08:00
はじめから「全部勝つ」を見せる予定だったはずです!

「おっかしいなー?」と首を傾げている全日本男子バレーファンの皆さま、お元気でしょうか。僕もまったく同じ気持ちで首を傾げています。パリ五輪予選を兼ねたワールドカップバレーの第2戦エジプト戦で全日本男子は敗れました。「格下」などと侮る気は毛頭ありませんが、直近の実績やクオリティ、過去の対戦成績や自国開催という点も踏まえて、しっかり勝てるだろうと思っていた相手です。個人的には「3-0で勝つ」を想定していました。「どうぞ皆さま、史上最強の全日本をご覧ください」とお披露目でもするくらいの気持ちで見守る大会序盤でした。それなのに2試合ともフルセットで、エジプトには逆転負けしてしまった。僕も「おっかしいなー?」と首を傾げております。



実際、試合途中までは目論見通りの展開でした。第1セット、序盤は一進一退の展開ながらも、フィンランド戦でも連続ブレイクを見せた小野寺太志さんのサーブから連続得点で突き放し、以降もジワジワと加点しながらセット終盤へ向かった日本。再び小野寺さんにサーブ番が回ってきたところで、連続得点につなげ勝負を決めました。攻撃の組み立てもミドルを中心に、バックアタックで時間と位置をずらしながら相手の高いブロックを翻弄しました。相手のブレイクはわずか2、ほぼ完璧なセットでした。

↓どんなチームでもミドルの速攻は怖い!だから警戒するし、ズラせば穴が開く!


つづく第2セットも見事な戦いぶりでした。中盤には石川祐希さんの連続サービスエース。山内晶大さんのサーブでは相手のローテーション違反などもあって4連続ブレイクと日本が大差をつけて走ります。終わってみれば25-10、日本のブレイクが15でエジプトはゼロです。サーブ権があるときだけ得点が入るという古い時代のルールなら「15-0」で日本がセットを取る計算です。セット終盤はエジプトも逆転への意欲を捨てていたかもしれませんが、三味線を弾くにしてもハードロックばりにかき鳴らしている感じで、日本が圧倒したという点では疑いようがありません。「今日は次のセットで終わりだな!」と思いながら、僕も写真を撮るテンポを上げたほどです。電池残量もSDカードの容量も気にせず、「3セットで使い切る」の想定でした。ここまでは。

↓「勝ったな!」と思いましたよね!ていうか、普通こんなセットのある試合で負けないです!



テレビを見ている人も試合よりもホタテに興味が移ったであろうジャパネット明けの第3セット。序盤アンラッキーな失点などもあってわずかにリードを許しつつも、互いにサイドアウトを重ねてセット中盤へ。ここで相手エースのジャンプサーブで3連続ブレイクを許し、8-13と5点差がつきます。これ自体は「ジャンプサーブ強いですね」で終わりなのですが、日本のブレイクがここまで1本も出ていないのはよくない兆候。

日本は第1・第2セットにサーブで狙っていた選手が引っ込み、相手のレセプションが改善したことでなかなかサーブで崩すことができなくなっていました。そのなかでエジプトが先にリードを築いたことで、エジプトはより大胆に攻めることができるようになり、日本はより慎重になりました。単純に高く上げて強く打つ大胆さと、低くて速いトスで相手をかわそうとする慎重さの攻防。単純ですが、この単純さを連続で止めるのは簡単ではありません。日本も盒桐さんのつづけざまのブロックなどでジリジリ追い上げはしますが、結局追いつくまでには至りませんでした。

惜しかったのは22-23の場面で日本に訪れたチャンスボールでしょうか。セッターを外してブロックに賭けていたということもあって、ここでは石川さんがトスに入る格好になりました。セッター石川さんは西田さんのミドルからのバックアタックを選択しましたが、うまくつながりませんでした。狙いはよかったのですが、慣れないことをしているぶんクオリティがついてこなかった。ここで一気に同点までいっていれば最後粘り勝ちできた気もしますが…、まぁ序盤に離され過ぎたというところでしょうか。

↓最後も「腰が痛くない万全の石川祐希」であればどこかで決められたのでしょうが…!


