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まだ僕らの知らない「羽生結弦」がいる!

写す者と写される者とのコラボレーション…まさに共同作業とでも言うような2冊を堪能させていただきました。「もっとも多くの写真集を刊行したアスリート」のギネス記録でもあれば、その系譜に名を連ねるのではないかと目される羽生結弦氏の新たな写真集「Shin」と「Gi」を入手したのです。

こちらはAERAさん表紙コラボでもおなじみの写真家・蜷川実花さんとのコラボレーションによるもの。蜷川実花ワールドとでも言うべき極彩色の艶やかな世界に迷い込んだ蝶のように、華麗にカメラの前で舞い踊る羽生氏の姿はほかでは見ることができないものばかりでした。写真集なので実際に見ていただかないと「これは見たことがない…」という感覚が伝わらないのがもどかしいところですが、ご興味ある方はぜひお求めいただけるとよいと思います。

これまで幾多の羽生氏写真集を手にしてきましたが、やはりフォトグラファーの皆さんにはそれぞれのアートがあり、同じ被写体であってもまったく異なる趣の作品となっておりますので、その振れ幅や新たな発見が楽しめるのはいいものだなと思います。スポーツフォトグラファーが撮る羽生氏は写実的であったり、まだ少年の頃から羽生氏を追いかける馴染みのフォトグラファーが写す羽生氏は家族のポートレートのようであったりするように、蜷川実花さんが撮る羽生氏はどこか人ならざる者のような幻想的なものとなります。天使あるいは神、あるいは王かもしれない。

この世界観に飲まれたら僕などは連れてきたネコのようになってしまうところですが、相手の世界観を受け止めて、さらに自分の個性を乗せて反射して見せる羽生氏はさすがだなと思います。表現者だなと感嘆します。「ありのままの自分」の対極にある概念というか、一種の転生ものを見るような気持ちでさまざまな世界の「羽生結弦」をじっくり味わっていければいいなと思います。

↓今回は珍しく通販ではなく書店で購入!店舗特典もいただきました!
さて、順番が前後しますが、本日は「買ったよ!」の前段階である「買いに行ったよ!」の話です。僕は普段は通販の利用が多く、写真集なども楽天ブックスさんやらアマゾンさんやらで買い求めることがほとんどです。発売日に家まで届きますし、クーポンやらポイントやらもあって大変お得で結構なのですが、ひとつ十二分ではないなと思っていることがありました。

新刊が出れば各書店さんが奮って販促を行ない、趣向を凝らした展示などをしてくれているのに、いつも大体「見るだけの客」になっていたのです。だって家に届いてますから。2冊買ったらダメという話はないのでしょうが、限りある予算は上手にやりくりしたいものですから、お店で展示を見て家で荷物を開ける、みたいな展開になりがちでした。いつもそれでは書店さんにも申し訳ないというもの。すごい熱心に展示見てるわけですから、たまにはお店で買いなさいと。

すると今回は、僕がまだ購入ボタンを押す前に全国各地+台湾の書店さんでの展示会の開催情報が届いたではありませんか。東京では羽生氏関連の聖地・有隣堂アトレ恵比寿店さんのほか、僕の庭である新宿は紀伊国屋書店さんでも開催されるということで、これは行って買うしかないと思い立ち、早速ですが縁起のいい「1並び」の発売日に書店さんに行ってまいりました。

↓慌てていたのでいきなり会場の絵からですが、思ったより大型の写真展でした!
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人の行き来も多く一種のアーケード街のようになった新宿紀伊国屋書店さんのエントランススペースに展開された大型の展示。入場口付近では写真集で「Lightning」と題されたシリーズのカットが、道行く人に微笑みかけるように展示されています。「これは誘われてしまうな…」と僕もふらふら〜っと会場へ。もちろん事前に入場券を予約していますのでフラッと来たわけではないのですが、ふらふら〜っと入ってしまうチカラがあるカットでした。ローレライの人魚伝説とかもこんな感じなのかもしれませんね。

入口付近は写真集「Gi」のカットを集め、表紙写真の大型ターポリンなども展示されています。ひときわ僕の目を引いたカットは、写真集で「Ore」(※鉱石)と題されたシリーズからのもの。写真集の解説によれば「もし羽生氏がシェイクスピアの戯曲の登場人物だったら」という仮想設定での撮影だったとのことで、ロミオのようなハムレットのような、あるいは若きリア王のような、「王」としか言えない堂々たるカットが展示されていました。公開中のメイキング映像にもチラッと映っておりましたが、改めて写真作品として拝見すると、圧倒的な王感です(※王冠かぶってるだけに)。「王様!」と呼び掛ければ「いやいや僕はまだまだ…」と遠慮がちになりそうな羽生氏から引き出された圧倒的な「王」。これでこそ蜷川実花ワールドと触れ合う意義もあるというものです。

↓道行く人々を写真展会場に誘う微笑みの招き王子様!
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↓入場した人を鋭く見つめる王様!
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↓写真集「Gi」の表紙写真も大型ターポリンで展示!
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会場奥は一転してモノトーンとなり、こちらは写真集「Shin」のカットを集めている模様。やはり表紙写真の大型ターポリンでの展示があったり、いくつかのカットの展示があったりします。さらにこちらのエリアでは「お楽しみ」も。先ほどの微笑みの招き王子様の背景である、桜と雷(をイメージした照明)で構成された「Lightning」の背景が設置されており、そこでどうぞ記念写真をお撮りくださいと言うのです。

写真集においては、「春よ、来い」の春ちゃんとはまた違う、春雷の激しさもたたえた表情の羽生氏が桜の小枝など持って写っているわけですが、お客としては写真集を持って写るのがよいでしょうか。写真集を買う前に自由なポートレートを1枚、写真集を買ってから「買いました」の記念写真を1枚、そんな感じで楽しむとよさそうです。なお、フォトスポットでは撮影位置を足元に表示してくれているのですが、足のマークの通りに立ったら正面に「Shin」の大型ターポリンが見えたもので「離れて撮れってことかな…?」としばしカンチガイしていたのは内緒です。

↓フォトスポットで記念写真を撮ろう!
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↓足元には記念撮影用の撮影位置の表示が!
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↓マークの位置に立つと表紙写真もいい感じで全体が撮れます!

