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ついにWINNERになりました!

毎日働くこととか毎日会社に行くこととかこの暮らしがこのあと何十年もつづくこととかに憂鬱になっている新入社員の皆さん、おはようございます。皆さんは今時点では「いつかこの暮らしにも慣れるのだろうか」くらいのボンヤリした明るい未来を見ているかもしれませんが、基本的に今のその気持ちはずっと継続しますし、大抵は悪化します。自分のあふれる才能で自他ともに認める成功をおさめたキラキラした人だけがその気持ちに囚われることなく、あーだこーだと高所大所から「働く喜び」とか「生き甲斐」とか「自分の成長」とかのご高説を説いてくる世界が死ぬまでつづきますので、どうぞ死ぬまで頑張って生きてもらえればと思います。

とまぁ、そんな嫌がらせ風味の事実を言い出したのは、僕自身が今大変憂鬱な気持ちで過ごしているからです。これが厄年というヤツなのかもしれませんが、2025年は大変辛く厳しい失敗の年となっております。もちろん毎日ご飯を食べてテレビ見てスマホをいじっているので「それで充分幸せ」と感謝すべきではあるのですが、平年と比べるとやはり凹んでいるなと思うのです。僕は「何にも起きないようにできるだけ何にもしない」というスタンスで人生を生きているのですが、そんななかでも生きるための必要に迫られてやっている仕事であるとか、私生活であるとか趣味の活動であるとか、多少の活動はあるわけです。その各所で、ネンイチあるかないかレベルの大失敗が立てつづけに起きており、心の逃げ場がない大殺界的なことになっております。失敗への後悔で身悶えているのが風化する前に「次の失敗への後悔での身悶えが始まって結果的に前の案件を忘れる」という感じの連鎖が起きており、率直に言ってあまり元気がありません。隙あらば「3億あればなぁ…」みたいな愚痴がこぼれる不安定情緒を抱えている次第。

そんななか、月曜日が来る前に少しでも楽しい気分を補充しておこうと、スポーツ観戦に繰り出したというのが週末の流れでした。野球は埼玉西武ライオンズが福岡に遠征中であることと、仮に行っても余計憂鬱になりそうなのでまず却下。サッカーは最近ちょっと気になっているFC町田ゼルビアの試合を、自称「天空の城」とやらまで見に行こうかと思ったものの「パワハラ臭がすると月曜日が憂鬱になる」と思い直して却下。競馬は土曜の夜中に海外のレースを見ておりまして、途中までは賭けも調子よかったのですが、最後の最後のドバイワールドカップで「世界よ見ろ!」くらいの気持ちでフォーエバーヤングという馬の馬券をしこたま買いましたところ、しこたま外れまして競馬引退を決意したため却下。とにかく、ラクで何にもイヤなことが起きない案件ということで熟考を重ねまして、ご近所開催のバスケBリーグで楽しい気分になろうと思い至った次第です。

↓ということで、渋谷から徒歩圏にある青山学院大学でバスケBリーグの試合を見ることにしました!

近くて、オシャレで、時間が大体決まっていて、特にイヤな気分になる要素がない…弱った身体を重湯で癒すような気持ちで向かったサンロッカーズ渋谷のホームゲーム。渋谷駅から街歩きなどしながら現地に向かえば、道中もコンプライアンス意識高そうな人しか歩いておらず、とても爽やかです。若いお姉さんを指名してビールを買う馴れ馴れしいオジサンとか、オジサンと罵り合うオジサンとか、ストロングゼロを印籠みたいに掲げて歩くオジサンとかが一切おらず、小さな子を連れている清潔感のあるオジサンだけがときどきいる。そういうのを見ると「こういう世界でいいんだよ」と思いつつ、「あれ?疲れて憂鬱なオジサンが排除されるターンが来たのかな?」と現実が迫ってくる感じもして、またひとつ「現実を忘れながら生きる」ことの大切さを噛み締めます。気にしない、気にしない。

