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連休前に最下位奪還!

ゴールデンウィーク大型連休に入られた皆さま、おめでとうございます。僕は給料をもらうための作業が忙しく、「来週は単に火曜日が休日なだけの平日」という扱いで、特に連休感のない黄金週間序盤を迎えております。そんな僕を尻目に「今年はもうこんなもんでエエやろ…」と休業モードを宣言したのが埼玉西武ライオンズ。

25日の試合ではエース・今井達也さんを先発に立て、9回まで2-0でリードし、盤石リレーでクローザー・平良海馬さんまでつなぐゲーム運びを見せながら、そこから悪夢のような守備の乱れと投手の乱れと打線の不存在によって最終的には2-6で逆転負けとなりました。この敗戦と他球場の結果により、無事に埼玉西武ライオンズは定位置の最下位を奪還し、2025年のシーズンを事実上終えることとなったのです。今シーズも熱いご声援本当にありがとうございました。

↓今シーズンのターニングポイントになりそうな一戦でした!



「今年は意外にやれるんじゃないか」などと春風に酔っていた埼玉西武ライオンズ界隈。一時は貯金1の単独3位なんていうポジションに浮上してしまったことで、「やっぱり去年のは悪い夢だったんだ」「稼頭央とナベQから解放された西武は強い」「CSいけるでぇ!」などと盛り上がってしまっておりました。並行して発表された「12球団年俸調査で総額・平均値・中央値いずれも西武が最低」というニュースすら、「コスパがいいってこと」「マネー・ボールみたい」「浮いたお金でミストがつくね♪」とポジティブ解釈できるほど界隈は上機嫌でした。

しかし、じょじょに漂う暗黒面の気配。今季最長の4連勝を飾った4月19日をピークに、チームはジワジワと本来の姿を取り戻し始めます。4月20日、初回の1点以降打線が沈黙し、投手陣も12被安打の1-3敗戦。4月22日、初回の1点以降打線が沈黙し、守備だけが自慢の選手が守備でやらかす×2による延長逆転負け。4月23日、初回先頭打者ホームランに始まり2点を先行するも以降打線が沈黙し、先発もキレイに燃え上がり、力負けの2-5敗戦。「パ・リーグの内規で西武に先に1点ハンデやること」と決まってでもいるかのような展開に恵まれながら、連勝分をすぐさま放出していくチーム。「あぁ、オンラインカジノとかもこうやってちょっと勝たせてからかっぱぐんだな」と妙な納得感を覚えるなか、約束された未来は近づいてきていました。

そして迎えた連休前25日のオリックス戦。我が方は悲運のエース・今井達也さんを立て、必勝態勢で臨みます。すると、その今井さんを後押しするように、初回3安打で1点という非効率的な攻撃でハンデ相当の先制点をもらいうける打線。「よーし、あとは今井が完封するだけだ」と勝ちゲームのムードを早くも漂わせます。

その期待に応え好投する今井さんに、さらなる吉報が届いたのは6回裏。西武は3安打で無死満塁のチャンスを築く非効率的な攻めを見せると、そこからボール球振りまくった末の内野ゴロ(本塁アウト)⇒(1割打者の代打に1割打者)⇒セカンドライナー(二死)⇒四球(+1点/ガッツポ)⇒ライトフライ(チェンジ)という怒涛の攻めで1点をもぎ取ったのです。これには「よーし、あとは今井が完投するだけだ」と勝ち確ムードさえ湧き上がってきたほど。

結局、今井さんは7回を117球無失点で投げ抜きました。これにより4月の月間防御率は驚異の0.30となり、1961年稲尾和久さんによる球団記録に並んだとのこと。4試合30イニングで失点・自責点はわずかに1。普通に考えれば月間MVP確実という素晴らしい投球内容ですが、ここまでの成績は2勝止まりと結果だけ見ると微妙な感じも。何とか今日3勝目をあげて、球団が報いてくれない分まで大樹生命からお金をもらってほしい…そんな気持ちで見送る見事な登板でした。

↓西武を脱出できたらドジャースでたくさん稼いでくださいね!


