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とにかく「勝てばいい」ことだけは確かです!

行き当たりばったりでパリへの大一番がやってまいりました。パリ五輪の出場権獲得を目指して奮闘をつづけるサッカー女子日本代表・なでしこJAPAN。今週はいよいよ聖地・国立競技場で北朝鮮との決着戦を迎えます。あらゆることがよくわからない状態で進んではいますが、とにかく「勝てばいい」ことだけはわかっています。すべてのチグハグとドタバタを乗り越えて、ようやく「あとは勝てばいい」まで話が落ち着いてきました。やることはシンプル。勝って、パリ行きを決めてもらいたいもの。

それにしてもサッカーの予選がこれほどバタつくとは思いもしませんでした。情報発信の少なさ、不透明な意思決定、決まらないアレコレ。よくわからないまま「北朝鮮と直接対決!」という最終段階だけがポッと飛び出てきた感じで、これでは世間もまったく反応できないことでしょう。28日国立競技場での決着戦は、いまだにほぼ全席種が微好評販売中(※もともと売り切れる想定などないだろうが…)という状態で、試合をやることもチケットを売っていることも世間にちゃんと伝わっていないのではないかという気さえしてきます。ホームで迎える決着戦ということでもありますので、ここはひとつ国立をビッシリと6万の大観客席で埋めてやらねばなりませんよね!

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まぁそれでも第2戦のほうはチケットが売っているだけまだマシという感じも。24日に行なわれた第1戦はもともと平壌で開催予定のものが「北朝鮮に行くのしんどい」ということで中国開催という話になり、それも流れて開催地がギリギリまで決まらず、最終的には試合の3日前にサウジアラビアでの開催が決まるというドタバタぶり。欧州でプレーする日本代表選手の熱心組(※早くからチームに合流するの意)などは「無駄に一回日本に帰ってきて、意味なく寝て中東に移動」という遠回り&足止めを余儀なくされ、欧州から直行で直前合流しても一緒だったなと「急がば回れ」精神を叩き込まれる結果に。

そんな調子ですので試合中継も「DAZNでやる」こと以外はなかなか決まらず、DAZNを小刻みに解約している勢からは不安の声も挙がりました。「NHKでやるなら早く決めてほしい」「月額の解約タイミングが迫っているんです」「DAZNでしかやらないもの以外はDAZNで見たくない!」などの熱い声がようやく届いてNHKが中継を正式に決めたのは第1戦の2日前のこと。

それでは現地の運営などままなるはずもなく、当日国際映像で見るスタンドはほぼ無観客試合の様相でした。チケット販売は行なわれず、現地の日本人学校の方などが応援していたのだという話ですが、仮にチケットが販売されていたとしても、3日前になって急にサウジに来いと言われて行ける日本サポーターがどれだけいたことか。ちょっと試してみてほしかった気もしますが、まぁ「おたくが北朝鮮だからこんなことになってるんだからな!」と制裁気分で受け止めるしかありません。

↓北朝鮮はむしろ平壌よりのびのびやれる説、あると思います!


そしてようやく始まった試合もまたバタバタしたもの。日本代表は相手が上下白のユニフォームを着ているためか「シャツがホーム用の青、パンツがアウェー用のピンク」という組み合わせで登場してきました。それ自体は相手が全身白なので仕方ないわけですが、ユニフォームだけではない、何となくチグハグした感じが試合全体に滲みます。

日本は4-3-3の布陣。目を引くのは守備的なミッドフィルダーとして自陣中央に構える熊谷紗希さんの位置取りです。あの2011年のワールドカップ優勝以降、常にセンターバックとして日本守備陣の要であった熊谷さんを、あえてのアンカー起用。昨年のワールドカップ後から採用している布陣ではあるものの、ちゃんと見るのはこれが初めてということでお茶の間もザワつきます。机上の計算では「4バックならアンカーの位置に上げ、3バックにするときはそのまま一列下げる」という流動的なシステム変更ができそうな布陣ではありますが、はたして。

一方北朝鮮は2試合トータルで僅差の戦いをイメージしているのか、当初の予想とは異なって5バックのような布陣です。まずはしっかり守っていこうというところか。そうした守備的な相手に対して、日本は両サイドから長いボールでの突破を図るも、どうにもしっくりきません。中央で構える熊谷さんには守備だけでなく攻撃時にもボールを受けてさばいて展開する役目が求められていると思われますが、ボールを引き出す動きがあまりなく、厳しい場面では足元がおぼつかないところもあって、中央で前を向いてさばいて自分も出て行く…というプレーはなかなか出せない様子。逆に北朝鮮が引いて構えて長いボールでのカウンターという狙いであることから、守備時にも活きる場面が少なく、ちょっと難しい起用になっている印象です。