そんな迫りくる現実さえもバスケの楽しげな雰囲気は忘れさせてくれます。試合開始ギリギリで会場入りすれば、すでにそこは熱狂的な盛り上がり。あまりの熱気でブワーッと汗が出てくるほどです。「すごい熱気だな!」と思っている僕の横を「めちゃ暑くなーい?」と学生風のグループが通り過ぎていったときには、単に会場が暑いだけだったのかとシュンとなる気もしましたが(←夢から醒めることへの耐性が弱っているのですぐにシュンとなる)、いやいや実際熱気もすごいものがありましたよ。スタンドはビッシリ埋まって立ち見客がコンコースを取り囲んでいますし、売店からポップコーンの匂いが立ち込めてアメリカにでも逃げてきたような気分にもなりました。甘いポップコーンの匂いで、雫が垂れるように少しずつ元気も回復していきます。

↓賑わっていて楽しそうで元気が出る!
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↓DJが会場を盛り上げるなど、オシャレ空間で元気が出る!
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煌びやかな演出のもと選手入場など見守りまして、早速試合を楽しむわけですが、それにあたり少しだけ楽しさのドーピングをすることに。手元のスマホでポチポチと、スポーツくじWINNERを購入しまして、勝ち負けに若干の意味合いを持たせることにしたのです。もちろん、そこに注力し過ぎると「負けて不愉快」とか「損して不愉快」とか余計な凹みが発生しますので、一口200円の最小単位まで、それも放っておけば消えてしまう期間限定ポイントを消化しての購入とし、「誰かにもらった宝くじ」くらいの気分で見られる範囲の投票をしたわけです。

この日の対戦はサンロッカーズ渋谷と仙台89ERSによるものでしたが、前日土曜日の対戦ではサンロッカーズが83-51の32点差で勝っておりました。ここまでの戦績などを見ても、勝ち負けで言えばサンロッカーズのほうが勝つだろうと見立てまして、さてどれぐらいの点差で勝つのか、そこを思案しました。そこには願望と言うか、「いいことも悪いこともそんなに連続しないはず」という祈りのようなものを込めて、前日よりは接戦となる「サンロッカーズ渋谷の10〜14点差勝ち」に投票することに。根拠も予測も特にありませんが、あまりに僅差の予想をすると「点差がついて早めにハズレ確実」になりそうですし、あまりに大差の予想をすると「点差がつかずに早めにハズレ確実」になりそうだったので、競っていても大差でも残り数分でどうとでも転がりそうな範囲の予想で試合時間いっぱいまで楽しむことを目指した感じです。

すると、試合はそんな希望的観測に寄り添っていい感じで進行していきます。第1クォーターの立ち上がり、いきなりサンロッカーズが連続得点で9-0とすると、そこで築いたリードが微増減しながら、ほぼ平行線でスコアが動いていくではありませんか。両チームの戦いぶりなど見ると、サンロッカーズは人がよく動き、ボールもよく回り、中央にドッシリと構えたジョシュ・ホーキンソンさんから視野の広いパスが配給されて、スリーポイントなどもよく決まります。89ERSはそれを警戒するあまりか目先のボールにふたりで絡んでいったりするのですが、結果的にボールは取れず相手にフリーの選手が生まれるという悪循環。その「動きの少なさ」みたいなものが攻撃のほうでも停滞を生んでおり、単独のドライブとかビッグマンがゴール下で頑張るとかシンプルな攻撃が多く、マークがついた状態でタフなシュートを打たされる場面が目立ちます。リバウンドで頑張ってカバーしてはいますが、ちょっと全体的に確率が悪い感じの攻守です。

「これはシーソーゲームはなさそう」
「勝ち負けで言えばサンロッカーズだろう」
「ただ終盤は疲れも出るだろうし」
「メンバー的にも最後はさらに差がつきそう」
「となると1桁点差で終盤まで推移して」
「最後にピュッと差がついて」
「10〜14点差でおさまるのが理想」
「よーし両方頑張れ!」

そんな思考で両チームを応援する思考となり、精神衛生的にも大変よい観戦になっていきます。どちらかがシュートを決めれば相手方にも決めろと祈り、どちらかがシュートを外せば次はディフェンス頑張れと励まし、まるで競技そのもの試合そのものを愛する人のような態度で、ひたすら平行線を祈りながら均等な応援をつづけます。その甲斐あってか第1クォーター終了時点では、「最初のランでついた9点差」をおおよそ維持する21-13の8点差となりました。うむ、このまま終盤までいって、最後にピュッといけばイイ感じなんじゃないでしょうか。

↓第1クォーター途中にはTHE JET BOY BANGERZのHINATAさんによるシュートチャレンジも!
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シュートは惜しくも決まりませんでしたが、それはそれでよかったと思います!

