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2024年10月10日08:00
埼玉西武ライオンズ終戦しました!
どの球団よりも早く「今季終戦」と評されながら、実態としては一番最後の最後まで試合をやりやがり、あまりの名残惜しさからか順位にもCSにも関係のない試合を延長12回まで引き延ばした挙句、煮え切らない引き分けでようやくリアル終戦を迎え、「だったらやんなくても一緒だった」「メジャーリーグが試合打ち切ってすぐポストシーズンやるのは正しい」「大谷さんの終戦より先に終わったのは大谷情報に集中できるという意味でよかった」などと心ないSNSの野球ファンから言われまくっている埼玉西武ライオンズ界隈の皆さんこんにちは。今シーズンもお疲れ様でした。安らかにお休みください。
苦し過ぎるシーズンを乗り越え、10月9日に最終戦を終えた今、率直に言ってホッとしています。かの有名アーティスト・剛田武氏にも「ジャイアンの歌を聴いていて一番嬉しいのは終わったときだ」という声が寄せられているそうですが、まさにそんな気持ちかもしれません。これでもう荒れ狂うSNSを見ずに済むのだと思うと、やっと重圧から解放されたような気分です。来季の開幕まではもうひとつも負けることはないし、負けてファンが荒れることもないし、優勝やらCSやらを目指していっちょ前に息まいているのを「プーッ、クスクス」と笑われても「勝負はやってみないとわからない!」と胸を張って論破することができます。論破勝率100%の時間が帰ってきたのです。いっそ永久に来季が開幕しなければ無限に論破できるんですけどね!
↓ものは言いようって感じの最終戦報告で、今季の敗戦速報は打ち止めです!
[10/9 結果]L2-2E
— 埼玉西武ライオンズ (@lions_official) October 9, 2024
初回に #外崎修汰 選手の本塁打と #野村大樹 選手の適時打で2点を先取します。
先発の #隅田知一郎 投手は131球を投げ、9回2失点の力投。
延長戦突入後は中継ぎ陣が無失点でつなぎますが、勝ち越せず引き分けとなりました。#埼玉西武ライオンズ #seibulions #やる獅かない pic.twitter.com/CiDfjbit4r
×「131球を投げ、9回2失点の力投」
○「2失点しかしてないのに、ロクな援護がないものだから、2桁勝利達成のため9回131球投げるハメになった」
×「延長戦突入後は中継ぎ陣が無失点」
○「信用がないので7回に送り出せなかった中継ぎ陣が延長戦突入後はこんなときだけ無失点で相手の最終戦セレモニーを遅らせる」
仙台で迎えた楽天イーグルスとの今季最終戦。先方もどこぞのチームが八百長まがいの負け越しで3位チームを強烈に押し上げたせいでCS進出を逃すなど、若干のシンミリ感もあるのでしょうが、それでも今季は交流戦の優勝もありましたし、最後までCS進出を争ったという意味では相応に充実したシーズンだったのではないでしょうか。なかでも辰己涼介さんは最多安打のタイトル獲得に加えて、外野手シーズン392刺殺で日本記録を更新したり、かねがね問題になっている一部外野席で横行する観戦スタイルの強要問題に対して奥様が表現の自由・応援の多様性を訴える動画を発信したことで大きな話題となるなど、プレー・プレー外の両面で大きなバズを生み出しました。大変賑わいのあるシーズンでよかったのではないでしょうか。
もちろん我が埼玉西武ライオンズも負けてはおりません。今季は壊滅的に打たない打線を軸に連敗街道を爆進。「開幕からの同一カード連敗プロ野球記録:16」「開幕から14戦未勝利の11連敗:高橋光成(史上4人目)」「8連敗以上連続4ヶ月達成:パ・リーグ初(史上4球団目)」など幾多の掛け合わせ記録を達成し、インターネット上では「負の大谷翔平」などとする声もあがっていました。そして、この最終戦に向けても「史上最少の143試合で50/90(50勝以上かつ90敗以上)を達成」という記録への挑戦を持ち越していました。残り4試合の時点であと3勝が必要だったところから、2勝1敗で最終戦まで駒を進めてくるあたりは、さすがエンターテインメント集団の面目躍如といったところでしょうか。勝って50勝の大台に乗せられたら、パッと見の印象で「大谷さんがホームラン打った日と西武が勝った日とどっちが多いんだっけ?」問題もウヤムヤにできそうですよね。(※なお先に正解を発表すると、大谷さんはレギュラーシーズン50試合でホームランを打っておりますので、西武が勝った日より大谷さんホームランの日の方が多いです)
そしてもうひとつ、この日の試合には将来のメジャーリーグ行きを目指して実績を積み上げたい若き侍ジャパンの挑戦もかかっていました。ミスター無援護としておなじみの隅田知一郎さんが、キャリア初となる10勝目をかけて先発のマウンドに上がったのです。この打線、このチーム状況のなかですでに武内夏暉さん、今井達也さんと2人の10勝投手が誕生している埼玉西武ライオンズに、さらに隅田さんも加わっての「3投手10勝」ということにでもなろうものなら、もはや「投手だけ王国」と呼ぶほかないでしょう。「2点先に取られたら負ける」「1点くらいのリードでは救援が打たれて負ける」という条件下で10勝もするんですから、この3人をそのままドジャースに持っていったらメジャーでも「3人10勝」するんじゃないかと思いますよね。西武で勝つよりメジャーで勝つ方が簡単だと思いますからね!なんなら1年大谷さんを貸してくれてもいいんですよ!投手専念でやってごらんなさい!勝てないから!
