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さぁ、クジ引きで金の卵を当てる大勝負を始めるぞ!

今年もまた大きな夢を持って人生という名のギャンブルに挑む若者が生まれました。プロ野球ドラフト会議、ここは博徒たちの戦いの場。クジ1枚に自分の人生を託し、翻弄されていく。未来にあるのは栄光か、それとも惨めに放逐された末の裏社会への入り口か。答えがわかるのは5年、10年先のことです。

ドラフトの時期、多くのプロ野球ファンがそうするように、僕は過去のドラフトで指名されたメンバーを確認します。それぞれのドラフトの日、誰もが歓びに満ちていたはずなのに、改めて見直すと取り立てて何も成し遂げていない人だらけ。1位から6位までハズレという球団も珍しくはありません。栄光を手にする「当たり」は各球団各年度で1人か2人程度。ドラフトとは1面しか当たりがないサイコロをチンチロリンするようなもの。ほとんどは賭けに敗れて去っていくのです。

僕らはみなさんの未来に何の責任も持つことができません。応援するのが関の山で、困ったときに助けることもなければ、第二の人生を地ならししてあげることも基本的にありません。プロ野球を辞めるときも、第二の人生で飲食店経営に乗り出すときも、飲食店がヒマなので野球勝敗予想ゲームにうつつを抜かすときも、助けたり支えたりすることはありません。ただ「見ているだけ」です。

だから、せめて今日だけは大きな声で祝福したい。だって今日が最後の「おめでとう」かもしれないのですから。みんな頑張って、みんな満足した野球人生になってほしい。おめでとうはもうないかもしれないけれど、満足して野球人生を終われるよう、中途半端にならないよう祈っています。1位指名も6位指名も、ちょっとハンデがあるかないか程度の差に過ぎません。すべては今日がスタートです。プロ野球入り、おめでとう!あなたの人生を賭けた勝負に幸あれ!

ということで、「クジもちゃんと見ない連中に、若者の将来を見守ることができるのか?」という疑問を胸に、22日のTBS中継による「ドラフト会議2015」をチェックしていきましょう。


◆クジを見ないでガッツポした監督、今回で「2回目」のクジ引きです!

毎年言っているのに毎年NPBはこの会場を選んでくるグランドプリンスホテル新高輪。ここは西武グループのチート天国だと何度言ったらわかるのでしょうか。全従業員が西武の利益のために動く場所で、クジ引きをやろうって言うんですから。今年、あらかじめ西武が指名する選手を公言したのは、プレッシャーでも何でもなく「優しさ」です。クジになったらおたくが負けるんですよ、という意味での。

↓12球団の旗が待ち受けるドラフト会議の舞台!丁と出るか、半と出るか!
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クジになーれ、クジになーれ、クジになーれ!

ハズレ同士でまたクジになーれ!


本会議が始まるまでの時間、まずは例年どおりにスポンサー様の出展ブースへ。この3年は大正製薬さんの「リポビタンD」提供によってドラフト会議は行なわれているのですが、過去2年はお世辞にもいい出展とは言えないものでした。やる気のないありあわせのブースと、ひたすらリポDを配布する事務員。「やめちま…」とノドまで出掛かるような、学芸会みたいな出展でした。

↓昨年のリポD出展の模様はこんな感じ!ガランとしたホールに、写真を撮る場所とリポDを配布する机があるばかり!
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うわぁ…1年ぶりに見ると、想像以上にヒドイな…。

リポDは何もしなくても来客者用の手土産に3本入ってるから、別にいらないしな…。


ひょっとしたら僕のネチクチしたクレームが大正製薬さんにも届いたのでしょうか。今年はガラッと心を入れ替えて、ドラフトを盛り上げようという気持ちがビンビン伝わる出展に生まれ変わっていたのです。何だ何だ、やればできるじゃないか!ファイトー、イッパーツ!!

↓オイオイ、今年は客でごった返しているじゃないか!
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人気のブースには長蛇の列ができ、1時間待ちだとか!

逆に何だったんだよ去年wwwww


会場には「ドラフトのクジを引いた気持ちになれる撮影用ブース」「ドラフトで指名された気分になれる撮影用ブース」「ヘルメット型のオブジェにメッセージを書き込むブース」「冷えたリポDをタダで飲めるブース」「リポDについてSNSでつぶやくとリポDグッズをもらえるブース」など時間潰しには十二分なコンテンツが。

↓配布されるリポDもタダのリポDではなく、ドラフト会議特別デザインのリポD!
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あぁ、いい!こういうのいい!

これは記念になるわー!


