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残酷人事ゲームを考え直すいい機会です!

普段SNSでコメントや言及などいただかないタイプの僕なのですが、ここ数日、何故かやたらとたくさんの言及をいただいておりました。どうも、山川穂高が福岡ソフトバンクホークスへFA移籍したことにともなう人的補償の動きについて持論を述べたXの投稿が、大変多くの反響(主に誹謗中傷)を呼んでいたようなのです。

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あいにく別件で遠征などしており、そちらを楽しむことで手一杯だったため誹謗中傷は放置してしまったのですが、体感で6割くらいの方が「この投稿主は狂ったホークスファンで、自球団が自分たちの魂・誇り・象徴とも言える大事な選手をプロテクトしなかったくせに、そういう選手を指名しようとした相手方のライオンズ球団を非難している」と誤解したうえで、幻想の敵を殴っているようなのです。

たかが野球について持論を述べただけで「頭おかしい」「頭イカれてる」「頭弱い」などと言い出す人の頭の倫理観についてはさておき、その誹謗中傷は残念ながら誰にも届いておりません。僕は生粋のライオンズファンでありますので、皆さまのお怒りや誹謗中傷はまったく間違った土台の上に載っています。そのうえで、「ホークスファンはキモい」だの「鷹ファン全員バカにされる」だの「ソフバンファンの程度が知れる」などホークスファンへの誹謗中傷を振りまいておりますので、そっと軌道修正されるのがよいのではないかと思います。

ただ、それとは別に体感で3割くらいライオンズファンからのお怒りや誹謗中傷もいただいておりました。これについては僕も本当に不思議で、確かに「和田を指名するようではイカン」などライオンズに対する言及はあるものの、その手のことはいつも言っていることであり、何故今回だけこんなに皆さんがお怒りになるのかピンと来ませんでした。ただ、しばらく考えてわかったのですが、「そうか、後ろ暗い気持ちがあるところをズバリ指摘されたからカチンと来たんだな」と理解できました。

本件で誹謗中傷に及ぶライオンズファンの腹の底には、長年に渡るFA流出の痛みから生じる意趣返しの気持ちが強くあるのでしょう。建前としては「戦力として評価」「貴重なベテランの経験」などと言いつつも、本当に考えていることは「相手に一番ダメージを与える選択をして嫌がらせをしたい」という意地悪なのです。和田毅さんを人的補償で獲得すればホークスに一番ダメージを与えられるだろう、これは痛快だ、と思っていたのに、その噂が立ち消えになったことでイラついていたのです。だから、ちょっとでも何か言われるとカチンとくるのだろうと合点がいきました。カチンときたついでに急に「元から嫌い」とか告白されたもので僕も地味にショックを受けて泣いていたのですが(※安心してください嘘ですよ)、同じライオンズファン同士です(※お互いに「同じ」にされたくはないかもしれないが…)、ぜひ落ち着いていただければと思います。

ただ、残る1割くらい、本当に何を言っているのかまったくわからなかった方がいるようなのです。

なるほど、まぁあまりスンナリと理解される意見ではないだろうと思います。同じような話をすると、いつもすれ違いが起き、根底から話が合わない人と多数遭遇します。基本的に僕の話は「勝利至上主義者」とか「自球団さえよければいい」という人には理解されないでしょう。僕はライオンズもホークスもプロ野球というひとつのエンターテインメントを成立させるための仲間であると思っています。自球団だけでは試合はできません。自分のことだけでなく、相手のことも考えて「仲良くケンカ」すべきだろうと思います。

たとえばデッドボールに関する揉め事などもそうです。デッドボールで打者が怪我をすると、相手の投手・球団に対して烈火のごとく攻撃を始める人がいます。ただ僕はこう思うのです。「人間に向かって硬球を時速160キロで投げるエンターテインメント」を成立させるためには、投手にはもちろん制球の技量が求められるが、人間は必ずミスをするので、投げミスが起きたときは打者も回避のための努力・技術を発揮しなければならないと。一方的な被害者となるのではなく、このエンターテインメントを成立させるために「打者のほうも高い技術で避けてやれ」と思うのです。ワザとぶつけて怪我をさせるのは当然論外ですが、残念ながら起きてしまったミスを打者側が一方的に糾弾するようではこのエンターテインメントは成立しないのです。野球や、試合は、共同作業なのです。自分さえよければいいなんてことは、ない。(※この時点で話が合わない人は、最後まで読んでも合わないと思いますよ)

