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2025年05月25日08:00
大横綱になる前の最後の姿を見ました!
本日はお出掛けの記録です。毎年この時期恒例ではありますが、大相撲五月場所の観戦に行ってまいりました。最近はすっかり相撲人気も高まっており、富裕層による需要やインバウンド需要なども非常に旺盛なため、僕のような零細好角家では千秋楽のマスを抑えるのは極めて困難になってきました。その人気ぶりに目を細めつつ、「まぁ優勝争いの決着は見られなくても、その熱気だけ感じられればいい」と思っての14日目観戦です。
なのですが、いやービックリしましたよね。優勝争いが終わってて。千秋楽までもつれるどころか、週末土曜日の14日目まですらもたずに13日目での優勝決定となろうとは。まぁ、それも納得です。今場所の大の里は本当に強かった。得意の右差しの型はもちろん、左のおっつけも強く、難敵・若隆景を相手に右の上手で投げ勝った一番もありました。自分の型を持ちつつ、さらにそれを広げていくような成長途上のこの感じ、今がピークではなくさらに伸びていきそうなスケールの大きさを感じさせる強さでした。
何より身体がいい。大きく、太く、強いあのスケールたるや。頑張って筋肉をつけたり体重を増やしたりするとどうしても歪な身体になりがちですが、大の里の場合いは「もともとサイズ感が違う別の民族」くらいの自然さを感じさせます。無理なく相手を制することができるこの身体が、相手の懸命の当たりさえ余裕をもって跳ね返し、だからこそ相手の狙い澄ました引きも落ちることなく余裕をもって踏み止まれる。全開までエンジンを吹かさなくても戦えるだけの巨大な地力が、横綱としての安定感をもたらしてくれるだろう…そんなことを思います。とにかく強かった。
まぁこの強さを前にしては13日目に優勝を決めてしまったとしても致し方ないでしょう。ほかの力士が誰か1敗とか2敗で追走してくれよとは思いますが、横綱・豊昇龍が序盤に2敗した時点で、この結果は不可避だったかなと思います。全勝ペースについてこれる力士がいるとかいないとかは、正直コチラとしても期待薄とは思っておりますので。まぁせめて12日目に伯桜鵬ではなく霧島か大栄翔を当てるとか、琴櫻VS豊昇龍を先に消化して琴櫻戦をなるべく遅らせるとか、是が非でも週末まで優勝決定を持ち込もうとする姿勢は見せてほしかったところですが、どうやったところでという感じはしますからね。強い横綱の誕生、大横綱への飛躍、期待して見守ろうと思います。
↓ということで、「大横綱前夜」を見守るべく国技館にやってまいりました!
優勝争いは決着しているということもあって、のんびりモードで訪れた国技館。初場所の際はQRコードチケット専用の入口を通されて若干寂しい気分にもなりましたが、今回はQRコードも正門から通していただけるとのこと。おなじみの親方もぎりゲートにはQRコード読み取り端末が設置されており、僕もそこでしっかりと親方にQRコードを読み取っていただきました。ここまで来ると「親方必要かな?」「僕が端末にコードかざせば別に誰も見てなくてもいいような」「当日のプログラムも勝手に取りますし」って気もしてきますが、親方グリーティングこそがこの「もぎり」の価値ですので、そこに4人も親方置く必要があるかないかは一旦考えず、読み取りグリーティングを楽しんでいこうと思います。
↓QR読み取り親方とのグリーティングを堪能してきました!
入場後はまずは散策の時間です。しかし、今回は世情と運営のダブルパンチで非常に残念な散策となることに。まず立ち寄ったのは大相撲ファンクラブ会員が無料で参加できるクジですが、前回は参加賞でもカレンダーをいただけた嬉しいクジだったのですが、今回は何と参加賞はステッカーだと言うじゃありませんか。大相撲特有のドンブリ勘定の気前のよさみたいなものを長年感じてきた身からすると「大相撲よ、お前もステッカーでいいってことに気づいてしまったか」という気持ち。そのイベント参加するかしないかの境目を超えるギリにある景品はステッカーだという最適化の波、ついに大相撲にも到達したようです。
↓まぁステッカーいただけるならもらうんですけどね!