↓配布してくれるお姉さんも事務員姿ではなく、ドラフト2015専用のリポDユニフォームでの登場!
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あぁ、いい!こういうのいい!

お姉さん、僕とファイトイッパツ2回戦しませんか!!


↓さらにSNSでリポDについてつぶやくと、ドラフトグッズをもらえる抽選会も!僕はリストバンドをいただきました!
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使うことはないかもしれないけれど、いい!

去年はリポD飲む前みたいなダラーッとしたブースだったけど、今年はリポD飲んだあとみたいなやる気に満ちていて大変結構です!

大正製薬 リポビタンD 100ml×50本 (指定医薬部外品)

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たっぷり1時間ほど遊び、リポDを2本もいただきました。うむ、身体にチカラが満ちてきた。さぁいよいよバクチの時間です。本会議場にはピリピリとした緊張感が満ちています。12球団のユニフォームを着てきたファンばかりではなく、独立リーグのユニフォーム姿の人もちらほら。獲得するだけでなく、送り出すために集った人もいる。今日が人生の分岐点となる。緊張の瞬間。

クジ引き順に入場してくる各球団。梨田新監督を加えた楽天、ほとんどの選手を知らないであろうラミレス新監督率いるDeNA、巻き返しにかけるオリックス、谷繁&落合という分裂する前の山口組みたいな中日、育成不要の完成品だけを探しにきた西武、黒田・マエケンの穴を埋める逸材を今年こそ見つけたい広島、12球団で唯一1位指名が見えない不気味なロッテ、金本新監督の登場に会場がドッとわいた阪神、クジ引き下手糞王・栗山監督は座っているだけの日ハム、高橋由伸新監督は欠席の巨人、王貞治という最強のカードを用意したソフトバンク王朝、そしてセ・リーグ制覇で勢いに乗るヤクルト。

注目の1巡目指名では、平沢大河クン、高橋純平クン、高山俊さんが競合となります。地元・楽天の一本釣りかと思われた仙台育英・平沢クンにはロッテが横槍を入れ、バツが悪そうな顔で当たりクジをゲット。高橋純平クンには中日(地元なので獲りたい)・日ハム(イイ選手には勇敢に突っ込む)・ソフバン(外れても別に困らない)の3球団が突っ込み、「余裕」のソフバンが当たりクジをゲット。1位を外しても痛くも何ともないソフバンが、今年最大の目玉を当てていく。「金は金持ちのもとに集まる」というギャンブル格言のような結果に、会場からは「ソフバンつえぇー!」「いらんやろ!」「ソフバンの2軍のほうが西武より強い!」などのヤジも飛びます。

さぁ、そして注目のクジ。ヤクルトが指名を公言していた六大学野球のスター・高山俊さんに、阪神が横槍を入れてきました。高橋純平クン(投手)から高山さん(外野手)への乗り換えには「金本枠」の匂いも漂います。外野手監督同士の大勝負、はたして勝つのはどちらか。先に引く金本新監督は、1枚のクジをガシッとつかみますが、クジのほうから手をすり抜けていきます。「縁がない」と感じたか、引く直前に握り直す金本新監督。その判断は吉と出るか、凶と出るか…!

↓クジ引きの結果、交渉権はヤクルトがゲットォォォォ!!

パッと開いた瞬間に大きくガッツポーズ!

思わず高山さんもニッコリだ!!


満面の笑みの真中監督。金本監督はバツが悪そうに頭を叩きながら、席に戻ります。真中監督は喜色満面で交渉権確定インタビューに臨むと、「チームを代表する選手になってほしい」などと大絶賛。最後はテレビ画面を通じて、「一緒にヤクルトでプレーしましょう!」とメッセージを送ります。

しかし、そこから会場では事態が動き出します。何故かテーブルでゲラゲラと大笑いをする阪神御一行。一方、それとは対照的に沈鬱な顔で動き回る関係者。運営サイドがマイクを持つと、トンデモない発表を始めます。何と、さっきのクジ引きでヤクルトが引いたのはハズレくじで、当たりクジは阪神が持っていたというのです。

↓「何が起きたんだ」という全プロ野球ファンの顔を代表して表現する真中監督!

その顔はコッチの顔だ!顔返せ!!

この顔が場内モニターに映ると、会場では大爆笑が起きたぞ!


