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2023年12月25日08:00
はい、メリークリスマス、はいはい、メリークリスマス。
反省会を行ないます。昨日のクリスマスイブ、2023年を総決算する締めくくりの大勝負がありました。中央競馬、GI有馬記念。競馬ファンに一年の終わりを告げるグランプリレースに、僕は人生初の偉業を懸けていました。いまだに一度も成し遂げたことのない、対JRA年間勝利。前日の中山大障害をちょっと遊んだらちょっと勝ったこともあって、「このレースで200円くらい勝てば年間勝利」というところまで肉薄していました。この一戦ですべてが決まる決勝戦というか、リーグ最終戦というか、いっちょ前のアスリート面をしながら僕もグランプリに臨んだのです。
↓最終的に決断したのは8枠15番スルーセブンシーズ号からの複勝馬券でした!
外枠含めていろいろ考えたけれど、完成したイクイノックスに一番迫ったスルーセブンシーズが一番強いと思った、その自分の直感に殉じて、年間勝利を獲りに行く!負けることは考えない!たとえどの位置からでも最後のコーナーから自在に上がって、直線で突き抜ける!前にいるのはイクイノックスだけ! pic.twitter.com/c6augDGlvR
— フモフモ編集長 (@fumofumocolumn) December 24, 2023
↓早速レースをご覧ください!僕の夢は直線半ばくらいで画面から消えていきました!
優勝を懸けたリーグ最終戦で負けた選手って、こんな気持ちなのでしょうか。何と言うか、ここまでの一年のいい思い出や、悪い思い出から立ち直った成長の実感とか、そういうのを全部吹き飛ばして、上からベッタリと泥を塗りたくったような気分です。2023年はなんだったのか。「もしかして」という期待の気持ちは何だったのか。最終的に対JRAで3200円ほどの負けというのは、例年と比べて別に大きいわけでもなく、たくさん遊んで楽しかったですねという話なのですが、自分自身への期待があったぶん失望も大きく、「やりました!」という報告ができないことへの落胆も大きく、もうホント何もしたくないような気持ちです。
このレース、大変難解なレースでした。内枠に集った有力どころであるタイトルホルダー号(※GI3勝/この日がラストラン)、ドウデュース号(※GI2勝/武豊騎手復帰)は秋競馬をそれぞれ2戦こなしており、そのなかで期待以上の結果は残せていないという点と、やはり消耗という点が気になっておりました。特にドウデュース号は、天皇賞・秋、ジャパンカップと消耗の激しい大レースを連続でこなしてきており、そこで史上最強馬イクイノックス号に勝負を挑んできたなかでの有馬記念です。どこまでチカラが残っているのか、そもそも勝ち負けに足る状態にあるのか、その辺りを懸念しながら見ておりました。
なかほどの枠に入った1番人気・ジャスティンパレス号は天皇賞・秋でイクイノックスに迫る2着としたあとの秋2戦目ということで、消耗度合いについては取り立てて懸念はありませんでした。ただ、ほかの馬との兼ね合いも含めて先行策を取るのは難しそうな枠であることから、後方待機の末脚勝負となりそうだという点で、中山の短い直線で届くのかどうか、前が開くのかどうかという点を考慮しないといけませんでした。端的に言うと、そこまで信じ切れない1番人気だぞと思っていました。
そして、大外8枠に入った15番・スルーセブンシーズ号と16番・スターズオンアース号。こちらもそれぞれ宝塚記念とジャパンカップでイクイノックスに迫った馬で実力は十分。こちらも秋2戦目ということで消耗度合いに懸念はありません。ただ、大外枠ということでコーナーが都合6回ある中山2500メートルでは立ち回りが難しく、外をまわらされて距離をロスしがちな枠順です。基本的には後方待機となって、最後の末脚に懸けることになるでしょう。そうなればやはり届くかどうか問題、前が開くか問題が出てきます。端的に言えば非常に厳しい不利な枠でした。
↓枠順の抽選会後には騎乗する池添騎手とルメール騎手もこの表情!
