2024年07月10日08:00
それぞれの辛さも、それぞれの幸せも、唯一無二のもの!
心移ろいやすい僕らに大切なことを伝え、思い起こさせてくれる時間がやってまいりました。日本テレビ系「news every.」で不定期に放送されている、羽生結弦スペシャルメッセンジャーによる「伝えたい思い」。その最新レポートが9日に放送されたのです。今回羽生氏が向かったのは元日に起きた能登半島地震から半年が経過した石川県輪島市。すでに地元ニュースでは学校訪問の様子などが伝えられていましたが、いよいよスタジオ生出演を含めての全容を拝見できるということで、僕も襟を正して見守ります。
【#羽生結弦 あす生出演!】
— news every. (@ntvnewsevery) July 8, 2024
能登半島地震から半年#newsevery.の
スペシャル・メッセンジャー
羽生さんが
石川県輪島市で取材しました
被災した人々の今の思いを
生出演で伝えます
「羽生結弦 伝えたい思い」
あす9日(火)放送予定
※一部地域除く
放送後 #日テレNEWSNNN
公式YouTubeで配信予定 pic.twitter.com/YX7SpDQCTO
番組開始から約1時間、ここからは全国向け放送に切り替わるというタイミングで羽生氏はスタジオに現れました。隣には「news every.」のキャスターをつとめる斎藤佑樹さんが。野球にも造詣の深い羽生氏のことですから内心には「2006年の夏の甲子園で中田翔さん擁する大阪桐蔭と田中将大さん擁する駒大苫小牧を倒して深紅の大優勝旗をつかんだ斎藤佑樹さんだ…!」という思いがあったかもしれませんが(←こんな甲子園マニアおぢみたいな思考ではないかもしれないが…)、もちろん羽生氏はその辺を表に出すことはありません。「ドキドキしてます本当に」の一言にすべてを込めて、出会いのグータッチに臨みます。ここは顔見世までということで、熱中症対策には「水分と塩分が大事」という的確な回答と「伝えたい思い」の予告のみで一旦羽生氏は退場していきました。
30分ほどニュースを伝えたのちいよいよ始まった「伝えたい思い」のレポート。先月25日のものだという映像では、羽生氏は生々しい傷跡を見ながら石川県輪島市へと向かっていました。「大きな災害があって、いてもたってもいられなかったという気持ちは強くありました」とつぶやく車中。倒壊した家屋が道沿いに並ぶ様子を、羽生氏は言葉もなく見つめるばかりです。輪島市中心部では、倒壊の原因を調査するためにあえてそのまま保全されている五島屋ビルの前を歩く姿も。その後も羽生氏は市内に残る被災の様子を自らの目と心で受け止め、「そのまま傷跡が残っているんだなという感じが強い」と現地に思いを致すように巡ります。
その足で向かったのは輪島中学校。校名が剥がれ落ちたままの校門や、被害を受けた校庭などに胸を痛めつつ、生徒たちとの対面の舞台となる会場へ向かう羽生氏。サプライズでの訪問だったということで、会場の中学生たちは羽生氏の登場に目を見合わせて驚いたり、クチに手をあてて叫びをこらえたりしつつ、同時にたくさんの笑顔で迎えてくれました。喜んでもらえたこと、笑顔の時間が生まれたこと、とても嬉しくなるような場面でした。
早速の質疑応答のコーナーでは遠慮がちになる生徒たちに、羽生氏から「好きな食べ物何ですか?とかでもいいよ〜」という心を軽くする呼び掛けも。せっかくのお誘いなので「好きな食べ物は何ですか?」と生徒さんが聞いたくだりでは、僕のなかのQuizKnockが「ギョーザ!」などと早押しの態勢で動き出しますが、羽生氏は「好きな食べ物、ギョーザかな」と答えたのち「あとトンカツとか好きだよ」と付け足し情報を出してくる衝撃の展開が。まさか「好きな食べ物はギョーザですが、さてもうひとつは何でしょう?」の出題パターンんだったとは。ふぅー、コレがもしも「羽生結弦大クイズ大会ワールドツアー〜お手付きは即帰国〜」であったなら、僕も含めた多くのYuzuruKnockがフライングのギョーザ回答でお手付きとなったに違いありません。「くぅー、名古屋公演で味噌カツ食べたとかかー」「空前のトンカツブーム来たる」「明日トンカツにしよう」と我が家も大盛り上がりです。
その後もつづく質問大会。そのなかで「勝ったときってどんな気持ちですか?」という素朴な質問に対して、「めっちゃもう死ぬほど練習したな今回、って思って勝ったらめっちゃ嬉しいし、別にそんな練習しなくて勝ったら別にそんなに嬉しくないから、めっちゃ練習しよう。頑張って」という深い答えを返した羽生氏。その心境に到達するにはある程度の経験と時間が必要かもしれませんが、人生の大切なことが詰まった言葉だなと思います。中学生たちにもぜひ大事にしてもらいたいもの。
そして「29年間どういう人生でしたか?」という質問の返しの機会に、羽生氏は「思い」を語り始めます。「いいことと悪いことがいっぱいあったな、って」「つらいこといっぱいあるけど、でも実は楽しいことのほうが探そうと思えばいくらでもあるというか」「僕は何か(東日本大)震災起こったあとにすごい思ったけど、ただただご飯が食べれるだけで幸せだし、学校に来れてみんなと話せているだけで実は幸せだし」と、今もしかしたら必要かもしれない「思い」をそこに置くように語り掛けた羽生氏のぬくもり。この日の話と、その後一部の生徒さんが涙するほど感極まったハイタッチの時間が、これからの支えになればいいなと思います。「泣かんでええ」の言葉、いろんなときに思い出して頑張っていってください。
↓羽生氏の真後ろをゲットした男子!頑張りましたね!
