●●代表から●リーグへつなげることができるかどうかの秋!
日本スポーツ界の熱い夏がようやく落ち着いてきたのかなという感覚の10月。今年は大変な盛り上がりの連続で、残暑どころか夏のおかわりでも来たようでした。7月はサッカー女子ワールドカップ、8月はバスケワールドカップに開催国として日本全体が沸き、9月からはバレーボールのオリンピック予選、世界陸上、ラグビーワールドカップとワールドナントカが連続する日々。「おかわりがドンブリで出てくるオモウマイ店」か何かのよう。大変熱く、大変楽しく、素晴らしい結果の連続、本当にありがとうございました。
そんななか、大盛り上がりとなった各競技では「●●代表の次は●リーグだ!」の意気込みで、あの感動のおかわりを求める観衆たちを取り込もうと奮闘しています。もちろん簡単なことではありません。そもそも「●●代表と●リーグ」は別物です。「自分の国」と「ヨソの国」と鮮明に立場が分かれたなかで勝敗に強い思い入れを抱きながら、超ハイテンションで見守る一発勝負と、特に推しチームがなければ「どっちも頑張れ」で見守るものとで同じになるはずがありません。国際試合の非日常感や、数年に一度という希少性もプレミアムな価値です。同じケーキでも結婚式で食べるのと家で食べるのとでは話が違います。そんなに上手くはいかないものです。
ただ、落胆する必要はなくて、やはりこうした大きな喜びのあとはチャンスの波が来ますし、その波の何パーセントかをつかまえていくことができれば、普段の営業努力ではなかなか届かない層もキャッチできるはず。よく聞く「直後は盛り上がったけど、すぐに空席が生まれた」はある意味当たり前の話であり、それでいちいち落胆しても仕方なかろうと思います。波のたびに数%ずつでも伸ばしていけば、波が5回くらい来たときには3割増しくらいになり、波が10回来たら倍近くになる未来もあるでしょう。直後に来た波で終わりなのではなく、寄せては返す波をどれだけ逃さずにつかまえ、似て非なる新しい楽しみに誘えるかどうかが大事。各競技に今以上に明るい未来が訪れるよう、期待したいものです。
そんななか、滑り出しは非常にいい感じにいっているのがバスケットボール・Bリーグ。あの熱い感動がちょうどいいタイミングで新シーズンの開幕につながり、しかも大活躍した選手たちがそこに登場してくる(※手違いで開幕戦に出場できなかったりしたりはしない)。もちろんNBA所属選手などもいますので全員をBリーグで見られるわけではありませんが、まさに「あのアカツキジャパン」と言える陣容を国内で見ることができるというのは、嬉しいつながりです。
そして、その盛り上がりがいよいよ首都・東京にもやってまいりました。14日、日本スポーツの聖地・国立競技場代々木第一体育館にてホーム開幕戦を迎えたB1リーグ・アルバルク東京は、好立地でのホーム開幕戦というポジティブ要素に加えて、自チームにはアカツキジャパンでも奮闘を見せた吉井裕鷹さんがおり、対戦相手の宇都宮ブレックスにはワールドカップ・ベネズエラ戦で大逆転の立役者となった「あの」比江島慎さんがいる「アカツキジャパン対決」という数え役満のような条件を整え、Bリーグクラブの主観試合としては最多となる10040人の入場者数を達成したのだとか!
↓代々木で1万人超え!これはリアル満員札止めです!
この日の試合は「東京都presents男性の家事・育児応援Day」という建付けだったそうで、試合開始前には小池百合子東京都都知事からの挨拶もVTRで流れるという念の入れよう。「この会場で小池さんの挨拶が流れるとオリンピックみたいですね…」となるのはアルバルク側の作戦なのか、はたまた単なる偶然なのか。とにかくここでドーンと●●代表の波を●リーグにもってくるための準備は周到です。
↓「家事育児は応援されるとかじゃなく全員やるんだよ!」という声も上がりそうだが…とにかく挨拶してもらえればヨシ!
