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我々はどこで今井達也さんを交代させるべきだったのか!

監督休養&代行登場というニンニク注射みたいなカンフル剤に「き、効く〜」と上機嫌だった埼玉西武ライオンズファンの皆さん、こんにちは。ベンチや選手の雰囲気はともかく、SNSの雰囲気だけはガラリとよくなって試合後に荒れ狂うファンが激減したここ一週間ほどはバルサンを焚いたあとの古民家みたいに穏やかな世界でした。「まぁ、いずれまた出てくるんだろうが…」とは思いつつ、このまま何事もなければいいのになぁというささやかな願いを抱く程度には安らいでいました。

しかし、物事の結果は時間とともに実力に収束していきます。実力のある選手を個人的感情で封印しているとかならともかく、いる選手をアレコレひと通り使った結果として低迷している「圧倒的実力」はたとえ誰が監督をやろうともひっくり返せるものではありません。10回打席に立ってヒット1本の選手も、その1本が最初の打席に出れば「打率ナシ、打率10割、打率5割、打率3割3分3厘、打率2割5分、打率2割…」と6打席目くらいまでは甘めに見てもらえるだけで、結局最後は「打率1割」に収束するのです。「打率ナシ、打率0割、打率0割、打率0割、打率0割、打率0割、打率0割、打率0割、打率0割、打率0割、打率1割」だと終始めちゃくちゃムカつきますが、試行回数が増えればちゃんと「実力」に収束する、それが世界の理(ことわり)です。

そんな収束の予感がじょじょに見えてきたのが4日のタマブラVSキクトロ戦でのこと(※略し過ぎて耽美な同人誌みたいになりましたが埼タマ西ブラいおんずVS東キょうやクるトすわローず戦の意)。この試合、途中まではスワローズ先発の吉村貢司郎さんにライオンズ打線は抑え込まれ、あわや毎年恒例のノーヒットノーランを喰らうのではないかと期待させる展開でした。しかし、ノーノーの予感漂う7回表、ライオンズは外崎修汰さんがノーノーを両方いっぺんに消すソロホームランを放つと、さらに二死二塁からの代打策がズバリ的中し、何とこのイニング一挙大量2得点で逆転に成功したのです。

スワローズ側のSNSが「これが高津采配だ」「高津脳」「松井稼頭央を見習って休養しろ」などの罵詈雑言で荒れ狂う逆転劇。台所事情を知るライオンズ側としては「栗山敬遠すれば次は安牌だったのに」「そこも敬遠すれば次はピッチャーだったのに」「よしんば代打・中村剛也が出てきても今井さえ降板すればトータルで得だったのに」などと思ったりもしましたが、スワローズ高津監督にも何か考えがあったのでしょう。うん、そもそもそんなに警戒するほどの打線じゃないですからね。誰が出てきても全員勝負ですよね。

↓栗山巧さん、プロ野球史上15人目の通算400二塁打達成です!



この逆転の直後、ひとつ大きな分岐点がありました。栗山さんの逆転タイムリーツーベースのあと、申告敬遠を挟んで二死一・二塁となった西武は先発投手・今井達也さんの打順を迎えていました。勝ち試合の継投が確立されていれば即代打の場面ですが、残念ながらライオンズの救援陣は崩壊しています。6回1失点、球数85球のエースを降板させる判断は難しいところ。ここで渡辺監督代行GMは「続投」、そして「打て」を指示しました。

思うに、この試合の勝敗はこの時点で決まっていたのかもしれません。ここで今井さんに代打を送らないということは、この1点差で勝つという意味です。得点がまだ欲しいのなら迷わず代打を送る場面であり、「塁を埋めてくれてサンキューな」くらいに思っていないといけませんでした。打席に立つ今井さんを見て僕などは「なるほど、では今井はバット振らずor大げさな三振で引っ込むんだろうな」と思って見ておりましたところ、今井さんはカキーンとセンターまでかっ飛ばしたではありませんか。この采配には打席にいる選手が大谷翔平さんか何かとカンチガイでもしているのかと驚かされました(※プロ通算0安打の選手です)。

