞ!

そのほうが逆フラグで勝つかもしれんしな!

負けるが勝ち、勝ち、勝ち! [ 萩本欽一 ]

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楽天さん!最後まで最下位争いしたほうが営業収入的にも熱いですよ!