【#羽生結弦 さんが能登へ】
— news every. (@ntvnewsevery) June 25, 2024
来月1日で能登半島地震から半年。
#newsevery.の#スペシャル・メッセンジャー
羽生結弦さんが
石川県輪島市で取材しました。
被災地で聞いた思いを
後日のevery.でお伝えします。 pic.twitter.com/FyL7geyffd
その後羽生氏は輪島朝市へ。「生活の跡がもはや見えないですよね…」と沈痛な表情を浮かべながら、羽生氏は朝市で店を出していたというご婦人たちに話をうかがいます。皆さんそれぞれに朝市という大切な場所に大きな被害を受けた人たちでありながら、「たまたま私の家は住める状態」「被害も少なかったから引け目がある」「申し訳なくなってね、物資の配給に行きにくい、行けない」といった申し訳なさが言葉になって出てくる一幕も。羽生氏もことさらに共感するようにうなずきます。
それでも4月からはクルマで仮設住宅を訪問し、週に一度の訪問朝市を再開したのだとも言います。野菜や山菜、総菜などを販売する朝市にはたくさんの笑顔があふれています。そして「今の私たちは朝市があってよかった」「今度朝市に行くときに持ってくわーと思えるのは張り合いになる」「前向きになれる」と活力をみなぎらせています。「生き甲斐ですよね」とうなずく羽生氏。そこには震災「後」の10年あまりを生き抜いてきた人の実感がこもっていました。生きるために必要なものは衣食住だけではない、僕もそんなことを思います。
だから、ご婦人方の全国の視聴者へ伝えたい思いが「きっと、きっと復活する日があると思う」「来る日を信じて頑張ります」「またぜひ朝市に来てください」「朝市を見に、ばあばの顔もまた見に来てください」というものだったことには、逆にこちらが元気をもらうような思いがしました。優しくて、たくましいばあばたちの朝市、僕も「いつか行く」リストに書き加えて、その日を楽しみにしたいと思います。朝起きられないので、寝ないで行く感じになりそうですが…!
「羽生結弦 伝えたい思い」能登半島地震から半年 輪島の“今”#羽生結弦伝えたい思いhttps://t.co/ZjOv2xozLe
— 日テレNEWS NNN (@news24ntv) July 9, 2024
その後、スタジオに戻っての振り返りで羽生氏は、「東日本大震災と通じることは?」という問いかけに対して、先ほどの朝市のご婦人が語った申し訳なさについて言及します。自分自身も東日本大震災の被災者(※自宅が全壊判定を受け避難所生活となる)でありながら、内陸部住みで津波に見舞われなかったことなどから、より深刻な被害を前に「自分は被災者とは言えない」と同じような心境だったことを振り返ります。
スケートをつづけられることへの申し訳なさもたびたび語ってきた羽生氏は、そうした心境に長く深く向き合ってきたのでしょう。そのなかで結ばれた言葉が「被害に遭われた方は皆辛いので、その辛さは比較しなくても大丈夫なのかなと僕は思っています」というものだったことには、自分の心にも日が差すような温かい気持ちになりました。我慢が、忍耐が、解きほぐされるような気持ちになりました。
辛さは比較しなくていい、誰が一番なんて比べることではない、それぞれにどうしようもない辛さがある、みんなが唯一無二の辛さを抱えている、そういうものなんだと。「震災後」をひと足先に歩んできた人が深く思い致してようやく至ったこの心境、助けになる人がきっといると思います。それぞれが抱える唯一無二の辛さが和らぎ、それぞれの唯一無二の復興が成る日が来るまで、それぞれが頑張っていけるよう祈りたいと思います。頑張ってください!