としたときに、僕はやはり人的補償で和田毅さんを指名するようではイカンと思います。実際に和田さんがプロテクト外だったのか、ライオンズ側から指名もしくは打診があったのかはわかりませんが、もしも最終的にそういう決断をライオンズがするようであれば「イカンな」と思ったことでしょう。自球団であればこそ、そういう選択はしてほしくないと思うのです。

これを言うと、2018年に人的補償でライオンズに移籍することになった内海哲也さんの話が出てきます。「お前も内海さんを人的補償で獲ったときは喜んでいたではないか」と。確かに僕も内海さんの獲得を喜びました。長年FA流出がつづく球団に大物がやってきたぞと浮つきました。当時は山賊打線などと言われる強力打線がウリのチームでしたので、知人のライオンズファンとは「ウチに来れば内海さんは10勝だな」と言い合っていたものです。

しかし、まさにその内海さんとの日々が「やはりこういうことをしてはイカンな」と僕に反省させたのです。内海さんは本当に素晴らしい人でした。ライオンズに来てくれたことに今も深く感謝しています。しかし、内海さんが素晴らしい人であるほど、申し訳ないという気持ちは募りました。先頃、巨人の投手コーチに就任することになったときは、やっと内海さんを巨人にお返しできたと胸のつかえが下りたような気がしました。ホッとしました。

内海さんは移籍1年目となる2019年、開幕前に左腕を故障し、1軍での登板ができませんでした。翌2020年は移籍後初勝利を挙げたものの、ライオンズ側もなかなか登板機会を作ってあげられず、在籍4年間で1軍登板11試合、4年間で通算2勝という成績で現役を退きました。その数字は移籍前年に巨人で記録した15登板・5勝にも及びませんでした。「たられば」ではありますが、環境の変化というものが悪影響を及ばしたのではないかと思ってしまいます。古いライオンズファンには森慎二さんの例などを挙げればご理解いただけるでしょう。純粋な戦力面で言えば、決して成功した移籍ではありません。

それでも内海さんは神のような人柄で、ライオンズに尽くしてくれました。ライオンズ側も何とか2000イニング登板・1500奪三振という節目の記録達成には導き、格好をつけました。盛大な引退試合も行ない、内海さんをしっかりと送り出すことができたと思います。引退後はコーチとしてチームに残っていただくこともでき、若手投手たちに素晴らしい影響を遺していただきました。ライオンズにとって大変実りのある時間でした。

が、しかし、内海さんにとって、プロ野球にとって、本当にそれが一番よかったのかというと、そうではないと思います。内海さんがライオンズでしたことは、全部巨人でもできたはずのことです。成績面などを含めれば、巨人であればもっともっと素晴らしい日々を過ごすことができた可能性も大いにあるでしょう。あの移籍を実りある日々にしたのは、ただただ内海さんの人徳によるところです。ライオンズにはプラスだったかもしれないけれど、内海さんにとってはよくてトントン、巨人ファンが内海さんを失った大き過ぎる悲しみを考えればトータルではマイナスだったと僕は思います。

戦力面を考えたとき、ベテランに過剰な期待をするのはそもそも賢くありません。キャリアの終わりが見え始めているベテランでなくとも、ほかに選択肢はいくらでもあるでしょう。数年後のレギュラー・数年後の主力がそこに隠れているのですから、それを賢く見つけなさいよと。経験や技術の継承を望むなら、それはコーチを獲ればいいのです。毎年優れた選手が引退していくのですからアテはいくらでもあるでしょう。和田さんとのパイプを築くまでもなく、松坂大輔さんとのパイプを何とかすればいいじゃないですか。いくらでも道はあるにもかかわらず、指名すればホークスファンが大いに悲しむであろう一番残酷な選択を何故するのか。ともにプロ野球を作る仲間として、それはよくないと思うのです。誰かの魂・誇り・象徴と言える選手を、その選手を自分たちの魂・誇り・象徴などとは思ってもいない人たちが、人的補償のような仕組みでいただくのは「身に余る」のです。(※ここで半分くらいです、頑張って最後まで読んでくださいね!)

↓後出し後出しと言う人がいますが2年前の時点で「相手の宝は獲らない」と猛省しておりますからね!


↓内海さんを巨人にお返しすることができて、本当にホッとしました!