さらに会場最奥部ではメイキング映像の放映がされており、ミニシアターのようにお仲間が集っていました。ショーケースには羽生氏直筆であろうと思しきサイン、サイン入りチェキ、「心」「技」「体」のパネルのほか、写真集の表紙・奥付の色校正も展示されています。買う前に展示会に来ているのでこの色校正で気づいたわけですが、どうもカバーではフォントで入っている書名が表紙では手書き文字になっている模様。「朝日新聞出版の担当の者ですが、せっかくなので私が書きました」なんて話があるはずありませんので、これは羽生氏の手書きなのでしょう。カバーの下にもお楽しみを用意しようとする心意気、嬉しいじゃありませんか。皆さまもぜひ、カバーを脱がせて、ヌードになった写真集を見ていただければと思います。被写体を脱がすのではなく写真集を脱がす、これが令和のスタイルなのです!(←違う)

↓メイキング映像を拝見しました!
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↓このチェキと使用済み筆ペンも売っていただけるというのはどうですかね!
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↓羽生氏が心技体と書いたら、武道館とか国技館とかにありそうな展示物になりました!
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展示を堪能することで買い物気分もグンと高まり、厳選写真集2冊を携えてレジへ。商品の横には2025年3月に完全予約制で販売されるというスペシャルBOX「Tai」の告知リーフレットがあったのでそちらもゲット。これまでに羽生氏×蜷川実花さんによって刊行された4冊の写真集からの厳選カット&未公開カットで構成した大型写真集に加え、メイキング映像のDVDや「カレンダーの数字は羽生さんの手書き文字です」という触れ込みの特製カレンダーなどがセットになっているとのことです。なるほど、Shin・Gi・Taiが揃って完成とはなかなかやりますね。これはぜひ手書きカレンダーも拝見したいところです。

「0から9までの10文字を書いたってことだよね?」
「それを並べて構成してるんだよね?」
「日月火水木金土くらいは書くのかな?」
「でも羽生氏だと逆パターンがあるのか?」
(※以下、逆パターンの妄想)
「1月には1月の思いがあり」
「2月には2月の思いがあり」
「どの日にも違う毎日がやって来る」
「例えば12月7日生まれの人の場合」
「12月7日には特別な想い入れがあるはず」
「自分の誕生日をカレンダーで見たとき」
「あれ?11月と文字同じだな?って思ったら」
「なるほどねーと思うかもしれない」
「フォントでやれば全部同じなので」
「通常そんなことは思わないだろうが」
「手書きだとさらなる夢が広がるはず」
「すべての人に想いを込めたとして…」
「言うてもうるう年込みで366日か」
「366日か…」
「円周率手書きしろと言われたらやらないが」
「言うても366日か…」
「まぁやれないことはないが…」
「せっかくなら月火水木金土日とか…」
「まぁ1月、2月、3月くらいなら…」
「ん?休日の名前は入っていてほしい、です?」
「英語表記もあると使いやすい、ですと?」
「旧暦の和名もあると雰囲気が出る、の?」
「赤口とか友引とかもできれば、ですか?」
「四緑とか二黒とかも見てる、の?」
「見てるんだ…」
「ホントに?」
「ちなみに2024年の12月7日は…」
「一白大安なんですね…」
「そう…見てるんですね…」
「え?一粒万倍日とかもあったら見るタイプ?」
「え?何?新月とか満月とか月齢も見てる?」
「ん?家では主に日めくりを使ってる?」
「ありがたい言葉とかもあると嬉しい、と?」
「今、日めくりを手書きでって言ったの誰!?」
「手書きの日めくりってあるの!?」
「それは日付だけ入れた日記なのでは!?」
「やってやれないことはないけれども!」
「それはもう活版印刷以前の世界ですね!」
「歴史を竹とか石に刻み付けたり!」
「無人島に遭難した人が記録つけてる感じの!」

↓妄想の結果、0〜9の数字だけで十二分だと思いました!

カレンダーって意外に書くこと多いですからね!

数字だけお願いします!



購入後はレジで特典のポストカードなどもいただき、「書店さんでイベントを楽しみ、気持ちのいいお買い物」といういい感じの体験ができました。イベントで昂った気持ちを胸に見る写真集は、通販で届いたものを開けるよりも興奮もひとしお。「同じ作品でも映画館で見たほうが気分が出る」のと近しい体験をした気分になりました。買うと決めたらすぐ買うタイプなので、通販の利用機会は今後も多いのかなとは思いつつ、なるべく店舗での買い物もするように心がけたいなと思いましたよね。書店さんを支えるとかそんなことではありませんが、買い物も含めて楽しい体験だなと改めて思いましたので。3連休はメンシプらじおの再放送でも聴きながら(※自分でYouTubeで聴くの意)、じっくりShin・Giを愛でて過ごしたいと思います!

↓新宿紀伊国屋書店の展示会の模様は動画でまとめておきました!


行った気分になってご覧ください!

その気分を抱いて写真集見るのもいいかもですね!


写真集収録のロングインタビューなどもじっくり読み返そうと思います!