2023年01月15日08:00
「ゾーン」の言語化ができた気がします!
プロ化によってさらなる高みへと登りつづける羽生結弦氏。東京ドームという未曽有の大会場でのソロ公演に挑む2月26日の「GIFT」、そして3月11日という大切な日に地元・宮城で開催する「notte stellata」。退くどころか休むどころか進化と前進しかないという激動の歩みに、見ているだけなのについていくのがやっとです。毎日のように届けられる新情報と、その新情報のなかに仕込まれる次なる新情報へのヒント。追いかけて、考えて、また追いかけることの繰り返しは謎解きの旅でもしているかのようです。忙しさと楽しさ、すなわち「充実」を感じます。
その「notte stellata」に関して追加で発表された超大物の招聘。発表前日には「notte stellataあるある言いたい〜早く言いたい〜」風味の笑顔で羽生氏自らが匂わせヒントを出してくるというハイテンションぶりでした。言いたくてたまらない、言えばきっとみんなが喜んでくれるという確信の大型コラボ。答えがわかっても一瞬「マジで?」と思う発表に、「WBC見てる場合じゃねぇ!(※見るけど)」と宮城・仙台入りへの決意は断固たるものとなりました。当たる自信はある、あるが、超大型コラボ案件の発表により、少し不安になってまいりました!
↓ヒント出すの下手マンによる超大型コラボのヒントです!
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— notte stellata (@notte_2023) January 12, 2023
スペシャルゲスト明日発表‼️
╰━━━━━v━━━━━━━╯#nottestellata#羽生結弦#YuzuruHanyuhttps://t.co/vyxDtd0EsG pic.twitter.com/cpUbTbJHhU
↓ヒントの時点で明らかでしたが、正解は内村航平さんとのコラボでした!
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— notte stellata (@notte_2023) January 13, 2023
スペシャルゲストは、
体操界のレジェンド
#内村航平 さん‼️
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「おおおお!」
「内村さん!」
「これはすごい!」
「…あれ?」
「すごいんだけど」
「何をするんだろう?」
「トーク?」
「トークだけで終わる?」
「そんなわけなくない?」
「でも何をするのか謎!」
「大いなる謎!」
「まったく未知数!」
「皆目見当つかない!」
「出演者が発表されても」
「イメージがわかない!」
「ワクワクがさらに膨らむ!」
「何て未知数のコラボなんだ!」
答えが出たことでますます深まる謎!
なるほど、自信満々での発表となるわけですね!
あまりに言いたいがためにヒントというか答えみたいになってしまっていたのはご愛敬として、「誰が出るかわかったところで、何をするかわからないでしょ?」という自信はあったに違いありません。内村さんと羽生氏で何をするのか、出演がわかったところでネタバレになるような要素はゼロです。この出し方で「スペシャルトークだけ」なんてことはないでしょうから、何らかの形で体操とフィギュアスケートのコラボレーションが行なわれるのでしょうが…にしても謎めいています。
公表済みの会場図では全体の3分の1ほどがカットされており、巨大なステージでも組みそうな席割となっていました。その部分について「別売りの地元優先席では?」「フルオーケストラが構えるのでは?」「巨大な星空を投影するスクリーンでは?」などいろいろな想像を巡らせてきましたが、ここにもうひとつ「体操含めて陸上パフォーマンスを行なうステージでは?」という説が加わりました。
たとえば二人がコラボレーション演技を披露するとして、内村さんが跳馬でシューフェルトを披露し、羽生氏がそれに合わせてトリプルアクセルを跳び、それぞれの助走が並走しながら「前向き着地の内村さんと後ろ向き着地の羽生氏が視線を絡めながら同時に着地」みたいな場面があったら、宙を舞う美しいふたつの肉体の連動は間違いなく「史上初の美」と言えるものになるでしょう。「離れ技の瞬間に鉄棒の下をイナバウアーで通過(※見つめ合う)」とか「羽生氏のシットスピンと内村さんのフェドルチェンコ(ゆか)がシンクロ(※見つめ合う)」とか「倒立する内村さんの周囲をハイドロで旋回(※見つめ合う)」とか、思いつくすべてに未知のワクワク感があります。
新しい食材を手に入れたときの料理人はきっとこんな気持ちなのでしょう。「どの料理に入れても新しい発見がある」と無限に世界が広がるような感じで、体操とフィギュアスケートの新しい世界が予感されてきます。まさかの逆パターンで内村さんがスケートに挑戦する傍らで羽生氏が自慢のロンダートを披露する…みたいな展開もあるかもしれませんが、とにかくこれは「この目で見なくては」という気持ちにさせられます。何が起こるのか、この緊張とワクワクはまるで競技会のよう。素晴らしい「共技会」に期待です!