こう言う話をしても、勝利至上主義者や自分さえよければいいという人は「プロテクトしなかったホークスが悪い」の一点張りで自分の残酷さを顧みることはありません。もちろん僕も和田さんをプロテクトをしなかったのであれば、そのホークスの判断はあり得ないと思いますし、今回の話題が事実なのであれば一番悪いのはホークスの判断だと思いますが、仮にすべてが事実だったとしても、ホークスは和田さんを捨てたわけではないのです。「プロテクトした28人以外」は「いらない」ということではないのです。自由契約にしたわけではなく、叶うならば来年も一緒に野球をしたいと思っていたのです。「耳と目のどちらかを撃つ」と言われて目を守ったとき、耳はいらないわけではないのです。ホークスは和田さんを捨てたわけでは、ない。

プロテクトリストも舞台裏も公表されていないなかですので、すべては憶測に過ぎませんが、もし本当にライオンズが和田さんを人的補償に指名することがあれば、和田さんが「引退」という選択をした可能性は十分にあると思います。現役へのこだわりが強い選手ですので前向きに移籍を考える可能性もありますが、ホークスを出てまでは現役をつづけないと考える可能性だってあるでしょう。いずれにしても、指名をすれば「ライオンズで引退」か「今すぐ引退」かどちらかにはなることでしょう。和田毅を引退させるかもしれない選択、和田毅をホークス以外で引退させるかもしれない選択、そんな残酷な選択、わざわざしなくていいじゃないですか。そんなに引退試合をやりたいんですか、と。引退試合のマニアですか、と。和田毅さんのようなレジェンドがどんな引き際を迎えるかを決めていいのは、レジェンド本人だけです。

戦力とか将来性とか相手の補強ポイントとかを小賢しく計算して、事実であればあり得ない選択をしたホークスの判断は悪いですが、その判断のまずさをライオンズ側が救ってやれば今回のような事態には至らないのです。ライオンズ側がルール破りなどをしたわけではないことは百も承知ですが、わざわざ賢くない選択をして、わざわざ残酷な選択をして、相手のミスを悲しい騒動に至らしめる必要はないでしょう。同じプロ野球の仲間なんですから。「その考えはダメだよ」「ファンあっての商売だよ」「和田を獲られるような隙を見せちゃダメだ」と教えてあげればいいじゃないですか。ホークスのミスを救ってあげればいいじゃないですか。投手が投げミスをしたときも、打者が見事な反射神経で避けてやれば、何の事件も起きないのと同じように。それが「共同作業」です。(※さぁもう少しです、頑張って最後まで読みましょう!)

↓ホークスは確かに悪いが、こうならないように救ってあげることはライオンズにもできたはず!


↓和田さんのような偉大な選手には、自分の引き際を自分で決める権利がある!



一部の憶測には「和田さんが移籍を拒否して引退するとしたことで、ライオンズとホークスが協議し、当初はプロテクトされていた甲斐野央さんを代わりに差し出した」とするものがあります。和田さんが前向きに移籍を承諾していたという、まったく逆の憶測も広がっているので真相はわかりませんが、悪い憶測が広まったことで和田さんに対して「●●式プロテクト」などと非難し、「正義の立場から誹謗中傷を繰り出す人」が多数出ています。しかし、それはまったくの筋違いです。仮にその憶測が事実だとしても、この件はルールには抵触していません。

日本プロ野球選手会が公表しているフリーエージェント規約では人的補償に関して「旧球団が、選手による補償を求める場合は、獲得球団が保有する支配下選手のうち、外国人選手及び獲得球団が任意に定めた28名を除いた選手名簿から旧球団が当該FA宣言選手1名につき各1名を選び、獲得することができる。前記の選手名簿の旧球団への提示はFA宣言選手との選手契約締結がコミッショナーから公示された日から2週間以内に行う」と記載されています。

また、指名を拒否した場合の罰則として「旧球団から指名された獲得球団の選手は、その指名による移籍を拒否することはできない。当該選手が、移籍を拒否した場合は、同選手は資格停止選手となり、旧球団への補償については、本条第4項(2)号又は本条第4項(2)号を準用する」と記載されています。

↓FA規約については下記サイトの2項目めをご覧ください!