その後も取れるなら取りたいくらいの中途半端な色気を見せるライオンズは、8回表に先頭が安打⇒送りバントで一死二塁(※送りバントに対してSNS上に目立った采配批判ナシ)⇒センターフライで走者動けず(※落ちるのを見てからでも生還できそうな打球なのに、センターオーバーと決めつけで動いていたもので、相手の好プレー捕球により三塁にタッチアップできなかった二塁走者およびサードコーチおよび監督に対するSNS上での目立った采配批判ナシ)⇒ライト前安打を放つも走者本塁でアウト(※ライトが普通に投げたら絶対間に合わないタイミングなのに本塁に突っ込ませたサードコーチおよび監督に対するSNS上での目立った采配批判ナシ)という拙攻で無得点をキープ。「2-1で勝つ」という覚悟も決まらないまま、いたずらに攻撃時間を引き延ばしていきました。

それでも運気のいい日はあるもので、ライオンズが1点リードのまま迎えた9回表には岸潤一郎さんのソロホームランが飛び出し3-1の2点差に。この一発には「さすが松井監督が育てた岸」と僕もご満悦。多くのライオンズファンが勝ちを確信し、9回裏を迎えたのです。マウンドにはもちろん今井さん。「2-1で勝つ」采配をしていたものが運よく「3-1」になったのですから当然の続投です。この日はこのまま最後まで今井さんに託す流れであり、よしんば状態の急変などがあっても1失点までは続投という場面でしょう。もともと「2-1で勝つ」つもりだったわけですから。

ところが、今井さんが四球⇒三振⇒四球⇒三振で二死一・二塁としたところで、投手コーチと監督が慌ただしく動き出し、この状況で守護神・アブレイユさんを送り込んだのです。今井さんのこの時点での投球数は129球、9回裏を迎えた段階では109球。9回裏は少し球数がかかっていることは否めませんが、150キロ超え連発で球威にまったく衰えはなく、極端に登板過多という近況でもありません。決着まで投げさせるか、少なくとも1失点までは今井さんで行く場面だったでしょう。「2-1で勝つ」つもりの試合運びで今井さんに賭けたのですから、1失点までは許容すべき場面でした。

マウンドに上がったアブレイユさんは、走者がいる局面が苦手なのか、神宮のマウンドが合わなかったのか、「抑えは俺じゃないのかよ」とイラッときていたのか、今日は出番ナシと思って気持ちが緩んでいたのか、あるいはその全部なのか、スワローズの山田哲人さんに同点タイムリーツーベースを許します。後続は抑えたものの、今井さんの勝ちが消え、ライオンズ苦手の延長戦に突入しました。これは結果論でも何でもなく、交代するのであれば回の頭からアブレイユさんを送るべきでした。それなら「9回は守護神に託す」人事ということで納得感があります。あるいは今井さんが打たれてからであれば「打たれたんじゃしょうがない」でやはり納得感があります。続投はさせたが打たれる前に代えたというのは、いかにも中途半端。勝負よりも球数を気にするならなおのこと、すでに100球を超えていた回の頭で下げるべきでした。結局こうなるならば「7回表で代打を送って継投策」のほうが正着だったでしょう。どうやって勝つつもりだったのか、少なくとも筋道は通りますので。

↓それにしても、相手には山田哲人さんとか村上宗隆さんとかいてズルイですね!


サンタナさんかオスナさんください!

ウチも外国の選手で打線を補いたいです!


そして延長戦に突入した試合。貧打&救援弱のライオンズが1点勝負の延長戦を不得手とするのは当然のことで、10回表の攻撃も無策の三者凡退でササッと終了。10回裏には豊富な先発陣から救援にまわした松本航さんをマウンドに送ったライオンズでしたが、安打で無死一塁⇒送りバントを嫌がっての四球で無死一・二塁⇒三塁線の送りバントを投げても間に合わなそうなタイミングで拾ったうえ一塁に悪送球したら一塁守備に不慣れなファーストがポロリしてその間に二塁走者が生還、でサヨナラ負け。スワローズ側からも「高津のほうがマシだった」「大変ですねぇ…」「打たないわ守れないわ…」と同情される悪夢のような展開でライオンズは敗れました。まぁ、10回に負けるのか、11回に負けるのか、12回に負けるのかという三択で「10回負け」を引けたのは不幸中の幸いだったかもしれませんが…。

↓こうなるくらいの編成しかできない、それが「実力」です!


