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2024年11月19日08:00
西武は自給自足を楽しむコンテンツです!
最近、我が埼玉西武ライオンズ界隈は柄にもなく調子に乗っておりました。喉元過ぎれば何とやらで、仄暗い水の底みたいだったシーズンのことを忘れ、「侍ジャパン最強!」「埼玉西武ライオンズ選手が大活躍!」「(西武所属選手的には)今季初の5連勝!」などと盛り上がっておりました。そして、明るい未来が勝手にやって来るかのような気分でいました。
もちろん我々にもそうなってしまうだけの素地はありました。情状酌量の余地と言いますか、西口新監督就任とともに刷新されたコーチ人事には、いわゆる「やる気」が感じられたのです。ヘッドコーチには縁もゆかりもないけれど有能だと評判の鳥越裕介さんが就任し、野手チーフ兼打撃コーチには縁もゆかりもないけれど有能だと評判の仁志敏久さんが就任ということで、ライオンズプライド(そんなものがあるのかどうかはさておき)をかなぐり捨てても勝つのであるという姿勢が感じられたのです。
これには埼玉西武ライオンズ界隈からも「選手にこれぐらい打ってほしいと思う成績以上に現役当時に実際打っていた人がコーチしてくれるなんて夢のようだ」という熱い歓迎の声もあがったもの。今季の打撃コーチ2名の安打数と本塁打数を合計した数よりも仁志さんひとりのほうが多いのですから、単純に言えば2倍有能と考えることもできるというもの。「名選手名指導者にあらず」とはよく言いますが、どうせ打てないならせめて名選手に教わりたいと思うのは人情です。少なくとも名選手は「自分ではできた人」なのですから。伝えられるかどうか、言われてできるかどうかはさておき、コーチ自身ができることは間違いないのですから。
↓縁もゆかりもなくてビックリしたそうですが、2002年の日本シリーズは仁志さんの守備に負けたことをよく覚えています!
西武・仁志新コーチ 「ライオンズプライド」取り戻す!最下位から常勝軍団再建へ「言い合えるチームに」― スポニチ Sponichi Annex 野球 https://t.co/PRXiVeWSYQ
— スポニチ野球記者'24 (@SponichiYakyu) November 7, 2024
↓鳥越ヘッドは91敗したことを忘れないように背番号を「91」にしたとのこと!
鳥越裕介氏 来季から西武のヘッドコーチに就任 ファンにたくさん喜んでいただけるように…― スポニチ Sponichi Annex 野球 https://t.co/8LRbiL7UFb
— スポニチ野球記者'24 (@SponichiYakyu) November 12, 2024
来年は92、再来年は93とかじょじょに増えていくシステムですね!
いっそ球団名も「埼玉西武99ers」(※99敗野郎の意)とかに変えていきましょうか!
背番号100に到達するのと呆れて辞めるのとどちらが先か、注目します!
そんなことですから、盛り上がっているFA戦線も「我が事」であるかのように注目しておりました。阪神から主砲・大山悠輔さんがFAすると聞けば「全ポジション空けて待ってたぞ」などと鼻息を荒くし、同じ阪神から原口文仁さんがFAすると聞けば「大山はともかく原口ならいけそう」「埼玉出身だし運命を感じる」「これは順当に入団だろう」などと自分都合の勝手な値踏みをし、相手が欲しがるような選手もロクにいないのに「人的補償が必要ないCランクなのもいいね」などと皮算用をしていたのです。
FAで2名ほど獲得し、現役ドラフトでも何名か獲得し、外国人助っ人も大当たりを何名か獲得し、新人はいずれも即戦力で大ブレイク…みたいな未来を思い描いた夢の時間。FA戦線の動きを伝える記事の出元に対しては信用こそしないものの、「まったく可能性ゼロ」の話だと思っていた者もまたいなかっただろうと思います。「獲れそうだという記事は信用しないが、獲りに行く展開はリアルにあるだろう」くらいには思って昼間から夢を見てご機嫌だったはずなのです。
↓情報の出元としてはまったく信用しないけれど、こういうイメージを持っていたことは否定しません!
西武、FAの大山悠輔と原口文仁のW獲りを画策 後藤オーナーは本気 阪神は悲痛な叫び「巨人だけには行かないで」https://t.co/WcNj1NxgqZ
— zakzak (@zakdesk) November 14, 2024
西武球団幹部の1人は、大山獲得資金捻出の「準備は可能だ。巨人が相手でも勝負できる」と鼻息も荒い。#zakzak
↓たとえ「移籍決定」って書いてあっても廃刊になる新聞を信用したりはしませんが、調査くらいはリアルにしてるんだろうと思っていました!