↓「打たせて取る」だと守りが怪しいもんで10勝は難しいぞ!三振大事!
↓「打たせて取る」だと守りが怪しいもんで10勝は難しいぞ!三振大事!
#今井達也 投手がパーソル パ・リーグの最多三振奪取投手賞を獲得!
— 埼玉西武ライオンズ (@lions_official) October 9, 2024
自身最多となる187 奪三振を記録しました。
今井投手、おめでとうございます!#埼玉西武ライオンズ #seibulions pic.twitter.com/tJn4N20oCl
そして始まった試合。西武は初回から仕事納め打線が爆発し、外崎修汰さんのソロホームランと、安打⇒盗塁⇒安打(+1点)の猛攻で大量2点を先制します。「よし、十分援護したな」「今季もお疲れ様でした」「それではまたフェニックスリーグで」と、荷造りでも始めんばかりのやり切った感が東北の空にもあふれ出すような鮮やかな先制攻撃です。さぁ、この大量援護を受けて、先発・隅田さんも「あとは自分が抑えるだけということなんだな」と覚悟してマウンドに上がったことでしょう。要するに、もう今日は援護はないぞ、と。
強い覚悟で初の二桁勝利に挑む隅田さんの投球は熱かった。初回は先頭を安打で出すも後続をピシャリ。2回・3回・4回・5回は三者凡退でシャットアウト。6回にこの日2本目の安打を許すも、連打は許さず6回まで無失点で切り抜けます。もしこれが強い球団であれば「今季もお疲れ様でした」「あとは勝利の方程式で締めておきます」「それではまた短縮キャンプで」くらいの話で隅田さんをお役御免としたところでしょう。
しかし、ここは埼玉西武ライオンズ。我が方にはこんな重たい2点差を引き継げる中継ぎ投手などおりません。隅田さんにとって大事な試合だからこそ、隅田さんに最後まで責任を取ってほしい…そんな気持ちでベンチは続投を指示します。まさに「獅子は我が子を千尋の谷に突き落とし、上から岩を落とす」の逸話通りの育成術です。大谷さんが今のような偉大な選手になったのもエンゼルスの厳しい指導のおかげなわけですから、隅田さんもぜひこの指導に応えてもらいたいところ…だったのですが。
7回表、隅田さんは先頭をこの日初の四球で出塁させると、センター前のポテンヒット、ライト前へのクリーンヒットで無死満塁とされ、代打・鈴木大地さんのタイムリーでまず1点差に。さらに犠牲フライでもう1点を追加され、瞬く間に同点に。隅田さんが踏ん張って逆転こそ許しませんでしたが、援護はすべて吐き出しました。もうこうなればこの日の勝利はあるはずもありません。隅田さんが2点差を守って10勝目へ向かっている間は毎回出塁しては「追加点あるかも?」と気を持たせていた西武打線が、追いつかれた途端に凡打・凡打・凡打の山を築きます。隅田さんが9回131球を投げ切るまで、ひとりのランナーも出さないという徹底ぶりには、「出さないと決めたら絶対に出さない調整をするパチ屋」みたいな意志を感じました。
結局、一縷の望みをかけた10回表の攻撃でも勝ち越し点はなく、隅田さんの10勝目は来季以降にお預けとなりました。まぁお預けというよりは「奪われた」くらいの印象もなくはないですが、預けたぶんはいつかほかの球団で返してもらうといいんじゃないかなと思います。今季の投球内容であれば、西武以外ならどこの球団でも10勝できていた、そう思います。ちなみに試合は延長12回引き分けとなり、西武の「50/90」もならず、ただただ向こうの最終戦セレモニーの開始を遅らせただけという、まさに今季の西武を象徴するような最終戦となりました。レフトスタンドで掲げられた「見返せ」のメッセージ、「自分たちの試合を見返せ」という熱い激励と受け止めて来季の反撃を誓ってもらいたいものです。セレモニーのために最後まで球場に残らされてご声援をいただいた東北楽天ゴールデンイーグルスファンの皆さんも、お疲れ様でした!最後までお付き合いいただきありがとうございました!
↓「2失点は負け、1失点までなら勝つかも」というサッカーみたいな野球観が育まれる1年でした!
そして、試合後には埼玉西武の来季監督に西口文也さんが就任することが発表されてしまいました。個人的には猛反対をしていたわけですが、決まったものは致し方ありません。くれぐれもレジェンドに失礼がないように、球団には全力のバックアップに努めてもらいたいところです。「2年で3人のレジェンド監督(代行含む)をクビにした球団」が過去にあるのかないのかよくわかりませんが、さすがにそれはちょっと不名誉なので、立て直しには最低5年はかかるものという現状認識を大前提に、長期的な視野に立って球団運営に取り組んでいきましょう。いっそビッグボス就任会見にならって、先に「優勝なんか目指せません!」くらい言っちゃってもいいかもしれませんね。ドラフトと外人ガチャで駒が揃うのを待ちながら、じっくり応援していく所存です!
↓公式SNSでの質問募集に「何で引き受けちゃったんですか?」って書こうと思って、止めました!
礼儀として2029年までの5年契約を希望します!
どうせ契約があろうがなかろうが負けたら休養させるんだから、契約くらい長くてもいいでしょう!
ということで、カウントダウン、スタート!
ということで、カウントダウン、スタート!
西口さんが現役時代に積んだ不運の功徳が、還元されることに期待します!