↓先に起こった出来事の経験が、未来の助けになりますように…!
さて、僕は東京住みなものでまったく気づかなかったのですが、どうやらここで番組は「壁」に突き当たったようで、以降は一部地域のみでの放送になったのだとか。壁地域住みの方の嘆きがSNSで渦巻くなかで見守る羽生氏出演のお天気コーナーの楽しさたるや(←ヤなやつ)。いやー、まったく「壁」に気づかずに恐縮ですが、都知事選の地獄絵図を乗り越えたゴッサムシティの住人には、これぐらいの得があってもいいでしょう。ありがたく「壁」の内側でお天気コーナーを拝見します。
コーナー開始前に一瞬チラリと姿が見えてしまうアクシデントも何のその、「木原さーん、そらジロー、そして羽生さーん!映っちゃった!」の呼び掛けで始まったお天気コーナー。羽生氏はそらジローとの恒例の絡みに臨みました。早速そらジローは「得意なダンスを一緒に踊りたい」と言い出し、「Choo Choo TRAIN」のイントロでやる回転ダンスを一緒にやりたいなどとのたまいます。一部の視聴者からは「やい、そらジロー!Dynamiteのハイキックに挑め」などの無茶振りも飛び出しますが、羽生氏は笑顔で回転ダンスコラボを承諾します。そして羽生氏、そらジロー、木原さんで演じられた回転ダンスは見事な出来栄え。この回転で夏の雨雲も消えてしまいそう、そんなことを思う名物コーナーでした。
↓大切な思いを伝えたい人は、何らかの出し物をやらされるシステムだぞ!(←違う)
↓番組終了後にはキャスター陣も交えてさらなるダンスに挑戦した模様!
くぅー、僕もやりたい!
羽生氏とチューチューしたい!
チューだけでもいい!
観衆と一緒に踊るタイプの演出、作りませんか!
そんなことで今回も無事に大役をつとめた羽生氏。視聴者としても楽しみながら大切なことを伝えてもらえるのはありがたい限りです。その思いを全国に伝えるためでしょうか、瞬間的な「壁」こそあったものの、上に紹介したように番組公式からすぐさま動画が配信され、どの地域の方も格差なく出演の様子を見守れたというのもとても素敵だなと思います。ほんの数年前まではこうではなかったものが、人々の行動によっていい方向に変わってきた、そうした現象のひとつだなと思います。楽しみたいという気持ち、ワクワクする気持ち、前向きな気持ちが集まれば、世のなかはちゃんと変わっていく、そんなことを思います。
人生もそういうものなのかなと思います。楽しいこと、やりたいこと、生き甲斐となっていること、そういうものに一生懸命取り組んでいくなかで人生は前進していくのかなと。10年前、20年前、振り返れば不便や不満はたくさんありました。もう一回すべてを戻そうと思わない程度にはいい世界になったんじゃないかなと思います(時を戻したい出来事もあるけれど)。「きっと、よくなっていく」そう思って日々を楽しんでいけたなら、人生も充実していくのかなと思います。そう信じて毎日を頑張っていくことが、人生を輝かせる道なのかなと思います。
明るい未来へ今日も一歩前進している。
今は辛くとも世界は変わっていく。
そんな想いを新たにする時間となりました。
なので、今日も、明日も、その先も、頑張っていきたいなと思います。
いつか唯一無二のそれぞれの幸せをつかむまで…!
↓誰もができるわけではない、思いを受け取って伝えるつとめ、これからも頑張ってください!
↓誰もができるわけではない、思いを受け取って伝えるつとめ、これからも頑張ってください!
【#羽生結弦 伝えたい思い】
— news every. (@ntvnewsevery) July 9, 2024
能登半島地震から半年#newsevery の
スペシャル・メッセンジャー
羽生さんが
石川県輪島市を訪ねました。
東日本大震災で被災した
羽生さんだからこそ、
聞くことができた
輪島の人々の思いを伝えます。
▼放送はこちらhttps://t.co/pH2FOh18V7
▼放送後のコメント pic.twitter.com/fQjwYassBr
いつか「ねぇ、チューチューしよ…?」から一緒に回転ダンスしたい!