「全部決まる」「最後決まる」「全部外す」あたりがウケる展開ですからね!

第2クォーターは一時16点差まで広がる場面もありますが、89ERSもギアを上げて食い下がります。ジワジワ点差を詰め返すと、前半終了間際にはスリーポイントでのバスケットカウントなども生まれて38-33の5点差まで点差を詰めてきました。第3クォーターはお互いにシュートが決まらないロースコアでの平行線となり、ほぼ状態変わらず49-42の7点差で最終第4クォーターへ。この頃には、まさに思い描いた通りの理想の展開で「当たるのでは…?」「何かすごい上手くいってる」「人生もこんな感じならいいのに」と興奮も高まってきました。競馬で言えば最後の直線200メートルで買ってる馬だけが抜け出したときのような気分です。あとは最後、フィニッシュだけ!

↓文脈よくわかりませんでしたが、幕間には楽しい寸劇もありました!
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↓この日の観衆は3905名、大盛況でした!
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そして迎えた第4クォーター、5点差〜10点差のあたりをフラフラしていたスコアをグッと当たり方向に動かしてくれたのは、最終的にこの日のMVPにも選ばれたトロイ・マーフィージュニアさんでした。8点差で迎えた残り1分43秒でのスリーポイント、そしてその直後のジャンプシュート2点を決めて、ついにスコアは69-56の13点差に。いずれもホーキンソンさんからの長いパスを受けてのものでしたが、この日の両チームの得点差を象徴するようなプレーで、ついにスコアは当たり圏内に入ってきました。

このあとに89ERSが2点決めて、残り51秒で69-58の11点差。追い上げる必要がある89ERSは終盤ファウルゲームを仕掛けるわけですが、ここでマーフィージュニアさんが1本だけ決めて「残り45秒で70-58の12点差、89ERSボール」となったときは、久々に脳から喜びの物質があふれ出てくるような恍惚を味わいましたよね。だって、ここからどちらが2点取っても当たり圏内は変わらないわけじゃないですか。89ERSが追い上げの2点を取っても当たり圏内は変わりませんし、よしんば3点を取っても当たりまではわずか1点です。

で、89ERSの攻めがどうなろうが、リードしているサンロッカーズは焦って攻める理由などないので、もう時間を削りに行くわけじゃないですか。ショットクロックを使い切ってからシュートを打って決まってもいいし、使い切る前にファウルで止められたらそれはそれでフリースローが1本か2本決まればいいし、何と言うか「もうどう転んでも当たる未来」が見えてきたのです。やがて残り5秒とかでサンロッカーズが「攻める気ゼロのボールまわし」を始めたときには、僕自身も勝利のガッツポーズをしましたとも。「やったー!」と高笑いして歓喜のタイムアップを迎えるあの気持ち。いやー、失敗と後悔と反省のなかで忘れていたものを久々に思い出すことができたような気がしましたよね。小さな小さな喜びですが、一応スポーツくじWINNERに関してはコレが人生初当たりでしたし!

↓僕を勝利…当たりへと導いてくれたトロイ・マーフィージュニアさんの活躍!


↓当たり圏内を維持したまま最後にボールまわしをした数秒、最高にいい気分でした!
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↓初めて見ましたがコチラの投票サイトでは当たるとこんな画面が出ました!
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820円の払い戻しでこんなに喜ぶのもアレですが、1試合の時間分お祈りしていたことが、祈った通りに現実になると、「上手くいくこともある」という人生への希望もわいてくるから不思議だなと思います。思った通りにならず「上手くいっていればあんな未来があったのになぁ」と思うこともあれば、そうでないこともある、「両方ある」と思えただけでも十分に嬉し過ぎる出来事でした。いい感じの点差におさめてくれた両チームに感謝しつつ、また今週も頑張っていけたらいいなと思います。特に大きなニュースはない試合ではありましたが、個人的には思い出深い試合になりました!



こんな感じで、人生にもたまには「思い通りに上手くいく回」が来ますように!