そして、その編成をしたのは監督代行GMです!

無限の責任がそこにはある!



とまぁ、あえて手厳しい感じの書き方になりましたが、これが「ものは言いよう」という実例です。負けた試合は結局どこかで負ける要因があるのですから、悪しざまに言おうと思えばどこどこまでも悪く言うことはできます。それとは逆に、勝った試合は何かいい場面があるのですから根拠なくポジティブにもなれるでしょう。采配などと言うのは、結果が当たれば讃えられ、結果が外れればけなされる、その程度のこと。そして、その結果はほとんどにおいて「実力」に収束するのですから、采配をあーだこーだすることには大きな意味はないのです。多少の運・不運で負けが込んだり、勝ちを拾ったりすることはあるでしょうが、それもどこかで「実力」に収束します。

ここ一週間ほど空気がよかった気がするのは、本当に采配が変わったからなのか、僕は疑問に思います。指揮官が違うのですから采配は当然変わっていますが、本当に変わったものは見る側の態度です。何をやってもけなそうとする悪しざまな人が束の間クチをつぐみ、「監督が変わったからここから勝つだろうウンウン」とニコニコしていたから空気がよかっただけ、というのが実態なのではないでしょうか。思いがけずラッキーな勝利もありましたし(※それがなければ普通に1勝2敗ペース)。きっとその手の人は、この日の悪夢のような試合でまた悪しざまに言い始めるのでしょう。そして、「俺たちを納得させるように説明しろ」などと監督コメントを要求するのでしょう。繰り返し、繰り返し。

それこそが、今本当に変えるべきことなのではないか、僕はそう思います。たとえ何があっても「負けたな〜」と思いながらニコニコしている、「お花畑」と称されるような態度こそが、真にファンに求められるべきものではないのかと。いや、お花畑こそがファンなのではないかと。「ファン」であるやなしやは、応援した年数や観戦した試合数で決まるものでもなければ、知識の量で決まるものでもありません。集めたサインの量やグッズの量、投じたお金の多寡、選手と個人的につながっているかどうかで決まるものでもありません。ファンとは「FUN」です。楽しんでいる人がFUNでありファンです。生まれて初めて見た試合でも、ものすごく楽しかったのならもうすでに「FUN」なのです。逆に、何十年見てこようが負けに怒り出す時点で、それはもう「FUN」ではないのです。

この日はこっぴどい負けとなったライオンズですが、それはそれで面白い負けを見た、という気持ちで引きつづき楽しく見守っていければと思います。ニンニク注射が切れて早くもイライラし始めている人も、球団が同じ過ちを繰り返さぬよう、今度はニコニコ見守っていただければいいなぁと思います。どの道「実力」ではそんなに勝てるはずがないのですから、せめてニコニコしていてもらわなければ、何のための松井監督休養だったのかわかりませんからね。皆の苛立ちを一身に背負って休んでくれた人のためにも、せめてニコニコして終戦を迎えましょう!

↓この先、負けるごとに「闘志がわいてきた」って言うかもしれませんが、ニコニコ見守ってください!

「闘志が無限にわいてきそう」
「無尽蔵の闘志埋蔵量」
「やる前から最大にわかしとけ」
「別にやる気ゼロでもいいから勝って…」
「必要なのは闘志じゃなく投資」

渡辺監督代行GM!同じコメント繰り返すと客がイラつくんで、毎試合変えてくださいね!

「どんだけ負けコメントのバリエーションあるんだよ」って言われるくらいに!



こっぴどい負けでしたが、切り替えてまた全員でひとつひとつやっていきましょう!