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2023年10月22日08:00
59年ぶりの関西ダービーになってしまったか!
「アレ」へ向けてクライマックスを迎えたプロ野球。「アレ」を争う日本シリーズは、セ・リーグを制した阪神タイガースと、パ・リーグを3連覇したオリックス・バファローズとによる関西ダービーとなりました。やはりリーグ優勝チームは強かった。CSでコケるリーグ優勝チームなどあるはずがない。だって、強かったからシーズンを制したんだもん。CSで負けるのは間違って優勝した偽チャンピオンだけ。そう納得させられる分厚い地力を見せつけた両球団でした。本当におめでとうございます。
個人的にはパ・リーグの千葉ロッテマリーンズの日本シリーズ進出を期待していた部分もあり、少し残念ではあります。もちろんこれは千葉ロッテが好きなわけでも、オリックスが憎いわけでもないのですが、やはり近くで阪神を見たかった。仲良しの阪神ファンのオジサンたちと一緒に、「まーたロッテですな」「33-4の再現なるか」「あの年の濃霧ギブアップ負けは最高でしたね!」などと言いながら球場でお酒を飲みたかったのです。まぁ、球場だと周囲に心の狭い人がいるかもしれませんので、どこか個室居酒屋にでも繰り出して「アレ」を見守ろうと思います。楽しみです。
↓関東圏での日本シリーズ開催はならず!まぁ、関東でやっていたとしてもチケットは取れなかったかもですが!
パ・リーグCSファイナル 第4戦 #オリックス-#ロッテ
— 毎日新聞写真部 (@mainichiphoto) October 21, 2023
オリックスがロッテに3―2で勝利し、#日本シリーズ 進出を決めました。セ・リーグでは阪神が突破しており、1964年の阪神―南海(現ソフトバンク)以来59年ぶりの #関西対決 が実現します。
写真特集 https://t.co/Hy0c1sN4BB pic.twitter.com/K2tAclGnQP
そんなプロ野球界の頂上決戦を見守るなか、我が埼玉西武ライオンズ界隈は荒れていました。「え?何か荒れる要素ありましたっけ?」と驚かれるかもしれませんが、我が方はオフシーズンはほぼ暴徒化するレベルで荒れている世紀末球団です(※1990年代くらいで時が止まったチームの意)。どこそこの球団が日本一と聞けば「あー、あそこにはウチから移籍したアイツがいるな」と恨み節を漏らし、どこそこの球団が我が方の選手を調査と聞けば「あー、絶対アイツ金で移籍するな」と疑念を深め、そのたびにツメで黒板をキーキー擦っているのです。
そのせいかトレンドには連日「西武ファン」という単語が並び、トレンド経由で暴徒化する我が方の模様を見た人々に「うわぁ…」と呆れられる始末。大体がFAとかに関する「正論」(※出て行くのは選手の権利的な)を振りかざす人に対して怒りのお気持ちレスをつけまくるパターンだったりするので、ますます悪循環という感触も。なるほど、テレビ局が調べた「オリックスが人気な理由」が「若手が育ちやすい環境」「チームが明るく雰囲気◎」「ファンに品がある」だというのも納得です。人気のチームはファンに品がある、まったくその通り。我々はこの言葉を、反省点を凝縮して作ったナイフだと思って、心臓に深々と突き刺しておこうと思います。「ギニヤー!品の悪いのが全員阪神に行ってるからそうでもないのが残ってるだけだろー!」などと断末魔の叫びをあげながら。
↓メンタルヘルスをこじらせた末に「移籍は離婚だと思ってファンに気遣いしろ」などと言い出す面倒な手合いも登場!
キレイで円満な離婚=FA移籍を実現するために…西武ライオンズ各選手に意識していただきたいファンへの気遣い
— 文春野球 (@bunshun_yakyu) October 21, 2023
文春野球コラム クライマックスシリーズ2023https://t.co/zyPWKjHaCt#文春オンライン
うへー、面倒くさっ!泥沼みたいなメンタルだな!
こういうのがいるから逃げ出したくなるんでしょうね!
「頼む、もう今オフは平沼翔太さん(誰?)のおめでたい話題だけで過ぎて行ってくれ…」「本人も早くおめでたい話題になるように何とかせぇや…」「批判を受け止める前に書類を出してこい…」と祈るような気持ちでキンブオブコントを見守っていた土曜日、「サルゴリラ優勝は妥当ナリ…」「吾輩も大笑いしたナリ…」「ブタゴリラも魚屋を始めるナリ…」などと書き込もうと思ってツイッター(X)を見れば、またしてもトレンド欄には「西武ライオンズ」の文字が。実はキングオブコントを見ていたのでCSの模様は見守っていなかったのですが(※金曜の時点でロッテの勝ち抜けはないと確信したので)、トレンドに西武が出てくる時点で勝敗をスッと理解できるくらいには察しがいいつもりです。あー、これはオリックスが勝ったな、と。そして、あの選手が活躍したな、と。
恐る恐る結果を開くと、なるほど確かに初回に先制のツーランを放っており、あの選手が活躍しております。しかし、それは初回です。「いくら埼玉暴徒ライオンズでも3時間もトレンドに居座るほど荒れ狂うか…?」と訝しむ僕。状況を探っていきますと、どうやら勝ったこと、打ったことに加えて、言ったことが暴徒に勢いをもたらしている模様でした。その言ったことをさらに深堀っていくと、確かにそういう話はしているものの、ある意味誘導尋問を仕掛けられたというか、地雷原を駆け抜けたというか、頑張って角を削ったけれど角が残ったというか、そういう惜しいものでした。これは暴徒のなかから声をあげて暴徒を止めるしかない、そう思った次第。
↓日本シリーズ進出決定直後なのに、何だこの地獄みたいな会見は…!
