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2024年11月01日08:00
ライト層⇒メジャーになる未来!
歴史的なシーズンは歴史的な決着となりました。世界一の野球選手を目指して世界に羽ばたいた青年は、自分の夢と目標と計画を着実に前進させつづけ、ついに世界の頂点に立ちました。大谷翔平さん、日本が生んだ最高の野球選手。勝つために選んだドジャースというチームで、見事なワールドシリーズ制覇。シーズンMVPという勲章とともに、漫画を超えた物語の結末はこれ以上ないハッピーエンドとなりました。本当におめでとうございます、そしてありがとうございます!
↓ジャッジさん目覚めの一発などヤンキースに傾いた流れを大逆転で勝ち切ったドジャース!
↓この偉大な選手たちのドセンターに日本の大谷翔平さんがいる!
YOUR 2024 #WORLDSERIES CHAMPIONS: THE LOS ANGELES @DODGERS! #CHAMPS pic.twitter.com/vM0EmzOfR4
— MLB (@MLB) October 31, 2024
もはや試合の成り行きやシーズンの成り行きはあえて振り返ることもないでしょう。スポーツニュースもこの話題一色ですし、これから年末年始までかけて、2024年の特級重大ニュースの第一の項目として、シーズンの頭から何度も何度も振り返られることでしょうから。そして、こんなインターネットの片隅で振り返ろうとするにはあまりにも出来事は多く、あまりにもドラマティックだったのですから。
もはや遠い過去のようでもありますが、断片的なフレーズだけでも「一平」「結婚」「自宅購入」「自宅漏洩」「フジ・日テレ出入り禁止」「オールスター初本塁打」「本塁打王」「打点王」「あわや三冠王」「あわや盗塁王」「30-30」「40-40」「50-50」「MVP」「VSジャッジ戦」「左肩亜脱臼」「ワールドシリーズ制覇」…どのひとつをとっても年末の10大ニュースに入りそうな出来事がすべてたった1年で起きたことだとは。巨額の詐欺被害と転居を余儀なくされる報道被害に遭いながら、家族を守り、チームを助け、自分の夢を叶えたこのストーリー、重厚過ぎます。
よくネットの決まり文句で「映画化決定」という軽口がありますが、本当に映画化してほしいくらいです。このメインストーリーと背後にある知られざる秘話を映画にしたら、幾多の野球映画をも超える名作が生まれるのではなかろうか。いや、むしろこの現実の膨大な素材を編集してありのまま映画にしてほしい。「もう1回一年分見るのは一年かかってしんどいが」「この一年を振り返りたい」そう思います。大晦日特番の企画を吹き飛ばして、「年末大型野球劇:大谷翔平」を8時間くらいやったら、紅白以外とはいい勝負になるんじゃないでしょうか。
↓夜やってる日本シリーズよりも朝やってるワールドシリーズのほうが注目される2024年!
フジ「ワールドシーリズ」緊急生中継 第2戦視聴率は13・9% 第1戦も12・7%と好数字マーク https://t.co/CrAC9OdrDO
— スポーツ報知 (@SportsHochi) October 28, 2024
これはひとつの時代の変わり目なのかなと思います。「実際に戦うならば…」という話であれば日本野球はアメリカだろうがメジャーだろうが負ける気など毛頭ありませんが、「エンターテインメントとして見るならば…」という話であればやはりアメリカのほうが上だなと率直に思います。球場・環境の美しさと豪華さ、選手たちの大きさ・たくましさ・技量の圧倒的なこと、そして観衆やメディアの楽しもうとする姿勢。日本人が日本贔屓の目で見ているはずなのに、アメリカのほうがすごくて華やかで楽しそうに見える…その素直な実感はもはや否定できないなと思います。
かつては日本の野球が巨人を中心に日本の観衆に怒涛の情報を届け、強制野球漬けにしてきたことによる「親しみ」という部分で、日本の野球がイコール自分たちの野球でした。しかし、今や日本のプロ野球は「わざわざ映る場所を探して見るコンテンツ」です。近所にプロチームと野球場と野球放送局があるような恵まれた一部の環境(大阪神国とかカープ民国とか)を除いては、「日本最高の選手が世界で活躍するメジャーリーグ」のほうが自然に目に入る場所でやっていますし、薄い関心の人であるほどそちらのほうが魅力的な内容となります。
だって、日本で一番の選手はメジャーにいるのですから。
日本で一番になったら卒業してメジャーに行くのですから。
ならば逆に言えば、メジャーに行ってから見ればいい。
メジャーに行って成功したと聞いてから見ればいい。
そういった感覚は静かに確実に広がってきているだろうと思うのです。
エンタメとコンテンツにあふれた現代社会において、世界の何者であるかもわからないものを一日3時間×年間143試合も追いかけるヒマなど基本的にないのです。よほど好きな人であればそうするでしょうが、それはライト層ではなくマニア層です。たとえば自分がさほど熱心でないエンタメのことを思い浮かべてください。「映画を年間に何本見ますか?」と。「ライブに行ったり配信を見たりするアーティストは何人いて何回見ますか?」と。「芝居や演劇、お笑いなどのステージを何回見ますか?」と。年間に1回とか2回がいいところではないでしょうか。現代はそうした「ネンイチ」くらいの楽しみを、それぞれが何十種類もこなすような環境なのかなと感じるのです。自分が夢中である最推しのコンテンツ以外は、一番いいところだけをかいつまんでいくような。