何でも真中監督は、クジをパッと開いたときに左面に押してあったドラフト2015のハンコを当たりの印だと思ってガッツポし、それを見て金本監督はクジも見ないで引っ込んだのだとか。「どっちもちゃんと見てない…」「ルール知らずに出てきたのか」「ひでぇクジ引き」と会場はザワザワ。さらにテレビ中継ではCM前に真中喜びの会見⇒CM明けお通夜謝罪となったもので、ますますズッコケることに。唯一の救いは、ヤクルト入りだと思って高山さんがガッツポしなかったことくらいでしょうか。一番冷静なのが学生ってのは、どういうことなんでしょうね!

↓真中監督は左上のクジを見て当たりだと思い、ガッツポしたんですって!

事前に説明の紙を配ってるだろwwww

ちゃんと見てから引けよwwww

そして金本も自分のクジ見ろよwwww


↓よーく画面に目を凝らすと、白紙を振りかざしながら真中監督がガッツポしてるぞ!


イカサマじゃねぇかwwww

ハズレを当たりに見せかけて喜びのインタビューまでしてるぞwww

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このイカサマ、前にもまったく同じケースがありました。2005年のドラフトですが、クジを開いたときに当たりには「NPBのハンコ、交渉権確定のハンコ」が押してあり、ハズレには「NPBのハンコ」だけが押してあったのですが、「NPBのハンコ」を見たオリックス中村GM(当時)とソフトバンク王監督(当時)がそれぞれカンチガイガッツポ。

それを踏まえて運営側も、クジを始める前に当たりとハズレをしっかりレクチャーするようになったのですが、10年経ってタガが緩んだのかもしれません。しっかりとルールの再確認をお願いいしたところですね。真中監督が生んだ混乱によって、ハズレ1位を入札した球団をやり直させるためにシステム再起動&大中断になりましたからね。迷惑ド真ん中ですね。

↓なお、真中監督は「まったく同じ仕様のクジ」を去年も引いています!


「まなかくん なにをみてたのかな」
「きょねんもわかってなかったってことだよね」
「らくてんのがっつぽみて くじをひらくのやめたよね」
「きょねんのはずれくじ みてないんだよね」
「だからはずれくじをみて あたりだとおもったんだよね」
「じぶんのくじは じぶんでかくにんしよう」

去年も絶対わかってなかったろwwww

そしてまったく進歩しないままドラフトに戻ってきてたwww


↓このような大トラブルを経て、1巡目はこのようになりました!
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注目のオコエ瑠偉クンは楽天へ!

夏の甲子園・優勝投手の小笠原クンは中日へ!

みんなが金の卵で、みんなが球団の宝!

ヘンな遊びに手を出さずに、野球を頑張ってくれよ!


↓ということで、2015年ドラフトに関する各球団の雑感などです!

●東北楽天ゴールデンイーグルス
1位のオコエ、2位の吉持と俊足がウリの選手を指名。本当にそこが補強ポイントなのかはさておき、ものすごく機動力野球がやりたいんだということはビンビン伝わってきた。育成まで入れて9人指名して、そのうち8人が野手という極端に偏った編成には何者かの強い意志を感じる。ファックスだろうか。

●横浜DeNAベイスターズ
ラミちゃんがずーっとヒマそうにしていた。よく知らない選手を球団の人間が指名するのを待っているだけの退屈な時間。せっかく連れてきたならせめて抽選でひと仕事してもらえるよう、遊び半分で高橋純平クンに突っ込むべきだったのではないだろうか。あまりにヒマだったのか、本来なら「DeNAが7巡目指名⇒楽天が7巡目指名⇒折り返して楽天が8巡目指名⇒DeNAが選択終了を宣言⇒解散」となるべきところを、7巡目を指名した段階でラミちゃんが帰ってしまった。試合の日も負けそうになったら帰っちゃいそう。育成下位では「元巨人・山本功児の息子」「野球浪人」を指名するなど、広くチャンスを与えるハートフル姿勢も見せた。1位の今永さんは球団の水にも合いそうで期待大。

<早速やらされたゲッツ!>

●オリックス・バファローズ
大学生スラッガーを1位で一本釣りすると、即戦力を中心に育成含めて12選手を指名。会場がわいたのは何と言っても仙台育英・佐藤世那クンを6位で指名した場面。「楽天獲れよ!」「何故楽天はいかない!」「ていうか、結局楽天は東北枠ないのかよ!」と、一周まわって楽天への文句が戻ってきた。

●中日ドラゴンズ
ハズレ1位で甲子園優勝投手・小笠原クンを獲得。本編は6巡で指名を打ち切るが、育成も6巡までまわす大量獲得。「今のところ選手登録枠が空く予定はないが、捜査の進展によってはA氏関連の飛び火があるかもしれないから育成で数をキープしとこう」というリスクヘッジをそこはかとなく感じる。

