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何をもって「市民」なのか概念が問われる今!

待望の報せが届きました。かねがね通年のアイスリンクを増設工事中と聞き及んでいた仙台市アリーナさんより、リニューアル開館記念イベントの情報が発表されました。アイスリンクの増設を祝うように執り行われる、仙台市ゆかりのフィギュアスケーターによるアイスショー「The First Skate」。こちらにはゆかりの人として羽生結弦氏も出演されるとのこと。素晴らしい新章の幕開けとなりますよう、まずはお祝い申し上げます。

↓このあくまでも「市民の」施設という雰囲気がイイ!

誰かの公演ということではないですからね!

仙台市のスポーツ文化発展に寄与する新たな施設の完成祝いですから!

どうしても写真を入れるなら建物の外観ですかね!



仙台市の発表によると、7月5日開催「The First Skate」のチケット販売はローソンチケットを通じて行なわれ、6月1日より順次情報を公開していくとのこと。1時間予定の公演とのことで演出・演目等は限定的になるのでしょうが、チケット価格は3000円〜8000円とアイスショーとしてはかなりお安めの設定となっております(常設!通年!)。募集にあたっては仙台市民先行抽選として1700席を抽選販売ののち、一般抽選として886席(予定)の抽選販売を行なうという話ですので、まずは仙台市の皆さまの文化施設として、この装いを新たにしたアリーナを市民の皆さまにご覧いただきたい…そんな真摯な想いを感じます。

もともとこの地にはバスケBリーグ・仙台89ERSのホームアリーナとしても使われているゼビオアリーナ仙台(仙台市アリーナ)というアリーナがあり、そちらを改修して国際規格に沿った通年アイスリンクの増設およびBプレミアリーグの基準に対応するための観客席の増設などを行ない、改めてもう一度ゼビオアリーナ仙台という同じ名前をつけている流れだとのこと。2012年の開館以降の歴史をそのまま継承してさらに発展させていく、まさに市民のアリーナなわけです。今回の改修の目玉はアイスリンクの増設ですので、開館記念にアイスショーを実施するのはごく自然な流れではありますが、幕開けの栄誉をしっかりと受け止めて観戦したいもの(←自分が行ける前提の言い方/信じることからすべては始まる)。

↓通年のリンクがあったうえで断熱フロアを置いてバスケやコンサートができるようにするという画期的施設!




さて、正式発表を受けてどう動いたものか、本日の本題はそこです。開館予定日は事前に公表されておりましたので、「きっと何かあるだろう」と踏んでホテルなども手配をしておりました。同じような動きをされていた方からすると驚きの価格かもしれませんが、7月5日(土)宿泊で仙台市内のカプセルではないホテルを8000円台で抑えている僕の動きは、なかなかの手練れと言って差支えないでしょう。同じ動きをされている方からすれば、「どこの宿でどのプランです!?」と聞きたくなるくらいの話であろうと自負しております。

しかし、ここにきて大きな壁、いや限界に直面しました。それは僕が仙台市民ではないということです。想定から抜け落ちていたものの、この施設の理念を踏まえて考えれば当然至極と言える仙台市民先行抽選という形式。むしろ、抜け落ちた想定をハメ直せば、オープニング公演は全席「市民枠」でもよかったくらいですので、886席(予定)も仙台市外に振り向けてくれたことには心から感謝をしなければいけないでしょう。仙台市の情報には「チケットの追加販売やリセール対応」といった記載もあり、ステージ・機材設営の詳細が決まった段階でいくばくか追加席なども出していただけるものと見込まれますので、リセール等々も含めてのべ1000人分ほどにもなるであろう枠をいただけたことは市外の人間としてもありがたい限りです。

ただ、「ありがたい」と「狭い・険しい」は両立するわけで、その狭き門をどうやってくぐり抜けるか、そこは真剣に考えねばなりません。僕も考えましたし僕以外の人も考えたであろう「仙台市へ引っ越して市民になるか?」案についても検討いたしました。しかし、この案は決然と却下しました。現実由来ではなく理念由来の決断です。確かに現実として今すぐ東京を引き払うのは片付け的に難しいですが、昨今はリモートワークなども広まっておりますので、現住居を残したまま新居を構える引っ越しは可能と思います。会社もまさか僕が仙台で働いているとは思いますまい(←気づいたら怒られるだろうが…)。個人的に仙台市には数年居住経験がありますし、何なら今でも心の故郷と思っているくらいですので、「昨日Uターンしてきた生粋の仙台市民です」「サボるときに行く場所は榴岡公園」「給与振り込みは七十七銀行でお願いします」くらいの地元風を吹かせることもできると思います。しかし、はたしてそれがこのアリーナの理念に叶うものか。

