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カテゴリ:
ウィンタースポーツ
フィギュアスケート
2024年07月19日08:00
新年あけましておめでとうございます！

一昨年からこの日が新たな正月となった7月19日。今年も晴れがましい気分のなかでこの日を迎えることができました。羽生結弦氏、プロ2周年目のお祝いの日。昨年・一昨年のことを思い返しながら、着実に前進し、劇的に進化してきた一年だったと感慨深く思います。「皆、頑張った」、心からそう思います。羽生氏を代表として、ともに創造に励んだクリエイターの皆さんも、支援してきた関係者の皆さんも、見守ってきたファン…はばかりながら僕もあなたも貴方も貴女も本当によく頑張りました。充実の一年でした。素晴らしい一年でした。互いにゆく年を労い、来る年をまた楽しみたいもの。さぁ、3年目の冒険の始まりです！

↓個人的なこの一年の思い出をまとめて年賀状みたいなものを作りました！
HanyuAnniversary



昨年の今頃は「GIFT」の余韻に浸りつつ「GucciGinzaGallery」さんを訪問してハイブランドのプレッシャーを体験したり、NHK「おげんさんのサブスク堂」ご出演のお知らせや、ANA公式TikTokに投下され大きな反響を巻き起こした羽生機長のダンス動画などに沸いていた頃。「次の活動はどうなりますかね…」というふんわりとした期待感を胸にノンビリと報せを待っていたものです。「おげんさんのサブスク堂」本放送を見ながら「へー、こんな曲があるんですね、いい曲だなー」とか「へー、こんなゲームが好きなんですね、面白いですよねー」などと完全に油断をして過ごしていました。

しかし、そうしたそよ風のような動きがすべて未来につながる突風だったとは。2023年9月1日、大号令のように届いた「RE_PRAY」ツアー開催のお知らせは、過去に据えられた伏線が一度に蠢き出すような、羽生氏が愛する「ゲーム」たちを軸とした新たなアイスストーリー爆誕の狼煙でした。少し前に聞いたゲームについてのトークは、単なる雑談ではなく未来への予兆だった。その予兆を仕込めるくらいに、すべてが静かに水面下で進行していただなんて。「GIFT」からわずか半年、一般的社会人の尺度では想像できない圧倒的スピードと熱量に、これがプロの創造者なのだと震え上がったものです。

プロ1年目と2年目とで年度としてはまたぐものの、「GIFT」と「RE_PRAY」が同じ2023年に演じられたという事実には、こうして完走した今となっても、いまだに驚きを禁じ得ません。やれば何でもイイわけではなく、これまでの偉大な業績を見てきた人たちをなお驚かせ、なお楽しませたあの2作品がゼロから生み出されて同じ年に演じられたこと、奇蹟のような一年だったと思います。2021年から2022年にかけては都合一年の間に2回オリンピックを見るという激動がありましたが、個人の活動としてそれに匹敵するような激動だったと思います。個人的に自分の人生の系譜は大体「あれはアトランタ五輪の翌年だったから…」と五輪を基準に整理されているのですが、きっとこの一年のことは「あれはRE_PRAYの年だったから…」で終生記憶することになるでしょう。忘れがたい一年となってくれて、本当に嬉しく思います。

↓あの日の衝撃を胸に、日々の歩みが未来の「3rd」につながると信じて、いろいろ備えていこうと思います！



かつて、フィギュアスケートにおける「作品」というのはプログラム単体を指すものでした。どのプログラムが好き、どのプログラムが素晴らしい、そんな話をよくしていたように思います。しかし、その概念すらも更新されたような思いで今は過ごしています。プロとして羽生氏が生み出した作品はひとつひとつのプログラムというよりは「GIFT」であり「RE_PRAY」であり、もはやそこからプログラムひとつだけを抜き出してどうこうする次元ではなくなった気がしています。

もちろん別の機会に別の形でそれぞれのプログラムが活かされることはあるのでしょうが、演出や照明や映像やナレーションや前後のつながりを含めて全部が一体となってはじめて「作品」としてお披露目される単位になるし、そこまで作り上げることができるし、そこまでやることで凄いものが生まれるんだと感覚は完全にアップデートされました。アラカルトも素敵だけれど、コース料理が織り成すめくるめく美食の宴を知ってしまったときのように、夢心地の世界を知ってしまったのです。プロの舞台は大きい、プロの作品は大きい、プロの喜びは大きい。五輪は懐かしく愛おしいけれど、この次に見たいものは「3rd」だと率直に思います。