【有馬記念】明暗くっきり!?の公開枠順抽選会 大外枠にルメール&池添は呆然 満面の笑みを浮かべ会場を後にした陣営も https://t.co/8CvXasYFKi
— 東スポ競馬 (@tospo_keiba) December 22, 2023
僕のなかでは宝塚記念で見せたスルーセブンシーズ号のイクイノックスにあと半歩まで迫る末脚が印象的で、有馬記念では重い印を打つつもりでいました。凱旋門賞4着という力量を見れば、距離面でも大きな不安は感じませんでしたし、騎乗する池添騎手も有馬記念を通算4度勝利している得意レースです(※馬が強かったとか言わない)。陣営としても初のGI勝利を見据えて、最大限の仕上げで来るはず。ただ、そこに超不利な外枠が当たってしまった。レースとしては面白いですが馬券としては一気に難しくなりました。素直に内から買うべきか、それとも自分が見立てた馬のチカラを信じるのか。過去のレースを見て、調教を見て、パドックを見て、返し馬を見て、ギリギリまで自分を信じるのか理屈を信じるのかを迷っていました。そして最後は「自分」を取りました。自分が強いと思った馬を買わずして何の競馬かと。
そして始まったレース。開始1秒後に「あっ!」と声が漏れました。同じ大外8枠に入って、抽選会では「アチャー」という顔をしていたはずのルメール騎手が、16番スターズオンアース号をポンと出して、その勢いのまま一気に先頭まで取りついたのです。まるでゲームみたいに、絶好のスタートから大外枠の不利を5秒で消してしまうとは。チラチラッと他馬の様子をうかがうルメールさんは、予想通りにタイトルホルダーが先頭を取りに上がってきたこと、唯一そこに競り掛けそうな存在だった7番アイアンバローズ号は行き脚つかず先頭争いに加われなかったことを察知して、自分が2番手か3番手を取れると感じたはず。タイトルホルダーを逃がさぬようにしつつ、ペースを大きく上げることもせず、前残りの展開を作れば自分の位置が有利になる…とレースプラン自体も固まったのだろうと思います。
一方その頃、僕が本命に推したスルーセブンシーズ号はと言うと、一旦は後方から4番手あたりにつけていたのに、馬が行く気になって掛かってしまったのかジワジワと前に上がり始めていました。まだコーナーの途中、距離をロスする外目をまわりながら進出していくと、13番タスティエーラの後ろあたりにおさめるかと思えばそれも叶わず、さらに前へ。タスティエーラと並走したあたりでは、ルメールさんのコントロールで前が詰まってきたこともあってさらに一列外に押し出され、常に他馬よりもひとまわりかふたまわり外周を走らされている感じに。落ち着きどころがなく道中ずっともちゃもちゃしています。思い切って前まで行くか、諦めて後方からにするか、どちらかハッキリとした決断があってほしかったような、中途半端な走りになってしまいました。
先頭を行くタイトルホルダーが安定したペースを刻んでいる頃、2番手でつけるスターズオンアースのルメール騎手は前との距離を測りながらスローペースで前残りの展開を作っていました。後方で控えていたドウデュースの武豊騎手は、「このスローペースならそろそろ行かねば」とグッとポジションを上げていき、残り600メートルのあたりでは外から被せようとするジャスティンパレスの鼻先を制して2番手グループに取りつきます。1番人気ジャスティンパレスは武さんの狙い澄ましたタイミングの仕掛けで「いくぞ」という勢いを削がれ、減速の上で大回りさせられることに。僕が買ったスルーセブンシーズはと言うと、騎手の手が動いているのにまったく上がっていく様子が見えません。早くも手応えがアヤしい、ダメそうな予感。
直線に入ったところでは、依然タイトルホルダーが先頭で、内ラチ沿いをまわってきたスターズオンアースが2番手、そこにドウデュースが脚色よく並び掛けて後続を引き離しています。僕が買ったスルーセブンシーズは馬自体が伸びてこないのもありつつ、並走していたウインマリリンと位置取りでもちゃもちゃし、外に弾かれると、さらに外にいたタスティエーラあたりも玉突きとなる流れで、ちょっともうここから伸びてくる感じのスムーズさではありません。
結局最後はキッチリと伸びたドウデュースが、粘るタイトルホルダーと右にもたれる感じの走りになってしまったスターズオンアースをかわして1着入線。武さんとドウデュースにとってはまさに「復活」の有馬となりました。1番人気のジャスティンパレスは、最後に伸ばしてきたものの、仕掛けを遅らせられたぶん届かず4着まで。ちょっと直線に入った時点で、「そこからではまず届かない」という状態にさせられてしまっていたかなと思います。5着のシャフリヤールは道中スターズオンアースの後ろにつけてラクにまわれたこともあり、いい位置まで来ました。6着のタスティエーラは道中でずっと他馬に絡まれる展開となり厳しいレースでした。最後もジャスティンパレスに道を塞がれて行き場を失う不利がありましたので、これで6着は立派かなと思います。
ルメール騎手のスタート直後にパッと出して内側までもっていく技術と、「そうしなければ勝てないですからね」というレース展開の読み。武豊騎手の後方待機からスルスルっと前に進出して、最終コーナーの出口までに馬群の前に出てしまう技術と、「ここで前に出てないと勝てないですからね」というレース展開の読み。6回コーナーをまわるなかで騎手がどういうレースを作っていくか、その差を見せつけられるような2者2頭でした。一年の締めくくりに怪我から復帰した武さんがドウデュースで勝ち、その横にルメールさんがいるというのは美しい光景だったなと思います。自分がコレを当てられないヘボで無能で節穴であったこと以外は最高のレースでしたね…!
