埼玉西武ライオンズがアイドル商法に参戦!
ついに、歴史的大転換が起こったか。僕はそのパラダイム・シフトの目撃者として震えています。崖の上に立ってドローンで空撮されている人みたいな感じで(※Tomorrow never knows的な)、変貌する世界と価値観に衝撃を受けながら、迫り来る不穏な未来をじっと見据えている、そんな気持ち。
そのように心にドローンが飛ぶほどの衝撃を与えてくれた報せとは、何と、我が埼玉西武ライオンズが、埼玉にある球団がいっちょ前に、数年前まで山賊打線などと言い張っていたリアル山賊風貌集団があろうことか、太ってて野球の上手い若者がいると全員声掛けてきた結果の集まりであるにもかかわらず、ヤンキー受けという従来の客をガン無視して、無い袖をブンブン振り回しながら、「韓国アイドル風イケメンアスリート商法」に果敢に参戦しちゃうことになっちゃったらしいのです!
↓これはやってんなぁ!やっちまってんなぁ!
↓オリックスとかがよくやってる韓国スターみたいに仕上げてパネマジするアレ!
みんな視力も悪いから映像と画像だけ頑張ればリアルでは意外にバレないアレ!
アレをライオンズもやっちゃう所存です!
「なーにー!?やっちまったなぁ!」「男は黙って力士!男は黙って力士!」「どすこいはもう居ないんだよぉ」と心のクールポコがザワつき出す本企画のキービジュアル。まるで〇×でもつけるルッキズムクイズみたいな雰囲気で居並ぶのは間違いなく我が埼玉西武ライオンズの面々です。ただし、人選は明らかにイケメン嗜好。球団を象徴する選手であるところの栗山巧さん(※ヤンキー受け筆頭)と中村剛也さん(※デカいクマのぬいぐるみみたいなのが好きな人受け筆頭)はあえて入れずに、韓国アイドルに熱狂する層を取りにきたこの感じ。
そこには実績云々みたいな手心は一切ありません。人間がついつい目に入れてしまう中央下段には選手ですらない松井稼頭央監督を「やっぱ監督が一番イケメンだな…」とドーンと据え、その隣には一軍で23本しかヒットを打ったことがない西川愛也さんを堂々配置しました。中央上段ドセンターには今年度から加入のドラ1新人・武内夏暉さんを(※当然ですがプロ通算0勝)。何となく最初に目に入りそうな画像左上には不幸な玉突きで西武に来ることになっちゃっただけの新加入選手・甲斐野央さんを(※当然ですがライオンズでの試合出場0試合)。目に入りづらい右端の方とか、貴重なリアルイケメンの間とかに「ん?」というメンバーを配置して錯覚と愛嬌でごまかす魂胆(※関口メンディシステム)などを含めて、これは相当に練りに練られた企てだなとビビビと来るでしょう。
「モテりゃいいんだ!」という潔いまでの割り切り。僕もヒジをポーンと打ちながら「ええやんええやん!」とハリウッドザコシショウの顔で頷きましたとも。ゴース!これ当日はサーティワンさんあたりを巻き込んで「推し色アイスクリーム」とか言う名前のレギュラーダブルを売っちゃうんですよね!コットンキャンディパステルとベリーベリーストロベリーの組み合わせとかで!2個はいらないけどそういうセットになっていたら買うしかないですからね!ゴースゴース!
↓この企画を成功させることにフォーカスした野球力未知数のセンターアイコン!
