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やっとベラジョンの仕組みを理解しました!

最近オンラインカジノで身を持ち崩すのが大流行しております。東京五輪男子卓球団体で銅メダルメンバーとなった丹羽孝希さんが単純賭博容疑で書類送検されたり、令和ロマンの高比良くるまさんら吉本興業所属のタレント10人弱の面々が任意で事情聴取を受けているなどの話も出ており、にわかに「過去が自分に襲い掛かってくる」という事例が続発中。この界隈の頂点に立つ一平も要するにオンラインカジノ沼にハマったことを考えると、これは決して他人事ではない危険性があるなと震え上がりました。

個人的にはギャンブルについては馬・船・自転車・バイクを少々嗜んでおり、「馬ですら信用できないのに人間が作った機械やサイトなど信用できるか」と心の深いところで実感しておりますので、オンラインカジノに手を出したことも出す気も毛頭ないのですが、それでもこれだけの普通の人が手を出している現状を見ると明日は我が身と思います。先日も友人との新年会で向かった雑居ビルで、エレベーターを降りるフロアを間違えたら美女とイケメンが飲みながらブラックジャックやっていたなんてこともありました。甘い危険はいつもすぐそばにある。皆さまもどうぞオンラインカジノ、賭けゴルフ、賭けマージャン等にはお気をつけください。

さて、そんなオンラインカジノの話題が出るたびに思い出すのはベラジョンです。一時期、元サッカー日本代表の吉田麻也さんをCMに起用し、サッカー日本代表戦の合間などに流れていた「ベラジョン」なる絶対にアヤしいあのオンラインゲームサイト。直観の時点で「近寄ったらダメなヤツ」と確信していたので、遠巻きに「あー出ちゃった」と思いながらCMを見て笑っていただけだったのですが、何故アレがあんなに堂々としていたのか今さらながらに気になってしまったのです。

↓何でこんなに堂々としていられたんだろう…?



↓何でDAZNでメイキングとか配信して堂々としていられたんだろう…?



↓何でワールドカップの会場にも進出するくらい堂々していられたんだろう…?



このベラジョンのCMはすでに放映されてはいませんが、この話題が持ち上がった段階でもスポーツ配信サイト「DAZN」内では「BeeBet」とかいう別のオンラインゲームサイトのCMに元サッカー日本代表の岡崎慎司さんが出演されていたりするなど、スポーツ中継からオンラインゲームサイトへの誘導は盛んに行なわれている模様です。身を持ち崩した人が実際どのサイトでやっていたのかは定かではないものの、これらのサイトで引っ掛かった人もなかにはいるのだろうと思うと、いたたまれない気持ちになります。サッカーとか野球が好きだっただけなのに、こんなことになってしまうなんて……!

で、何故こんなに堂々としていられるのかを改めて調べますと、そもそも外国にはこうしたオンラインカジノが合法である国もあったりしつつ、日本向けに有名サッカー選手が告知しているのはオンラインカジノではなく「●●無料版」という合法のオンラインゲームサイトだったのだと理解しました。CM中にも小さくて薄くて白い文字で「無料版」という但し書きが入っていますが、このベラジョンであったりBeeBetであったり遊雅堂であったりクイーンカジノであったりカジ旅であったりというのは「合法の無料オンラインゲームサイトを盛大に告知し」「同じ名前のオンラインカジノサイトへと誘導する」という流れで人々を沼に誘うカラクリのようなのです。

例えばベラジョンで言えばベラジョン無料版は「verajohnfree」というドメインで運営されていますが、オンラインカジノであるベラジョンカジノは「verajohn」という別のドメインで運営されているなど、無料の国内合法サイトと有料の国内違法サイトをかっちり分けているのです。おそらく運営会社からして別になっているのでしょうし、試していないのでわかりませんがアカウントもまったく別のものなのでしょう。アカウントが一緒だったら「コッチのサイトは無料で合法なんで」と堂々としていられないはずですからね。

じゃあ別にいいじゃんご利用は計画的に…となるかと言うとそうではなく、まずそもそも「ベラジョン無料版」と「ベラジョンカジノ」が別のサイトだなんてCMを見た人は認識していないわけです。しかも紛らわしいのが、「ベラジョン」で検索して真っ先に出てくるのは無料版のほうではなくオンラインカジノのほうなのです(※CM打ってるほうが出ないという逆SEO的な現象)。ベラジョンは完全無料で合法なんだろうとだけ思ってサイトを開いた人は、その段階でうっかり有料のほうを先に見ていたりすることも十二分にあるでしょう。しっかり「無料版」まで入れて検索する人なんて多くないと思いますからね。ていうか、BeeBetに至っては一生懸命無料版のサイトを探しているのですが、いまだにどこにあるのかよくわかりません(BeeBetは無料版サイトがないのかな?)。