演出面でも光をビカビカさせ、炎をこれでもかとぶち上げるなどしたアルバルク東京。試合前練習が始まる前にチアのダンスとともに炎を噴き上げたかと思えば、一旦特殊効果の装置を片付けて試合前練習をしたのち、改めて選手入場に合わせて火柱装置をセッティングしてもう一度炎を噴き上げるなど、特別感を生み出すことに余念がありません。
↓お客なんて火柱上げて光るアイテム配って銀テープ撒いておけば喜ぶんですよ!どんどんやるべし!
そうした演出に応えるように選手たちも奮闘。序盤は非常にロースコアの展開となり、第1クォーター終了時点では10-12というラグビーみたいな途中経過となりますが、ロースコアながらもしっかり抜きつ抜かれつするシーソーゲームを演じます。第2クォーターはじめに宇都宮ブレックスの「あの」比江島慎さんがスリーポイントシュートを決めてアルバルク東京を突き放すと、まるで今だけワールドカップのように観衆が盛り上がります。
比江島さんは第2クォーターの終了間際にも、再び相手を突き放すシュートを決めるなどし、「あれがあの比江島慎かー」と思っている多くの観衆の期待にしっかり応えてくれました。開幕戦なので「まだ慌てる段階じゃない」ということなのかもしれませんが、できればスリーを決めた際は「舌ペロしながら首を振る」バージョンでセレブレーションをしていただくと、より「あの比江島慎だ」感が出ていいのではないかと思いました。この千載一遇の波が来ている好機に恥ずかしがっている場合ではありませんので(!)、ぜひぜひご検討いただければと思います。
↓世間は舌ペロしながら首振るまでがセットだと思ってますからね!
ハーフタイムにはオリンピック感あふれる歌手として各方面のハーフタイムショーに引っ張りだこの歌手・miwaさんが登場。「ヒカリヘ」「君に出会えたから」の2曲を披露してくれました。チアやマスコットと一緒に、タオルを振り回しながらジャンプするなどアリーナを盛り上げるmiwaさん。今日を好機と見たか「やれることは全部やるぞ」という感じの試合運営で、観衆にとってもお得感が高いものとなりました。
さぁ、あとはホームチームがしっかりと盛り上げて終われるかどうかというところですが、さすがはアルバルク東京といった試合運び。一時は8点差をつけられた場面もありましたが、39-44の5点ビハインドで迎えた第3クォーター4分過ぎからセバスチャン・サイズさんを中心にアルバルク東京が一気の攻勢。7点連取で逆転すると、第3クォーター終盤にも5点を連取して、宇都宮ブレックスを逆に突き放します。
第4クォーターに入るとさらにアルバルク東京の勢いが加速。宇都宮ブレックスのこのクォーターの得点をわずか10点に抑え込み、最終的には75-60と大差の試合に。第4クォーター途中に、守備で奮闘を見せていたメインデルさん(ワールドカップ・ブラジル代表)が交錯によって鼻血を出すなど心配される場面もありましたが、名門同士の対決を力強く制して、ホーム開幕戦に勝利。ご近所のお客さんにしっかりと勝利を届けてくれました。
「ハリセンとかティッシュとかもらったし…」くらいの感じで行き掛り上応援していた人もいたかもしれませんが、ホームの空気のなかで勝利を見れば「地元だし、火柱上がるし、miwa来るし、強いし、盛り上がったし、ハリセンとかティッシュとかもらったし、また応援するか…」なんて気にもなるでしょう。●●代表の感動をキッカケとして、似て非なる●リーグで楽しい思い出が作れたら、それが新しい趣味となる。波をしっかりつかまえるイイ試合になったのではないでしょうか。「で、河村勇輝さんが近くに来る試合はいつですかね…」なんて検索してくれたら、さらによさそうですよね。まぁ、もうチケットはないかもしれませんが、横浜まで行けば見られると思いますしね…!
↓上までビッシリ真っ赤(一部黄色)で、すごい波が来ているのを感じます!
↓なお、14日の夕方に記録したBリーグ主管試合最多入場者数は、その日の夜にB3リーグの東京ユナイテッドBCに抜き返されました!
日本代表がいるよりも、近所にタワマンがあるほうがイイ、みたいな話になってしまったけれど、まぁヨシ!
同じ日に東京の2ヶ所で1万人超えは熱い波を感じますね!
好立地で好カードの祝祭、これで「最初の1回」を来てもらうのが始まり!