そうこうするうちに前半26分にはカウンターから鋭いミドルシュートを枠内に撃たれ、つづけざまのコーナーキックでも惜しいヘッドを撃たれるなどヒヤッとする場面がつづきます。日本側にも前半42分に中央に入れたクロスがクリアに至らずこぼれた場面で、田中美南さんが鋭いシュートを放つという決定機が訪れるも、ここは北朝鮮のGKが足一本でクリア。ただ足に当てただけならゴールに入りそうなボールでしたが、しっかり反応して蹴り返したのは相手が上手かった。この試合を通じても唯一最大と言えるチャンスを決められず、0-0で前半を折り返します。

↓これが入っていればラクだったけれど、入らなかったのでしょうがない!



ともに選手交代なく迎えた後半戦。後半に入るとやや戦いの構図も変わってきます。日本は引きつづきサイドからの攻略を狙って絡め取られることがつづきますが、北朝鮮は奪ってから長いボールでの展開だけでなく、つないで持ち上がってサイドからゴールに迫る動きも見せてきます。後半10分には北朝鮮の強烈なミドルが日本ゴールのクロスバーを叩き、つづけざまに触れば1点もののクロスを入れられ、さらにミスから自陣深くまで突破されエリア内でのシュートを許す場面まで。後半16分にも相手選手とGKが交錯して一瞬ボールを取りこぼすシーンなどもあり、「入らなくてよかった」というピンチの連続でした。

日本の池田監督は後半13分に左のウィングを植木理子さんから中嶋淑乃さんに代えて打開を図るも、状況は大きく変わらず、我慢の時間がつづきます。ついに後半24分には中盤の中央に手を入れ、長野風花さんに代えて清家貴子さんを、熊谷紗希さんに代えて谷川萌々子さんを投入することに。熊谷さんが試合途中で退くというのはあまり見られないことでもあり、NHKの実況アナも驚きをもって受け止めたほど。

その後も後半28分にクロスバーを叩くヘッドを撃たれるなどピンチがつづく日本ですが、選手交代が功を奏してか日本側の攻撃もようやく機能し始め、試合終盤には相手エリア内での連続攻撃を見せる場面もようやく生まれます。そして、後半42分に「さぁ、最後にもうひと勝負…」とFWの田中美南さんに代えて千葉玲海菜さんを投入したのですが、この交代の直後に最後のもうひとバタバタが。この試合先発に起用されていた古賀塔子さんが、ジャンプの着地の際にどこか痛めたかピッチに倒れ込んでしまったのです。日本はすでに3回目の交代を行なっており、倒れた古賀さんに交代選手を送り出すことはできません。最後に勝負を仕掛けるどころか、短い時間ではあるもののひとり少ない状態でプレーすることに。

ちょっと何から何までチグハグドタバタになってしまい、これでは勝てる試合も勝てないというもの。最終的に0-0のドローとなったのは、むしろ「負けなくてよかった」くらいの印象でした。幸いだったのは今予選にはアウェーゴールの仕組みはなく、とにかく2試合で点をたくさん取ったほうが勝ち抜けであること。この引き分けはアウェーを無失点で乗り切って一歩前進、と純粋に前向きにとらえていきたいところです。

「ちなみに2試合ともドローだったらどうなるの?」という誰でも思いつく疑問に対してハッキリと答えてくれる公式情報がどこにも見当たらないのはスッキリしない部分もありますが(※延長戦→PK戦なんでしょうが)、延長戦があるとかPK戦があるとかアレコレ考えるよりも、目の前の90分で「勝つ」ことにフォーカスしたほうが戦いやすいでしょうし、スッキリ勝ってパリ行きを決めてもらいましょう。日本の大観衆の目の前で五輪切符を決めるチャンス、ぜひつかんでもらいたいものです。日本の大観衆の目の前で五輪行きを逃す大ピンチ、とか考えないようにしてくださいね!

↓試合までにこんなにバタつくなら選り好みせずオーストラリアとやっててもよかったかも!



↓第2戦の試合前にはドローンショーもやるそうです!ドローンショーだけでも見て行ってくださいね!

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東京五輪は開催国枠だったので五輪予選突破すれば地味に13年ぶりです!