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2024年12月31日08:00
ありがとう2024年、こんにちは2025年!
今年も無事に大晦日を迎えることができました。例年、そのような思いを抱く日ではありますが、今年は特に強く思います。2024年、日本に住む人にとってとりわけ記憶に残る出来事となった能登半島地震が起きたのは、この幸せな気持ちと甘い酔いに満ちた元日でした。幸せはある日突然、大きな変化を迎えてしまう、そんなことを突きつけられた年でした。痛みとともに明けた年の幕引きを、平穏無事という第一級の幸せのなかで迎えることができていることに改めて感謝したいと思います。
さて、2024年と言えばやはりパリ五輪・パラリンピックでしょう。日本勢の大活躍による盛り上がりと、それをも上回るようなフランス・パリの市民たちの大熱狂に包まれた大会は、東京五輪を見舞った「コロナ禍」へのお返しをキッチリ果たす大大大成功でした。東京を経験した日本選手たちからも「これが本当の五輪だ」という言葉が繰り返し届いた大会期間中、本当の五輪ではなかった東京を担当した開催都市民として悔しさはものすごくありましたが、素晴らしい大会になって心からよかったと思います。
そのなかではいくつもの印象的な気づきを得ることができ、自分自身にとっても成長を感じられる機会となりました。すでに当時書いたことではありますが、芥川賞作家の市川沙央さんのエッセイを通じて得た「『実力』を規制するスポーツの『ルール』は人間のモラルの証明」「公平性という叡智を追求しつづけるパラリンピック」という気づきは、自分の意識にも大きな転換をもたらすものでした。
人間は獣のように生まれ持った身体能力や才能のみを競っているわけではなく、生物としての最大の特長であるところの「叡智」をスポーツという身体能力の競い合いの場にすらも「ルール」「公平性」といった形で導入し、強き者も弱き者も共に競い合えるような環境を築いているのだとイメージできたとき、心も視界も大きく開けるような気分になったものです。
人間は無慈悲な弱肉強食をやっているわけではなく、スポーツは残酷な弱肉強食をやっているわけではなく、生まれ持った素養が違う者たちが上手に楽しく競い合いを楽しめるように知恵を凝らしつづけているのだとイメージできたことで、まだまだスポーツは面白くすることができるし、この趣味を楽しんでいけると実感しました。人間の叡智が終わらない限り、もっと楽しいものがこれからも生まれてくるはずだからです。何となく「死ぬまで野球とか相撲とか見てクダ巻いてる人生なんだろうな…」とは思っていましたが、「リアルにそうなんだろうな」「まぁ楽しそうで結構」と前向きに思えたのはよかったなと思います。この先もまた、楽しみがいっぱいあって嬉しい限りです。
↓パリの皆さん改めまして、ありがとうございました!
個人的な活動の部分では、給料をもらうための仕事が大変忙しく、あまり活発なものにはなりませんでしたが、野球、サッカー、バスケ、相撲、陸上、競泳、競馬、モータースポーツ、そしてフィギュアスケートなどなどさまざまなスポーツの観戦を現地で楽しむことができました。野球だけはほぼ記憶喪失という感じで「何を見たのか、何を見せられたのかまったく覚えていない」「思い出そうとすると脳が激しく痛む」「もしかしてあまりに凄惨な記憶が封印されている…?」みたいな状態なのですが、きっと楽しんだことは楽しんだんだろうと思います。
そのなかでも特にビッグイベントとなったのは1月の佐賀遠征。羽生結弦氏のアイスストーリー2nd「RE_PRAY」を見守るために向かった佐賀の地での印象的な出来事の数々は、この年のことを思い出すにあたって「2024年は佐賀行った年だろ…」から始まる栞のような記憶となるのだろうと思います。真っ暗な農道を通り、犬に猛烈に吠えられながら最終レースに駆け込んだ佐賀競馬場。食べる食べると言いながらついに食べずに終わった透明なイカ刺し。電車の窓から目視したことで「よし見たな」と認定した吉野ケ里遺跡。観光としては不十分な部分もあったかもしれませんが、思い出としては素晴らしい撮れ高でした。
そのような機会を得られたのも「推し」の公演があればこそ。強い理由を抱いて遠くに行く、そういう機会があることはとても嬉しく、それがまた今年も巡ってくるのはさらに嬉しい。新年明けてすぐには広島へと向かい、そこで羽生結弦氏のアイスストーリー3rd「Echoes of Life」に参加する予定でおりますので、また2025年を象徴するような思い出が作れたらいいなと思います。平和への祈りと、生きることへの新たな決意、そんなものを抱きしめることができそうだなと思うと、2025年全体にも好影響を及ぼしてくれそうですよね。一年の計は1月のアイスストーリーにあり、そんな流れが今年も来年も再来年も長くつづくといいなと思います。