↓出てくるもの出てくるものが全部想像の枠外を行く神運営!
「えええ!?ソロなの!?」
「ええええ!?東京ドームなの!?」
「えええええ!?内村さんと共演!?」
「前と同じ感じですね」がひとつもない!
どれだけのアイディアを温めているのやら…!
そんなふたりが「早く言いたい」の気持ちを秘めながら臨んだ対談。すでに部分的には放送されているものですが、改めて完全版として再編集した内容が14日のBSフジテレビにて放送されました。完全版とは言いつつも収録した全部を垂れ流すわけではないので、「着席の場面でちょっと待つ羽生氏」みたいな小ネタはカットされていたのが若干もったいなく思いましたが、改めて全体の流れを整理して見守れたことで理解が深まった部分もありました。
特に印象的だったのは、ふたりが同じ世界を見ているという「共感」でした。もともとそういう関係性であることはわかっていたわけですが、改めてその共感はとても得難いもので、だからこそこんなに嬉しそうにしているのだと実感できました。どの話も奥深くて謎めいていて、一般からの想像が及ぶものではないのですが、だからこそ互いに「あ、あなたはわかってる人ですね」という喜びがあるのでしょう。
内村さんの演技に対してファンモードで熱っぽく語る羽生氏は「無駄に身体で煽ることなく(回転が)ビタッとはまるのが好き」「あまりに細過ぎても美しくない」「伸身の新月面してるときの(中略)伸身の真っ直ぐの具合がちゃんと真っ直ぐ」と讃えが止まりません。勢いあまって「たまにケツ出てる人がいらっしゃる」と丁寧にケツを指摘してみたりする一幕も。その想いは少しのうらやましさを伴うように「正確さと、綺麗さと、ちゃんと評価される(こと)と」「僕らとしては嬉しい、やってる意味がある」「自分らのプライドの塊がそこに存在しているから、それがちゃんと評価されてるのと評価されないのは違う」という言葉につながります。
自分が上手くなっていくのに、評価が追いついてこなくなる、それは人間の高みに迫る者に共通するジレンマでしょう。何せその高みにいるのは自分だけなのです。自分より上手い人がおらず、自分と同じ意識で高みを目指している人もいないのであれば、極めたことが審判に伝わるはずがありません。そして、そのジレンマを語れる相手もいないわけです。そんな経験をできるほどの高みには人影も見当たらないわけですから。しかし、同じ山ではないけれど、近くの山に同じように高みを目指す冒険者の姿が見えた、というのが内村さんと羽生氏の「共感」ではないかなと思います。
そして、内村さんはその「共感」のなかでも少し先を歩いており、羽生氏は若さのぶんだけ少し多くの元気を残している。だから内村さんは羽生氏の意外な繊細さに少し驚きつつも「(評価が伴ってこないときは)シンプルに気にしない。点数を気にしない。自分が自分であるという演技さえできれば点数は何点でもいい」という達観で応じますし、羽生氏は内村さんでも苦悩するということに安堵を覚えつつ「6種目を男子バージョンと女子バージョンでやる(※プレッシャー掛けながら)」「(年齢による衰えは)それも固定概念」とさらなる高みへ進む姿を期待するのでしょう。この山には人影はなくても、隣の山には頑張っている誰かがいるじゃないかという嬉しさで互いを高め合うようにして。
そんな高みを目指すふたりならではの共通の話題が「ゾーン」でした。
僕の個人的な見立てでは内村さんと羽生氏は決して本番に強いタイプではありません。もちろん五輪を含めて勝ってきているのですから弱いわけでもありませんが、本番だけ急にチカラが激増するような特殊型ではなく、積み上げたものの100%に近いところをどうやって出すかに苦心し、100%に近いところを出せるだけの途方もない準備をするタイプの選手です。ひとたび不運や不調に見舞われるとそのぶんがしっかり跳ね返ってきますし、大本番で必ずしも最高の演技を出せてきたわけでもありません。
