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2024年10月12日08:00
すべて足取りファーストでいきましょう!
先日、ありがたいビジネス訓話を聞きました。会社の上司から指導を受けたという体裁の話で、上司曰く「お前は目的と目標を取り違えている」「勇者の目的は何だ?」「大魔王を倒すことですかね」「そうじゃない、勇者の目的は大魔王を倒した先で得られる世界平和だ」「平和を成し遂げるための、具体的に達成する指標として魔王討伐があるんだ」「魔王を倒しても世界が平和じゃなかったら意味ないんだよ」と目的(最終的に達成すべきこと)と目標(短期的・具体的な指標)との違いを指導されたという話です。
しかるに我が埼玉西武ライオンズの目的とは何でしょうか。我々は常に「常勝」だの「優勝」だの「日本一」だのと言っておりますが、それは目標(指標)に過ぎません。それを成し遂げることで我々が目指す本当の「目的」とは何なのか。それを見失っているのではないか。そして、見失った結果、ただ闇雲に「優勝」だの「日本一」だのという唯一無二ではない目標に向かってしまっているのではないか。優勝することが目的となってしまって、本当に大切なものを見失っているのではないか。そう気づいたのです。
気づかせてくれたのは埼玉西武ライオンズの新監督に就任させられちゃった西口文也さんです。球団史を紐解いても指折りのレジェンドである西口さんを、球団史を紐解いても最大の暗黒期に監督として起用するという、2025年になる前から「2025年やっちまった」の気配が漂うライオンズ界隈に、西口さんは一陣の風を吹かせてくれました。就任会見での言葉は、我々が取り違えた目的と目標を整理し、心まで軽やかにしてくれるようでした。
↓ちなみに、就任の理由は「お前しかいないと言われたから」だそうです!
【西武】西武西口新監督オファー受け考えた「おれしかいないのかって」/一問一答 https://t.co/YZoM2rLGdw
— ふくださん (@fukudasun) October 11, 2024
「お前しかいない」「俺しかいないのか」
そこで「もっとちゃんと探せよ」と言わないのがレジェンドの漢気!
11日に行なわれた就任会見、西口さんは意欲にあふれていました。詳細は動画などでご覧いただければと思いますが、西口さんは来季に向けてズバズバと意気込みを表明してくれました。球団本部長が「勝てるチーム」「強いチーム」「勝ちにこだわるチーム」「(マストではないが)優勝を目指してやっていく」「新しい常勝軍団へ」などとスタートアップ企業が目論見書に書き連ねる世迷言みたいなドリームを言い放つなか、それは無視して「秋季キャンプやってもらいますよ」「少しは打てるチームにしたい」「相手よりも1点多く取る」「自分はメンタル的に強い」「数字には囚われず、選手のチカラを伸ばしていく」などとしっかり足元を見つめている様子。厳しい戦いを覚悟しつつも、粘り強く成長していこうという構えです。
すると、その会見のなかで、西口さんが選手たちのメンタルについて語るくだりがありました。2軍では自分らしいバッティングで成績を残せるのに、1軍では成績や結果を求め過ぎて打てていない、と。まさにこれは「目的と目標」の話そのものではないですか。自分の最高のバッティングを追求することが目的であるはずなのに、その達成度を測る指標に過ぎない成績に囚われてしまうことで、できることもできなくてなってしまっている、それがすなわち「メンタル=考え方」の未熟さである、そんな指摘でしょう。
それとまったく同じ指摘を西口さんからファンに向けてもいただいたような気持ちになったのが会見の締めの言葉です。今年はベルーナドームから西武球場前駅まで帰る足取りが重かっただろうと、カメラの向こうの「西武ライオンズファン」(※埼玉?知らんよ派の監督さんです)に呼び掛けながら、「来年は少しでも足取りが軽くなっていただけるように」頑張っていくと結んだのです。
僕は稲妻もしくは山川に打たれたような気持ちになりました。そうだ、そうだった。僕らは野球観戦を通じて「楽しい気持ちになる」ことが目的だったはずです。罵り合ったり、いがみ合ったり、SNSを荒らすためではなく、足取り軽く楽しい気持ちになりたくて野球を見ているはずなのです。優勝や日本一という好結果は楽しさを大いに導くものですが、それが目的ではありません。不正と疑念にまみれた優勝で世間様から非難されるロシア選手団みたいな立場になったら、優勝という目標は達成したとしても「楽しい気持ちになる」という目的は達成できないのです。
西口さんには僕らファンが本来の目的を見失い、楽しくなさそうに見えていたのでしょう。優勝だとか数値的な目標は言葉にしなかった西口さんですが、本当の目的はしっかり見据えているぞと語り掛けられたような気持ちになりました。ファンが楽しいのであれば、低迷も暗黒も関係ありません。ノーヒットノーランをあとアウトひとつで逃したときも、うなだれれば悲劇となりますが、笑い飛ばせば楽しい思い出になるのです。西口さんの監督就任以来「またレジェンドを無駄遣いか…」と沈んでいた気持ちも、ようやく晴れ間を見い出した気がしました。「ベルーナドームから西武球場前駅までの足取りを軽くする」これを2025年の埼玉西武ライオンズの目的としようではありませんか!