●埼玉西武ライオンズ
1位で変則下半身投手・多和田さんを指名すると、相変わらずの独自路線を突き進む。そんな中、知名度抜群なのは6位で指名した東北学院大の本田圭佑さん。サッカーの本田△さんと同姓同名というキャラクターは、営業面でも確実に有利に働きそう。「本田圭佑始球式」などのイベントで素人を釣りたい。なお、「始球式っていうか先発ってことではないのか?」という疑問については、来季開幕までにNPBと確認を詰める所存。

<じゃない方の本田圭佑、誕生>

●広島東洋カープ
昨年は、即戦力投手を欲しがっていたはずが新監督の意向を汲んで野手指名というドラフトをした広島が、今年は投手中心の普通の指名に。だが、そんな中でも遊び心は忘れない。5位で龍馬を指名し、6位でオスカルを指名したあたりには、「うわ、名前で決めてる」「幕末とベルバラ」「Tシャツのネタになりそう」とファンも思わずニッコリ。

●千葉ロッテマリーンズ
とにもかくにも1位で横槍を入れた平沢大河クン。ヨソが欲しがっている選手はウチで獲る、というロッテの嫌らしいエンタメ精神は今年も健在だった。また、高校生⇒JR⇒高校生⇒JR⇒高校生⇒JRというリズム感のある指名には好感を覚える。唯一、途中に挟まった6位の信楽さんは自動車教習所の教官さんとのこと。将来は本社で社長の運転手コースだ。

<自動車教習所が夢だった、みたいな紹介>

●阪神タイガース
クジのドタバタで結果オーライみたいな雰囲気になっているが、「クジを見ないで引き上げた金本」は責任追及不可避案件のはず。2回目のドラフトなのにクジの当たりハズレすらわかっていなかった真中監督が輪をかけてヒドイだけで、金本監督もそこそこヒドイ。あと、どうせ横槍を入れるなら平沢大河クンに入れてほしかった。江越タイガース、平沢タイガース、阪神タイガース。

●北海道日本ハムファイターズ
2013年に「松井⇒柿田⇒岩貞」とクジ引き3連敗を喫し、クジ引き下手糞王を戴冠した栗山監督。昨年からはクジ引きをクビになり、椅子に縛り付けられることになったが、代わりで出てきた球団社長もクジ引き運を使い果たした模様。高橋純平⇒小笠原慎之介と連続してハズレクジをガッチリとつかんだ社長は、来年から椅子にグルグル巻きにせざるを得ない。ハムの紐で縛ろう。

●読売ジャイアンツ
「どこにも迷惑掛けないような控え目な指名をしますんで、どうかドラフトをやらせてください」という徹頭徹尾低姿勢な振る舞い。本編で8巡、育成で8巡までまわすあたりには「えっ、これからそんなに選手が抜ける予定なんですか!?」という驚きも。ギャンブル補填指名と名づけたい。なお、育成では武蔵ヒートベアーズから4人をぶっこ抜き。巨人は選手の補填ができたかもしれないが、武蔵ヒートベアーズの来季は駒不足が心配。

<ヒートベアーズポーズ、らしい>

●福岡ソフトバンクホークス
本編が全員高校生という余裕タップリの指名。即戦力を使う隙間すらないので、全力で種蒔きをしてきたということか。さすが球界の盟主、「必要な選手はあとでFAで獲りまーす」宣言だ。これで松坂大輔も4億円のコインロッカーで寝かせてあるのだから、勝てる気がしない。なお、3位の谷川原健太・4位の茶谷健太・5位の黒瀬健太と3連続で「健太」を指名。すでに球団にいる今宮健太と合わせて健太コレクションでも始める気だろうか。

●東京ヤクルトスワローズ
人騒がせ。

よく考えたら、有名選手はこぞってパ・リーグにきてるな!

またパ・リーグが盛り上がってしまうな!

とりあえず、オコエは見たいぞ!

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こうして今年も運命のドラフトが終わりました。騒がれた選手が全員活躍するわけでもない世界、今日をすぎたら二度と思い出さない選手もいるかもしれません。「あぁそう言えば、あの日指名されてたな」ともう一度出会う日がくるよう、祈っております。そう言えばつい最近、「松本竜也って2011年のドラ1だったんだな」って思い出しましたから。再びそんな出会いを。みなさんのご活躍、お祈りしております。

↓そして横一線の勝負が始まる…!
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野球に人生を賭けろ!

プロの舞台で待っているぞ!


当たりか、ハズレか、本当の意味で精算されるのはずっと先のこと!