2024年11月16日08:00
もしかして、日々、救われていた…?
じょじょに開幕の日が近づいてきた羽生結弦氏の新アイスストーリー「Echoes of Life」。12月7日、さいたまスーパーアリーナでの初演&大誕生祭という、暦で言えば天赦日&一粒万倍日みたいなダブル祝祭を見据えて、僕も日々体調と時間と金銭の調整に努めているところ。押し寄せる激流のような業務を何とかやり過ごして、その日をできるだけ身軽に迎えたいと思います。
そんななか15日には運営サイドから大きな発表がなされました。さいたまスーパーアリーナ公演のアリーナ席(およびそれ以外の席種についてもチケット不備等が発覚した場合)を対象に、本人確認を実施すると発表されたのです。そして、本人確認を終えると該当のお客様である証明としてリストバンドの配布を実施するのであると。
「本人が確実に認識されちゃう💗」
「固くリストバンド結ばれちゃう💍」
「不束者ですがこういう者です(戸籍)💒」
「パスポートもあります!🛫」
「リストバンドとハズバンドって似てるね…👨」
……はっ!ちょっと別方向で妄想が広がってしまいましたが、本当に心から素直な反射でよぎったのは「リストバンド配布いいですねぇ」という記念品ゲッターとしての羨まマインドでした。しかし、気を取り直して考えますと、これは横行する不正転売チケットへの本気の対策であると武者震いするような気持ちになりました。
過去いくつかのライブイベントでガチめの本人確認を体験したことはありますが、多くのイベントにおいては「やるやる」という話だけで実際には素通しであるのが実情です。たまに発覚する転売チケットニュースも、抜き打ちランダムチェックやあらかじめ転売されていることをキャッチした座席で網を張ってのものでしょう。来場者を本気でチェックするのは言うほど簡単なことではありません。
しかし、今回のEchoes運営サイドの言いぶりは「ガチのヤツだぞ」という気配が満ち満ちています。開場2時間前、つまり開演の3時間半前から本人確認を始めるぞという強い意志と姿勢。僕はいつも本人様でやっておりますので何ら怯えるところはありませんが、今頃別の意味で震えている人もいることでしょう。「震えて眠れ」の心境、リアルに人生で体験する機会があるとは思いませんでしたが、何か俄然元気が湧いてきましたよね!
↓リストバンドがない場合はアリーナ席への入場不可!本人確認書類は必ずご持参ください!
📢【埼玉公演】アリーナ席のお客様へ大切なお知らせ
— Yuzuru Hanyu ICE STORY 3rd “Echoes of Life” TOUR (@echoesoflife_jp) November 15, 2024
運営上の都合によりアリーナ席のお客様には本人確認の上、リストバンドをご着用いただくこととなりました。
詳細はこちらからhttps://t.co/aO9ppobg2m#Echoes #羽生結弦
「すべてのお名前が一致」「コピー不可・原本のみ」「顔が明らかに違う場合は入場お断り」など厳格さを滲ませるメッセージと、一方で「写真付きの学生証であれば今回は1点で入場可能とさせていただく」など大多数が善良な来場者であることを念頭に置いた緊急対応としての現実的なバランス。発売当初よりも厳格な方向にシフトするにあたって、身分証がない(そんなはずはないが)という個々の事情にも心を配り、正しく入場ができるように手を尽くしていこうとする運営姿勢は大変好感の持てるものです。
まぁこれまでも本人確認をするかもという機会はいくらもあったのですから、学生の皆さんなども、無料で取得できて何でも証明してくれるマイナンバーカードをお持ちになるのがよいだろうと思います。運転免許を持っていない(興味がない)ことからレンタルビデオを借りるときにもパスポートを使うという旅人みたいな生き様をしていた僕も、マイナンバーカードができて本当にラクになりました。ぜひねズバッと確認していただければと思います。
ちなみに、転売事情についてあまり詳しくないのですが、途中からこういうガチめの本人確認が実施されると判明した場合、転売界隈ではどのようにもがくものなのでしょうか(ワクワク)。すでにやり取りが終わったスレッドで「すみません保険証と住民票を追加で送ってもらえますか?」とか交渉が始まるのでしょうか。運営サイドの対応のまずさで炎上が起きることも含めて、「すべて滅びよ…」と思いながら戦いの行く末を見守りたいと思います(ドキドキ)。
そもそも、厳格な本人確認を実施している公演でも不正転売チケットは存在しているのでしょうか。ちょっと聞きかじったところでは「ワンチャン本人確認やらない可能性」に賭けて「本人確認で入場できない場合は返金不可」など売ったモン勝ちの条件で転売するケースもするようですが、「ここは厳格」と評判のアーティストの転売チケットなどを見ると、なるほど出品されているのは本人公演ではないフェスやゲスト出演のものばかりで、ツアー開催中なのにツアーのチケットは1枚も見当たらないなど清浄な空気を感じることができました。
そもそも、厳格な本人確認を実施している公演でも不正転売チケットは存在しているのでしょうか。ちょっと聞きかじったところでは「ワンチャン本人確認やらない可能性」に賭けて「本人確認で入場できない場合は返金不可」など売ったモン勝ちの条件で転売するケースもするようですが、「ここは厳格」と評判のアーティストの転売チケットなどを見ると、なるほど出品されているのは本人公演ではないフェスやゲスト出演のものばかりで、ツアー開催中なのにツアーのチケットは1枚も見当たらないなど清浄な空気を感じることができました。
厳格に本人確認をし、不正には厳格に対処し、そのためにあらかじめ販売時から厳格な購入者・同行者情報の登録を求め、2枚連番で買ったけど同行者が来れないので1枚だけリセールしたいといった複雑な事情にも対応する公式リセールの仕組みを構築していけば、今のように当選当日から定価の何倍もの値段でチケットが転売されるような事態は減らせるのだろうと思います。まずは一部座席での厳格な本人確認から、という第一歩と認識して、明るい未来に向かっていけるといいなと思いました。
そのための運営サイドの手間や労力は大変なものだとは思いますが、皆の平和と納得を守るためには致し方ないコストでもあります。「ドアに鍵つけなきゃもっとドア安くて済むのにな…」とか「監視カメラって結構高いからなくてもいいかな…」などと平和に関するコストをケチるわけにもいきません。あらかじめチケット代にコストを算入することもできないなかで、それでも「やる」と英断した運営サイドに敬意を表し、「なるべく早く行く」を心掛けたいものだなと思います。皆の平和と納得を守るための本人確認が、万一時間ギリギリになって入れるかどうかの焦りを生むことになったら全員のためになりません。「やむを得ずギリギリになる人がいるかも」と思って、行ける人は早めに行ってサクッと済ませてしまえるといいなと思いました。早く行くほうが長く一日を楽しめていいですしね!