プロという新たな地平に踏み出して以降、「アマチュアとプロの違いとは？」「競技会とプロ活動との違いとは？」といった素朴な質問がいろいろな機会に数多く問われてきました。羽生氏を追いかけながら、自分自身でもその問いへのイメージを膨らませていました。「体力・技術は変わらず高くて…演出も凄くて…」みたいなことを何となく想像していましたが、それは部分的な話でしかありませんでした。言語化するのは今も難しいのですが、そんな小さな単位の話とはまったく違う世界なんだという実感は強く沸いてきています。

たぶん「プロ」とはもっと大きな空間のようなものなのでしょう。ジャンプ、スピン、ステップといった技の単位ではなく。ショート、フリーといったプログラムの単位でもなく。誰がいる、誰が演じるといった個人の単位でもなく。試合、大会、ショーといった作品の単位ですらなく。その作品を軸に据えて、人と人とがつながり、街が活気づき、その空間ごとひとつの喜びで染め上げるようなものが「プロ」の世界観なのだろうと思います。

アメリカが夢に沸くスーパーボウルの日は、ただアメフトの試合をやって終わるわけではありません。その日を迎える喜びで人々が沸き、ひとつの街がスーパーボウルの舞台と化し、人間と経済が激しく動きながら夢の空間を作るのです。スーパースターですら、その夢を織り成す輝きのひとつとして飲み込みながら。スーパーボウルまで行かずとも、プロ野球でもボールパークなどと言って、野球以外のことも含めて楽しい一日を過ごしてもらおうとする文化がありますが、どこまで大きな空間で人々を包み込んで夢の世界に連れて行けるのか、それが「プロ」に求められることなのだろうと思います。

プロ2年目の活動を追いかけるなかで個人的にも最大の思い出となった「RE_PRAY」佐賀公演での「ほとめき」は、まさしくそんな「空間ごと」の体験でした。これまでも幾度かの遠征を重ねてきましたが、あの数日は朝から晩までが「RE_PRAY」でした。サンライズアリーナに居た時間だけでなく、食事をしているときも観光をしているときも、眠っている間まで夢を見るような体験でした。これまで自分はスタンドを彩る「素晴らしい背景」として頑張っていきたいと思ってきましたが、これからは街を彩る「素晴らしい雑踏」という意識で、もっと大きな空間で頑張っていけたらいいなとさえ思いました。それは例えば「楽しそうに生きる」とか「いいものを身につける」とか「不誠実な情報は摂取しない」とか「元気に挨拶する」とか「優しい言葉遣いをする」とか、直接フィギュアスケートやアイスショーとは関係ないことだったりするかもしれませんが、アリーナのなかだけでなく日々の暮らしが広がる空間のなかで「素晴らしい雑踏」でありつづけることが、自分の楽しみを長く強くつづかせていくための支えになるかもしれない、などと思うのです。

その空間で起きるすべてを自ら取り仕切る羽生氏にはますますの膨大な負担が掛かっているものと思います。寝たい、遊びたい、休みたい、そんな気持ちも生まれるのかもしれません。ただ、僕らが夢を見られるのは羽生氏の頑張りがあればこそです。自ら考え、自ら作り、自ら演じ、自ら交渉し、自ら確認し、自ら選択し、すべてを総指揮してくれているからこそ、羽生結弦の取り仕切る空間は濁りなく純粋で、秩序が保たれているのだと日々感じています。そんな世界だからこそ安心して、途中で目覚めることなく夢に浸れるのだと日々感じています。とても幸せなことだと思います。ありがたいことだと思います。

なので、新年早々のご挨拶としては、なかなか申し上げにくいことではありますが、ご本人には伝わらないひとり言であることを前提に、プロ3年目もますます頑張っていただきたい、そう思います。掛かっているお金と労力に見合うお返しができているのかは正直わかりませんが、たくさんの人の笑顔や歓声からしか得られない喜びの感情や人生の充実があるのであれば、今年もそれを根こそぎ持っていってもらえたらと思います。なるべくたくさんの仕掛けに気づいて、楽しんで、驚いて、「やった甲斐があったな」とニヤニヤしてもらえるように頑張ろうと思います。

昨晩は「#羽生結弦プロ2周年おめでとう」が日本のトレンド1位となっており、たくさんの人たちの新年への熱い想いとパワーを感じました（※僕はそのタグ使ってなくて、ホントすみませんなのですが…）。たくさんの人がプロ3年目を楽しみにしていることを感じました。こちらもだいぶアップデートを重ねておりますので、そうそう驚くとか呆けるとかはナイと思いますが（←また挑発的なことを…）、上がり切ったハードルをさらに超えていくご活躍を期待しております。驚きでひっくり返るような、そんな体験をお待ちしております。そうそうひっくり返りはしませんが（←強気なので2回言いました）、その自信と慢心を粉砕してひっくり返されたら、こんなに嬉しいことはありませんので！

ということで、本年もどうぞよろしくお願いいたします！



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