ここには選手名簿から「1名を獲得できる」、選手名簿の提示は「公示から2週間以内に行なう」、「指名による移籍を拒否することはできない」とあるだけです。一度提出した名簿を修正したり、再提出したり、事前に「打診」してちゃんと移籍してくれるかどうかを確認したりすることは、まったく禁止されていません。「やっていい」とも書いてはありませんが、「やっちゃダメ」とも書いていないのです。

ピュアで無邪気なファンが、指名されたら絶対に拒否できない「残酷人事ゲーム」を勝手に想像しているだけで、一部で非難されている憶測通りの出来事が実際にあったとしても「ルールには違反していない」のです。ルール至上主義者がルールを盾に誹謗中傷している出来事は、「ルール違反ではない」のです。ルールを守れと声高に叫びながら、ルールに違反していない人を誹謗中傷するなんて、何て滑稽な話でしょう。

「残酷人事ゲーム」を好きな人がいるから誰も大っぴらにしないだけで、こんなことはよくある話なのだろうと思います。そして、それを皆がヨシとしているのだろうと思います。お客さんが喜ぶだけで、やっている側には「残酷人事ゲーム」は何の得もありませんから。たまーに、無駄に引退を早める選手が出るだけで誰も得をしないことをやるはずがないのです。

まぁ、そういう意味では、やり方に賛同はしませんが、「和田さんの指名をチラつかせて、それをスポーツ紙にリークし、ホークスファンに火をつけて、補強ポイントに合致する選手のプロテクトを解除させた人物」がいるのだとしたら、相当にしたたかだなと思います。賛同はしませんが、大したものだなと思います。単に記者にすっぱ抜かれただけなら、とんだお粗末な情報管理ですが。(※もうひと息!読解力の限界に挑戦です!)

↓渡辺GMはそんなやり方をするタイプじゃないと僕は思いますのでGM以外の誰かでしょう!


こうやって考えてくると、この人的補償という制度は悲しみを連鎖させる仕組みだなと思います。そもそもFAというのは、選手が自分の望むチームでプレーできるようにするための仕組みのはずです。戦力均衡と共存共栄を図るために「ドラフト会議」という理不尽なクジの仕組みで、選手を意中ではない球団に振り分けてきたことの埋め合わせとして用意した仕組みが、何故もう一度「意中ではない球団に移籍する誰か」を生み出すことになっているのでしょう。牢屋からひとり出るなら、代わりに誰かを置いていけということですか。生贄ですか。「自分の意志で出ていった選手」のことで意趣返しに生贄を要求するなんてのが、残酷人事ゲームでなくて何なのか。

基本的には全員が「ドラフト」という必要悪の理不尽に耐えた選手たちです。プロ野球に入れればどこでもいい、という選手だって自分なりに行きたいチームはあったはずです。それを我慢してもらったうえで、チームで29番目くらいに評価されている「一流選手」にまでなって、もう1回理不尽を味わわせるのは残酷ではないでしょうか。サラリーマンの人事異動だって、イヤだなと思ったら拒否するでしょう。異動を拒否したら「じゃあ引退しろ」と誹謗中傷されるなんて、理不尽の極みだと僕は思います。

いい機会なので、人的補償以外で戦力均衡を図る仕組みを、球界も考えたらいいのではないでしょうか。莫大な移籍金を求めるパターンだったり、メジャーリーグのように贅沢税を導入したり、次年度のドラフト1位の指名枠を譲渡する仕組みであったり、残酷人事ゲーム以外にも戦力均衡を図る方法はあるはずです。和田さんの指名⇒引退という悲しみの展開は回避できてとりあえずよかったと思うのと同時に、甲斐野さんならどう扱ってもいいってわけではないと思うのです。残酷人事ゲームの犠牲者はいないに越したことはないのです。

僕は今の仕組み以外でも選手の自由な移籍と戦力均衡とは両立できるはずだと思っています。FAでふたり流出したら次の年にドラフト1位を3人獲れるとかだったら、数年後の戦力はまったくわからないですからね。上手くすれば同じ年にドラフト1位を3枠指名できたりして、福井優也さん・斎藤佑樹さん・大石達也さんの早大BIG3総獲りなんてドラフトもあるかもしれませんからね。そんな夢のドラフトがあったら優勝できそうな気がしますよね。「あー、早くアイツFAしないかなー」とファンが選手を売りたくなるくらいの素晴らしい仕組みで、共存共栄の野球界を築いていきたいものですよね!(※ご清聴ありがとうございました!)

↓甲斐野さん!とにかく決断してくれてありがとう!一緒にライオンズで優勝しましょう!

埼玉西武ライオンズとかけまして、

優秀なリリーフ投手と解きます。

その心は、「やり甲斐のある職場」でしょう!

フモっちです!



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