↓美しい騎乗で勝った武さんからはドウデュースに「来年もう一回行こう、フランス行こう」と凱旋門賞挑戦の提案が!
↓スルーセブンシーズの池添騎手からはお詫びの言葉をいただきました!
3番人気に支持してもらっていたのに期待に応えられず申し訳ない気持ちです。
— 池添謙一 kenichi ikezoe (@0723Kenchan) December 24, 2023
すいません。
こちらこそすみませんでした!
勝手に夢を見てしまって!
いやー…外すこと自体はまぁ仕方ないのですが、今季の学びをまったく活かさず、最後は「自分のチカラで勝ちたい」という気持ちになってしまったのが悔やまれます。馬の良し悪しなど素人にわかるはずもないのに、どの馬が強そうかなんていう自分の印象で理屈を上回ろうとしたこと自体がおこがましかった。イクイノックスのような史上最強馬であれば、そういう信じ方もあっていいかもしれませんが、イクイノックスはここにはいないわけですから。
しかも、今季何度も見せつけられてきたルメールさんの見事な手腕に敬服して「馬を選ぶな!ルメールを買え!馬はルメールが選んでいる!」とまで自分で言っておきながら、スルーセブンシーズとスターズオンアースのどちらでも選べたルメールさんが「スターズオンアースを選んでいるのに」、ルメールさんが選ばなかったほうを選んでしまった自分のおこがましさは無能・無策・節穴の大失着で恥じ入るばかりです。
理屈に沿って「外枠は来ない!ルメールでも無理!」と思ってタイトルホルダーあたりを軸にするか、理屈を無視するにしてもせめてルメールさんから買っておけば、相手は全部買い目に入っていたのに。これで人生初の対JRA年間勝利は夢と消え、この挽回にはまた一年を要することとなりました。「また一年かかるのか…」と思うと、ここで勝ち切れなかったことが悔やんでも悔やみきれませんが、この悔しさから立ち上がってこそ人生です。来年こそは「対JRA年間勝利」を成し遂げられるよう、反省に努めたいと思います。自分の無能・無策・節穴を魂に刻みつけて、「馬を選ぶな!ルメールを買え!馬はルメールが選んでいる!」を徹底していきたいと思います。
いつかJRAに勝つ、夢のしっぽが見えたことで意欲は俄然増してきました。
競馬の悔しさを晴らすには競馬で勝つしかありません。
頑張っていればどこかで「間違って買った馬券が万馬券」みたいな幸運もあるかもしれませんし。
この悔しさを胸に、再挑戦をつづけます!
↓今年の悔しさを胸に「また来年、凱旋門賞へ」と誓う人たちのように、僕も来季こそJRAに勝ちたいと思います!
ドウデュースで有馬記念を制した武豊騎手と抱擁する松島オーナー pic.twitter.com/bzRmEt3hqS
— 夕刊フジ競馬班 (@yukanfuji_keiba) December 24, 2023
「JRAに勝てそう」と思ってから「欲目」でガタッと勝率が落ちたのも反省点!
だからフモさんのルメールを買え!を覚えてて、騎手といえば、武豊とルメールかなと思い、その2頭を中心に、単勝、複勝、枠連といったところ大当たりです!
ありがとうございました!嬉しくってこれから競馬にハマりそうです。
ちなみに今週は競輪の大きなレースがあるそうですよ!