だからこそふたりはどうすれば自分の最高を狙って発揮できるのかと考え、自然と「ゾーン」と呼ばれる最高の状態を追い求める経験を重ねてきたのでしょう。理屈なくポンとそこに至れるゾーン突入の天才ではなかったからこそ、どうやれば人為的に、再現性を伴ってゾーンに入れるのかを自然に探究してきたのではないかと思うのです。「たまたま100が出た人」ではなく「98と99を連打しながら100を追う人」だからこそゾーンというものの実態に迫れる、といった感じで。
まずその共通項として「考えない」という点が挙がります。一般に「無心」と呼ばれるのと同様に、考えているときはダメであるとふたりはクチを揃えます。「痛いとか関係なく集中できていないといい演技できない」「痛てぇって思ってるってことは集中してない」「肉体が精神を凌駕するみたいな」「肉体が勝手に動いてくれる」「考えなくてもできる領域までいかなくちゃいけない」といかに考えずに演技をするかということを考えている様子が浮かびます。
もちろん身体が自動的に動くわけではないですが、限りなく意識を小さくしている様子を内村さんは「操縦室みたいなところにちっちゃい自分がいて、やってるんだけど感覚は自分ではない」「ここにいるちっこいのが操っているみたいな感覚」(※ロボット司令塔系)と表現し、羽生氏は「上からちゃんと全部リアルで見えていて」「跳んだ瞬間に時間止めて」「軸ぶれてるから直そうと思って上からつまむような感じ」(※操り人形系)と表現します。
ただ、それはまだゾーンの手前側であるのだともクチを揃えます。内村さんが「ゾーンの向こう側」と表現したリオ五輪個人総合の鉄棒の演技では「はじめて練習のようにできた」「無だった」と語り、羽生氏が語るゾーンの奥の方は「何にも考えていない」「呼吸すら危うい感じ」「あくびしか出ない」と語ります。そしてたまたまふたりがゾーン周辺の出来事として語ったのが「朝起きたときそろそろ目覚ましが鳴るなぁと思いながら起きた」というのと「6分間練習から本番まで10分くらい寝た」「10分ぴったりで起きた」という夢うつつの話だったとき、いろいろなものがつながってピンときました。
ゾーン=脳活動の停止=寝ている、なのだと。
そして、何故ゾーンに入ると素晴らしい演技ができるかについても合点がいきました。羽生氏が難しいジャンプをするときにいろいろと計算してしまうことの難点を語りながら「思考を使いすぎると酸素を奪われる」と説明したときに、カギは酸素と血流とエネルギーだったのだと思い至ったのです。肉体にある限られたエネルギーをどこでどう燃やすか。その最大効率を達成するためにカットできる場所がまだあって、それは「脳」だったのです。読書や勉強で疲れたりお腹が空くのは脳がそれだけ活発にネルギーを使っていることの現れですが、肉体にすべてのエネルギーをまわしたい局面において脳の活動というのは阻害要因だったのです。
脳が考えることに使うエネルギーをも肉体のほうにまわせたら、それだけいいパフォーマンスが出るのは必定です。余計なことを考えて指示が混線したり、いらぬ思考でエネルギーを食うことがなくなるわけですから。ただ、大舞台の緊張感や試合に臨むときの闘争心は脳を目覚めさせることはあっても休ませることはありません。脳が超覚醒しそうなシチュエーションで、あえて脳を半覚醒(ゾーン)から入眠(ゾーンの向こう側)に至らせることがエネルギー活用の最大効率を追求する術であり、「寝ながら全力で動く」という背反する状態こそがゾーンに入ることの難しさなのでしょう。