その後、館内の売店やら土産物やらをチェックしていくわけですが、ここでも残念が続発。まず記念の運試しとして何回かまわそうと思っていた大相撲ガチャでは、人気の力士アクリルスタンドガチャが欠品のため終了してしまったと言います。最後の週末までガチャの景品がもたないとはどういうことかと、僕も心のデンモクを振り上げることに。ほかのラインナップは座布団とかのぼりとかリストバンドとかもうひとつ食指が伸びないモノたちだったもので、用意しておいた100円玉はすごすごと財布に引き返すことになりました。
ただ、その100円玉は再び財布から飛び出しまして、恒例の国技館地下ちゃんこ購入代金となるわけですが、ここでも何とも残念な出来事が。折からのインフレ、燃料費・材料費高騰の影響でしょうか、お値段自体は据え置きながらも、これまでよりもカップがひとまわり小さくなるというサイレントちゃんこ値上げが敢行されていたのです。腹具合での比較となりますが、初場所の際に比べると体感で半分くらいなんじゃないかという容量の減少。オシャレなラーメン屋みたいに、底のほうが細くなったまやかしカップで食べるちゃんこは、もはやそれのみで昼食とはなり得ないサイズ感です。
遥か遠い昔には、ドンブリ一杯のちゃんこが250円とかで食べられたというのに、いよいよ「観光地の食事としては安め」というお得感まで後退してきてしまったか。ちゃんこ自体のお味も、やけに甘くて旨味が少なく、微妙な仕上がりでしょんぼり。このあたりはネタ元である高田川部屋で実際にこの味が好まれているのか、これで合っているのか、聞いてみたい感じでした。玉ノ井部屋が国技館地下ちゃんこにソーセージとベーコン入れて出してきたときも「ポトフじゃん!」とは思いつつポトフとしては美味しくいただいたものですが…ちょっと微妙なお昼となりました。
↓これが令和7年五月場所のちゃんこ!
↓これが令和7年初場所のちゃんこ!
直径自体が小さくなって、さらに底が細くなってる感じ、箸との比較でわかりますかね!
よく見ると器に対する盛りも少ないような!
世知辛い世の中です!
その後もいろいろなものの値上げに直面し、恒例の国技館立ち食い寿司を前にしても「米も高いしなぁ」「ましてや寿司ともなれば」「1貫だけ頼む心の強さがあればいけるかもしれないが…」などとうなだれることの連続。まぁせっかくの相撲観戦なのですから景気よく遊んだらいいって話ではあるのですが、値段に心がまだ追いついていない部分もあって、お土産として干し芋を買う程度のだいぶ節約モードでの散策となりました。このあたりはまた今後、激熱の優勝争いで高揚した気分の日にトライしていこうと思います。
↓節約ということではないんでしょうが、優勝力士への表彰にも牛じゃなくてコンビーフが追加されました!
散策を終えて本番の相撲観戦へ。幕内では13日目の優勝決定となっていましたが、十枚目は優勝争いのまっただなかということで見守りますと、星の差ひとつで追っていた若碇が敗れ、この日の取組で草野が勝てば十両優勝が決定する流れになっておりました。すると、草野はこの大事な一番を一気呵成の攻めで制して、十両優勝を決めます。草野はすでに西の十両筆頭まで番付を上げてきておりますので、来場所の新入幕は間違いないところ。まだざんばら髪の若き力士が幕内でどんな活躍を見せてくれるのか、楽しみに見守りたいと思います。「優勝争い」を見られて大変よかったです。
↓若きチカラがどんどん上がってくるのはいいですね!
