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2024年05月20日08:00
逆転の北口、さすがでした!
本日はお出掛けの記録です。いよいよパリ五輪が近づいてくるにあたり、自分のなかの熱気をじょじょに高めていくべく、それっぽい現場に行ってまいりました。向かいましたのは聖地・国立競技場。こちらで開催されましたセイコーゴールデングランプリ陸上に行ってきたのです。
現地に降り立てばなかなかの出足のよさ。ほんのわずかに雨粒が落ちてくる気配もある空模様ですが、たくさんの人が国立競技場へと向かっています。聞けば今大会では試合のほかにもランニング教室的なイベントだったり、YouTuberさんと一緒に観戦する企画だったり、お祭りとしての盛り上げにも注力していた模様。
場外でもお祭り感を盛り上げるべく多数のブースが出展されていました。グッズやフードの売店はもちろん、砲丸や円盤など競技用の用具の展示、パラ陸上用のレーサー車いすに試乗できるブースや、10メートルダッシュのタイムを計時システムを使って正確に測れるブース、経緯はよくわからないもののJALのマイルに登録すると北口榛花さんのステッカーがもらえるブース(※地対空槍的な?)などなど盛りだくさん。
冠スポンサーであるセイコーさんも、男子100メートルの日本記録である9秒95を正確に腹時計で測るチャレンジだとか、この日の日付を表示した大時計の前で記念撮影すると豪華賞品が当たる抽選会などで盛り上げてくれていました。僕もいくつか参加させていただき、ステッカーやらクリアファイルやらをいただきました。ステッカーやクリアファイルはなんぼあっても困りませんからね。ありがとうございます、ありがとうございます。
↓やってまいりました国立競技場!
↓本日のお目当てはセイコーゴールデングランプリ陸上です!
↓セイコーさんらしいフォトスポットなどがありました!
↓記念撮影をしてクリアファイルをいただきました!
↓JALさんのブースで北口榛花さんのステッカーをいただきました!
場内に入れば人・人・人で、陸上の会場らしからぬ雰囲気。トラックを取り囲む第1層はほぼ埋まっており、外周通路部分には立ち見のお客さんがあふれているではありませんか。まぁ、裏事情を言えば観戦ルールのほうで客席部分ではスマホ・タブレットでのみ撮影が許可されていて、カメラやビデオカメラでの撮影は通路からお願いしますという話になっていたため、カメラを構えた人は全員通路にいたということだったりはするのですが、それを鑑みてもかなりの客入りです。
トラック競技で決勝が始まるメインの時間帯には、もともとは一部しか開放していなかった2階席まで開放され、係員さんが通路を巡りながらそちらへの移動を促す一幕も。来年にはこの国立競技場で世界陸上の開催を控えていますし、陸上関係者的にも嬉しい手応えだったのではないでしょうか。6万人が世界のアスリートを出迎える夢の世界陸上、これならばあるかもしれまんね。
↓国立なのでわかりづらいですが1層はほぼギッシリです!
今年はパリ五輪シーズンということもあって、有力選手はパリから逆算しながらの参加となる今大会。選考においてもっとも重視すべき日本選手権を来月末に控えているということで、ここで100%を出し切るようなことは当然ナイわけですが、そんななかでどれぐらいできるのかというあたりに注目しながら見守っていきます。
まず女子1500メートルに出場した田中希実さん。すでに5000メートルではパリ五輪の参加標準記録を突破している田中さんは、1500メートル・800メートルとあわせて3種目での五輪出場を目指す見込み。今大会の出場選手たちを見渡せば自己ベストでは互角以上というところでもあり、ここは気持ちよく勝って日本選手権へと向かいたいところ…だったのですが。
序盤好位につけて流れに乗り、中盤から抜け出してレースを作るというイメージ通りの展開のはずが、終盤までライバルに後ろにつかれると、最後は集団に差されて4位という結果に。本番ではさらに前に本当の先頭集団がいるだろうことを考えると、手応えとしては微妙なレースなのかなと感じました。まぁ、今絶好調でも仕方ないことなので、夏に向けて気温とともにガンガングングン上げていってもらいたいところ。
↓自ら先頭に立つ積極的なレース運び!
↓パリでは笑顔いっぱいのゴールを見たい!