遠方のお客さまをお呼びすることも大事にはしつつも、やはりまずは地域の皆さまの支えあってこそのスポーツ文化でしょう。開館以来それを支えてきたわけでもなく、このアリーナをキッカケに未来のスケーターとなるわけでもなく、これから熱心な89ERSブースターになるわけでもないだろう自分が、住所を移しただけでこの記念の日にお招きされる仙台市民に該当するのかと言われると、それはナイなと思います。住所さえ仙台市になっていれば心の奥底まで市側にはわからないとしても、自分自身に嘘はつけません。僕にできるのは実家の両親に「今すぐ仙台に引っ越せ」「仙台市の実家にUターンするぶんには僕も即時仙台市民な気がする」「実家が仙台で現住所が仙台ならどう考えても市民」と実家ロンダリングを画策することくらい。偽装市民転居策は真摯な心で捨てざるを得ないなと思います。

真っ当にいくとすると、追加&リセール込みで市外枠が最大1000人ぶん程度あったとしてですよ、同じ宮城県で開催しセキスイハイムスーパーアリーナを埋めた「RE_PRAY」ツアーや「notte stellata」のことを考えれば最低7000人は会場に「リアルに行く人」がいるわけで、そこから仙台市民1700人を除いたとしても倍率5倍超。それらの公演では複数日にわたっての開催だったので連日参加の人の存在を勘案しても「リアルに行く人」は2倍〜3倍はいるでしょうから倍率10倍〜15倍。そしてそもそも「RE_PRAY」や「notte stellata」では多くの落選が出た末の満員御礼ですので落選者がザックリ倍いるとしても倍率20倍〜30倍といった激戦が見えてきます。これはチケット剛運マンを自認する僕でも、ちょっと当たる気がしません。最終的に5万人当たる倍率30倍なら粘りと工夫と知識と経験で何とかなる部分があったりするのですが、純粋に少ない枠の一発勝負の高倍率、これは厳しい。

ただ、それも含めて挑むことがお祝いなのかなと思います。

このアリーナの未来が華やかで実り多いものになるよう、まずはハチャメチャな高倍率と圧倒的な熱気でお祝いをしたいなと思うのです。全国でも数が限られる通年のアイスリンクを新たに設けるという仙台の人々の決断を祝う門出は、「倍率がえらいことになってます!」「ぶっちゃけ翌週もやったほうがよさそうです!」「毎週閉店している布団屋みたいに毎週開店しましょう!」と嬉しい悲鳴が上がるくらいに大わらわになってこそめでたいというもの。スン…と始まったらここまで尽力してきた人も「あれ?そんないらんかったか?」ってなるじゃないですか。もちろん本番は今後の若きスケーターたちの育成・飛躍にあるとしても、最初はお祭り騒ぎになってこそじゃないですか。そのお祭りの部分はむしろ市外だからこそ担えるところがあるのかなと思ったりもします。

なので、市外だからといって極端な尻込みはせず、強い気持ちを持ってこの狭き門に挑み、当然のごとく落選ののち、配信決定の報せがあればそれに沸き(※最初から予定していない場合今からの追加はかなり難しいかもだが…)、公演の日には現地なのか自宅なのかホテルなのかどこかで会場あるいはSNS等を盛り上げ、楽しい喧騒を作っていければいいなと思います。すでにホテルも抑えていますし、誰が行けなくても僕が行きますの気持ちではいるのですが、落ちたら落ちたで「こんなに落ちてるんだ!すごい!作ってよかった!」と仙台市の人やこの施設の実現に尽力した人に思ってもらえるように悶えられたらいいなと思います。そしてゆくゆくはバスケ勢・コンサート勢ともチカラを合わせまして、「そもそも100万都市仙台に固定1万席規模のアリーナがないのはオカシイ」「増築して座席数を増やそう」「次回の建て替えでは最初から1万席で作ろう」といった機運へとつなげる1票になれたら、巡り巡って僕も仙台市のスポーツ文化発展にも寄与できるのではないかと思います。

この日に限らず、また仙台を訪れる機会はあるでしょうし、いつかリアルなUターンで文字通りの市民となる未来もあるかもしれません。だから初日でなくても、いつか、何度も、このアリーナを訪れる機会はあるはず。ゼビオアリーナ仙台を見るという新しい仙台観光の目的も生まれましたし、上手く日程が重なればこの会場でバスケを見るなんてパターンもいいかもしれません。「通年リンクの上でバスケやると薄っすら寒い?寒くない?」みたいな素朴な疑問も、いつか確かめられたらいいなと思いながら、機会を探っていこうと思います。とにもかくにも、ゼビオアリーナ仙台の新たな開館、おめでとうございます!

↓改修前のゼビオアリーナ仙台には以前立ち寄らせていただいたことがあります!
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↓アリーナ周辺のkhbさんやゼビオスポーツさんなどには羽生氏サインもたくさんありましたが、また見たいですね!


一帯がどう変わっているのか楽しみです!

新生アリーナにも記念のサインなど置いておいていただけると見に行く推し活にもよさそう!



通年のリンクということは、空きさえあればフレキシブルに使えるということ!