【今日の紙面から】
— 夕刊フジ運動部 (@yukanfuji_spo) November 14, 2024
西武、FA参戦へ。
阪神・大山&原口「W獲り」#hanshintigers #大山悠輔 #原口文仁 #seibulions #NPB #夕刊フジ pic.twitter.com/tH225QLUYZ
しかし、またしても我々は踊らされていたのです。メディア側もコチラの状況を勘案して、「獲れましたなんてウソついてももう誰も釣れないな」と思い至ったのでしょう。一昨年は「獲れました」のラインでダマされた愚か者たちが、今年はまさか「獲りにいきました」のラインでダマされるというオチだったとは。いやー、人間というのは都合のいい話を愚かにも信じるものなんですね。これを「獲らぬ獅子の皮算用」(※獲る気もないし獲れるアテもないのに獲れそうな希望だけ勝手に抱くの意)と言わずして何としましょう。まさか「獲りにいく」動きすらなかったとは…!
↓潮崎スカウトディレクター(←何だっけこの役職)によれば「今のところ動きはありません」とのこと!
【西武】今オフFA市場の参加見送り 潮崎スカウトディレクター「今のところ動きはありません」 #seibulions https://t.co/79mebSamrS
— 日刊スポーツ (@nikkansports) November 18, 2024
「当初考えてたところはあったんですけども」
「今のところ動きはありません」
「外国人ですね、あとは」
「(FA市場には参加)しないと思います」
オフシーズンも無援護を貫く姿勢!
これでもまだ「外国人=ビシエドだな?」と夢を見つづける界隈には、闇バイトに応募する人みたいなマインドを感じます!
ないないないない!知らない外国人が来るだけですよきっと!
ただ、このぐらいズバッと言ってもらったほうが覚悟も決まるのは確か。補強に頼っている限り、真に暗黒から抜け出す未来はありません。もちろんアラブの石油王でもやってきて、何もかもを一新するというなら話は別ですが(※それをやったのが旧西武)、現実的にあり得る範囲でひとりかふたり獲ったとしても、もはやどうこうなる状態ではありません。一見埋まっているポジションにも代わりの選手はいないのが実情であり、本当に穴を埋めるなら全ポジション埋めるくらいの補強が必要なのが今の埼玉西武ライオンズ。穴を埋めるパーツの流通量よりも穴の数のほうが多いのですから、補強では根本的な解決はありません。自分たちの山に落ちている石を磨いて、自分たちで穴埋めのパーツを作り出せるようにならなくては。
その意味で「コーチ人事に全力」「FA戦線はスルー」は正しい自給自足の姿勢です。無人島生活バラエティのように、あくまでも現地にあるものだけで何とかしようというのが来季以降の埼玉西武ライオンズのあるべき姿であり、当面は「火が点いた!」「泥水が濾過できた!」「昆虫は栄養価が高い」「この葉っぱを貼ると傷の治りが早い」「家はとりあえず屋根があるだけで十分」みたいな自給自足の喜びを胸に、実りの日を待つのが既定路線です。「いいナイフ(コーチ)を携えてあとは自給自足」、それが来季の埼玉西武ライオンズというコンテンツ。サバイバル番組を見る感じで楽しんでいければいいなと思います。「一応チームらしくなったな」くらいのおおらかさで。
そのことを界隈にもしっかり共有してくれたのは、誠実な球団運営だなと思いました。「うーん、アメリカの最新の治療法なら治るかもしれません」と無駄に希望を与えられるよりも「死にますね」ってハッキリ言われたほうが終活も捗るというもの。無人島の漂流者が本気で自給自足を試みるのは「助けは来ない」とわかってからなのですから、「早めにわかってよかった」と思うべきなのです。救援の船が来るかどうかを崖の上で見ているヒマがあったらとっとと畑でも作れと、そういうメッセージなのです。
そのことを界隈にもしっかり共有してくれたのは、誠実な球団運営だなと思いました。「うーん、アメリカの最新の治療法なら治るかもしれません」と無駄に希望を与えられるよりも「死にますね」ってハッキリ言われたほうが終活も捗るというもの。無人島の漂流者が本気で自給自足を試みるのは「助けは来ない」とわかってからなのですから、「早めにわかってよかった」と思うべきなのです。救援の船が来るかどうかを崖の上で見ているヒマがあったらとっとと畑でも作れと、そういうメッセージなのです。
↓補強はこれで終わりです!あとは外国人ガチャ引くだけ!さぁ畑作りだ!
【西武】元ソフトバンク・仲田慶介と入団合意へ 内外野どこでも守れる快足両打ち野手https://t.co/yRp96eQEPc
— スポーツ報知 (@SportsHochi) November 17, 2024
↓記事の内容とはまったく関係ありませんがサムネイルにピッタリなので動画を入れておきます!
「終了」を強調してあってサムネが使いやすい!
「補強終了」「来季終了」などさまざまな意味を重ねていきましょう!
そういうことですので、埼玉西武ライオンズ界隈の皆さまに置かれましては「桃栗三年柿八年」などと唱えながらじっくりと収穫をお待ちいただければと思います。「早く芽を出せ柿の種」「出せねばはさみでほじくるぞ」などと唱えるとさらにいいかもしれませんね。まぁもっとも芽が出て木になって実がついた頃には、猿がやってきて実を持っていってしまうので、そのループから脱出できなければ結局一緒なんですが!
とにかく助けが来ないことがわかって覚悟が決まったのはよかったです!