パリでも注目の種目のひとつになるであろう男子110メートルハードルには、すでに五輪内定を決めている泉谷駿介さんの参加はないものの、同タイムで日本記録を保持する村竹ラシッドさんが出場。村竹さんはスタートの反応鈍く出遅れるも、中盤から先頭に立つと最後はライバルを突き放し、パリ五輪の参加標準記録を突破する走りでさすがの優勝。最後はちょっとガッツポーズするくらいの余裕もあって、これは五輪へ向けても「日本勢」としての活躍に期待が懸かります。
↓五輪の決勝で日本記録を出せれば、夢が広がる!
↓スポンサー様商品を積極的にアピールするぞ!
そして大観衆も熱い視線を注いだ男子100メートル。視線の先にはもちろん日本記録保持者のサニブラウン・アブデル・ハキームさんがいます。サニブラウンさんは2023年の世界選手権で日本選手最上位の6位入賞を果たしていますので、パリ五輪の参加標準記録10秒00を今年出せばその場で内定が決まる立場。かなり高いレベルの標準記録ではありますが、サニブラウンさんのチカラであれば、この日この場でパリが決まる可能性も大いにありました。
予選ラウンドは10秒07のタイムで勝ち抜けたサニブラウンさん。決勝ではさらにもう一段上のタイムを…と期待されたのですが、決勝ではスタート直後から遅れ気味でアヤしい気配を漂わせると、中盤以降はレースを止めてしまった格好で、10秒97で8位となりました。少し顔をしかめるようなところもあったのであるいは怪我でもしたかと心配されましたが、「足をつってしまった」ということだったので大きな怪我ではない模様。まぁ、サニブラウンさんが代表から漏れることはまずないでしょうから、リスクを取るのは本番だけで十分。しっかりパリに合わせてもらえればと思います。
↓途中から遅れ出したときはドキッとしました!
↓パリ五輪の決勝、楽しみにしています!
そして、国立の主役となったのはやはり、さすがの北口榛花さん。2023年世界陸上の金・銀・銅メダリストが一堂に会するハイレベルなメンバーのなかにあっても、金メダリストはやっぱり強かった。試合展開としてはなかなかトップに立つことができず5投目を終えてもまだ4センチ差の2位で世界選手権銀のルイス・ウルタドさんを追うという苦しい流れでした。
ただ、その間も5投中3投で60メートルを超える記録を出すなど、北口さんの高い水準での安定感は抜群でした。そして迎えた最後の6投目、国立の大観衆の期待を背負って投げたやりはグングン伸びて63メートル45センチの投擲に。最後の一投で逆転優勝というのはまさに世界選手権の再現のようでもあり、ここ最近の北口さんの勝ち方の定番でもあります。これはもう「逆転の北口」の二つ名襲名も待ったなしといったところ。パリ五輪、そして2025年世界陸上で素晴らしい結果を出してくれた暁には、敬意を表して国立競技場最寄り駅の改札に「北口」と名前をつけてもいいかもしれませんね。日本陸上界を背負う大黒柱としてパリでも大投擲を見せていただきましょう。
↓いつも参加してくれてありがとうございます!
↓最後の6投目、逆転の北口が吠えた!
↓63メートル45センチの好記録で逆転優勝!お見事!
ほかにも男子400メートルハードルではパリ五輪参加標準記録突破済みの豊田兼さん・筒江海斗さん・黒川和樹さんの走りをまとめて見られたり、男子400メートルでは日本記録保持者・佐藤拳太郎さんの優勝を見守ったり、走り幅跳びの橋岡優輝さんのジャンプや、1万メートルの日本記録保持者である塩尻和也さんが出場した男子5000メートルなど充実のラインナップを楽しみ、グッと五輪への気分も盛り上がってきました。
東京五輪で見られなかった光景を2025年の世界陸上で見る、忘れ物をしっかりと取り戻すためにも、パリ⇒東京へとしっかり自分自身の勢いもつなげていきたいもの。会場ではひっそりと2025年世界陸上のロゴを紹介していたり、チケット購入のためのID登録を呼びかけていたりもしたので、チャンスを逃さずに楽しんでいければいいなと思いました!
↓2016年頃に見せられたら「こういうのでええんやで」って言われてた感じのロゴ!
2025年は6万人の大観衆で世界の選手を迎えられたらいいですね!
国立競技場に向かって最寄り駅から南に行く場合でも改札が「北口」だとしたら迷いそうですね、逆に方向音痴の人は良いかもですが。