会見の冒頭、代表質問としていくつかオリックス中嶋監督に問い掛けるくだりで、雲行きは怪しくなっていきます。聞く側としては「阪神阪神ウッキウキ」みたいな雰囲気もあってそのあたりの意気込みを掘っていくわけですが、そうした盛り上がりと中嶋監督の野球哲学とが噛み合わず、若干ムッとした感じのやり取りになってしまったのです。僕もまったく関係ない外野ながら「うへー、めっちゃ怒られてる気分」などと背筋がすくみます。
その噛み合わない流れのまま代表質問はあの選手へと向かったわけですが、ここでもウッキウキ気分が質問の時点であふれ出しています。確かに、僕も第三者的視点から冷静に分析すれば「ホンマ、自分、移籍大正解やったなぁ」「2018年と2019年は偽チャンピオンやったもんなぁ」「泥船から豪華客船へようこそ!お目が高い!」くらいの気持ちで見るのだろうなと思いつつ、それをそのまま質問に乗せてくるとはいかがなものかと思います。むしろ、この聞き方からよくこの程度の返しで留めたなと感心したほどです。
【質問と回答の書き起こし】
――森さん、ナイスバッティングでした。
「ありがとうございまーす」
――あのホームランで勢いに乗ったと思うんですけど、いかがですか。終わってみて。
「いやー、嬉しかったです。はい、あのー、ホッとしてます」
――高めのボール球に見えたんですけど……。
「はい」
――はい。
「あ、ボール球でしたね、はい」
――あの辺の狙いというか、どういうとこだったんでしょうか。
「いやー、その前フォーク見逃してたんで、ま、たぶん真っ直ぐ来るだろうなと。はい、(そう)思って、真っ直ぐ打ちにいきました」
――ま、移籍一年目でのこの日本シリーズ進出ということで、このファイナルステージ、森さん、想いといいますか、懸けるものって相当あったって感じですか、ご自身。
「そうですね、あのー、CS自体は、えー、2、3回か4回、経験さしてもらったんですけど、一回も、えー、日本シリーズに行くことができなかったんで、あのー、何とか、勝てて、はい、日本シリーズ行けてよかったです」
――2回優勝しても行けなかった日本シリーズが、移籍一年目で達成できた、このあたりどうでしょうね?
「うーん、まぁ、あの、嬉しいですね、はい」
――さぁそして日本シリーズ、タイガースとの対戦ということになるんですけども、森さん自身いかがでしょうか、阪神との日本シリーズというのは。
「そうですね、あのー、ま、勢いはあると思うんですけど、はい、あのー、ウチも負けないくらい勢いあると思うんで、はい、あのー、勝てるように頑張ります」
――この部分特に頑張りたいとか、森さんありますか。
「いやもう、全部ですね、もう1球1球全力でやりたいなと思います」
――まぁこのファイナルもライトで3試合いかれましたけれど、そのあたりはどんな感じでとらえてらっしゃいますか。
「いやもぅ、チームに貢献できるなら、はい、あの、どこでも守りますし、はい、あのー、勝ちにこだわって、はい、やっていけたらなと思っています」
――バット、大いに期待しております。
「頑張ります。ありがとうございます」
↓このやり取りが記事になるとこうなりました!