そういう意味で、今年はもう本当に「大谷翔平」だけで野球摂取は十二分でした。「大満足」を超越するくらいに摂取しました。大谷ハラスメントなんて言葉もありましたが、それは皆がお腹いっぱい以上に満足し切ったということです。僕は日本の野球に魂を囚われた古き野球民ですので、週末も日本シリーズなど見ているだろうとは思いますが、ごく一般の、野球というエンタメがあることは知っていてネンイチくらいで摂取するライトな人たちは、ドジャース優勝の素晴らしい読後感を抱いて「今年はコレで野球終わり」と思っていることでしょう。まだ日本シリーズあると言われても「ドジャースが最高に気持ちよかったんで余韻を大事にしたい」「むしろここで終わりたい」という気分になっているはず。野球はもうごちそうさまでした、と。
あと数年はこういうシーズンがつづき、やがてそういうシーズンが当たり前になっていくのだろうと思います。大谷翔平さんと、山本由伸さんなどそのあとにつづく選手と、佐々木麟太郎さんなど日本のプロを経由せずに直接メジャーを目指す期待の新星たちとが「本当に見るべきものはメジャーにある」ということをより鮮明にし、かつそれを楽しむことで十二分に必要な野球を摂取できるような状況が当たり前になっていくのだろうと。今までももしかしたらそうだったのかもしれませんが、日本卒の選手たちが十分に成功を得られなかったり十分に勝利を得られなかったりしたことでそこまで夢中にはならなかったものが、成功も勝利も同時に手にした姿を見せつけられてしまった。そのとき、これほどまでに華やかな夢が描かれるのかと気づいてしまった。日本の野球がマニア向けのコンテンツになっていくぶん、よりライトな人たちの関心はメジャーと国際試合に移っていくのだろうと思います。ちょうどサッカーがそういう世界観であるように。
↓ワールドシリーズ中継を裏被りさせて日本シリーズの取材パスを没収されたフジテレビは、むしろ先見の明があるのかもしれない!
NPB、フジの日本シリーズ取材パス没収 大リーグWSの放送原因かhttps://t.co/xqW62KZ67P…
— 毎日新聞 (@mainichi) October 29, 2024
「プレミアリーグを映すならJリーグの取材パスはやらんぞ!」って言われたら「はい、まぁ、別に、どうぞ…」って感じしますよね!
フジテレビはいち早くそういう心境に至ったのだと思います!
「何なら日本シリーズも中継したくない」「持ち回りだからやるけど、正直長いんだよね」「21時で打ち切っちゃダメですか?」と思ってるんじゃないですかね!
そういった「ライト層⇒メジャー」の流れをもし押しとどめられるとすれば、幸いにしてドジャースより後出しジャンケンができることが決まった日本シリーズで、あの読後感を超えるものを日本のプロたちが見せるしかないだろうと思います。ドジャースを見た直後の目にも、この舞台はすごいな、この選手たちはすごいな、このドラマは熱いな、と思わせるものを見せられたら、時計の針を少し遅らせることができるのかなと思います。
「日本で一番の選手が抜けた同士でどっちかが必ず勝つ戦い」をやっているのではなく、メジャーではなくあえてこの環境を選び、自分の愛着あるチームを勝たせるために戦っている選手たちの「ドジャースは知らんが、今回のヤンキースになら勝ったかもしれんね」という戦いをぜひ見せてもらいたいもの。今のところ「エラーVS舌禍」みたいな印象もありますが、残る第6戦・第7戦では互いに限界を超えるチカラを発揮して、熱いドラマを見られることを楽しみにしています。ソフバンが勝てば「やはりソフバンに負けるのは致し方ない…うんうん…」と自分の傷を舐めて癒し、ソフバンが負けたら「Hooooooooo!」と横浜下克上に沸こうと思います。
まぁ、僕は日本の野球に心を囚われてしまっているもので、どっちが勝っても最終的には「我が西武は」と思って傷つくことは不可避なのですが、なるべくそこに考えが向かわないよう、そんなことを忘れるくらいの試合だといいなと思います。ホント、ドジャースとかヤンキースだとどっちが勝っても「このヤンキースに42ゲームも離されたのかよ」とか思わなくてすみますし、「あー、羨ましいな…レジェンド監督がいて、メジャー帰りの大砲がいて、やる気のある親会社がいて…」とかグッタリしなくて済みますからいいですよね。ライトに見るならむしろメジャー、2024年の大きな気づきでした!
↓レジェンド監督とともに日本一になる夢まであと1勝、羨ましい限りです!
DeNA 牧秀悟!3ランホームラン!!
— テレビ朝日野球《公式》 (@tvasahibaseball) October 31, 2024
デスターシャ!!
ソフトバンクを突き放す!!
日本シリーズ第5戦はテレビ朝日系列で生放送中!! pic.twitter.com/JMRItFd1LR
最後の関門、「有原モイネロ」を突破できるか!
できれば日曜日までもつれてから勝ってください!
どっちが勝っても何かが傷つく気がするという、野球に魂を囚われた者の業!