で、幕内に入れば、ハタと気づいたことが。大の里の幕内土俵入りを僕が見るのはこの日が最後になるだろうなということに気づきまして、その姿を目に焼き付けることに。これから横綱土俵入りは何度も見ることになるのでしょうが、幕内土俵入りはもう見る機会もなくなりますので、逆にレアな体験になるのだろうなと思います。去年の初場所に新入幕だった力士が、1年半後には横綱ですからね。師匠は12年くらい幕内土俵入りやってくれたんですけどね。弟子の成長は早いものですね。
↓座席位置的によくわからない感じになりましたが、僕が見る最後の「大の里幕内土俵入り」です!
↓豊昇龍の横綱土俵入りも初めて見ました!
その後はノンビリと大相撲観戦を楽しみました。優勝争いの渦中だと、観戦中の話題も優勝争いの展望であるとかが中心になるものですが、その話題がないぶん目の前の取組ひとつひとつに心が向くところもあり、これはこれでいいものだなと思います。中盤には宇良と玉鷲が土俵上で数秒睨み合うような取組もあり、大いに盛り上がりました。睨み合いのなか、宇良が上から仕掛けるようなフェイントを見せて実はタックル狙いというあたりなどは、まさしくレスリングの攻防のようで、そういう意味では決まり手も「寄り切り」というよりは「場外で1点」という感じの一番。玉鷲のやられたーという顔が、あの数秒で交錯した互いのいろいろな思考を感じさせるいい相撲でした。
↓この日一番の熱戦でした!
最終盤には注目の大の里の取組も。少し気が早いお祝いにも見える「横綱ホテル」の懸賞旗も出るなかでの大栄翔との取組は、今場所で一番危うい感じとなりました。立ち合い、珍しく当たり負けするとちょっと引き技にいってしまう大の里。安易な引きは相手に攻め込む隙を与えかねないものですので、見ている側としても一瞬ヒヤッとしましたが、大栄翔の追撃を反応よくかわして体を入れ替えると、何とか押し出しての14連勝。本人は「一番一番」「場所がまだ終わっていないので」とは言いますが、横綱になると決まった翌日ですので、まぁ多少のドタバタがあっても仕方ないでしょう。それでも勝って、千秋楽に全勝への挑戦をつなげたのですから大したものです。
↓早くも横綱の文字が躍る大の里の取組!

↓少しヒヤッとしましたが勝って14連勝!

↓結びの一番では横綱・豊昇龍が琴櫻を問題にせず11勝目!

すでに文句なしでの大の里の横綱昇進は決まっていますが(断言)、ここから本当の大横綱になっていけるかという意味では、「東西横綱による千秋楽結びの一番」という意識で豊昇龍との取組に臨み、しっかりと全勝優勝を決めてもらいたいところ。豊昇龍も意地を見せたい場面でしょうが、今場所のここまでの展開からすれば、「豊昇龍の意地」に止められるようでは大横綱としてはいけないだろうと思います。
師匠からも「(負けた場合は)全部が無駄になる」というやたら厳しい指導が飛んでいるようですし、ズバッと全勝優勝を決めて師匠越えを果たしてもらいましょう。師匠は13連勝くらいしたあとにコロコロ負けて「全部無駄にする」をリアルに何回もやってきた御仁でしたので、「普通こうなったら全勝なんです」「親方の終盤戦の挙動がおかしかっただけです」「親方が全勝優勝できなかったのは親方の心の問題であって自分には関係ないです」と安心させてあげてほしいなと思いました!
↓一回も全勝できたことがない師匠だからこその、一回やっておけの厳命!
二所ノ関親方、弟子・大の里に15勝全勝を厳命「(負けた場合は)全部が無駄になる」/夏場所https://t.co/iZ7txVctyR #sumo #相撲 #五月場所 #夏場所#大の里 が2場所連続優勝で横綱昇進を確実としてから一夜明け、師匠の #二所ノ関親方=元横綱稀勢の里=が会場で取材に応じた。
— サンスポ (@SANSPOCOM) May 24, 2025
一回できれば、何回もできると思いますからね!
師匠ももっと早く1回優勝していれば、10回くらい優勝したと思いますもの!
新横綱誕生を受けて、14日目のマスを取るのも難しくなるかもですね!