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性差別というか、性癖なんだよね!

2日、夏の高校野球の本番会場練習において、ちょっとした騒ぎがありました。大分県のチームが練習の際にユニフォーム姿の女子マネージャーを選手と一緒にグラウンドに立たせたのだそうです。いつもやっていることなのでしょうか、シートノックのボール渡しなどの補助をしたそうです。しかし、そこに飛んできたのが大会関係者。曰く、「大会規定で危険防止のため、練習補助員やボールボーイは男子のみと規定しているので、ベンチに下がれ」とのお達し。女子マネージャーはあえなく甲子園のグラウンドから撤退させられたのだとか。

うむ、前時代的な考えであり、ジェンダー的な観点からは総スカンを食いそうな話でもあり、僕も直感的に「やらせてあげて」と思います。男子だから安全で、女子だから危険という大ざっぱな決めつけが現代に合わないことは、もはや議論の余地もないでしょう。ヒトはヒト、それ以上の区別をし始めたときは、まずその区別を疑うところから始めたほうがいい。本質に沿った区別なのかどうかを。

ただ、もちろん高野連側も、そんなことは百も承知。「女子だから危険なんてことはない」という性差別議論で世間が留まってくれれば、「いや、やはり安全面を考えたときにですねウンタラカンタラ硬球の危険性ウンタラカンタラ選手と女子マネの技量の差は明白につきウンタラカンタラ」などと、一見すると「若者を案ずる」かのような体裁で議論の膠着に持ち込める。むしろ、事態としては歓迎です。噛まれるのを想定済みの場所を噛まれても、さして痛くはないでしょう。

その実、彼らが本当に守りたいものは、「高校野球らしさ」という無形の価値観。汗と涙、青春、坊主頭、厳しい上下関係、純真な若者、それを支える甲斐甲斐しい女子たち、あったかいおにぎり、そういったある種の理想像を守ることが本丸です。それは過激なアイドルファンが、対象に徹底した「処女性」を求めるような、「俺にとっての●●はこうでなくちゃダメなんだよ絶対!」という理屈のない想いが根元にあります。

「おにぎりを握って洗濯をするオンナが好きなのであって、一緒に輝いたり、総活躍してほしいワケじゃないんだよね!」

「俺にかしづいて、三歩後ろでおにぎりを握ってほしいんだよね!」

「ココは男の戦場、男の舞台、オンナはソレをおにぎり握りながら見守り、洗濯して風呂をわかして、キスしてほしいんだよね!」

みたいな。

性差別というよりは、性癖。

理想のスケベを追求した結果、結果的に女子の尊厳や権利が蔑ろにされた、の順番でこの問題は起きているのではないかと思います。

そういう性癖を存分に盛り込んだ、真夏の思い出作りをやりたいのだという揺るぎない想いを前にしたときに、ジェンダー論などという攻撃はほぼ無力です。彼らにしてみれば「男女の活躍の機会を均等にするために、AVには必ず男×女、女×女、男×男の各パートを入れるべし」と言われているようなもの。絶対にいらない要素を入れるなんてことは、絶対にイヤなのです。どんなにジェンダージェンダー言われても、見たくないAVは見たくない。理屈でない想いを、理屈で覆すのは極めて難しい。

潔く「男子野球部」として部員全員男子だけの大会にしないのも、ベンチで泣きながらおにぎり握る女子が好きだからです。ベンチでおにぎり握ったり、お守り縫い付けて指が血だらけの女子には「いてほしい」のです。「女子マネージャー萌え」なのです。そういう世界を守りたいのです。改めてじっくり考えると、結構気持ち悪いですが、「性癖」ってのは得てしてそういうものです。

練習の介助というのも、実態としては多くの学校で女子マネージャーが狩り出されているでしょうが、それはあんまり萌えないんでしょうね。タッチの南ちゃんが抜群の運動神経でテンポよくトスあげたり、精密機械並みのノックしたり、外野からレーザービーム返球とかしてきたら、「何か違う」ってなるのはわかる気がします。「俺がドロドロになるまで練習し」「それを南はじっと見守り」「優しくキスをする」っていうのが昭和の女子マネージャー萌えなワケですから。ベンチにいてほしい。ネット裏にいてほしい。少し離れたところで見守っていてほしい。そのための方便として「安全性」を説いている。だから、そこを責めてもあまり意味がないと思うのです。

↓もしも高校野球の女子マネージャーが全員吉田沙保里さんだったら、危険とか危険じゃないとか以前にマネージャー自体がなくなっていたかもしれない!