【 #オリックス 】森友哉、感無量「(西武で)1回もシリーズいけなかったので」シリーズも「どこでも守る」 https://t.co/AS3YnEvdkB #西武ライオンズ #seibulions #baseball
— スポーツ報知 プロ野球取材班 (@hochi_baseball) October 21, 2023
確かに、記事の見出しにもある通りのやり取りではありますが、実際の応答と文字になったものの印象はだいぶ違うのではないでしょうか。回答する側が古巣を引き合いに出しているわけでもなく、ポジションへのこだわりを捨てたわけでもなく、今の気持ちを「嬉しいです」と答えたに過ぎません。暴徒的には「お前が打ってりゃ行けたんだよ!」(※そんな次元ではなかったが)とか「じゃあウチでも外野やってくれや!」(※キャッチャーいなくなるけど)とか「あー、いい移籍でよござんしたね!」(※本人的にはドラフトで獲られたのが失敗説もある)とか愚痴りたくなるのでしょうが、決してそんな感じの返しをしたわけではないのです。鎮まれ〜(※暴徒をなだめる説得)。
ただ、こうしてついつい暴徒的にはムムッとなる聞き方をされるケースは現実としてありますし、暴徒の矛先が向かう先は質問した側ではなく本人の側なのです(※暴徒は感情が先走る集団なので基本的に見境はない)。できることなら、選手側も自分のなかに暴徒の心情というものをおさめておいていただくと、「あ、これ、暴徒出るヤツ」とピーンと来まして、より上手に危機を回避できるのではないかと思いました。地雷を踏まないだけでなく、積極的に地雷を処理していく姿勢。今後、初めての日本シリーズ出場、初めての日本一といった機会もあるかもしれませんので、ぜひ身につけておいていただけるといいのではないかと思います。
【こんな質問が来たらこう返そう!サンプル例】
――ま、移籍一年目でのこの日本シリーズ進出ということで、このファイナルステージ、森さん、想いといいますか、懸けるものって相当あったって感じですか、ご自身。
「ライオンズ時代の4回とあわせて5度目のCSでしたが、どの年も想いは変わらず、全身全霊で日本シリーズ進出を目指してきました。特に2018年、2019年そして今年は優勝チームとして臨んだCSでしたので、絶対に勝ち抜きたいという気持ちを持っていました。今、こうして勝ち抜くことができたのはとても嬉しく思いますが、その嬉しさが大きいぶん、2018年と2019年に勝ち抜くことができなかったこと、当時のチームメイトそしてファンの皆さんと喜びを分かち合えなかったことの口惜しさも感じます。あのときのファンの皆さんの表情というのは、この先もずっと忘れてはいけないものなんだということを改めて感じています」
――2回優勝しても行けなかった日本シリーズが、移籍一年目で達成できた、このあたりどうでしょうね?
「まず、シーズンとCSとは別のステージだと認識しています。何回優勝したら日本シリーズに行けるというものではありませんので、2回優勝しても行けなかったという言い方で表現することは、自分は適切ではないと思います。自分としてはCSに5度挑戦しているわけですので、5回目の挑戦でついに勝ち抜くことができたというのが率直な感覚です。もちろん、これは相手があることであり、どのチームも懸命に日本シリーズを目指すわけですから勝ち抜くのは簡単なことではありません。今回は勝ち抜く立場となりましたが、その嬉しさも、敗れたときの悔しさも、自分の糧としてさらに成長していければと思います。移籍一年目でそういう機会を得たというのは単純な巡り合わせだと思いますが、できることならもう1年早くこの機会を生み出せるようなチカラが自分にあればよかったなと思います」
――2008年以来日本シリーズ進出も日本一もない泥船から抜け出しての即日本一、美酒のお味はいかがですか。
「はい、今のご質問で美味しいお酒を味わう気分ではなくなりました。自分は確かに移籍をしましたが、育てていただいた球団のことをそのように言われるのは不快に思います。自分が所属している期間にも幾度も日本シリーズ進出のチャンス、日本一を狙えるチャンスがあったわけですから、そのような表現をされるというのは、自分自身が力不足だったせいでもあるのだと、ただただ情けなく申し訳なく思います。記事になさる際にはそういう表現をしないよう、強く求めます。どうぞ記者さんもすべてのチームに敬意をもって、すべてのチームの今年一年の奮闘を労うという気持ちでこのお酒を味わってください。ともに競い合ってくれるチームがあってこその日本一であり、プロ野球であると自分は思っています。そのように思って飲むお酒こそが、何よりも美味しい美酒であると思います。ご理解いただけますよう、よろしくお願いします」
――それでは日本一となったことを踏まえて、埼玉西武ライオンズファンのみなさんにメッセージをお願いします。
「……はい。今シーズンも日本プロ野球への熱いご声援をありがとうございました。現在は対戦相手という立場に変わりましたが、ベルーナドームを訪れた際に感じる皆さまの青炎の熱気はすさまじく、それに圧倒されないようにするのは大変でしたし、自分もその青炎を背に受けてたくさんのチカラを得ていたのだと改めて感じるシーズンでした。同じリーグなので日本シリーズで対戦することはできませんが、優勝争い、そしてクライマックスシリーズでの対戦をイメージしながら、来シーズンも優勝・日本一を目指して頑張ってまいります。同じプロ野球の仲間として、熱く激しく面白いプロ野球をお見せできるよう努力していきますので、今後ともご期待いただければと思います。一年間ありがとうございました」
↓まぁ、まとめる方が、最初からこれぐらいの感じにしてくれていれば暴徒が刺激されないんですけどね!
オリックス・森 自身初の日本Sに「行けて良かった」関西ダービーは「うちも負けないぐらい勢いある」― スポニチ Sponichi Annex 野球 https://t.co/85Ddx5et7D
— スポニチやっぱオリやねん (@Sponichi_Orix) October 21, 2023
暴徒の気持ちの先読みなんてエスパーの領域ですからね!
ライブでエスパーするのは難しいので、記事化の際にじっくり考えて記事化してください!
引退会見で「25年間もプロをやったのに優勝できず…」とか聞かないでしょ!