↓西口さんの会見で暗雲がスーッと晴れたような気持ちになりました!
↓「来年は1試合でも多く笑顔で電車に乗って帰れるように」してくれるとのことです!
目的がビシッと決まればやることも明確です。まず球場から駅までわずか1分程度の道のりが何故あんなに足取りが重いのかと言えば、球場内をアホみたいに上り下りさせられる、あの掘り下げ球場に根本的な問題があります。センターバックスクリーン裏から急勾配の外周通路をのぼって座席まで行くあの道のり、本当にグッタリと疲れますよね。しかもスタンドの高さぶん坂道をのぼらされたうえで、自分の座席に行くためにもう一回下り階段を歩かされるのです。そして買い物やトイレに行くたびに上って下りてをやらされるのです。どうりでいつも帰りはグッタリと足取りが重いと思いました。この解決のために、どうせ観客も少ないんですから外野席・内野席の中段ブロックを一部とっぱらって、グラウンドレベルに近いあたりを通行できる広い内周通路を作りましょう。そこにある程度の売店を用意しておけば、わざわざ高い前のほうの席で見ている上客衆が階段上り下りの苦行をしないで済みますからね。
↓いちいちスタンドの上り下りして、坂道の上り下りさせられては足取りが軽くなるはずがない!
1万1765人
— ふくださん (@fukudasun) July 9, 2024
【西武】ベルーナドームの観客動員数が今季ワーストを更新 試合後にはスタンドからブーイング https://t.co/LJs0Q3yvwN
そして、駅に向かうときのあのドンヨリ感。他球団で駅に向かうときにそんなに気持ちが重くならないのは、「このあと何しようかな〜?」の楽しみが残っているからです。中華街行こうかな?とか。表参道まで歩いちゃう?とか。その点我々は球場を出たら「ほぼ帰路一択」です。何にも楽しいことは残っていないし、沿線は虚無だし、ただただ帰るだけ。これでは足取りが軽くなるはずがありません。無駄にデカい西武球場前駅の駅舎をドーンと改築して「レオテラス西武球場前」的な大型ショッピングモールにしましょう。テナントには「3COINS+plus」や「ABCマート」、「クリスピー・クリーム・ドーナツ」といった最先端&高感度なショップが軒を連ね、試合が終わるのが待ち遠しいくらいの気持ちにさせるのです。「PRONTO」で大人の会食、なんてのもいいですよね。
もちろん物理も重要です。球場から駅まで足取りが軽くなったような気分にさせるために、退場ゲートをくぐったあとの地面は高反発でフカフカの素材にし、文字通りの「弾むような歩み」を実現するのです。食事や買い物で行きよりも荷物が多くなれば当然足取りは重くなりますので、フードやグッズは全体的に値上げ&品質を下げ、「まぁ…今日はいいか…」くらいのラインを狙っていきましょう。グッズは、おおむね合格点を達成していると思いますので、フードのほうを300円くらい値上げしていくといいんじゃないかなと思います。現状は「ほかに店もないし、この値段なら買おう」くらいのラインなので。「この値段なら少々美味かろうが家まで我慢する」に持っていければ、足取りはグングン軽くなるでしょう。
あとはイベント面でしょうか。たとえばナイトゲームでは勝っても負けても駅前で花火を打ち上げるとかはどうでしょうか。近隣住民の生活環境に配慮しつつ、勝ちそうなときはなるべく遅め(可能なら試合終了後から)、負けそうなときは7回終了くらいから花火を打ち上げることで「よし、花火見て帰ろう」「花火キレイだったね」「花火見られたからいいや」と足取り軽やかに帰っていただくのです。まぁちょっとこれは禁じ手かもしれませんが、8月に配ったクーポン券みたいな感じで、試合後に500円券とか配ってもいいかもしれませんよね。「おぉ…すまんな…」「気分よくなったわ…」「ほな、また…」くらいには思うかもしれないですからね。
↓「もらったけど9月は行かない」ということでメルカリで大量に転売されていたクーポンよ再び!
8月の試合で配布した飲食店・売店・立ち売りで使える¥500 OFFクーポンは
— 【公式】埼玉西武ライオンズ グッズ (@Lionsstore_web) September 12, 2024
本日9/12~最終戦までのベルーナドーム一軍公式戦開催日に使える‼️
本日発売のグッズにも使えるのでフラッグスなどでお買い物をお楽しみください🥰
※ご利用になれない店舗もございます。https://t.co/KDuKSQNFP3#seibulions pic.twitter.com/7YzX7F8fyO
どうでしょう、未来への光は見えてきましたでしょうか。勝敗や成績ではなく「足取りが軽い」を真の目的としっかり認識して、来季を戦っていこうではありませんか。理想は「試合には負けたけど足取りは軽い」です。その境地に達しているのならば、もはや勝利すら必要ではないのです。そういう意味では配布するグッズも防寒着とかグローブとかではなく、サンダルとかがいいかもしれませんね。クロックスでもくれたら、確実に足取りは軽くなりますからね。開幕シリーズはクロックスください!
駅から先、西武線での足取りも軽くしたいので池袋以外の主要駅もください!
後半ふざけたな!笑
良い!