聞けばこれは「LIONS COLLECTION」なる企画イベントなのだそう。「ん?あの球団アプリでやってる誰が集めているのかよくわかんないデジタルトレカのことですか?」と一瞬思いましたがそうではありません。パリコレクションみたいな感じで、ライオンズの素敵な選手たちから「お気に入りを集める」というコンセプトの企画です。好きな選手、すなわち「推し」を通じてライオンズの魅力を再発見してもらい、「推し活」で球団を盛り上げていこうじゃないかという話です。狙って出来るかどうかはさておき、従来のヤンキー層・食いしん坊層だけでなく、新しいファン層を獲得していくにはこうした取り組みは大事でしょう。大いにやるべし。大賛成です。
まずは5月24日から26日のオリックス戦でLIONS COLLECTIONイベントを開催し、各選手の撮り下ろしフォトパネルを展示したり、お気に入りのフレームを選んで撮影ができるチェキイベントを開催するとのこと。韓国アイドル風イケメン商法の成功者であるオリックス戦にあえてこの企画をぶつけ「君ら関東の娘だろ?」「遠くのオリックスより近くのライオンズだよ」「近所の推しの方が交通費が掛からないぶんより推せるよ」みたいな鞍替えを狙っていこうという寸法です。うむ、吉田正尚さん・山本由伸さんがいなくなって弱体化しつつあるオリックスから若い女性ファンをかっぱごうとは悪知恵が働くスタッフがいたものです。ええやんええやん、試合中ずっと「オリックスと言えばラオウ!」みたいないじりを連呼して、向こうに「北斗の拳」のイメージを押しつけようじゃないですか!ウチのスタメンからは「拳法殺しのハート」「ウイグル獄長」「山のフドウ」みたいな面々は一時的に外すしかないですよね!
↓JUNONさんのコラボから予感はしていましたが、今季は完全にやってますね!
↓栗山さんもアイス持たせりゃイケると思うんですが!一回持たせてから考えましょう!
ちなみにLIONS COLLECTIONに金子侑司さんがいないのは起用の縛りを避けるためなんですよね!
試合に起用しないとイケなくなるのは避けたい的な!
えっ!?違うんですか!?
だったらネコさんも入れておいてください!
こういう商法に手を出すと、とかくオジサンマインド層は「アイドル売りか」だの「バカなこと始めた」だの「野球をしっかりせぇ」だのと言い出しますが、これからアピールしようとする客層は酒さえ飲ませておけば勝手にイイ気分になってくれる「趣味は野球観戦のみです」なちょろいオジサンではありません。熱量も購買欲も行動力も高いけれど、その代わり「野球以外」の部分でも一挙手一投足に反応し、世のなかにあるたくさんの素敵なものから「本当に推すべきもの」を見定めているシビアなファン層です。
アイドルのように多くの人を惹きつけるには、見た目も、仕事も、人間性も、ファンへの愛も、すべてを備えていなければままなりません。「野球をしっかりせぇ」ではなく「全部しっかりせぇ」でなければ不足なのです。野球(≒例えば歌)を頑張るのは当然として、それ以外の部分での見た目や言動や人間性も含めた総合的な人間的魅力を推してもらって、はじめてこの商法はままなる。それは野球だけ頑張ればいい、勝てば客は来る、勝つことが最大のファンサービス、なんて安直単純なマインドよりも遥かに難しいことです。どんなにチャーハンの味がよくても汚い店の不愉快なオヤジのところに多くの人は集まらないのと同じで、本当にいい店は、店構えも接客も質が高いのです。
そうした厳しい次元に、難しい挑戦に我が埼玉西武ライオンズも挑むことにした、そのことを僕は前向きにとらえ支持していきたいと思います。この取り組みを真剣に行えば、それはきっと野球にとってもいい結果につながるでしょう。「自分は今ちゃんとアイドルできているだろうか?」と自分に問い掛けることは、日々の暮らしを変え、翻って野球への取り組みにもつながっていくはず。アイドル売りと舐めずに、徹底してみてもらたいなと思います。まぁ、アイドルもグループを脱退するケースは多いので、「ライオンズ」というアイドルグループからの離脱自体は、どんなに胸に手を当てて問い掛けても止まらないかもしれませんが…。
↓イベント当日はこの辺の装飾も徹底していきたいですね!全員のアイドル写真撮りましょう!文字もピンクとか紫とか使って!
上手くいったら歌とかも出しましょう!
やるとなったら歌の練習も真剣にやるような人物、が頑張る野球を応援したい、そんな気持ちです!
人前で客商売をする人が見た目に気を遣うのは、商法抜きでも当然ですが!
悲しい