ストレート勝ちを逃した日本と、セットを取り返して勢いに乗るエジプト。第4セットも先に大きな波をつかんだのはエジプトでした。6-5と日本が1点リードの状況からエジプトに4連続得点、さらにひとつサイドアウトを挟んでエジプト3連続得点で7-12の5点差とされます。日本は勝ちたい、負けたくないという気持ちが出過ぎたか、サイドサイドサイドという手堅いけれど読みやすい攻撃になってしまいました。相手はいろいろ考えさせられるよりも男と男の真っ向勝負的なものを望んでいるだろうことを思うと、こちらから相手の土俵で戦ってしまった嫌いがありました。

ここから日本もセッターを交代することで攻撃のチョイスとリズムを変え、3連続得点などで追い上げますが、セット中盤以降ははサイドアウト合戦となり、最後までそのまま行ってしまいました。一気に同点・逆転まで持っていく連続ブレイクにつながるとすればやはり石川さん・西田さんのジャンプサーブになるのだろうと思いますが、それがつづけてネットにかかってしまったのが惜しかった。さぁ、これで日本は2試合つづけてフルセットの試合にもつれ込みました。もはやセット率など気にしている場合ではありません!

↓たっぷり見られるのは嬉しいけれど、勝てるかどうかが心配になってきました!


最終第5セット、場内からは割れんばかりの歓声があがり、日本を後押しします。先手先手でいきたいところですが、このセットもサイドアウト合戦となります。日本はサーブで崩して相手スパイクをブロックにかける場面もあったのですが、相手もブロックアウト狙いという感じの打ち方で、止めるには至らず。互いにブレイク少なく、スコアは12-12という状況まで進みます。するとここで相手に連続ブレイクを許し、一歩前に出られてしまいました。結局その差を取り返すことができず、最後はタッチネットで試合終了。よもやの、痛恨の、敗戦となりました。

↓2-0から2-2になると相手も俄然元気になりますからね!



いやー、惜しかった。もったいない。勝つべき試合を落としたという感じが否めません。試合後半は日本のミドルからの攻撃がほとんどなく、古典的なエースによるサイドからの打ち合いみたいな試合でした。もちろん真っ向勝負も望むところではありますが、やはり日本はもっと多彩な、緩急変化出し入れのあるバレーで相手を翻弄していきたいところ。日本が真っ向勝負には向かない「小さい集団」であることは今も昔も変わらないのですから。

だからこそ狙いを絞らせないように、止められたとしてもミドル、雰囲気悪くなったとしてもミドルを打っていきたいところ。真ん中を意識させずして素直なサイド勝負では勝てる試合も勝てません。そこはやはり勇気というか、多少ブロックされてもOKという割り切りというか、捨てポイントを作る駆け引きというのが必要なのかなと思いました。終盤は「盒桐さんのパイプ攻撃撮るぞ!」とカメラを構えていても、トスさえ上がってこなかったですからね。

まぁ、でも、これもまたキッカケになる負けかなと思います。日本は「上手く戦えば2位でパリ五輪の切符をつかめそう」という守るもののあるマインドで迎えた大会でしたが、エジプトに負けたことでマインドが「残り全部勝つしかない」に強制的に変わりました。追い詰められましたが、これは大胆に開き直るチャンスでもあります。ネーションズリーグでの躍進、あの強さ、あれが偶然たまたまであるはずがありません。もともとこの大会に大きな期待を持っていた人は「全部勝つ」を内心で思っていたはずです。アメリカだろうがスロベニアだろうがどこだろうが、全部勝つと。それぐらい自信があったからこそ「おっかしいなー?」と首も曲がるのです。

あの強さを世間にお見せしてパリ五輪の切符をつかんでこそ、史上最強への道は開けるというもの。バレーボールは五輪期間中ずっと試合がつづいて、なんじゃーかんじゃーとほかの注目競技が並行していることから、よほど上のほうまで行かない限り「注目」の順番はまわってきません。史上最強を証明するのなら、ただ出るのではなく、何かをやってくれそうな大きな予感をまとって本番を迎えないともったいない。そのためにはココでいっちょ世界の強豪アメリカをガツンとやっつけて、日本の大観衆と地上波中継の視聴者の皆さんに龍神ここにありを見せつけないでどうしたものか。はじめからそうするつもりだったのですから、まだ何も状況は変わっていません。アメリカだろうがスロベニアだろうがどこだろうが全部勝つ、そうすればパリ五輪の切符は手に入ります。ただ出るだけではなく、メダル候補の一角としての切符が。

小さいからこそ大胆に。小さいからこそ勇気をもって。

ときにズバッと真っ直ぐを投げ込むからこそ、相手バッターがワンバウンドのフォークを空振りするのと同じ話です。

こんな縮こまった試合をするチームではないと思ってます!

↓「最終日まで全勝でアメリカに負けた」では世間は驚かない!アメリカに勝つことが始まりです!


来年パリで世界を驚かせるために、まず日本を驚かせてください!

それができるチャンスがやってきました!


なお石川さん・西田さん・盒兇気鵑痢屮汽競┐気鵝廚六廚辰燭茲衂當未任靴拭