↓メインビジュアルも「本人確認を終えてリストバンドをつけてもらった人」みたいに見えてきました!
「Yuzuru Hanyu ICE STORY 3rd -Echoes of Life- TOUR」メインビジュアルを発表!
— Yuzuru Hanyu ICE STORY 3rd “Echoes of Life” TOUR (@echoesoflife_jp) November 1, 2024
そして、広島公演の詳細・チケット情報を発表、公式HP先行(抽選)について発表しました!https://t.co/4RHZPC0SeA#Echoes #羽生結弦 pic.twitter.com/WyUKij3ckm
ときどき、何故ここまでやってくれるのかと不思議になることがあります。今回はもう売ってしまったチケットなわけで、「まぁ次回から」「次は本人確認のスタッフの人件費も組み込むことにして」「どのサイトで売るのが仕組みとしてラクなのかから考え直そう」となるのがビジネス的な判断だろうと思います。度外視してほしくはないのですが、ときどき「採算度外視」という言葉が浮かぶ羽生氏界隈です。
ふと思ったのですが、もしかしてこれは人助けというか救いというか社会貢献というか、何か寄付みたいな活動だったりする部分があるのでしょうか。数々のチャリティー公演実施であったり、さまざまな天災への寄付行為であったり、自身も練習拠点として大事にしているアイスリンク仙台さんに対しては若き有望選手でしかなかった頃から通算して1億円を超える寄付を行なっているなど、羽生氏が社会への貢献・還元を強く意識していることは常々感じてはいましたが、あるいはその意識は直接の寄付行為以外の活動にも貫かれていたりするのかなと思ったりしました。
アイスショーは仕事でありビジネスであり営利活動であるという一般的な理解がそもそも少しズレていて、一番上にあるのは世のなかに何かよいものをもたらしたい、という貢献・還元の意識だったりするのかなと。世界に羽生氏の演技を待つ人がたくさんいて、自分が演技をすることがその人たちの幸せにつながっていくのであればぜひやろう、そんな気持ちがスタート地点にあったりするのかなと。儲けたいとか自分が幸せになりたいとかではなく、誰かに幸せを届けたいが発端ですべてだったりするのかなと。それであればこれまで幾度も見てきた手間と労力を惜しまない改善や前進、今回のような採算度外視の取り組みも生まれるのかもしれないなと思いました。
誰かの幸せのために、お金が必要なところには寄付をするし、元気や勇気が必要なところにはチャリティー公演などを通じてそれを届けるし、楽しみが必要なところにはアイスストーリーなどを通じてそれを届けに行く、そういった貢献・還元を「届けたい」こそが本質であって、お金の計算は利益の最大化というよりは主に「持続性」を考えていたりするのであれば、日々僕らが感じる「内容に対して妙にチケットが安い」とか「グッズの質が良過ぎる」とか「手間と労力を惜しまない採算度外視にも見える運営」といった感覚とも合致するのかなと今さらながらに思いました。
下世話な心根の者からすると「公演後は収益をバスタブに入れて札束のプールで泳いでもええんやで」くらい思ったりするのですが、みんなが喜んでくれてよかったという満足を最大の報酬としながら、「次の公演でもちゃんと氷が張れるね、よかった」と持続性の勘定をしている光景が浮かんできて、何だかとても尊くありがたい気持ちになりました。そうか、いつも救われていたのか、と。「必要経費を支払うと第三者に幸せが届く」タイプのチャリティーではなく「必要経費を支払うと払った人に幸せがその場で還ってくる」タイプの何かに僕は参加してきたのだなと、そんな気持ちになりました。
本人確認くらいで大袈裟な話をとは我ながら思いつつ、大きな気づきを得るきっかけとなったような気がします。「幸せを届ける」ことが目的な人をビジネスの視点で見たら、それは少しズレた感覚になってしまうよねとストンと理解が深まりました。なるほどこのチケットは、お金にモノを言わせて得ていいものではなく、正しい道のりで受け取るべきものなのだと、一層思いを強くしました。20万円とか30万円とか高額で転売チケットを買ったとしても、受け取れないもの、受け取ってはいけないものがあるのだと、清々しく「震えて眠れ」と思う夜なのでした。転売するつもりで買っている邪な人も、自分で観たほうが幸せになれると思いますよ!
↓「届けたい」という想いが、貫かれているんだと改めて思いました!
今苦しんでいる人にはもちろん、今元気な人にも何かを届けてくれる!
そんな日々が末永く持続されるように、しっかり値付けをお願いします!
20万円とかで買ってしまった人は…学びを得られたらいいなと思います!
ありがとうございます!