そして2025年の活動としては、今年の日本スポーツ界最大のビッグイベントとなる世界陸上東京大会、こちらへ向けて楽しむ準備をいろいろできたらいいなと思います。素晴らしい充実を見せる日本陸上陣による「目の前での金メダル」、そして日本にやってくる世界のアスリートによる「目の前での世界記録」「目の前での歴史的勝負」といった思い出を欲張りに全部獲得していきたいもの。あの2021年に、世界陸連のセバスチャン・コー会長が言ってくれた「お返しがしたい」「日本の誰もが楽しめる時期にまた陸上を持ってくることを約束する」といった言葉たちはどれだけ救いとなるものだったか。
遊戯王カードを爆買いするノア・ライルズが、新たな世界記録を国立に刻み付けるアルマンド・デュプランティスが、何やかんやで銀メダルを持って帰るカールステン・ワーホルムが、フェイス・キピエゴンとシファン・ハッサンとベアトリス・チェベトによる神々の決戦が、愛らしく国立のトラックを周回するフェムケ・ボルが、日の丸を掲げ君が代を響かせるハルカ・キタグチが、東京で目の前で見られる。存分に楽しませていただかなくてどうしたものか。失われし東京五輪の真の開会式プランを甦らせるくらいの意気込みで思い出を奪還していきたい、そう思います。いやもう、本当に甦らせてもいいんじゃないですかね!
↓開会式で「All my treasures」歌うのは2007年にやったんで、そっちの復刻は大丈夫です!
とまぁ、旧年の振り返りと新年の予定を考えていたら何だか興奮してまいりました。未来が楽しみで元気や勇気が湧いてきました。まだまだこの胸には楽しむ気持ちと情熱がある、そんなことを確認して2024年を締められるのですから今年も満点の一年だったんだろうと思います。憂いなく、楽しみだけがあり、月曜日が楽しみな子どものように、2025年をワクワクして迎えられるのですから。ひとつ年を取って、まだ未来が楽しみなのは、悪くないですよね。
世界はどんどん技術が進化し、「ちょっとキレイな絵」や「ちょっとスゴイ動画」「ちょっと整った文章」程度は人間が手を動かすまでもなくAIが生み出してくれる現代です。早晩、物語や音楽もAIによって創造される時代が来るでしょう。しかし、スポーツは永遠にAIに置き換わってしまうことはありません。人間がこの肉体でやるからこその不条理や限界や衰えが、AIが立ち入れない面白さを担保しつづけてくれるエンターテインメントがスポーツなのです。
たとえAIが野球やサッカーやバスケや相撲の「理想の答え」を見つけ出す日が来ても、今この瞬間にそれができるかどうかは別問題。理想通りできない人間だからこそ、凝らすべき叡智や追求すべき工夫が残りつづけるというのは、とても奥深くて魅力的だなと思います。そうしたものを楽しむのだと思うと、日々感じる限界や衰えさえも愛すべき友だちなのかなと思います。そのなかでどうやってこれまで以上に元気に楽しく暮らしていけるのか、それが人生における腕の見せ所だなと。そんな気持ちで前向きにまた一年を重ね、もっと上手に生きられるようになれたらいいなと思う年の瀬なのでした。
さて、毎年恒例の2024年に僕をもっとも楽しませてくれた選手に送りMVP賞についてですが、現地に行ったわけでもないのにここで挙げるのはなかなかの異例だなとは思いますが、パリ五輪・パラリンピックを素晴らしい盛り上がりのなかでやり遂げてくれた「パリ市民」の皆さんにお送りしたいと思います。パリの皆さんが持っていたサイズだと我が日本では傍迷惑になるのでそのまま模倣はしませんが、あのデカイ顔を持ってくる応援スタイルはどこかで機会があればやってみようと思いました。楽しそうで何よりでした。
それでは皆さま、2025年も元気に楽しく年を重ね、さらに上手に生きられるようになって2026年へと向かっていきましょう。
2025年は身近なところで大きな痛みや悲しみなく、大筋でのほほんと過ごせる一年になるよう祈ります!
Reliving a summer of Olympic firsts! 🎉
— The Olympic Games (@Olympics) September 30, 2024
The Champions Park allowed global fans to meet their Olympic heroes in the shadow of the iconic Eiffel Tower at Paris 2024. 🤩 An unprecedented concept in the history of the Olympic Games.@Deloitte | #TheFirstEffect | @Paris2024 pic.twitter.com/37KvlmfqvL
「Echoes of Life」広島に備えて荷造りと旅のしおり作りでも始めますかね!