ゾーンを語る人の体験が一様にボンヤリとしたものであるのは「脳が寝ていたから」だと思えば納得です。操り人形系もロボット司令塔系も、いかにも夢のなかでありそうなことでしょう。幽体離脱も寝ぼけたときに起きることですし。もし、その状態で肉体に完璧な指示を出すことができたなら、持てるチカラの100%が発揮されるのではないでしょうか。「脳」という阻害要因にまわすぶんのエネルギーまでも肉体に注ぎ込んだ結果として。
そのように言語化してみると、「ハイ」と「ゾーン」が異なる経路で同じような結果に至るということもイメージできてきます。脳内麻薬を分泌して、痛みや疲れを感じる脳の活動を落ち着かせることで、肉体にエネルギーをまわす「ハイ」。入眠に近い半覚醒状態を作り出すことで肉体にエネルギーをまわす「ゾーン」。両方とも脳の活動をどうやって止めるかがカギだったのだと。
試合前に音楽を聴くといいというのも、「寝るときに音楽を聴いてリラックスする」のと同じような効果があって、ゾーンに近い状態を生み出しているのではないでしょうか。そういう意味では自分が何をするとすぐ眠れるか、その方法を転用すれば疑似的にゾーンに迫れるのではないか、という発想も出てきます。何なら、ちょっと寝てから寝ぼけまなこで試合に向かうとかでも。
長年、神々しか到達しえないと思ってきた「ゾーン」という境地。貴重なふたりの証言によって、自分のなかでの理解がようやくできたような気がします。そして、狙って入れるものではないし、眠ろうとすればするほど目が冴えるのと同じように、ゾーンに入ろうとすればするほど入れないだろうということも理解できました。究極の練習によって最小限の脳活動で肉体に指示を出せるようになった人が、究極の集中のなかで不要な脳活動をシャットダウンした夢うつつの世界、そこが「ゾーン」である。ようやく、すべてがつながった思いです!
↓すべてのアスリートが見たほうがいい「高み」への道が見える対談でした!
このような素晴らしい対談を経て、さらに刺激を与え合ったふたりが「notte stellata」で何を見せてくれるのか。「GIFT」とはまた別の意味で見逃せない瞬間を目指して、健康とお金と時間の管理をしっかりとしていきたいなと思いました。そのためのカギはまず「よく寝ること」です。そうです、一般の我々にもゾーンは大切だったのです。グッスリ眠って、毎日ゾーンに入っていきましょう!
会社の業務も「ゾーン」に入ったままできるようになりたいなと思いました!






「たまにケツ出てる人」のインパクトが強くて、会話を理解するのに少し時間かかりましたw
内村さんと会話してる羽生氏はやんちゃな男の子っぽくて可愛かったです。
「内村さんの方がうまいっすよ」の意味も完全版にしてくれたおかげで言いたいことがより理解できましたね。
年齢という固定概念を取り除けば、経験を積み重ねている内村さんの演技は素晴らしい、点数で負けることはあるかもしれないけど美しさの基準では勝っている、そう解釈しました。
まともに練習しなくて本番だけ成功するって、そんなうまい話はありませんよね。
練習通りのことを本番でする、脳が動かなくても体が動く、そういうことなんだろうなと思います。
ノッテ・ステラータ楽しみですね。
体操の試合は無音でやることが多かったけど、新体操みたいに内村さんが音楽に合わせて演技するのも見られるのかなと想像しました。
曲に合わせて鉄棒で回り、同時にスピンでも回り、そういうのがあるのかな。
フォトグラファーさんは大変そうですが、内村さんと羽生氏の姿、同時に撮れるといいな😄