そこにさまざまなインフルエンサー的な動きも加わり、さらに誘導は強固なものになっていきます。気になったけどためらっている人が「ベラジョン 違法」などで検索すると出てくる解説サイトには、「ベラジョンの運営元は合法の国にあるので違法性はありません(※日本でプレイするのが合法とは言ってない)」「キュラソーライセンスを保持しています(※キュラソーライセンスって何?)」「すごく危険なサイトということはありません(※安全とは言ってない)」「グレーゾーンと言えるでしょう(※シロとは言ってない)」などのギリギリの言葉遊びを繰り出しながら、合間合間にオンラインカジノサイトのほうへの誘導バナーを差し込んでくるのです。合法だと信じたい人が「無料版は安心なんだなヨシ!」と思って飛んだ先にはオンラインカジノが待っている…引っ掛かるのが間抜けと言えばそれまでですが、ちょっと判断力が鈍っているときなどはうっかりダマされることもあるのではないかと思います。外国籍の豪華客船に乗って日本の領海外で遊ぶとか法を守って遊ぶのは面倒くさいですが、オンラインはとっても手軽なので気軽に沼にハマれそうですしね!

↓「アカウントが乗っ取られました」「事実と異なる内容が多い」などにつづく「違法とわからず反省」構文!


↓同じ銅メダルメンバーでも合法の相場で負けてる水谷隼さんはさすが遵法精神が高い!



このような仕組みだと理解すると、合法のほうの知名度や安心感の醸成に一役買うことも限りなくブラックなのではないかと今さらながらに思えてきます。僕もよもや引っ掛かる間抜けはいないだろうと思いながら「ベラジョンwww」などとあのCMを笑っていたことについては、一歩先への想像力を欠いていたことを反省するばかりです。CMと実態が全然違うアプリ(ラストウォー:サバイバルとか)のCMに出演するよりもさらに一段よろしくないところに吉田麻也さんなり岡崎慎司さんなりが出演していることに対して、「吉田の話は信じないでください!」くらいの警鐘は鳴らさなければいけなかったなと思います。サッカー界隈の皆さんはもちろんご承知だろうとは思いますが「へー、日本代表、すごーい」みたいな人が世間の大半であることをすっかり失念していたのは僕としても大きな落度でした。申し訳ございません。

昨今は「悪をスポンサードすることや悪を起用することも悪に加担するEvilな行為」とみなす向きが強まっています。たとえばフジテレビにCMを出稿すると、悪に加担する側と認定するような風潮が。その感覚で言えば、CMに出演するのはその企業の活動なり商品なりを支持・支援する行為であるわけですから、知らぬ存ぜぬイノセントというのは通用しなくなっているのではないかと思うのです。CMとは、その人のイメージや信頼を商品のイメージや信頼へと転換する行為なのですから。信頼できる有名人が美味しいと言ったからその商品はきっと美味しいんだろうと消費者は思うわけで。本当にあなたが出演している暗号資産取引サイトは大丈夫なところなのか、本当にあなたが出演しているウォーターサーバは大丈夫なところなのか、本当にあなたが出演している育毛剤は大丈夫なところなのか、自分自身でもしっかりと確認し、その企業や商品への理解を深めたうえで広告に出演することは有名人の責任の一端であろうと思うのです。

大きなチカラを持った者は、そのチカラを正しく使わなければならない。

アスリートと言えば「有名で人気者なのに緩い」みたいに思われがちなところがありますので、各位十分に意識を高めていただき、アヤしいサービスに加担しないようご留意いただければと思います。

頼まれたら・もらえるお金を計算して・CMに出る、ではなく、

サービスや商品に・心から賛同したから・CMに出る、へ。

若い世代がどんどんダマされやすくなっている気がする現代社会において、有名人にはそういった姿勢も求められる…僕はそう思う者なのです。CMのような大きなオファーを受ける際は、自分と家族とでみっちりそのサービスや商品を試してから検討するくらいしたって、バチは当たらないと思いますからね。「CMに出てる本人がオンラインカジノにハマって書類送検された」のであれば、Evilだなとは思いつつも「あぁ本当にイイと思ってたんだな」とある種の誠意は感じるかもしれませんね!

↓なお、ベラジョン無料版のラジオCMは、フジサンケイグループのニッポン放送CMグランプリを受賞したとのことです!

里崎智也さんが「いいですね〜」って言っているなら大丈夫だな!

って、普通の素直な人はなるんですよね!

有名人には素直な人を守る義務がある、そういう時代だと思います!



「吉田か…」「里崎か…」で察することができる人は大丈夫だと思います!