しかし、そうは問屋が米を卸さない。勝利の方程式リレーでつないだ9回表、相手方の最後のはずの攻撃。金で説得されてしぶしぶ中継ぎをやっているクローザー・平良海馬さんは先頭打者に二塁打を許すと、次打者にも二塁打を打たれ、一死も取れぬうちに1失点を喫します。ベンチからまんじりともせずに見つめる今井さんは「前の椅子蹴らないだけでもえらーい」くらいの声を掛けてあげたいような顔をしています。虚無、顔が虚無です。

一死を取ったあと、指名打者のディアスさんを打席に迎えた場面で、悪夢のライオンズピタゴラスイッチは起こります。平良さんがアウトコースに大きく外れるワンバウンドのボールを投じると、それをキャッチャーの古賀悠斗さんがこぼし、走者が三塁を狙って走ります。完全に間に合わないタイミングなのに三塁に悪送球するキャッチャーと、当然のごとくそれを取れないサード。後逸したボールのカバーに向かったショートは、フェンスに跳ね返るクッションボールをさらに後逸して自分がフェンスに突っ込んでいます。結局そのボールはレフトが捕球することになり、二塁にいた走者は本塁まで帰ってきました。まさかの同点、悪夢の同点、オンラインカジノ並みの理不尽同点。これで今井さんの3勝目は消えました。月間MVPも消えたかもしれません。3月・4月で2勝の先発がリーグMVPなはずがないですからね。

ベンチに座る心を失くした顔の今井さんと、そのすぐ後ろで誰とは言わねどニッコニコの談笑が行なわれているこの空気感。おお、これぞまさに暗黒面に支配されたベンチの姿。僕ならキッと振り向いて「あそこでお前が打ってりゃまだ勝ってたんだぞ」くらい言うところですが、それをしないのは本当にえらーいと思います。ごほうびにヒマワリの種か何かあげたいところ。メジャーの夢を見ながらカリカリかじってもらえたらいいなと思います。

↓走者止まってるのにクッションボール逸らしたところとか味わい深いですね!


「それ投げたとて変わんなくない?」
「急いで取ったとて変わんなくない?」
「なら余計なことしないほうがよくない?」

上手い下手だけの問題ではないからこそ暗黒面が際立つ象徴的失点!



もうこうなれば結果は見えたようなもの。僕が会社で「今日はもうダメだ」「身体が連休に入りたがっている」「全部放り出して帰ろう」と思ったのと同様に、埼玉西武ライオンズも試合とシーズンを投げ出しに掛かります。迎えた延長10回表、往生際悪くも勝ちパの一角である佐藤隼輔さんをマウンドに送り込んだ西武。しかし、肩を作っただけでも金もらいたいくらいの気分で臨む連休前の無駄な延長戦で、そんなにいいボールが投げられるわけもありません。「左手で投げときゃそんな打たれねぇだろ」くらいの不用意さで何となく真ん中に投じた初球ストレートをオリックスの若月健矢さんが叩くと、ボールはグングン伸びてスタンドイン。ビックリしましたよね。「え!?若月に打たれたよ?」「え!?若月もう今季2本塁打目?」「ウチ誰も2本目打ってないALL ONE打線なのに?」って。

たかが1点差ではありますが、こちとら無死満塁からでも1点取ってガッツポで攻撃を終えるようなチームです。延長に入っての1点差はもはや致命傷。いや「傷」ではなく「致死」です。そういう意味では、1点取られたあとさらに満塁にされて、走者一掃の3点タイムリーツーベースを打たれたことは、大した影響はない出来事だったかなと思います。1点ビハインドでも4点ビハインドでも、どっちみち負けてたと思いますので。もちろん最後の攻撃は三者凡退でポポポーンと終わりまして、埼玉西武ライオンズは見事に2-6で敗戦。無事に最下位奪還となりました。

今季は負けるにしてもそこそこ頑張った末の負けというのが多かったもので、界隈も比較的穏やかでしたが、いよいよ本領発揮という感じがしてまいりました。これ以上ない展開で、自分たちにできることをしっかりとやり、期待の選手を順番に繰り出し、そのうえでアホみたいなことをして負ける。そこで生まれる不協和音や諦観、意欲の減退、個人主義の増長、非難の応酬、相互の不信感…そういった人間の弱さに暗黒面が忍び寄ってからが真価が問われるターンです。

心を暗黒に支配されないよう無の境地…「マイナスにいかずにゼロで止める」の精神で頑張ってもらえたらいいなと思います。こんな試合のあとでもサッサと家に帰らずに、一応ベンチから出てきて、一応帽子取って、一応首を動かして、ご来場のファンに一応挨拶した今井さんのように。ホント、僕なら「普通のバットと魚雷バットでどっちのほうが痛いか試してみようぜ」ってバット二刀流で荒れ狂うような試合のあとでも、心を虚無で止めたのはえらーいなと思いました!

↓26日の隅田さんを負けさせられたら、9連敗までは射程圏ですね!

8回まで投げて勝ってれば、勝てるかもですね!


「大型連●」を見て「大型連敗」が浮かぶあなたは暗黒面に囚われています!