スケベオヤジ:「何か違う」
スケベオヤジ:「自分で握ったおにぎり、自分で食べそう」
スケベオヤジ:「硬球ではダメージが入らない気がする」
スケベオヤジ:「マネージャーって言うか指導者って感じ」
スケベオヤジ:「いろいろな意味で視線が重い」

「守ってあげたい」のに、その必要性が感じられない!

萌えない!


↓もしも高校野球の女子マネージャーが全員吉田沙保里さんだったら、危険とか危険じゃないとか以前に、全部自分でやることになっていたかもしれない!


スケベオヤジ:「この人に洗濯とか頼んでいいのかな…」
スケベオヤジ:「うわ、すっげぇ腕」
スケベオヤジ:「いいっす、いいっす、自分でやるっす」
スケベオヤジ:「アナタそんなことしてる人じゃないっす」
スケベオヤジ:「こっちも、そういうの重いっす」

「勝利を祈ってほしい」と思ったら、向こうが戦神!

萌えない!

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運営している側が「こうしたい」という性癖を強く持ち、それはそれとして魅力的に感じる若者がいる以上、この現状を変えるというのはかなり難しいと思います。特に「危険性」だの「男女平等」などの切り込み方では難しい。その場合、相手も紳士の顔で反論を繰り出し、握った決定権を離さないでしょうから。

もし違う未来があるとすれば、賛成派がクチをつぐみ、反論することすら恥ずかしくなるような切り込み方に、議論の土俵をズラしていくしかありません。その第一歩となるのが、高校野球は青春という名の「理想のスケベ」を追求しているのだという認識だろうと、僕は思います。

『ドンくさくて、天然で、運動なんかできもしないのに甲子園に行こうなんて掛け声だけはいっちょまえで、身体はヤケにムチムチしてるのに、引っ込み思案で、勇気がなくて、自分が前に出るよりも裏でおにぎりを作っているほうが好きで、そんなときの笑顔が自然で素敵で、いつまでもボール磨いたり、ユニフォーム洗ったりして、汗としぶきで濡れた体操着から透けるブラの紐が眩しくて、俺のためにお守りを作ってくれるなんて気が利くくせに、本番に限って忘れてきたりして、今日負けたら「私がお守り忘れたせいだ」ってアイツ絶対思うだろうから、今日は絶対に負けられない、お前のせいで負けたりしねぇよって言ってやらなきゃ、守ってやらなきゃ俺たちのマネージャーを、甲子園に連れてってやらなきゃ俺たちのマネージャーを!』

という、オッサン連中の「理想の女子マネージャー像」を念頭において、スケベなオッサンを見る目で見ていく。教育とか、理念とか、伝統じゃなく、それはお前の「萌え」だろ!と喝破していく。そういう作業の積み重ねが、あるいは未来を変えるのではないかと思います。スケベ由来の行動というのを、人間はなかなか表だってできないもの。ブルマも、「ブルマ推進=スケベ」という認識が成立したことで、駆逐されていきました。建前を飛び越えて、根源にある「スケベ」を露出させることができたら、敵の守備は崩れます。

始球式に水着で出させてノーバン投球させるスケベ。

ミニスカで階段のぼりおりさせてビールを売らせるスケベ。

ヘソ出し短パンユニで球団の踊りを踊らせるスケベ。

そして、ベンチでじっと俺の活躍を祈らせるスケベ。

野球が女子を必要とする箇所は、根っこは基本「スケベ」由来。

「女子の安全」ではなく「理想の萌え」を守ろうとしているオッサンのスケベ心にみんなが気づいたら、少し世界は変わるような気がします。抵抗するの、すごい恥ずかしいですからね。「スケベ心で女子マネを置いているわけではないので、別に練習に参加しても問題ないです…」ってうなだれるしかないですからね。

↓ちなみに、僕の理想の女子マネージャー像は、お察しのとおり『H2』の古賀春華です!

練習の介助をするよりも、奇跡の奇跡をただ信じてほしい!

そういうオッサンの萌えが、高校野球を作っています!

そこを見抜かれたら、やっぱり恥ずかしくなるから見抜かないで!

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「個人の性癖は自由ですが、しかし」でネチクチ責めると効きます!